JPH0373919A - 液晶光学素子の製造方法及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶光学素子の製造方法及び液晶表示装置

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JPH0373919A
JPH0373919A JP20962689A JP20962689A JPH0373919A JP H0373919 A JPH0373919 A JP H0373919A JP 20962689 A JP20962689 A JP 20962689A JP 20962689 A JP20962689 A JP 20962689A JP H0373919 A JPH0373919 A JP H0373919A
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light
temperature
optical element
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JP20962689A
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English (en)
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Hiroshi Hasegawa
長谷川 浩士
Tomonori Korishima
友紀 郡島
Satoshi Niiyama
聡 新山
Yutaka Kumai
裕 熊井
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野] 本発明は透過散乱型の液晶光学素子の製造方法及び液晶
表示装置に関するものである。
[従来の技術] 近年H,G、 CraigheadらがAppl、 P
hys、 Lett、 。
40(1) 22(1982)に開示したように、液晶
の屈折率異方性を生かして、樹脂の硬化物のマトリック
ス中に液晶物質を分散させた液晶フィルムを一対の電極
付き基板間に挟持した液晶光学素子が注目されてきてい
る。これらは具体的には、液晶物質を多孔体に含浸させ
たり、液晶物質をマイクロカプセル中に封入したりした
液晶フィルムを使用し、電圧印加の有無により液晶の屈
折率を変化させ、マトリックスを構成する多孔体やマイ
クロカプセル外壁との屈折率を調節することにより、透
過と散乱とを制御するものである。
この液晶フィルムは、偏光板を用いることなく原理的D
S(動的散乱)モード、PC(相転移〉モードがもつ欠
点を克服することが可能であり有用な方法である。
これらは、ほかにJ、 L、 Fergasonらがポ
リビニルアルコールを使ってマイクロカプセル化したネ
マチック液晶の液晶フィルムにより(特表昭58−50
1631号)、またに、N、 Pearlmanらは種
々のラテックス取り込み液晶の液晶フィルムにより(特
開昭60−252687号)、またJ、 W、 Doa
neらは、エポキシ樹脂中に液晶を分散硬化させたの液
晶フィルムにより (特表昭61−5021284)作
成している。
これらの方法により作成された液晶フィルムを用いた液
晶光学素子は、両面の電極付き基板間に印加する電圧に
より、透過−散乱状態を示し、光の調光や表示に使用が
可能なものであった。
これらは全面ベタに電極を形成して調光体としても使用
できるが、電極をバターニングして表示装置としても使
用できる。
一方、これらの調光体、表示装置において、そのデザイ
ン等からの理由により、一部に常に光が透過してくる固
定表示部分を設けることが望まれている。
このため、本発明者らは光硬化性化合物と液晶物質とを
含む混合物を用いて、電極間に充分高い電圧を印加しつ
つ光硬化性化合物を硬化させることにより、常に光が透
過してくる固定表示部分を設けることを提案している(
特開昭63−301922号)。
