JPH0375021B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は射出成形機のノズルのシヤツトオフ機
構に関するものである。

（従来の技術） 従来、射出成形機のノズルのシヤツトオフ機構
としては、ノズル内に設けられたニードル弁をス
プリング力あるいは油圧力でノズル先端口に押し
付けてシールする方式が広く用いられているほ
か、特開昭48−37460号公報には射出室とノズル
先端口との間に貫通孔を有する円柱形のロータリ
ーバルブを配置し、油圧シリンダーによりこのロ
ータリーバルブを、その貫通口の両端部が射出室
及びノズル先端口に接続する位置と射出室ならび
にノズル先端口から遮断される位置との２位置間
で回動させるようにしたシヤツトオフ機構が開示
されている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、セラミツクと樹脂の混練材等よ
うに高硬度の粒子を含む原料を成形する場合、ニ
ードル弁方式ではニードル弁の摩耗あるいはニー
ドル弁の圧接により生ずる先端口の摩滅により短
期間にシール機能を失つてしまう。また原料の変
更時に前の原料が残存して混入すると機械的ある
いは電気的特性に不具合が生じるが、ニードル弁
方式は機構が複雑なため、分解掃除に多大の労力
を要しかつ完全な原料除去が困難で、残留異種原
料が混入して良好な焼結品を得ることができなか
つた。同様に前記特開昭48−37460号公報に開示
されたロータリーバルブ方式にあつても上記した
原料を使う場合にはロータリーバルブの外周面あ
るいはこのロータリーバルブを嵌合した案内ブツ
シユの摩耗が著しく、この種原料の成形には適し
ていない。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記問題点に鑑み構造簡単にして長期
間シール機能を保持しうるロータリー式シヤツト
オフノズルを提供することを目的とする。

かかる目的に沿う本発明の構成は内部に貫通口
を有し、ノズルの先端口へ溶融原料を導く通路内
に回動自在に嵌挿した円柱形のロータリーバルブ
と、該ロータリーバルブの外周面に前記貫通孔を
はさんで巻着した一対のポリテトラフルオロエチ
レンからなるＯリングと、前記ロータリーバルブ
の端部に着脱自在に固着したリンクと、該リンク
に連結した油圧シリンダー装置とを備え、該油圧
シリンダー装置により前記ロータリーバルブを回
動して前記貫通孔の両端が前記通路に接続する位
置と前記通路から遮断される位置との間で切り替
え制御することを要旨とする。

（作用） 本発明によれば、油圧シリンダー装置によりリ
ンクを介して連結したロータリーバルブを回動さ
せ貫通孔の両端が通路に接続する位置と通路から
遮断する位置との間で切り替え制御して通路を開
閉する。そしてポリテトラフルオロエレンのＯリ
ングにより、溶融原料が通路を通つて先端口から
噴出する際、射出圧力でノズルとロータリーバル
ブとの間の間隙から漏れ出るのを防止する。この
ポリテトラフルオロエレンのＯリングは耐熱性及
び耐摩耗性に優れているので長期間シール機能を
保持する。またロータリーバルブの端部に取り付
けたリンクを外せばロータリーバルブを通路から
簡単に抜き出すことができる。

（実施例） 以下に本発明の実施例を図面に従つて詳述す
る。

ノズル１は射出成形機シリンダー本体２０に固
定され外周部に保温用ヒーター２Ａ，２Ｂが巻か
れている。ノズル１の内部にはノズルの先端口１
Ａへ溶融原料を導く通路３がありその中間部分に
通路３を開閉するためのロータリーバルブ４が挿
入されている。このロータリーバルブ４の内部に
はその軸心に直交する貫通口２１が設けられると
ともに両端には原料の漏れを防止するためのポリ
テトラフルオロエレンのＯリング１９，１９が挿
入及び押さえのための金属リング１８，１８で固
定される。更にロータリーバルブ４の端部にはリ
ンク５，５がはめ込まれ、そのはめ込み部分は角
形にしてあるのでリンク５の回転がロータリーバ
ルブ４に伝達される。リンク５，５は座金１７，
１７及びナツト１６，１６でロータリーバルブ４
に着脱自在に固定され、ロータリーバルブ４をノ
ズル１内に挟持する。尚ロータリーバルブの材質
は摩耗防止のため工具鋼を用いるが、ノズル１の
材質より硬度を低めとしてかじり防止及びノズル
摩耗防止を考慮してある。リンク５，５の下端に
はナツト２２，２２により連結軸２４が固定さ
れ、この連結軸２４に間座２３，２３とともにロ
ツド６Ａが軸着してある。更に長さ調節可能に分
割されたロツド６Ｂ，６Ｃを介してリンク５は油
圧シリンダー装置７に連結され、油圧シリンダー
装置７はフランジ８及び固定棒１３によつて射出
成形機シリンダー本体２０にしつかりと固定され
る。但し固定棒１３に対する回転の自由度は設け
てある。

