JPH0372580B2 - - Google Patents

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JPH0372580B2
JPH0372580B2 JP20914487A JP20914487A JPH0372580B2 JP H0372580 B2 JPH0372580 B2 JP H0372580B2 JP 20914487 A JP20914487 A JP 20914487A JP 20914487 A JP20914487 A JP 20914487A JP H0372580 B2 JPH0372580 B2 JP H0372580B2
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JP
Japan
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mold
tantalum nitride
molding
base material
tantalum
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JP20914487A
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JPS6452624A (en
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Masaaki Yokota
Tetsuo Kuwabara
Makoto Kameyama
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Canon Inc
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Publication date
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Publication of JPS6452624A publication Critical patent/JPS6452624A/ja
Publication of JPH0372580B2 publication Critical patent/JPH0372580B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/03Press-mould materials defined by material properties or parameters, e.g. relative CTE of mould parts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/14Die top coat materials, e.g. materials for the glass-contacting layers
    • C03B2215/22Non-oxide ceramics
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2215/00Press-moulding glass
    • C03B2215/02Press-mould materials
    • C03B2215/08Coated press-mould dies
    • C03B2215/30Intermediate layers, e.g. graded zone of base/top material
    • C03B2215/38Mixed or graded material layers or zones

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は光学素子成形装置に用いられる型部材
に関し、特に高温での離型性が良好で容易に高精
度を実現でき且つ耐久性良好な光学素子成形用型
部材に関する。この様な光学素子成形用型部材は
たとえば直接光学面を形成する高精度成形のため
の型部材として好適に利用される。 [従来の技術及びその問題点] 一般に、レンズ、プリズム、ミラー及びフイル
ム等の光学素子は、ガラス等の素材を研削して外