[発明の解決しようとする問題点] 上記した方法によれば、常に光が透過してくる固定表示
部分を設けることができるが、この方法では原則として
その固定表示したい部分の上下の基板に予め電極を形成
しておく必要がある。
このため、全面ベタ電極とし、特定の固定表示パターン
のみを表示すればよい調光用途においてはあまり問題と
ならなかったが、電極をパターニングして表示を変化さ
せる表示装置においては表示電極及びそのリード電極が
必要となるため、固定表示のパターンが大幅に制限され
ることが多くなる。
例えば、日の字セグメントによる数字表示部分の周囲に
棒状に固定表示部分を形成することまたは表示部分以外
全てを光透過部分(固定表示部分)とすること等は、電
極を2層配線しない限りできなく、生産性良くパターン
の自由度の高い固定表示を得ることが望まれていた。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、前述の課題を解決すべくなされたものであり
、光硬化性化合物と液晶物質とを含む混合物を光硬化さ
せ、得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶物質の常
光屈折率(n、)と−致するように選ばれた硬化物マト
リックス中に液晶物質が分散保持されたフィルム状液晶
層を一対の電極付基板間に挟持してなる液晶光学素子の
製造方法において、使用する液晶物質の透明点よりも2
0℃低い温度以上の温度と・その透明点よりも35℃低
い温度以下の温度との少なくとも2種類の温度下で部分
的に光硬化させることを特徴とする液晶光学素子の製造
方法、及び、その液晶光学素子の製造方法において、基
板の外面に所望所望のパターンの遮光膜を配置し、使用
する液晶物質の透明点よりも20℃低い温度以上の温度
に加熱し、光照射して光硬化させ、次いでその透明点よ
りも40℃低い温度以下の温度に冷却して、遮光膜を除
去した状態で再度光照射して光硬化させる、もしくは、
使用する液晶物質の透明点よりも35℃低い温度以下の
温度で光照射して光硬化させ、次いでその透明点よりも
20℃低い温度以上の温度に加熱して、遮光膜を除去し
た状態で再度光照射して光硬化させることを特徴とする
液晶光学素子の製造方法、及び、その液晶物質の透明点
よりも20℃低い温度以上の温度が、透明点よりも高い
温度とされることを特徴とする液晶表示装置、及び、そ
れらの液晶光学素子の製造方法により製造され、表示部
分以外の部分に常に光が透過する部分を有する液晶光学
素子を用いたことを特徴とする液晶表示装置、及び、そ
の表示部分以外の背景部分が常に光が透過するようにさ
れたことを特徴とする液晶表示装置を提供するものであ
る。
本発明の液晶光学素子の製造方法は、部分的にそのフィ
ルム状液晶層が電圧の印加状態によらず常に光透過状態
とされている液晶光学素子を生産性良く製造できる。特
に、本発明においては、硬化性化合物を硬化させる際に
電圧を印加せずに硬化して固定表示部分を形成できるの
で、電極をバターニングして表示を行う表示装置に好適
である。即ち、電極がバターニングされていても、電極
パターンとは関係なしに、固定表示部分を形成できる。
本発明で形成されるフィルム状液晶層は、硬化後得られ
る硬化物の屈折率が、使用する液晶物質の常光屈折率(
n0)と一致するように選ばれた硬化物マトリックス中
に液晶物質が分散保持されたフィルム状液晶層であれば
よい。
この場合、通常は電圧を印加しない状態で、フィルム状
液晶層は散乱状態である。これに電圧を印加すると、光
透過状態となる。一方、本発明の製造方法により製造さ
れた液晶光学素子では、その一部に電圧を印加しない状
態でも、光が透過してくる部分を有する。
この具体的な用途としては、窓にこれを適用し、例えば
白色で会社名を窓に表示(背景部分が透明)し、電圧印
加時には窓を完全に透明にするというような使用法があ
る。
また、これを表示装置に適用して、表示部分の周囲と目
