JPH0373592B2 - - Google Patents

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JPH0373592B2
JPH0373592B2 JP58085778A JP8577883A JPH0373592B2 JP H0373592 B2 JPH0373592 B2 JP H0373592B2 JP 58085778 A JP58085778 A JP 58085778A JP 8577883 A JP8577883 A JP 8577883A JP H0373592 B2 JPH0373592 B2 JP H0373592B2
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JP
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resin
acrylic resin
aqueous
reaction
epoxy resin
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JP58085778A
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JPS59213718A (ja
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Oko Naito
Atsuhiro Yamamoto
Yukifumi Mashita
Seiji Okugami
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Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は水性樹脂組成物に関し、更に詳しくは
金属を対象とした焼付用の被覆組成物として、特
に缶内面塗料として優れた皮膜を形成することの
できる水性樹脂組成物に関する。 従来より、缶用塗料や防食塗料は省資源、省エ
ネルギー、あるいは環境公害等の面から水系へ移
行が望まれている。水系においても溶剤型の場合
と同様、主としてエポキシ樹脂系のものが検討さ
れ、エポキシ樹脂を水中に分散させる方法として
種々の方法が提案されている。 例えば、界面活性剤を使用して、エポキシ樹脂
を水中に分散させる方法としては、アニオン系界
面活性剤を用いる方法と、ノニオン系界面活性剤
を用いる方法の2法があるが、前者においては、
乳化過程および貯蔵中にオキシラン環が開環して
しまい、反応性が低下して形成塗膜の性能が劣つ
たり、また、時には貯蔵中に増粘、ゲル化の問題
を起し易く、一方後者においては、分散性および
貯蔵安定性の点から、系中にかなり多量の界面活
性剤を含んでおり、このため形成された塗膜の化
学的および機械的性質に悪影響を及ぼす傾向があ
る。 この解決方法として、最近自己乳化型エポキシ
樹脂エマルジヨンが種々提案されて来ている。こ
の方法はエポキシ樹脂を他の化合物で変性して、
乳化力のあるセグメントを分子中に導入した自己
乳化型のエポキシ樹脂分散体である。 例えば、特開昭53−1228号公報には、エポキシ
樹脂の存在下にてベンゾイルパーオキサイドなど
のフリーラジカル発生剤を用いてカルボン酸モノ
マーを含むモノマー混合物を重合することにより
得られるグラフト化されたエポキシ樹脂が塩基を
含む水性媒体中に安定に分散され得ることが示さ
れている。しかしながら、上記の方法には、安定
性の良い樹脂分散体を得るためにグラフト率を高
める必要があり、製造時、高価で取り扱い上危険
性の大きいベンゾイルパーオキサイドなどのフリ
ーラジカル開始剤を多量に使用しなければならな
いという欠点があつた。 次に特開昭56−43362号公報には、エポキシ樹
脂とカルボキシル官能性重合体とを特定の第三級
アミンの存在下に反応せしめた水担持コーテイン
グ組成物が開示されている。しかしながら上記組
成物は、本発明者らの知見によれば、樹脂の分散
安定性や塗膜物性の点においてはほとんど問題が