本実施例は以上の構成よりなり、次にその作用
を述べる。

射出開始信号により油圧シリンダー装置７が作
動してロツド６Ａ，６Ｂ，６Ｃが前進し、リンク
５が約55゜回転し、それに伴つてロータリーバル
ブ４も時計方向に回転する。そしてロータリーバ
ルブ４の貫通口２１の両端が通路３を連通し、射
出成形シリンダー本体２０内で溶融されたセラミ
ツクと樹脂の混練原料が射出圧力によつて押し出
され通路３及び貫通口２１を経てノズルの先端口
１Ａから金型内に射出される。その際の射出圧力
によつて原料はノズル１とロータリーバルブ４の
間の間隙より漏れ出そうとするがこれはポリテト
ラフルオロエチレンのＯリング１９により防止さ
れる。その後所定時間経過した後、再び原料の溶
融が開始されると同時に信号により油圧シリンダ
ー装置７は後退し、ロータリーバルブ４を反時計
方向に回転させて貫通口２１の両端を通路３から
完全に切り離して遮断するので、金型内からノズ
ルへ原料が逆流するのを防止するとともにノズル
１を後退させて原料を溶融する際、ノズル先端口
１Ａから原料が漏出するのを防止する。

一方、異種原料成形のための材料替えを行う場
合、セラミツクは機械的、電気的特性を維持する
ために射出成形機シリンダー本体２０内及びノズ
ル１内の残存原料を完全に除去して異物混入を防
止する必要があるが、その際はナツト１６及びナ
ツト２２を緩めてリンク５を取り外し、ノズル１
内よりロータリーバルブ４を引き抜いて清掃する
ことにより、残存原料は完全に除去され、原料へ
の異物の混入を完全に防止できる。

（発明の効果） 本発明によればノズル中間部にロータリーバル
ブを設け、原料漏れを耐熱性及び耐摩耗性に優れ
たポリテトラフルオロエチレンのＯリングで防止
し、更にそのロータリーバルブを着脱自在のリン
クを介して油圧シリンダー装置で回動させる構造
とすることにより長期間に渡るシール機能の保持
が可能となるとともに分解掃除が容易で残存原料
を完全に除去できる。これにより原料への異物混
入による機械的、電気的特性の不具合を防止する
ことが可能となり、セラミツクと樹脂の混練原料
等の射出成形に用いるに極めて好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるノズルの部分断面図、第
２図はその要部拡大断面図である。 １……ノズル、１Ａ……ノズルの先端口、３…
…通路、４……ロータリーバルブ、５，５……リ
ンク、７……油圧シリンダー装置、１９，１９…
…ポリテトラフルオロエチレンからなるＯリン
グ、２１……貫通口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内部に貫通口２１を有し、ノズル１の先端口
   １Ａへ溶融原料を導く通路３内に回動自在に嵌挿
   した円柱形のロータリーバルブ４と、該ロータリ
   ーバルブ４の外周面に前記貫通孔２１をはさんで
   巻着した一対のポリテトラフルオロエチレンから
   なるＯリング１９，１９と、前記ロータリーバル
   ブ４の端部に着脱自在に固着したリンク５，５
   と、該リンク５，５に連結した油圧シリンダー装
   置７とを備え、 該油圧シリンダー装置７により前記ロータリー
   バルブ４を回動して前記貫通孔２１の両端が前記
   通路３に接続する位置と前記通路３から遮断され
   る位置との間で切り替え制御されるよう構成した
   ことを特徴とする射出成形機におけるロータリー
   式シヤツトオフノズル。