盛りを固定表示とし、表示部分を電圧印加により変化さ
せるというような使用法がある。
本発明の製造方法により製造された液晶光学素子は、得
られる硬化物の屈折率が、使用する液晶物質の常光屈折
率n、と一致しており、電圧が印加されていない場合は
、配列していない液晶物質と、硬化物の屈折率の違いに
より、散乱状態(つまり白濁状態)を示し、また電圧を
印加した場合は、液晶物質が配列し、液晶の常光屈折率
n0と光硬化により得られた硬化物の屈折率とが一致す
ることにより透過状態を示すものであり、可逆的な変化
が可能となる。
この素子は、このフィルム状液晶層を形成する硬化工程
の際に、特定の部分のみその硬化温度条件を変えること
により、部分的に固定表示部分を形成できる。本発明で
は、使用する液晶物質の透明点よりも20℃低い温度以
上の温度と、その透明点よりも35℃低い温度以下の温
度との少なくとも2種類の温度下で別々に部分的に光硬
化させる。
具体的には、部分的に温度を変えて同時に光露光するこ
とは、その境界線で温度差をつけにくいため、遮光膜を
用いて全体を液晶の透明点よりも20℃低い温度以上の
ある温度TIに保ち、光照射して遮光膜されていない部
分を硬化させ、次いで遮光膜を除去した状態で透明点よ
りも35℃低い温度以下の他の温度T8に保ち、再度光
照射して前に遮光膜されていて未硬化の部分を硬化させ
ればよい。
これにより、遮光膜を設けた部分は低い温度T2で硬化
させられ、電圧の印加状態により透過−散乱を変化させ
ることができる。一方、遮光膜を設けない部分は高い温
度T1で硬化させられ、電圧の印加状態によらずに透過
状態となる。このため、固定表示としたい部分を除いて
遮光膜を形成すればよい。
また、逆に遮光膜を用いて全体を液晶の透明点よりも3
5℃低い温度以下のある温度T2に保ち、光照射して遮
光膜されていない部分を硬化させ、次いで遮光膜を除去
した状態で透明点よりも20℃低い温度以上の他の温度
TIに保ち、再度光照射して前に遮光膜されていて未硬
化の部分を硬化させればよい。
これにより、遮光膜を設けた部分は高い温度TIで硬化
させられ、電圧の印加状態によらずに透過状態となる。
一方、遮光膜を設けない部分は低い温度T2で硬化させ
られ、電圧の印加状態により透過−散乱を変化させるこ
とができる。このため、固定表示としたい部分に遮光膜
を形成すればよい。
本発明では、固定表示としたい部分を、液晶物質の透明
点よりも20℃低い温度以上の温度で硬化させる。これ
は、透明点よりも20℃低い温度以上の温度で硬化させ
ることにより、常にほぼ光透過状態とすることができる
ためである。
特に、液晶物質の透明点以上の温度で硬化させることに
より、その透過特性が極めて高い。このため、液晶物質
の透明点よりも20℃低い温度以上であって、透明点未
満の温度で硬化させる場合には、やや散乱性が出てくる
ので、透過特性が実験的に許容できる範囲内で、この硬
化温度を適宜定めれば良い。
また、透過−散乱を変化させる表示部分は、透明点より
も35℃低い温度以下の温度で硬化されれば良い。通常
は、常温で硬化させられれば良い。
なお、駆動する際にフィルム状液晶層のしきい値電圧を
変化させたり、電圧を印加しない際の散乱時の散乱度を
変化させるために、透明点よりも35℃低い温度以下の
温度で硬化させる際に2種類以上の温度で別々に硬化さ
せたり、−部を透明点よりも20℃低い温度以下の温度
でかつ透明点よりも35℃低い温度以上の温度で硬化さ
せたりしてもよい。
なお、本発明ではこの硬化物の屈折率と、使用する液晶
物質の常光屈折率n0とを一致させるものであり、この
一致とは完全に一致させることが好ましいものであるが
、透過状態に悪影響を与えない程度に、はぼ一致するよ
うにしておけば良い、具体的には、屈折率の差を0.1
5程度以下にしておくことが好ましい。これは、液晶物
質により硬化物が膨潤して、硬化物が本来持っていた屈
折率よりも液晶物質の屈折率に近ずくため、この程度の
差があっても、光はほぼ透過するようになる。
