JPH0372432A - ロタウイルス感染症治療剤の製法 - Google Patents

ロタウイルス感染症治療剤の製法

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JPH0372432A
JPH0372432A JP2088151A JP8815190A JPH0372432A JP H0372432 A JPH0372432 A JP H0372432A JP 2088151 A JP2088151 A JP 2088151A JP 8815190 A JP8815190 A JP 8815190A JP H0372432 A JPH0372432 A JP H0372432A
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谷口 裕巳
Masamitsu Goto
後藤 雅光
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岡本 利之
Iwao Sakauchi
岩雄 坂内
Takeshi Ando
剛 安藤
Osamu Kirihara
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、牛乳中の生理活性蛋白質の分離精製法及びそ
の方法によって分離精製した牛乳中の未変生生理活性蛋
白質の製剤化法並びに未変生生理活性蛋白質を用いるロ
タウィルス感染症の予防及び治療法に関するものである
「従来の技術」 ロタウィルスは小児の急性下痢症から1973年に分離
されたウィルスで、レオウィルス科に属する。
このウィルスはマウスからサルに至る種々の哺乳動物並
びにニワトリ等の鳥類に見いだされる二本鎖のRNAウ
ィルスで、分子量0.2〜2.2 XIO’の11分節
RNAからなり、構成蛋白質は分子量15〜130 X
IOの8〜10個のペプチドよりなる0粒子は直径65
〜75nm、 32のキャブソメアーがウィルスコアか
ら放射状に配列するように見えるため、車輪(ラテン語
ロータ)になぞらえてロタウィルスと命名された。ヒト
のロタウィルスは冬期(11月から翌年の3月まで)、
乳幼児に流行する急性の非細菌性胃腸炎(仮性コレラ、
白痢なと)の主な原因ウィルスと考えられていて、乳児
胃腸炎ウィルスとも呼ばれ、最近は学童の集団下痢症の
原因になっていると言われている。激しい下痢及び嘔吐
、それに続く脱水症状を特徴とするが、栄養状態が著し
く改善された我が国の乳幼児はロタウィルスの感染症で
死亡することは殆どなくなっている。しかし、栄養補給
が不充分な開発途上国では、今なお有力な乳幼児死亡原
因の一つに数えられる。また、最近では夏期、老人に流
行する下痢症もロタウィルスの感染に起因することが明
らかにされた。老人の場合には抵抗力が衰えているので
、乳幼児と異なり不幸な転機を迎えることも稀ではない
とされている。つまり、ロタウィルス感染に起因する下
痢症は、個体の免疫能と密接な関係があり、その感染症
は「免疫系が未1fi、熟の乳幼児」並びに「免疫能が
低下した老人」の病気である。
本発明者らはロタウィルス感染症の予防及び治療法を研
究した結果、牛乳中に含まれる生理活性蛋白質を未変生
のまま経口的に与えることによって、ヒトのロタウィル
ス感染症を治療及び予防できることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
ヒトのロタウィルスとウシやウマに胃腸炎を起こすロタ
ウィルスとは、補体結合反応で共通の抗原を持つことが
分かっている。111i乳動物並びに鳥類のロタウィル
スは、血清型によってI〜■型に分類される。この内で
ヒトに感染し、下痢症を起こさせるのは主として■〜■
型である。昔はウィルスの検出は困難であったが、免疫
学的方法の発展により糞便抽出液を用いてウィルス抗原
を迅速に検出診断することが可能になった。回復期患者
血清はウシロタウィルスを抗原として補体結合反応で陽
性を示す。つまり、ヒトとウシのロタウィルス表面抗原
には共通の部分が存在することが示唆される。
一方、哺乳動物の乳汁、特に初乳中には多量の免疫グロ
ブリンが分泌されることが知られている。
前述したようにロタウィルスが、好んで免疫系が未成熟
な幼若動物に感染する点から考えれば、乳汁中にはロタ
ウィルスの抗原を認識し、それと結合する防御抗体が含
まれていても不思議ではない。事実、最も普遍的な乳汁
である牛乳中には、同種のロタウィルスに対する抗体が
高い力価で含まれていることが分かっている。したがっ
て、牛乳中に含まれるロタウィルス抗体を、ヒトのロタ
ウィルス感染症の治療及び予防に応用する際に、遭遇す
る主要な問題は、ウシの乳汁抗体が動物種差を越えてヒ
トのロタウィルス(血清I〜■型)を中和できるかどう
かにかかっている。ロタウィルスは細胞培養で活発に増
殖することが知られている。ロタウィルスに対する中和
抗体価を検定する最も簡便な方法は、サルの腎臓から得
られた細胞株MA−104の単層培養(−onolay
er culture )にロタウィルスを感染させ、
一定時間培養して生ずるブラックを数えるplaque
 redgctiori法である。
