JPH0376671B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、特許請求の範囲第１項の前提項に従
うオフセツト印刷機のインキ装置におけるインキ
のプロフイルに応じた湿し水の調節装置に関す
る。

［従来の技術］ 現在のオフセツト輪転印刷機においては、印刷
された図柄の品質の総合的に向上させるため、イ
ンキと湿し水のバランスを版の幅の各々の区域に
おいて最適にすることについて苦心が払われてい
る。

特願昭58−92583号公報は、インキ装置ローラ
と接触する親水性の測定ローラを備えて、測定ロ
ーラの全幅にわたつて測定ローラ表面の湿し度を
検出し、検出された湿し度に基づいて、インキ薄
膜における湿し水の割合を補助湿し装置により変
える装置を開示している。

これにより機械の幅全体にわたつて可能な限り
一様なインキと水のエマルジヨンが得られ、また
機械の作業開始時の運転条件にも好影響がもたら
される。各インキローラはまた湿し水を供給する
ローラであり、その湿し水の量はインキ装置の形
状、構成、したがつて個々のインキローラがどこ
に位置するかを通じてインキ上刷り方法および場
所的に変動する温度の影響を受けることを裏付け
るためにまず確認されたことは、版が湿し装置の
領域に入る所においてインキ層中の湿し水の割合
が特に大きいことである。このことはこの領域に
おいて実際に特に大量に湿し水の供給が行われる
から当然のことと言えるが、なお調べてみると、
版の出口部、すなわち版胴の回転方向に見て最終
の位置にあるインキ着けローラの領域においてイ
ンキ層中の湿し水の割合がかなり大きくなつてい
ることがわかつた。

［発明が解決しようとする課題］ したがつて、本発明の目的は、通常行われる湿
し装置における区域毎の湿し水の調節のほかに、
簡単な手段を用いて区域ごとに湿し水の量に影響
が及ぶようにしてインキ装置の各区域においてイ
ンキに含まれる湿し水の量を付加的に調整するこ
とである。

［課題を解決するための手段］ この目的は特許請求の範囲第１項に記す本発明
の特徴項によつて解決される。

［作用］ これによつて得られる利点は、各々の区域につ
いて湿し水過多の状態が把握でき、簡単にこれを
排除できることである。この解決法の基になつて
いる認識は、１つの親水性の測定ローラの外套面
の温度を高めれば湿し水の蒸発が多くなり、した
がつてインキ中の湿し水の割合を減少させること
になるということである。

特許請求の範囲の従属項は本発明の有利な発展
態様を示し、それらは種々の影響因子、すなわち
熱、インキ上刷り方法、インキその他に敏感な適
応ないし制御することを可能にする。

［実施例］ 以下、図面を参照しつつ本発明を詳しく説明す
る。

第１図に示すインキ装置では、一部がケーシン
グ２中にあり、ゴムのインキローラ５の外套面と
接触して回転する、たとえばクロムあるいはアル
ミニウムのローラである親水性の測定ローラ１が
設けられている。ケーシング２内には、測定ロー
ラ１の回転方向に見て、測定ローラ１がインキロ
ーラ５と接触する位置よりは後方に、測定ローラ
１の幅方向に分けられた各区域について測定ロー
ラ１の外套面上の湿し水の付着の度合を検出する
センサー３が設けられている。これによつてすべ
ての区域においてインキと湿し水の状況が最も正
確に把握される。さらに、測定ローラ１の回転方
向に見て、センサー３より後方に、測定ローラ１
の外套面を加熱する熱源４が測定ローラ１と平行
に前記各区域毎に設けられている。熱源４は取付
け具１１によつてケーシング２に取付けられてい
る。測定ローラ１はインキローラ５を経て横振り
ローラ６と接触している。この横振リローラ６は
なお、版胴１２の上を転動する２つのインキ着け
ローラ７および８に接触している。

第２図において詳細に示すように、センサー
３、熱源４はそれぞれ制御装置１０、温度調節装
置９に接続されている。温度調節装置９は熱源４
のオンの時間を調節信号にもとづいて調節する。
制御装置１０は、センサー３から測定信号を入力
し、測定ローラ１上の湿し水の付着の度合が所望
の度合になるように前記調節信号を温度調節装置
９に出力する。個々のセンサー３がインキ中の湿
し水の割合およびよごれを把握し、これが区域ご
との温度の調節に利用される。

版胴１２において汚れが起る、すなわち水マー
ク生成限界に到達する前に湿し水の調節動作が始
まることになる。測定ローラ１はゴムの各インキ
ローラに設けるが、版胴１２の回転方向に見て最
終位置のインキ着けローラ８の領域に設けるのが
有利である。

第３図に示すよく知られた印刷機の概観図にお
いて、ゴム胴１３が版胴１２と圧胴１４の間に設
けられていることが示されている。湿し装置１５
は、版胴１５の回転方向に見てインキ装置１６よ
りは手前に配置されている。測定ローラ１はこの
実施例ではゴムのインキローラ５に付属している
が、たとえばゴムのインキローラ１７あるいは１
８に付属させてもよい。