本発明では光硬化性化合物を用いて、光硬化させて硬化
物のマトリックスを形成する。
この光硬化性とは、赤外線、可視光線、紫外線、電子線
によって硬化する化合物であればよい。
従って、光硬化性化合物は、ビニル重合、付加重合、縮
合重合、カチオン重合、アニオン重合、リビング重合等
例れであってもよいが、水分、腐食性物質等の液晶物質
を劣化させるおそれのある物質を発生する縮合重合は一
般的にみて好ましくない。
また、重合の系は、均一、不均一系を問わない。例えば
、光硬化性化合物と液晶物質との混合物であってもよい
し、光硬化性化合物と液晶物質をポリビニルアルコール
等と混合しマイクロカプセル化したものでもよい。
この光硬化性化合物の具体的な例としては、モノアクリ
レート、ジアクリレート、N−置換アクリルアミド、N
−ビニルピロリドン、スチレン及びそれらの誘導体、ポ
リオールアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウ
レタンアクリレート、エポキシアクリレート、シリコー
ンアクリレート、フロロアルキルアクリレート、ポリブ
タジェン骨格、インシアメル酸骨格またはヒダントイン
骨格等を有するアクリレート、不飽和シクロアセタール
などに代表される単官能及び多官能ビニル基を有する化
合物が例示される。
本発明では、これら種々の光硬化性ビニル系化合物の使
用が好ましい。中でも、アクリロイル系化合物を使用す
ることが、光露光後の液晶と硬化物の相分離状態及びそ
の均一性にすぐれていること、また光露光による硬化速
度が速く硬化物が安定であることから好ましい。尚ここ
でいうアクリロイル系化合物のアクリロイル基は、α位
、β位の水素がフェニル基、アルキル基、ハロゲン、シ
アノ等で置換されていてもよい。
本発明では、これらの光硬化性ビニル系化合物の内、光
照射によって重合硬化するもの、特に重合高分子化する
オリゴマーを含有するものが好ましい。
具体的には、光硬化性ビニル系化合物としてビニル基を
2個以上含有するアクリルオリゴマーを15〜70wt
%含有することが好ましく、光硬化後に硬化に伴う収縮
が少なく、液晶光学素子に微小なりラックが発生しにく
く、成形性が良好となる。この微小クラックが多くなれ
ば、光透過状態での光の透過率が低下する傾向となり、
素子の性能が低下する。このアクリルオリゴマーの粘度
は高すぎても低すぎても成形性に悪影響を与えるので4
0℃で150〜500000cps程度とすることが好
ましい。
本発明で使用される液晶物質は、ネマチック液晶物質、
スメクチック液晶物質等があり、単独で用いても組成物
を用いても良いが、動作温度範囲、動作電圧など種々の
要求性能を満たすには組成物を用いた方が有利といえる
。特に、ネマチック液晶の使用が好ましい。
また、使用される液晶物質は、光硬化性化合物に均一に
溶解することが好ましく、硬化後の硬化物のマトリック
スとは溶解しない、もしくは溶解困難なものが必要であ
り、組成物を用いる場合は、個々の液晶物質の溶解度が
できるだけ近いものが望ましい。
本発明では、液晶物質と光硬化性化合物とを用い、温度
を変えて光硬化過程を経ることにより、液晶物質と硬化
物とを相分離により固定化した際に、光が周囲の部分に
比して透過してくる固定表示部分を形成できる。
この固定表示部分は、前述のように透明点以上の温度で
硬化させて、表示部分に電圧を印加した場合と同等にほ
ぼ完全に光が透過してくるようにして使用する際にメリ
ットが大きいが、透明点以下の温度で硬化させて、ある
程度散乱が残っているものとしてもよい。
本発明の素子を製造する際、硬化性化合物と液晶物質と
は5:95〜75:25程度の混合物とすればよく、液
状ないしは粘稠物として使用されればよい。
また、フィルム状液晶層を形成するための光硬化性化合
物と液晶物質との混合物は、光硬化性化合物及び液晶物
質とも単独もしくは複数混合で用いてもよく、素子作成
に必要な改質剤、作成した素子の改質剤などを含んでい
てもよい。具体的には、架橋剤、界面活性剤、希釈剤、