ないものの、金属板に適用した場合には以下の問
題点を有しており実用的でないことが判明した。
すなわち缶などに加工される金属板は、表面に油
の層を有しており、この油の層の上に直接に塗装
しようとすると塗料が表面の油によつてはじかれ
てしまう。このような塗料の濡れ性の悪さは、塗
料自体の粘度を変化させたり界面活性剤などの添
加剤を配合することによつてある程度は効果があ
るものであるが、一見均一な塗膜が形成されてい
るように見えても塗膜にはごく小さな孔が生じて
おり、それが防食の原因となる。特に缶内面塗料
においてはこのような欠陥は製品(罐詰)となつ
た後の食品の保存性に致命的となる。 また、特開昭55−3481号公報、および特開昭55
−3482号公報には、カルボキシル基官能性ポリマ
ーをアミンエステル化触媒の存在下でエポキシ樹
脂とエステル化し塩基によつて水中に自己乳化し
得る自己乳化性エポキシエステルコポリマーが開
示されている。しかしながら、上記公報記載の組
成物はエポキシ樹脂のオキシラン基を実質的に完
全に消費するまで反応させたものであるので、樹
脂の高分子量化ないしは高架橋化が避けらず、塗
膜の加工性に問題点がある。特に缶用塗料は、塗
膜の硬度とともに加工に耐え得る可撓性が必要と
される。しかも上記公報記載の塗料は塗料の塗工
適性における前記の問題点についても何らの解決
策とはなり得ない。 アクリル系樹脂と芳香族系エポキシ樹脂が無触
媒下で反応し得ることは特開昭55−75460号公報
に記載されているが、上記公報記載の一塩基性カ
ルボン酸モノマーのアクリル系樹脂に占める割合
は12ないし30重量%である。本発明者らの研究に
よれば、缶内面用塗料として重要な要素の1つで
あるフレーバー適性はアクリル系樹脂のモノマー
組成に依存しており、上記の一塩基性カルボン酸
モノマーの範囲においてはフレーバー適性が良好
でないことが指摘された。 本発明者等は上記の欠点および問題点を全て排
除すべく鋭意検討の結果、本発明に到達したもの
である。すなわち本発明は、一塩基性カルボン酸
モノマーを35〜70重量%を含む共重合性モノマー
混合物を共重合せしめた重量平均分子量3000ない
し80000のアクリル系樹脂(A)と、1分子中に平均
1.1個ないし2.0個のエポキシ基を有する平均分子
量1400以上の芳香族系エポキシ樹脂(B)とをアクリ
ル系樹脂(A)/芳香族系エポキシ樹脂(B)が固型分比
で1/1ないし1/5の範囲で、エステル化反応
触媒の不存在下、120℃以上の反応温度で、オキ
シラン基の減少率が、芳香族性エポキシ樹脂(B)の
オキシラン基の含有量に対して5ないし70%とな
るまで反応せしめたカルボキシル基過剰のエポキ
シ樹脂・アクリル系樹脂部分反応物を最終組成物
のPHが4ないし11となる量のアンモニアもしくは
アミンの存在下に水性媒体中に分散せしめてなる
水性樹脂組成物である。 本発明において用いられるアクリル系樹脂(A)
は、アクリル酸もしくはメタアクリル酸などの一
塩基性カルボン酸モノマーを35〜70重量%含む共
重合性モノマー混合物を、有機溶剤中でアゾビス
イソブチロニトリルあるいはベンゾルパーオキサ
イドなどの通常のラジカル重合開始剤を用いて80
℃ないし150℃の温度で共重合せしめることによ
り得ることができる。反応溶剤はアクリル系樹脂
の良溶媒であれば特に制限はないが、後に述べる
ようなアクリル系樹脂(A)と芳香族系エポキシ樹脂
(B)との常温での反応において使用される120℃以
上の沸点を有する高沸点溶剤をこのアクリル系樹
脂製造工程から用いれば、次の反応に際して溶剤
を変える必要がないので好ましい。 上記アクリル系樹脂において一塩基性カルボン
酸モノマーを70重量%を超えて使用すると、反応
系の粘度が極端に大きくなり製造が困難となるば
かりでなく、このような組成物を用いて得られた
塗料は、塗膜の耐水性が劣り、特に缶用途に使用
される場合にはボイル後の塗膜の白化をもたら
す。逆に一塩基性カルボン酸モノマーが35重量%
より少なく使用すると、塗膜の耐溶剤性が劣り、
缶用途に使用される場合にはフレーバーが悪くな
る傾向が避けられない。 本発明に用いられる不飽和カルボン酸モノマー