形を所望の形状とした後に、機能面即ち光が透過
及び/または反射する面を研摩して光学面とする
ことにより製造されている。 しかして、以上の様な光学素子の製造において
は、研削及び研摩により所望の表面精度(即ち表
面形状及び表面粗さ等の精度)を得るためには、
熟練した作業者が相当の時間加工を行なうことが
必要であつた。また、機能面が非球面である光学
素子を製造する場合には、一層高度な研削及び研
摩の技術が要求され且つ加工時間も長くならざる
を得なかつた。 そこで、最近では、上記の様な伝統的な光学素
子製造方法に代つて、所定の表面精度を有する成
形用金型内に光学素子材料を収容して加熱しなが
ら加圧することによりプレス成形にて直ちに機能
面を含む全体的形状を形成する方法が行なわれる
様になつてきている。これによれば、機能面が非
球面である場合でさえも比較的簡単且つ短時間で
光学素子を製造することができる。この様なプレ
ス成形法は光学素子の連続製造に適する。 以上の様なプレス成形において使用される型部
材に要求される性質としては、十分な硬度、良好
な耐熱性、良好な鏡面加工性及び成形時において
光学素子材料と融着を起さないこと等があげられ
る。 そこで、従来、この様なプレス成形用型部材と
しては金属、セラミツクス、及びこれらに適宜の
材料をコーテイングした材料等数多くの種類が提
案されている。 たとえば、特開昭49−51112号公報には13Crマ
ルテンサイト鋼を用いた型部材が開示されてお
り、特開昭52−45613号公報には炭化ケイ素
(SiC)を用いた型部材及び窒化ケイ素(Si3N4
を用いた型部材が開示されており、特開昭60−
246230号公報には超硬合金に貴金属をコーテイン
グした型部材が開示されており、また特公昭62−
21733号公報には窒化チタンをコーテイングした
型部材が開示されている。 しかして、上記13Crマルテンサイト鋼は酸化
しやすく更に高温のプレス成形時においてFeが
ガラス材料中に拡散してガラスが着色する難点が
ある。また、上記SiCやSi3N4は一般的には酸化
されにくいとされているが、高温ではある程度の
酸化が生じ型部材表面にSiO2の膜が形成される
ためガラスとの融着を生じやすく更に硬度が高す
ぎるため加工性が極めて悪いという難点がある。
更に、表面に貴金属をコーテイングした材料は硬
度が低いために傷付きやすく且つ変形しやすいと
いう難点がある。更に、表面に窒化チタンをコー
テイングした材料はかなり良好な特性を示すが高
温で長期間連続的に使用した場合にはガラスとの
融着が発生しやすくなるという難点がある。 そこで、本発明は、上記従来技術に鑑み、容易
に高精度に製造でき且つプレス成形に際し精度劣
化が少なく特に高温でも長期にわたつて融着を生
ずることのない長寿命の光学素子成形用型部材を
提供することを目的とする。 [問題点を解決するための手段] 本発明によれば、以上の如き目的を達成するも
のとして、 少なくとも成形面が窒化タンタルで被覆されて
おり、該窒化タンタル被覆層が厚さ方向に関し組
成が変化していることを特徴とする、光学素子成
形用型部材、 が提供される。 [実施例] 以下、図面を参照しながら本発明の具体的実施
例を説明する。 第1図は本発明による型部材の一実施例を示す
概略断面図である。本図において、30は型母材
を示し、32は該型母材の成形面に形成された窒
化タンタル被覆層を示す。 本発明においては、型母材30としては、たと
えば超硬合金や焼結SiCを用いることができる。
これら母材材料は切削、研削、研摩等の加工によ
り所望の外形とし、特に成形面は所望の表面精度
に仕上げておく。 上記母材30の表面に窒化タンタル層32を形
成するには、たとえばBunshah法による活性化反
応蒸着法や反応性スパツタリング法等の物理的気
相法(PVD法)あるいはプラズマCVD法や光
CVD法や熱CVD法等の化学的気相法(CVD法)
を用いる。 本発明において、窒化タンタルとはTaN、
Ta2N、Ta2N5、TaN2、TaN3等の窒化物を含む
たとえば侵入型窒化物の構造をもつものを意味す
る。 上記窒化タンタル層32は厚さ方向に関し組成
(即ちタンタルと窒素との原子比率)が変化して
いる。 第2図a〜iは窒化タンタル層32の厚さ方向
に関するタンタル含有率の分布の例を示すグラフ