増粘剤、消泡剤、接着性付与剤、安定剤、吸収剤、色素
、重合促進剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、顔料、色素等
を含んでいてよい。
本発明の素子を製造する際、調製する光硬化性化合物と
液晶物質との混合物は液状であっても粘稠物であっても
均一に混合されていれば良く、素子の製造方法によって
最適なものを選べば良い。たとえば、InsOs−Sn
Og、 Snug等の透明電極付のガラス基板を相対向
するように配して周辺をシールしたセルには、液状で注
入した方が一般に便利であり、透明電極付のプラスチッ
ク、ガラス等の基板に塗布し、対向する基板を重ね合わ
せようとする場合には、一般に粘稠状態の方が便利であ
る。
基板間ギャップは、5〜100μmにて動作することが
できるが、印加電圧、オン・オフ時のコントラストを配
慮すれば、7〜40umに設定することが適当である。
このようにして、基板に保持した混合物を光照射して、
光硬化させる。硬化物の屈折率を液晶物質の00と一致
させているので、光露光前は、基板に保持された内容物
は均一に溶解していれば、無色透明であるが、光露光後
は配列していない液晶物質と硬化物による屈折率散乱の
ため白濁状態となる。こうして作成した本発明の素子は
、しきい値以上の電圧印加することにより、液晶物質が
配列しはじめ、硬化物と屈折率が近ずくため透過率が上
り、飽和電圧以上の電圧を印加することにより、硬化物
と屈折率が一致し高い透過状態となる。
固定表示部分は、はぼ完全に透過状態となっている場合
には、電圧の印加状態によって、変化しないが、散乱性
が残存している場合には、その部分に電極があれば、電
圧印加により残存している散乱性が消失し透過度が向上
する。
なお、固定表示部分の形成には、前述のように遮光膜を
基板上に印刷したり、板状の遮光膜を配置して硬化させ
ることが一般的であるが、ある温度に保ちつつ、特定の
部分をレーザー等で走査して硬化させ、温度を変えて残
りの部分をレーザー等の走査するか全体に光照射して硬
化させるようにしてもよい。
本発明では、この液晶中に2色性色素や単なる色素、顔
料を添加したり、硬化性化合物として着色したものを使
用したり、基板に着色基板を使用したり、カラーフィル
ターを積層したりして特定の色を付けることもできる。
本発明では、硬化時に電圧を印加しなくてよいため、基
板間に光硬化性化合物と液晶物質とを含む混合物を挟持
した状態で硬化させるのではなく、一方の基板上に光硬
化性化合物と液晶物質とを含む混合物を配置した状態で
硬化させることもできる。
また、本発明の素子は、液晶層をフィルム状液晶層とし
ているので、大面積にしても、上下の電極が短絡する危
険性が低く、かつ、通常のTN型の液晶表示素子のよう
に配向や基板間隙を厳密に制御する必要もなく、大面積
を有する液晶調光体や液晶表示装置を極めて生産性良く
製造できる。なお、光の透過状態のムラを少なくするた
めには、基板間隙はある程度一定である方が良い。この
ため、ガラス粒子、プラスチック粒子、セラミック粒子
等の間隙制御用のスペーサーを基板間隙に配置する方が
好ましい。
具体的には、基板上に光硬化性化合物及び液晶物質の混
合物に基板間隙制御用のスペーサーを含有させて供給す
るか、混合物を供給前または後にスペーサーを供給して
、他方の基板を重ね合わせるようにすれば良い。この場
合、重ね合わせた後に加圧し、その後、硬化させること
により、より均一な基板間隙になりやすい。
本発明の素子の電極は通常はIntOs−SnOx−3
nO*等の透明電極とされるが、リード部に低抵抗化す
るための金属リード部を併設したりしてもよい。また、
反射型表示装置や調光鏡として使用する場合には、一方
の電極を反射電極としてもよい。
基板はプラスチック、ガラス等が用いられるが、プラス
チックや薄いガラスの場合にさらに保護のためにプラス
チックやガラス等の保護板を積層したり、基板を強化ガ
ラス、合せガラス、線入ガラス等にしてもよい等種々の