以外の単量体としては、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリ
ル酸n−−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシ
ル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル酸エステ
ル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸
n−ヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシ
ル、メタクリル酸ドデシルなどのメタクリル酸エ
ステル類、スチレン、ビニルトルエン、2−メチ
ルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレ
ンなどのスチレン系モノマー、アクリル酸ヒドロ
キシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒド
ロキシプロピルなどのヒドロキシ基含有モノマ
ー、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N
−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどの
N−置換(メタ)アクリル系モノマー、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルなどのエ
ポキシ基含有モノマー、並びにアクリロニトリル
などの1種又は2種以上から選択することができ
る。 上記アクリル系樹脂(A)は重量平均分子量で3000
ないし80000好ましくは4000ないし40000の範囲の
ものがよい。また、酸価は固形分換算で190ない
し310のものが適当である。 上記重量平均分子量が3000より小さいと塗膜の
架橋密度が増大する結果、加工性に支障をきた
し、また、40000、特に80000より大きくなると芳
香族系エポキシ樹脂(B)との反応時ゲル化を生じや
すいので好ましくない。 本発明において用いられる1分子中に平均1.1
個ないし2.0個のエポキシ基を有する数平均分子
量1400以上の芳香族系エポキシ樹脂としては、エ
ピクロルヒドリン/ビスフエノール型エポキシ樹
脂、例えばシエル化学(株)より市販されている商品
でエピコート1004、エピコート1007、エピコート
1009、あるいは大日本インキ化学(株)より市販され
ている商品名でエピクロン4050、エピクロン7050
などがある。 また上記芳香族系エポキシ樹脂のエポキシ基
に、脱水ヒマシ油、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸
などの植物油脂肪酸もしくはビスフエノールAな
どの変性剤を反応せしめた変性エポキシ樹脂を使
用することもできる。 本発明において、前記アクリル系樹脂(A)と前記
芳香族系エポキシ樹脂(B)とを、反応せしめたカル
ボキシル基過剰のエポキシ樹脂・アクリル系樹脂
部分反応物は、ヘキシルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテートなどの高沸点の溶剤中でアク
リル系樹脂と芳香族エポキシ樹脂とを120℃以上
好ましくは140℃程度の温度で反応することによ
り得ることができる。120℃以下の沸点を有する
比較的低沸点の溶剤、例えばエチルセロソルブ、
ブチルセロソルブ、n−ブタノール、sec−ブタ
ノール、ter−ブタノールなどは使用できないこ
とはないが、120℃以上の温度で反応させるため
には系を加圧する必要がある。本発明においては
カルボキシル基とエポキシ基の反応触媒として従
来知られているアミンもしくはアンモニアは共存
させないので、両者を反応させるためには比較的
高温が必要であり、100℃以下の反応温度では実
用的な範囲の反応時間となり得ない。反応時間は
反応温度あるいは最終的に必要とされるエポキシ
樹脂・アクリル系樹脂部分反応物の残存オキシラ