である。図において、縦軸はタンタル(Ta)含
有率(原子%)を示し、横軸は型母材30との界
面を基準とした厚さを示し、窒化タンタル層32
の厚さがtであるとされている。 第2図a〜eでは直線状にTa含有率が変化し
ており、第2図f、gでは曲線状にTa含有率が
変化しており、第2図hでは折れ線状にTa含有
率が変化しており、第2図iでは階段状にTa含
有率が変化している。 窒化タンタル層32は、表面(即ちプレス成形
の際に光学素子材料と接触する面)においてTa
含有率が比較的低く且つ母材30との界面におい
てTa含有率が比較的高くなつているのが好まし
い。なぜなら、プレス成形時のガラスとの融着を
防止するためにはできるだけ窒素含有率の高いの
が有利であり、型母材との接合強度を高めプレス
成形時の窒化タンタル層の剥離を防止するために
はできるだけTa含有率の高いのが有利だからで
ある。この様な観点から、窒化タンタル層32
は、実用上、たとえば表面におけるTa含有率が
20〜80原子%程度であるのが好ましく、更に母材
との界面におけるTa含有率が45〜100原子%であ
るのが好ましい。 以上の様な窒化タンタル層32における厚さ方
向の組成分布は、窒化タンタル層形成の際の上記
PVD法やCVD法において製造条件を適宜設定す
ることにより得ることができる。 窒化タンタル層32の厚さは製造条件により適
宜設定されるが、使用時に所望の特性が発揮でき
る様な厚さ(たとえば0.1〜10μm、好ましくは1μ
m程度)とすればよい。 窒化タンタル層32は特に高温でのガラスとの
融着性が著るしく低く離型性が良好であるので、
これまで型部材との融着のために高精度成形を工
業的に実施することが困難であるとされている高
融点のガラスを用いる成形にも良好に適用でき、
更には一次成形されたガラスまたは溶融ガラスを
型装置内に収容してプレス成形する光学素子製造
に適用して繰返し使用しても良好な精度の光学素
子を得ることができるという利点がある。 以下、本発明による型部材の製造及びそれを用
いたガラス成形の実施例を示す。尚、同時に、比
較のために、従来及び比較のための型部材の製造
及びそれを用いたガラス成形の例をも示す。 製造及び成形の実施例: 超硬合金[WC(90%)+Co(10%)]及び焼結
SiCを母材材料として型母材を作り、該母材の成
形面に厚さ方向に上記第2図cの組成分布を有す
る窒化タンタル層を形成して、以下の通り本発明
による型部材を製造した。また、比較のために、
上記型母材の成形面に被覆を行なわない型部材及
び該成形面にSiC層またはTiN層を形成した型部
材、更には該成形面に厚さ方向に組成が均一の窒
化タンタル層を形成した型部材を製造した。製造
した型部材の一覧表を第1表に示す。尚、第1表
において、No.1及びNo.2は本発明実施例であり、
No.3、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8は比較例
である。
【表】
【表】 これら型部材の製造は以下の様にして行なわれ
た。 先ず、型母材材料を切削加工し、次いで成形光
学素子の機能面(光学面)に対応する成形面を所
望の表面精度に加工した。型母材の成形面は凹面
であり、先ずダイヤモンド砥石による研削で所望
の曲率に加工し、次いで粒径1μmのダイヤモン
ドパウダーを用いた研摩を行ない、ニユートンリ
ング1本程度の表面形状精度及びRmax0.02μm
程度の表面粗さ精度に仕上げた。 次に、上記No.1及びNo.2については、Bunshah
法による活性化反応蒸着法により型母材の成形面
上に窒化タンタル層を形成した。 窒化タンタル層の形成は次の様にして行なつ
た。 上記の様にして得られた型母材を有機溶剤で洗
浄し、真空槽内にセツトした。次に、該真空槽内
を約1×10-5Torr以下に減圧し、同時に型母材
を300℃程度に加熱した。次いで、反応ガスとし
て窒素ガスを導入し、イオン化電圧50V程度を印
加しながら金属タンタルを電子銃で蒸発させた。
この際、窒素ガスを3×10-4から8×10-4Torr
まで徐々に増加させ、同時に電子銃の調節により
金属タンタル蒸発量を徐々に少なくした。これに
より、蒸発タンタルと窒素とが反応して型母材表
面上に堆積し窒化タンタル層が形成された。得ら
れた窒化タンタル層の厚さ方向のタンタル含有率