応用が可能である。
特に、電極付基板としてプラスチック基板を使用して液
晶光学素子とし、電極取り出し線を付けて、これを液晶
光学素子よりもやや大きい2枚のガラス板間にポリビニ
ルブチラール等の接着性材料層を介して挟持して、加熱
又は光照射により、接着性材料層を硬化させて、液晶光
学素子とガラス板とを一体化し合せガラス状にして使用
することが好ましい。中でも接着性材料をポリビニルブ
チラールとすることにより、通常の合わせガラスと極め
て類似した構造とすることができる。
この液晶光学素子を製造するには、所望の形状の基板を
2枚準備して、これを組合せて液晶光学素子を製造して
もよいし、連続プラスチックフィルム基板を使用したり
、長尺ガラス基板を用いて製造して、後で切断する方式
で製造してもよい。
この液晶光学素子を用いた調光体の用途としては窓、天
窓、間仕切り、扉等の建築材料、窓、ムーンルーフ等の
車両用材料、各種電気製品用のケース、ドア、蓋等の材
料に使用可能である。
また、この調光体を種々の物体を配置する配置手段と組
み合せて、各種商品を展示するショーウィンドウ、ショ
ーケース等の物体展示体に使用することもできる。
また、本発明の液晶光学素子の電極をバターニングした
り、液晶光学素子を複数個組み合わせて、文字や図形を
表示するという表示装置にも使用できる。
本発明の液晶光学素子は、駆動のために電圧を印加する
時には、液晶の配列が変化するような交流電圧を印加す
ればよい。具体的には、5〜100Vで10〜1000
Hz程度の交流電圧を印加すればよい。
また、電圧を印加しない時には、通常は電極間をオーブ
ンにするか短絡すればよいが、しきい値以下の電圧を印
加してもよい。
本発明の素子は、表示用素子、とりわけ従来の液晶表示
装置が困難であった、大面積表示装置、湾曲状での表示
装置等に利用できるほか、大面積の調光素子、光シヤツ
ター等、数多くの利用が考えられる。
また、本発明では一方の電極を散乱性反射電極、鏡面反
射電極として反射型表示装置、鏡として使用してもよく
、この場合には裏側の基板は不透明なガラス、プラスチ
ック、セラミック、金属製とされてもよい。
また、カラーフィルターを併用したり、液晶中に二色性
色素、顔料を混入したりしてカラー化したり、TPT、
MIM等の能動素子と組み合わせてアクティブマトリク
ス表示装置としたり、他のデイスプレーであるTN液晶
表示素子、エレクトロクロミック表示素子、エレクトロ
ルミネッセンス表示素子等と積層して使用してもよく、
種々の応用が可能である。
[作用] 本発明においては、光硬化性化合物と液晶物質とを含む
混合物を用いたフィルム状液晶層を硬化させる際に、使
用する液晶物質の透明点よりも20℃低い温度以上の温
度と、その透明点よりも35℃低い温度以下の温度との
少なくとも2種類の温度下で部分的に光硬化させる。
これにより、使用する液晶物質の透明点よりも20℃低
い温度以上の温度で硬化させたフィルム状液晶層は、電
圧の印加の有無にかかわりなく常にほとんど光を透過す
る状態となり、固定表示が可能になる。
また、使用する液晶物質の透明点よりも35℃低い温度
以下の温度で硬化させたフィルム状液晶層は、電圧の印
加により透過−散乱を生じることになる。
これにより、液晶物質の透明点よりも35℃低い温度以
下の温度で硬化させた表示部分と、液晶物質の透明点よ
りも20℃低い温度以上の温度で硬化させた固定表示部
分を高い自由度で設定できる。
特に、従来法のように固定表示部分を得るために、電圧
を印加しながら硬化する必要がないので、表示部分の電
極バターニングの自由度が増加するとともに、固定表示
のバターニングの自由度も増大する。
[実施例] 以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。
実施例1 アクリル系光重合性樹脂2部、液晶(BDH社製rE−
8J、透明点72℃)を3部、光硬化開始剤(メルク社
製「タロキュアー11164 ) 0.04部を均一に