ン濃度などによつて変わり得るが、通常は3ない
し12時間程度である。 上記アクリル系樹脂(A)と上記芳香族系エポキシ
樹脂(B)との固形分比は、1対1ないし1対5の範
囲から選ばれる。 反応はオキシラン%の測定、粘度上昇の測定あ
るいはゲルパーミネーシヨンクロマトグラフイに
よる分子量分布の測定により制御することができ
る。 オキシラン%の測定法としては、試料の溶剤溶
液に所定量の臭化テトラエチルアンモニウム溶液
を加え、クリスタルバイオレツトを指示薬として
標準化した過塩素酸で滴定する方法が知られてい
るが、本発明のエポキシ樹脂・アクリル系樹脂部
分反応物に対する上記の滴定法の適用は、共存す
る過剰のカルボキシル基の阻害作用のためか、滴
定の終点が不明瞭になることが多いので、プロト
ンNMRによる定量が簡便で好ましい。プロトン
NMRではオキシラン基のメチレンは2.5〜
2.9ppmにあるので、反応中におけるこのピーク
面積を追跡し、基準となる他のピーク、例えば芳
香族エポキシ樹脂に含まれるベンゼン環のプロト
ンのピークの面積と比較してオキシラン基の減少
率を求めることができる。この際アクリル系樹脂
にベンゼン環を有するモノマーを使用した場合に
はその量を考慮して計算する必要がある。 上記反応段落におけるオキシラン基の減少率は
原料である芳香族系エポキシ樹脂のオキシラン含
有量に対して5ないし70%である。オキシラン基
の減少率が5%より小さいとアクリル系樹脂(A)と
芳香族エポキシ樹脂が水性媒体中に十分に自己乳
化できず保存中に分離する傾向があり、また70%
より大きいと塗膜の加工性が悪くなる傾向があ
る。特にオキシラン基が30ないし70%の範囲にお
いて得られた水性樹脂は塗工適性の点において優
れている。 本発明ではアクリル系樹脂(A)と芳香族エポキシ
樹脂(B)とを無触媒下で反応させ、カルボキシル基
過剰のエポキシ樹脂・アクリル系樹脂部分反応物
を得る。アクリル系樹脂中のカルボキシル基と芳
香族エポキシ樹脂は適当な反応条件下においてエ
ポキシ基の開環を伴うエステル化反応を起す。カ
ルボキシル基は芳香族エポキシ樹脂中のヒドロキ
シ基ともエステル化反応を起す可能性はあるが、
このような反応はほとんど起らないか、ないしは
副次的であると考えられている。 エステル化触媒の存在の有無による反応物の構
造上、組成上の相違は次の2点に集約される。 第1に、このような反応系において触媒として
作用するアミンもしくはアンモニアは、まずカル
ボキシル基と塩形成し、続いて4級化した窒素上
のプロトンがエポキシ基を攻撃して開環させる素
反応が考えられるので、通常のエステル結合の他
に、アミンもしくはアンモニアの窒素原子を介し
たエポキシ樹脂とアクリル樹脂との結合が含まれ
ていると推定される。第2に、アミンはエポキシ
基の重合触媒でもあるので、アクリル樹脂と芳香
族エポキシ樹脂との反応の他にエポキシ樹脂同士
でも反応が進行する結果、高分子量領域の生成物
が反応の早い段落から生成してくるものと推定さ
れる。上記第2の推定は、無触媒下で反応させた
生成物の溶液の粘度は、全く同じ原料を用いてア
ミン触媒下で反応させた生成物の溶液の粘度に比
較して明らかに低いという事実によつて支持され
る。例えば分子量約30000のアクリル系樹脂とエ
ピコート1009とを1対3で反応させた部分反応物
の25%固形分メチルセロソルブアセテート中にお
ける溶液粘度では、触媒としてジメチルアミノエ
タノールを使用したものでは30000〜35000cpsで
あるのに対し、無触媒下で反応させたものは500
〜700cpsの範囲である。 本発明に係わる水性樹脂組成物の調整は、前記
エポキシ樹脂・アクリル系樹脂部分反応物に最終
組成物のPHが4ないし11となる量のアンモニアも
しくはアミンを加え水性媒体中に分散せしめれば
よいが、前の工程で高沸点溶剤を使用した場合に
は、予め減圧下にてこれらの溶剤を除去しておく
ことが好ましい。 上記アミンとしては例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキ
ルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、アミ