分布は上記第2図cの通りであつた。また、該窒
化タンタル層の厚さは約1μmであつた。 上記No.7及びNo.8については、窒素ガス導入量
及び電子銃を一定の条件に維持することを除い
て、それぞれ上記No.1及びNo.2の場合と同様にし
て窒化タンタル層を形成した。得られた窒化タン
タル層のタンタル含有率は50原子%であつた。ま
た、該窒化タンタル層の厚さはいづれも約1μm
であつた。 上記No.6については、上記No.7及びNo.8の場合
と同様にしてBunshah法による活性化反応蒸着法
により型母材の成形面上にTiN層を形成した。
得られたTiN層の厚さは約1μmであつた。 また、上記No.5については、通常のスパツタリ
ング法により母材の成形面上にSiC層を形成し
た。得られたSiC層の厚さは約1μmであつた。 次に、以上の様にして製造された型部材を用い
て、光学ガラスのプレス成形を行なつた。 第3図はプレス成形に用いた装置を示す断面図
である。 第3図において、1は密閉容器であり、2はそ
の蓋であり、3,4は光学素子(両凸レンズ)を
成形するための上記型部材であり、3は上型部材
であり、4は下型部材である。5は上型押えであ
り、6は胴型部材であり、7は型ホルダーであ
り、8はヒーターであり、9は下型突き上げ棒で
あり、10は該棒を駆動させるエアーシリンダー
である。11は油回転ポンプであり、12,1
3,14はバルブであり、15は窒素ガス導入パ
イプであり、16はバルブであり、17は排出パ
イプであり、18はバルブであり、19は温度セ
ンサーであり、20は水冷パイプであり、21は
密閉容器1の台である。 フリント系光学ガラス(SF14、軟化点Sp=586
℃、ガラス転移点Tg=485℃)を所定重量の球形
状として成形のためのブランクを作成した。 密閉容器1の蓋2を開き、上型部材3及び上型
押え5を取外して下型部材4上に上記ブランクを
載せて、上型部材3及び上型押え5を取付けた。
更に蓋2を閉じてから、水冷パイプ20に水を流
し、ヒーター8に通電した。この時、窒素ガス用
バルブ16、バルブ18及び排気系バルブ12,
13,14を閉じておいた。次に、油回転ポンプ
11を作動させ、バルブ12を開き、容器1内を
排気した。容器1内の圧力が10-2Torr以下とな
つた後に、バルブ12を閉じ、バルブ16,18
を開いて窒素ガスをボンベから密閉容器1内へと
導入した。所定温度になつた後にエアーシリンダ
ー10を作動させて10Kg/cm2の圧力で5分間プレ
ス成形を行なつた。加圧力を除去し、約5℃/分
の速度でガラス転移点以下になるまで冷却し、そ
の後20℃/分以上の速度で冷却を行ない、温度が
200℃以下に下つた後に、バルブ16,18を閉
じ、リークバルブ13を開いて密閉容器1内に空
気を導入した。次に、蓋2を開き、上型部材3及
び上型押え5を取外して成形済光学素子を取出し
た。 第4図はプレス成形時のガラスの温度変化を示
す図である。 以上の様なプレス成形の前後における型部材
3,4の成形面の表面粗さの及び成形された光学
素子の光学面の表面粗さ、ならびに成形光学素子
と型部材3,4との離型性について第2表に示
す。
【表】 次に、融着発生のないNo.1、No.2、No.3、No.
6、No.7及びNo.8について、同一型部材を用いて
連続10000回のプレス成形を行なつた。この際の
型部材3,4の成形面の表面粗さ及び成形された
光学素子の光学面の表面粗さについて第3表に示
す。
【表】 上記No.1及びNo.6に関する2500回のプレス後の
型部材の成形面の走査型電子顕微鏡写真(倍率
3450倍)を参考写真1及び参考写真2に示す。参
考写真1はNo.1のものであり、表面に何の欠陥も
ない。一方、参考写真2はNo.6のものであり、表
面には欠陥としての融着ガラスが白点状に現れて
いる。 以上の様に、本発明実施例においては、繰返し
プレス成形に使用しても良好な表面精度を十分に
維持でき、融着を生ずることなく良好な表面精度
の光学素子が成形できた。 また、成形面に窒化タンタル層を有する本発明
実施例の型部材は、同様の母材にTiN層を有す
る型部材に比べて、成形回数が少ない時は殆ど差
がないが、成形回数が多くなつても離型性の低下
が極めて少ないことが分つた。 ちなみに、上記No.1及びNo.6に関する2400回の