溶解して、液晶と樹脂の均一溶液を得た。
ガラス基板上にITO透明電極を形成し、表示部分とし
て日の字状のセグメントを4ケタ分をバターニングし、
間隙10umのセルを形成した。
このセルに上記の均一溶液を注入し、表示部分の日の字
状のセグメントを除き黒色の遮光マスクを重ねて20℃
で紫外線照射装置により 2分間光露光して硬化させた
。このようにして得られた素子は表示部分が白濁状態で
あった。
次いで、遮光マスクを除去し、60℃に加温して、再度
紫外線照射装置により2分間光露光して硬化させた。こ
の素子は表示部分以外はほぼ光が透過してくる状態であ
った。
この素子は電圧を印加しない状態で、背景部分が裏側が
見え、表示部分のみが白濁して「日日日日」の表示が見
えている。
これに通常とは逆の駆動を行う、即ち、電圧(50Hz
、30Vの電圧)を印加した部分が背景と同じ透過状態
となるような駆動を行うことにより、所望の表示を行う
ことができた。
具体的には、背景に黒い紙を配置した場合、電圧を印加
しない状態では黒地に白色で「日日日日」の表示が見え
ている。このため、入力がない際に、全セグメントに電
圧を印加して全面黒色とする。次いで入力に応じて、白
濁させたいセグメントには電圧を印加せずに、透過状態
にさせたいセグメントにのみ電圧を印加することにより
、特定の表示が黒地に白く見えた。
なお、遮光マスクを除去し、60℃に加温する代わりに
26℃、33℃、41”C150℃、70℃、80℃に
加温して、紫外線照射装置により2分間光露光して硬化
させた。
その場合の、遮光マスクを形成した部分の電圧を印加し
ない状態での光の透過率T。V及び50Hz、100V
の電圧を印加した状態での光の透過率T、。。9を第1
表に示す。
この表からも明らかなように、遮光マスクを形成しS硬
化させても、透明点よりも39℃低い33℃ではほとん
ど固定表示にはならなく、光の透過率が5%と63%で
制御できた。一方、透明点よりも12℃低い60℃では
ほとんど固定表示となり、光の透過率は84%と85%
であった。
第  1  表 なお、透明点よりも31’C低い41”Cでも、光の透
過率は17%と63%で制御できた。このため、透明点
よりも30℃低い温度以下の温度で硬化させることによ
り、高いコントラスト比を必要としない分野では、使用
可能である。一方、透明点よりも22℃低い50℃では
かなり固定表示に近くなり、光の透過率は50%と72
%であった。このため、透明点よりも25℃低い温度以
上の温度で硬化させることにより、固定表示部分が少し
であれば変化しても良いような用途には、使用可能であ
る。
実施例2 実施例1の遮光マスクを背景部分全部ではなく、表示の
周囲を棒状に囲むようにしたほかは実施例1と同様にし
て素子を製造した。
この素子は、電圧を印加しない状態で、表示部の周囲に
透過状態の枠が見えたほかは全面が白濁状態であった。
これに電圧(50Hz、30Vの電圧)を印加したとこ
ろ、そのセグメント部分が透過状態となり、周囲の白地
に裏側が見える表示を行うことができた。
具体的には、背景に黒い紙を配置した場合、電圧を印加
しない状態では表示部の周囲に黒色の枠が見え、表示部
分は白色で「日日日日Jの表示が見えない。入力に応じ
て、透過状態にさせたいセグメントには電圧を印加する
ことにより、特定の表示が白地に黒く見えた。
実施例3 実施例1の遮光マスクを表示部分に設け、60℃に加温
して、紫外線照射装置により 2分間光露光して硬化さ
せた。この素子は表示部分以外はほぼ光が透過してくる
状態であった。次いで、遮光マスクを除去し、20℃に
温度を下げて紫外線照射装置により 2分間光露光して
硬化させた。このようにして得られた素子は、実施例1
と同様に周辺が全て透過状態であり、表示部分のみが白
濁状態であった。
この素子も実施例1と同様な効果を有しているものであ
った。
[発明の効果] 以上の如く、本発明は新規な液晶光学素子、その製造方
法及び液晶表示装置を提供するものであり、得られる硬