ノメチルプロパノール等のアルコールアミン類、
モルホリン等が使用される。またエチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン等多価アミンも使用で
きる。 本発明において水性媒体とは少なくとも10重量
%以上が水である水単独もしくは親水性有機溶剤
との混合物を意味し、親水性有機溶剤としてはメ
タノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノー
ル、tert−ブタノール、イソブタノール等のアル
キルアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセ
ロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソル
ブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール等
のエーテルアルコール類、メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテート等のエーテ
ルエステル類、その他ジオキサン、ジメチルホル
ムアミド、ダイアセトンアルコール等が使用され
る。 本発明に係わる水性樹脂組成物は、必要に応じ
て、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、メ
チロール化ベンゾグアナミン樹脂、メチロール化
尿素樹脂などの水性のアミノプラスト樹脂、ある
いは塗工性を改良するための界面活性剤、消泡剤
などを添加して塗料として用いることができる。 適用される基材としては、未処理鋼板、処理鋼
板、亜鉛鉄板、ブリキ板などの金属板が適してお
り、塗装方法としては、エアスプレー、エアレス
スプレー、静電スプレーなどのスプレー塗装が好
ましいが浸漬塗装、ロールコーター塗装、電着塗
装なども可能である。また焼付条件は、温度150
℃ないし230℃、時間としては2ないし30分の範
囲から選ぶことができる。 本発明の水性樹脂組成物の特長を挙げると、第
1に、表面に油の層を有している金属板あるいは
油で汚染された金属板に対して、前処理を施すこ
となく塗装できることである。この作用がどのよ
うな機構に基づいているのかは理論的には十分解
明されていないが、前述したような樹脂組成物の
構造上ないしは組成上の相違が、水性媒体中に分
散した樹脂の微粒子に何らかの界面化学的な影響
を及ぼしているものと考えられる。 第2に、塗料のフロー、レベリング性が良く、
したがつてハイソリツド化が可能である。触媒を
使用したものでは、固形分がせいぜい20重量%程
度であるのに対し、本発明では固形分が40重量%
の水性分散体が可能である。 第3に、金属板に対する密着性がよく、塗膜硬
度、耐ボイル性、加工性および保存性のバランス
に優れている。 第4に、アクリル系樹脂のモノマー組成が適切
であるためフレーバー適性がある。 本発明の水性樹脂組成物は、用途に応じて、適
当な防錆剤、顔料、充填剤などを配合して防錆プ
ライマー、印刷インキ、防食性塗料などに使用す
ることもできる。 以下、本発明を実施例により説明する。次の様
な手順にてアクリル系樹脂(A)溶液、エポキシ樹
脂・アクリル系樹脂の部分反応物(C)溶液および水
性樹脂組成物Dの調整を行なつた。なお、例中、
「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を
示す。 実施例 1 () アクリル系樹脂(a)の調整
【表】 還流凝集器、モノマータンク、モノマー流量
調節器、温度計、攪拌機を装着した四ツ口フラ
スコを窒素置換し、(1)を仕込んだ。モノマータ
ンクにはモノマー混合物(2)〜(4)および重合触媒
(5)を混合しておき、その4分の1を上記フラス
コに仕込んだ(1)に加えて徐々に加熱し105℃に
保持した。残りの混合モノマーを2時間に亘り
添加し、滴下終了後さらに2時間攪拌を続け室
温に冷却した。得られた溶液は、固形分30.1
%、粘度U−V(ガードナー気泡粘度形、25℃、