プレス後の型部材の成形面表面をESCA
(Electron Spectroscopy for Chemical
Analysis)により分析した結果を第5図a,b
に示す。第5図aにNo.1のものであり、ガラスか
ら拡散移行したPbは少ない。一方、第5図bは
No.6のものであり、ガラスから拡散移行したPb
が極めて多い。この様な高温でのガラスとの反応
性の差も、高温での繰返しプレス成形におけるガ
ラス融着性の差の要因であろうと推測される。 また、タンタル単体では体心立方晶構造である
が、タンタルが窒化すると六方晶となり原子の充
填密度が高くなる。それ故に、窒化タンタルでは
ガラスとの反応性に寄与すると考えられる酸素や
鉛等の原子の侵入がおこりにくい。これに対し、
Tiは担体では六方晶構造であるが、Tiが窒化す
ると立方晶となる。そのため、TiNは原子の充
填密度が窒化タンタルよりも低くなると考えられ
るので、ガラスと反応しやすくなるものと推測で
きる。 上記10000回のプレス成形で表面粗さが良好で
あつたNo.1、No.2、No.7、No.8について同一型部
材を用いて更に連続20000回までのプレス成形を
試みたところ、No.7、No.8はいずれも14000回に
到達するまでに被覆層が剥離したが、No.1、No.2
はいづれも20000回まで被覆層の剥離を生ずるこ
とがなく且つ型部材及び光学素子の双方とも表面
粗さはそれ程劣化しなかつた。 上記実施例では窒化タンタル層の形成方法とし
てBunshah法による活性化反応蒸着法が用いられ
ているが、窒化タンタル層はその他の方法たとえ
ば反応性スパツタリング法を用いて形成すること
もできる。 第6図は窒化タンタル層形成のための反応性ス
パツタリング装置の概略構成図である。 第6図において、40は真空槽である。該真空
槽には排気口42が接続されており、該排気口は
不図示の減圧源に接続されている。真空槽40内
の上部にはヒータ44が配置されており、45は
その電源である。該ヒータ44の下方に型母材支
持体46が配置されており、該支持体には成形面
を下向きにして型母材48が支持される。49は
該型母材に対しバイアス電圧を印加するためのバ
イアス電源である。該型母材48の下方にはグロ
ー放電発生用のコイル50が配置されており、5
1はその高周波電源であり、52は整合回路であ
る。上記真空槽40内の下部にはカソード電極5
4が配置されており、該電極上にはタンタルター
ゲツト56が配置される。57は上記カソード電
極54に対し電圧を印加するための電源である。
58は上記タンタルターゲツト56の方に向けて
アルゴンガスを供給するためのパイプであり、ま
た60は上記型母材48の方に向けて窒素ガス及
び/またはアンモニアガスを供給するためのパイ
プである。 窒化タンタル層の形成時には、所定の精度に仕
上げられた型母材48を有機溶剤で洗浄した後に
型母材支持体46により支持する。次に、真空槽
40内を所定の真空度まで排気し、パイプ58か
らアルゴンガスを導入し、高周波電源によりコイ
ル50に高周波電圧を印加してグロー放電を発生
させ、更にバイアス電源49により型母材48に
負の電圧を印加して、アルゴンイオンによる型母
材48のスパツタクリーニングを行なう。その
後、電源57によりカソード電極54に高周波ま
たは直流の電圧を印加して該タンタルターゲツト
56の近傍にアルゴンのグロー放電を発生させ
て、タンタルターゲツトにアルゴンイオンの衝撃
を与え、同時にパイプ60から窒素ガス及び/ま
たはアンモニアガスを導入し、電源51によりコ
イル50に高周波電圧を印加して窒素プラズマを
形成し、バイアス電源49により型母材48に負
のバイアス電圧を印加して、上記窒素プラズマ中
の窒素イオンを型母材48の方へと引き込むこと
により、タンタルの反応性スパツタリングを行な
うことができる。これにより、型母材48の表面
に窒化タンタル層が形成される。 該窒化タンタル層中の窒素とタンタルとの比率
は、成膜条件を適宜設定するにより所望の値とす
ることができる。該比率に大きく影響する成膜条
件としては、真空槽40内の真空度、アルゴンガ
スの圧力及び窒素ガス及び/またはアンモニアガ
スの圧力、及び電源45,49,51,57の電
圧等がある。これら成膜条件を適宜変化させなが
ら成膜を行なうことにより、厚さ方向に組成分布