測定ローラ１上での湿し水の状況を理想化して
図示したものを第４図に示す。存在する水の量に
対応して区域ごとに熱源４のオンの時間がセンサ
ー３での測定結果に応答して温度調節装置９内の
タイミング回路によつて変えられている。測定ロ
ーラ１では版胴１２により常に幾分温度が高いの
で、汚れが起るのもこちらの方が早い。第４図は
熱源４のオン／オフの種々の場合を示している。
ここで、横軸は変量「時間」を、縦軸は熱源４の
オンの場合を「ｍ」、オフの場合を「ｎ」という
ようにして示している。図のＡは２つの状態を示
しており、この場合それら個々の区域では測定ロ
ーラ１上での水の量が過小である。それに対応し
て熱源４は全然オンにならないことかあるいは短
時間しかオンになつていない。それと同時に湿し
水の供給が全体として増やされ、なお代案の場合
ではインキ装置の冷却も強化される。図のＢは湿
し水の供給がインキ上刷り方法、機械の発生熱そ
の他の要因との関係において正常である場合を示
す。ここにおいても熱源４のオンの時間がそれぞ
れ異る３つの状態を示しており、区域によつてこ
のように異りうるのである。この場合も熱源４が
オンになつていると測定ローラ１の上でよごれが
起る。運転するにつれての機械の温度上昇によつ
て、インキと湿し水の平衡は熱源４のオンの時間
によつてのみ調整される。図のＣの場合は、測定
ローラ１の上にある湿し水の量が過多であり、そ
の結果、熱源４がオンの時間が実質的に延びてい
るが、それと同時に、測定ローラ１上の状態を図
のＢの状態に戻すために、さらに湿し水の供給が
全体として減らされることとなる。この場合、た
とえば特定の印刷インキを用いる場合ならば、図
のＢのような熱制御を優先して与え、それを基に
して調節が行われるようにできる。

ここに示した実施例は可能なただ１つのもので
はない。熱供給の調節は周波数を変えての輻射強
度の変更によつて行うこともできる。また、たと
えばインキと湿し水の平衡を正常に保持するため
区域別の冷却を行うことも考えられよう。さら
に、この装置を印刷機の他の場所に設ける可能性
もある。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明は、ゴムの測定ロー
ラの外套面上の湿し水の付着の度合を検出し、測
定ローラの湿し水の付着の度合が所望の度合にな
るように熱源により測定ローラの外套面を加熱す
ることにより、通常行われている湿し装置に区域
毎の湿し水の調節に加えて、インキ装置の領域に
おいてインキに含まれる湿し水の量を付加的に調
整することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のインキ装置の概略図、第２図
は測定ローラ１上で測定を行い、そこでの温度を
変えるための装置の概略図、第３図は印刷機の側
面の概略図、第４図はインキローラ５上での種々
の湿し水の割合を示す図である。 １……測定ローラ、２……ケーシング、３……
センサー、４……熱源、５……インキローラ、６
……横振りローラ、７，８……インキ着けロー
ラ、９……温度調節装置、１０……制御装置、１
１……取付け具、１２……版胴、１３……ゴム
胴、１４……圧胴、１５……湿し装置、１６……
インキ装置、１７，１８……インキローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 版面の全幅にわたつて一様な厚さのインキ／
   湿し水層を版胴に供給する、オフセツト印刷機の
   インキ装置におけるインキのプロフイルに応じた
   湿し水の調節装置であつて、 １つのゴムのインキローラ５の外套面と接触し
   て回転する親水性の測定ローラ１と、 前記測定ローラ１の回転方向に見て、前記測定
   ローラ１が前記インキローラ５と接触する位置よ
   りは後方に設けられ、前記測定ローラ１の幅方向
   に分けられた各区域について前記測定ローラ１の
   外套面上の湿し水の付着の度合を検出するセンサ
   ー３と、 前記測定ローラ１の回転方向に見て、前記セン
   サー３より後方に前記測定ローラ１と平行に前記
   各区域毎に設けられ、前記測定ローラ１の外套面
   を加熱する熱源４と、 前記熱源４の温度またはそのオン時間を調節信
   号にもとづいて調節する温度調節装置９と、 前記センサー３から測定信号を入力し、前記測
   定ローラ１の外套面上の湿し水の付着の度合が所
   望の度合になるように前記調節信号を前記温度調
   節装置９に出力する制御装置１０とを有する、オ
   フセツト印刷機のインキ装置におけるインキのプ
   ロフイルに応じた湿し水の調節装置。 ２ 前記測定ローラ１と共働するゴムのインキロ
   ーラ５が、版胴１２の回転方向に見て最終位置の
   インキ着けローラ８に備えられている横振りロー
   ラ６に接している特許請求の範囲第１項に記載の
   装置。 ３ 前記熱源４はパルス状にオン／オフされ、湿
   し水の量が規定から逸脱した場合、前記熱源４の
   パルス状のオンの時間を長くあるいは短くする特
   許請求の範囲第１項または第２項に記載の装置。