化物の屈折率が、使用する液晶物質の常光屈折率(n0
)と一致するような光硬化性化合物と液晶物質とを含む
混合物を光硬化させてフィルム状液晶層を形成する際に
、使用する液晶物質の透明点よりも20℃低い温度以上
の温度と、その透明点よりも35℃低い温度以下の温度
との少なくとも2種類の温度下で部分的に光硬化させて
いるので、電極のパターニングをすることなしに、所望
のパターンで透過状態とすることができ、固定表示のパ
ターンの自由度が大きい。
本発明では、光硬化性化合物と液晶物質との混合物を用
い、光照射によりその相分離を固定化してフィルム状液
晶層を形成しているので、硬化時間も短く、極めて生産
性に優れており、液晶光学素子を容易に製造できる。
また、従来の液晶光学素子の製造方法と基本的に同一の
方法で製造でき、わずかな工程の付加がなされるのみで
あり、生産性をほとんど低下させない。
また、特定のパターンの遮光膜を用いてパタニングする
ことにより、この特定の部分の硬化と残りの部分の硬化
とを温度を変えるのみで同じ装置で連続して行うことが
できるという利点もある。
さらに、特定の文字や図形が表示可能となる。また、文
字、図形、グラフ等を連続した枠で囲むことも容易に可
能となり、表示の自由度、表示部分及び固定表示部分の
パターンの設計の容易性が向上するという利点も有する
本発明の液晶光学素子は、外観品位、生産性に優れた素
子であって、大面積、湾曲状での表示に、また大面積で
の調光、光シヤツター等に広く利用することができる。
本発明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で種
々の応用が可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)光硬化性化合物と液晶物質とを含む混合物を光硬
    化させ、得られる硬化物の屈折率が、使用する液晶物質
    の常光屈折率(n_0)と一致するように選ばれた硬化
    物マトリックス中に液晶物質が分散保持されたフィルム
    状液晶層を一対の電極付基板間に挟持してなる液晶光学
    素子の製造方法において、使用する液晶物質の透明点よ
    りも20℃低い温度以上の温度と、その透明点よりも3
    5℃低い温度以下の温度との少なくとも2種類の温度下
    で部分的に光硬化させることを特徴とする液晶光学素子
    の製造方法。 (2)請求項1記載の液晶光学素子の製造方法において
    、基板の外面に所望所望のパターンの遮光膜を配置し、
    使用する液晶物質の透明点よりも20℃低い温度以上の
    温度に加熱し、光照射して光硬化させ、次いでその透明
    点よりも35℃低い温度以下の温度に冷却して、遮光膜
    を除去した状態で再度光照射して光硬化させることを特
    徴とする液晶光学素子の製造方法。 (3)請求項1記載の液晶光学素子の製造方法において
    、基板の外面に所望のパターンの遮光膜を配置し、使用
    する液晶物質の透明点よりも35℃低い温度以下の温度
    で光照射して光硬化させ、次いでその透明点よりも20
    ℃低い温度以上の温度に加熱して、遮光膜を除去した状
    態で再度光照射して光硬化させることを特徴とする液晶
    光学素子の製造方法。(4)請求項2または3の液晶物
    質の透明点よりも20℃低い温度以上の温度が、透明点
    よりも高い温度とされることを特徴とする液晶表示装置
    。 (5)請求項1〜4のいずれか1項記載の液晶光学素子
    の製造方法により製造され、表示部分以外の部分に常に
    光が透過する部分を有する液晶光学素子を用いたことを
    特徴とする液晶表示装置。 (6)請求項5記載の液晶表示装置において、表示部分
    以外の背景部分が常に光が透過するようにされたことを
    特徴とする液晶表示装置。
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