以下の例についても粘度は25℃の測定値を示
す)酸価247mgKOH/g(固形分換算、以下の
例についても同じ)のアクリル系樹脂(a)溶液で
あつた。 () エポキシ樹脂・アクリル系樹脂部分反応物
(c)溶液の調整
【表】 樹脂(a)溶液
四ツ口フラスコに攪拌機、還流凝集器、温度
計および溶剤除去装置を装着して窒素置換した
後、(6)および(7)を仕込み110℃に加熱し攪拌を
続ける。エポキシ樹脂を完全に溶解した後、(8)
を加えて135℃まで昇温し、この温度を保持し
たまま8時間に亘り攪拌を続けエポキシ樹脂・
アクリル系樹脂部分反応物(c)を得た。この間試
料を定期的に取り出して粘度のチエツクを行つ
た。反応終了時の溶液の性状は固形分30.1%、
粘度U−V、オキシラン基の減少率は61%であ
つた。 () 水性樹脂組成物(d)の調整
【表】 攪拌機、還流凝集器、温度計および溶剤除去
装置を装着した四ツ口フラスコに窒素置換した
後、(9)を仕込み70℃に加熱して(10)と(11)の混
合物を添加し、良くかきまぜてから更に(12)
を加えた。この時温度は50℃であつた。室温ま
で冷却した後濾過を行い取り出した。これに界
面活性剤ナトリウムジアルキルホサクシネート
を水分散液中に0.2%添加した。以下の例にお
いても特にことわらない限りこれを添加した。 得られた水性樹脂組成物(d)は固形分20.1%、
粘度37秒(フオードカツプNo.4、以下の例につ
いても同じ)PH7.3、水/溶剤比82/18であつ
た。この比率は必要に応じ溶剤分を蒸留して所
望の固形分、水/溶剤比率に調整することがで
きる。得られた水分散体を50℃で1ケ月間保存
試験を行つたが異状は認められなかつた。 次にアクリル系樹脂(A)の組成変化の効果をみる
ために、モノマーの種類、重合触媒の種類および
量などを変えて実験を行なつた。(表1、表2、
表3)。反応溶媒はMCAを使用し、反応温度、反
応操作などその他の条件は実施例1と同様にし
た。また比較例1〜3についても実施例1と同様
にして調整した。 実施例2〜14で得られたアクリル系樹脂(A)溶液
は、透明性にやや差異が認められるものが含まれ
ているが、樹脂と溶剤の分離や沈降などはなく、
安定なものであつた。 実施例1〜14から得られた水性樹脂組成物(D)を
それぞれブリキ板上に乾燥塗膜が10〜15μとなる
ようにスプレー塗装した後、170℃10分間の焼き
付け処理をし、得られた塗膜について被覆性、電
気抵抗性、濡れ性、接着性、耐煮沸性などの性質
を調べ表4に示した。 つぎにこれらの水性樹脂組成物を40℃にて4ケ
月貯蔵しその安定性を調べたところ、いずれの場
合においても分散液のPH変化、ゲル化、分離、沈
降などについて何ら異状は認められなかつた。こ
れらの保存後の試料についても上記と同じ塗膜試
験を行なつた。 表4から明らかなように保存した試料の塗膜性
能は分散液調整直後のそれと比較してもほとんど
変らないものであつた。
【表】 試験方法および評価方法 (1) 折曲げ加工法 ブリキ板上に各実施例の塗料を塗膜厚が10〜
15μになる様にバーコーターにて塗布し200℃
5分間焼付乾燥を行い試験パネルを作成した。
その切片について4℃室温で折り曲げ加工試験
器を用いて加工後、通電試験により塗膜の割
れ、ハガレ等を電流値で評価する。 (2) 濡れ性 塗料を塗布する前にブリキ板にヤシ油のトル
エン溶液(ヤシ油/トルエン=20/80)を0.1
c.c.づつ置いて溶剤分を揮散させた後にこの表面
上にそれぞれの塗料を(1)と同条件にて塗布し焼
付を行つた。焼付塗膜の表面にハジキ、ピンホ
ール、ユズ肌状を形成する場合がある。この評
価を行つた。 5段階評価 5 塗膜表面にハジキ、、ピンホール等異常が
なく被覆性が良好 1 塗膜表面にハジキ、ピンホール等異常の程
度が激しい (3) 接着性 碁盤目セロハンテープ剥離テスト 評価は剥離%で表す。 (4) 耐煮沸性 1と同条件にて試験パネルを作成した。その
切片について30分間煮沸処理した。煮沸後水道
水に洗滌してから表面の白化、ふくれ状態を評