が変化する窒化タンタル層を形成することができ
る。 以上の様な反応性スパツタリング法によれば、
型母材近傍に窒素を供給して窒素プラズマを形成
するので、比較的窒素含有率の大きな窒化タンタ
ルをも容易に形成することができる。 この様な反応性スパツタリング法を用いて、そ
れぞれ上記No.1、No.2と同様の母材及び窒化タン
タル層を有する型部材(No.9、No.10)を得た。
尚、この時得られた窒化タンタル層の厚さ方向の
タンタル含有率分布は第2図aの通りであつた。 該No.9、No.10を用いて、上記第3図及び第4図
に関し説明したと同様にして、連続30000回のプ
レス成形を行なつた。また、上記No.1、No.2につ
いても、同様にして更に連続30000回までのプレ
ス成形を行なつた。その結果、いずれも窒化タン
タル層の剥離は生じなかつた。ただ、No.1、No.2
と比較してNo.9、No.10では型部材及び光学素子の
双方とも表面粗さの劣化が少なかつた。これは、
ガラスとの接触面のTa含有率がNo.1、No.2では
50原子%であるのに対しNo.9、No.10では25原子%
と少ないためであると考えられる。 上記実施例では成形される光学ガラスとしてフ
リント系のものが用いられているが、本発明の型
部材によればその他のクラウン系等のガラスにつ
いても同様に良好な精度での成形が可能である。 上記実施例では、PVD法やCVD法でタンタル
層上に形成された窒化タンタル層をそのまま用い
ているが、該方法により窒化タンタル層を比較的
厚く形成しておき、その後表面を鏡面研摩した上
で用いることもできる。また、多数回のプレスに
より表面に欠陥が生じた場合にも、この様な研摩
により良好な表面を再生することができる。 [発明の効果] 以上の様な本発明によれば、成形面が窒化タン
タル層で被覆されているので、繰返しプレス成形
に際し精度劣化が少なく、更に特に高温での使用
においてもガラスとの融着を生ずることのない長
寿命の光学素子成形用型部材が提供される。 更に、本発明によれば、窒化タンタル層の組成
を厚さ方向に変化させて表面側を高窒素含有率と
し且つ型母材側を高タンタル含有率とすることが
でき、これにより被覆層の内部応力が少なく且つ
被覆層と型母材との接合力が大きく従つて耐久性
の良好な型母材が得られる。 更に、窒化タンタルのヌープ硬さHkはたとえ
ば2800であり、ヌープ硬さ2000のTiNに比較し
て高硬度であるため傷が付きにくく、このため使
用時においてクリーニングを繰返しても傷付きに
くく、それ故に良好な表面精度の光学素子を長期
にわたつて製造することができる。 また、本発明型部材は、型母材として加工性の
良好なものを選択することができるので、製造が
容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による型部材の一実施例を示す
概略断面図である。第2図はa〜iは窒化タンタ
ル層の厚さ方向に関するタンタル含有率分布を示
すグラフである。第3図は光学素子のプレス成形
装置の断面図である。第4図はプレス成形時のガ
ラスの温度変化を示す図である。第5図a,bは
プレス後の型部材の成形面のESCAによる分析結
果を示す図である。第6図は本発明による型部材
の製造に使用される装置を示す図である。 3,4:型部材、30:型母材、32:窒化タ
ンタル層、48:型母材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも成形面が窒化タンタルで被覆され
    ており、該窒化タンタル被覆層が厚さ方向に関し
    組成が変化していることを特徴とする、光学素子
    成形用型部材。 2 窒化タンタル被覆層が表面においてタンタル
    含有率20〜80原子%である、特許請求の範囲第1
    項の光学素子成形用型部材。 3 窒化タンタル被覆層が表面から型母材側へと
    次第にタンタル含有率が高くなる組成を有する、
    特許請求の範囲第1項の光学素子成形用型部材。 4 窒化タンタル被覆層が型母材との界面におい
    てタンタル含有率45〜100原子%である、特許請
    求の範囲第3項の光学素子成形用型部材。
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