価した。 5段階評価 5 塗膜に白化、フクレ等がなく全く問題なし 1 塗膜に白化、フクレ等が激しく不良 上記以外の試験については以下実施例に付記す
る。 実施例 15〜17 実施例1においてアクリル系樹脂(a)およびエポ
キシ樹脂・アクリル系樹脂部分反応物(c)の溶剤と
して使用したMCAに代えてブチロセロソルブ
(実施例15)、ヘキシルセロソルブ(実施例16)、
MCA/酢酸ブチル(70/30)(実施例17)をそれ
ぞれ使用した他は実施例1と同じ手順で水性樹脂
組成物を調整した。 実施例1および実施例15〜17で得られた水性樹
脂組成物の性状および折曲げ加工性の試験結果を
表5に示す。
【表】 比較例 4
【表】 攪拌機、還流凝集器および温度計を装着した四
ツ口フラスコに(13)、(14)および(15)を仕込
み110℃に加熱して約1.5時間攪拌を続けた。エポ
キシ樹脂が完全に溶解したのを確認してから75℃
に冷却し、(16)を添加して80℃に昇温し、この
温度で3時間攪拌を続けた。この間試料を定期的
に取り出して粘度のチエツクを行つた。反応終了
時の溶液の粘度は固形分25%、31000cps、オキシ
ラン基の減少率は42%であつた。 次に(17)を加えて良く攪拌してから室温に冷
却し水性樹脂組成物を得た。この水性樹脂組成物
の性状は固形物20.3%、粘度117秒、PH7.4、水/
溶剤比82/18の良好な水分散体であつた。 比較例 5〜7 比較例4で使用したアクリル系樹脂とエポキシ
樹脂の反応触媒である2−ジメチルアミノエタノ
ールアミンの濃度を樹脂に対してそれぞれ
11.5phr(比較例5)、4.9phr(比較例6)、6.2phr
(比較例7)に代えた他は比較例4と同じ手順に
て水性樹脂組成物を得た。 比較例4〜7および実施例1〜5で得られた水
性樹脂組成物について濡れ性と基材への接着性を
試験した結果を表6に示す。濡れ性はヤシ油とヒ
マシ油のそれぞれの20%トルエン溶液を調整し、
【表】 バーコーター#14で塗布してトルエンを揮発し
たブリキ板を使用した。接着性はエポキシフエノ
ール塗料およびエポキシ尿素塗料の5〜10μ厚の
塗膜が形成されている塗装板を使用した。 表6から明らかなように本発明の水性樹脂組成
物は油が塗布された金属板に対して良好な濡れ性
を示すが、アクリル系樹脂とエポキシ樹脂の反応
に触媒を使用したものは金属板上の油層によつて
部分的にハジキ現象が生じる。また本発明の水性
樹脂組成物は触媒を使用したものに比較して基材
に対する接着性に優れている。 比較例 8 比較例4で得られた水分散体に界面活性剤ナト
リウムジアルキルスルホサクシネートを20%水性
樹脂組成物に対して下記表6に示す量だけ追加し
濡れ性を試験した結果を表7に示す。 表7から明らかなように触媒を使用して得られ
た水性樹脂組成物は、界面活性剤の濃度を高くし
ても濡れ性は向上しない。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一塩基酸カルボン酸モノマーを35〜70重量%
    を含む共重合性モノマー混合物を共重合せしめた
    重量平均分子量3000ないし80000のアクリル系樹
    脂(A)と、1分子中に平均1.1ないし2.0個のエポキ
    シ基を有する平均分子量1400以上の芳香族系エポ
    キシ樹脂(B)とをアクリル系樹脂(A)/芳香族系エポ
    キシ(B)が固型分比で1/1ないし1/5の範囲
    で、エステル化反応触媒の不存在下、120℃以上
    の反応温度で、オキシラン基の減少率が、芳香族
    性エポキシ樹脂(B)のオキシラン基の含有量に対し
    て5ないし70%となるまで反応せしめたカルボキ
    シル基過剰のエポキシ基・アクリル系樹脂部分反
    応物を最終PHが4ないし11となる量のアンモニア
    もしくはアミンの存在下に水性媒体中に分散せし
    めてなる水性樹脂組成物。 2 アクリル系樹脂(A)の重量平均分子量が4000な
    いし40000である特許請求の範囲第1項記載の水
    性樹脂組成物。
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