この方法の原理は、H^−104細胞の単層培養上にウ
ィルスを感染させ、生細胞と死細胞を染め分けることか
できる色素を添加した寒天培地で覆って培養することか
ら戒り立っている。一定時間培養すると、初めは一個だ
ったウィルスは細胞に侵入して増殖し、感染した細胞を
次々と死滅させながら周囲に拡がって行く。寒天培地中
には生細胞は染まるが、死細胞は染まらない色素が含ま
れるので、ウィルス増殖によって生じた死細胞ゾーンは
、肉眼的に、も周囲と識別できるブランクとして観察さ
れる。この方法は原則として一個のウィルスから一個の
ブランクを生ずるので、免疫グロブリンを含む抗ウイル
ス物質のウィルス増殖抑制活性を次のような方法で測定
することができる。即ち、種々のロタウィルス株とウシ
初乳免疫グロブリンを中性の緩衝液中で混合し、一定の
時間放置すると、免疫グロブリン中にロタウィルスに対
する中和抗体が充分に含まれていれば、ロタウィルスは
抗原〜抗体複合体となって沈澱して系外に除去される。
したがって、ウィルスを沈澱させた後の液を細胞培養に
感染させても、ロタウィルスによるブラックを生じなく
なる。実際にはウィルスによるブラック形成を60%減
少させることができる抗ウイルス活性物質の最大希釈倍
率を中和抗体価と呼んで、in vitroにおける抗
ウィルス活性の目安にしている。本発明者らはウシ初乳
から分離精製した免疫グロブリン濃縮物について、この
plaquereduction法によってロタウィル
スに対する中和抗体価を測定したところ、表1に示す値
が得られた。即ち、乳牛数十頭〜数百頭から採集した初
乳をプールし、免疫グロブリン濃縮物を分離精製して種
々のロタウィルス株に対する抗体を測定したところ、ロ
フト毎に多少のバラツキはあるが、各種血清型のウィル
スに対し例外なしに高い中和抗体価を示した。したがっ
て、このようにプールした初乳から採集した免疫グロブ
リン濃縮物は、ヒトを含む各種のロタウィルスをin 
vitroで中和する抗体を多量に含有することは当然
であるが、その他に牛乳中に存在する生理活性蛋白質、
例えばラクトフェリン、ラクトパーオキシダーゼなども
同時に含有する。しかし、本明細書では便宜的に「免疫
グロブリン濃縮物」と呼ぶことにする。
表1.初乳免疫グロブリン濃縮物のロタウィルこのよう
にロタウィルスに対する高い抗体価を持った免疫グロブ
リン濃縮物は、本発明の方法により従来の方法と比べて
遥かに経済的に製造することができる。
従来、初乳からの免疫グロブリン濃縮物は、主として硫
酸アンモニウム沈澱法によって製造されてきた。即ち、
初乳をpH4,5に調節し、凝乳酵素レンネフトを添加
してカゼインを沈澱させて、浮上してきた乳脂肪をすく
い取って除くと同時に、沈澱したカゼインを遠心分離し
て除去する。このようにして得た初乳ホエイに硫酸アン
モニウムを45%飽和になるまで添加すると、免疫グロ
ブリンの微細な沈澱を生ずる。この混合物を遠心分離す
ると、免疫グロブリンを含む分画は比重が重い液の部分
に流出する0重液部分は分画分子量2万の限外濾過膜で
処理することによって、硫酸アンモニウム及び牛乳由来
の低分子物質を除去していた。
しかしこの方法は次のような大きな欠点があった。
■「収量が低いこと」、免疫グロブリンは硫酸アンモニ
ウムによる沈澱法では完全には沈澱しないので、母液の
残存して損失になる部分が非常に多い。
■「時間がかかること」。最終的な濃縮液に残留する硫
酸アンモニウムを限外濾過膜によって除去するために多
大の時間がかかること。
■「廃液処理に時間と経費がかかること」。大量の硫酸
アンモニウムを含む工場廃液がでるため、処理に多額の
経費と時間が必要である。
「発明が解決しようとする課題」 本発明は斯かる従来方法の欠点を解消すべくなされたも
のであり、収量が増加し且つ廃液処理に時間と費用がか
からず、更に高品質の免疫グロブリンを得ることができ
るようになしたものである。
「課題を解決するための手段」 而して、本発明に係る新規な生理活性蛋白質の分離精製
法は、初乳ホエイまでの工程は従来法と同一であるが、
初乳ホエイを直ちに分画分子量5万〜15万好ましくは
10万の限外濾過膜で処理することを特徴とするもので
ある。この方法の原理は、分子量の大きさに応じて乳蛋
白を分別することにある。即ち、初乳中に最も多量に含
まれるIgG1の分子量は、o+onomarとして約
14万であるが電気泳動によって検討したところ、殆ど
の免疫グロブリンは2−3分子が他の初乳蛋白と結合し
たdimer並びにtrimerの形で存在することが
明らかになった。したがって、初乳ホエイを分画分子量
5万〜15万の限外濾過膜で処理すると、初乳ホエイ中
の低分子はもとよりα−ラクトアルブξン、β−ラクト
グロブリン、牛血端アルブ主ンなどの牛乳由来の蛋白質
は大部分が除去されるが、免疫グロブリンは僅か1%以
下の損失で総蛋白質中に占める割合を2倍以上に濃縮で
きる。
このような工程を経て分離精製した免疫グロブリン濃縮
液は、凍結乾燥ないし噴霧乾燥法によって白色鱗片状な
いし白色〜黄白色の非常にカサ比重が軽い粉末として得
ることができる。粉末中における蛋白質の含量は使用す
る初乳ホエイの免疫グロブリン含量に依存するが90%
以上、その50〜85%が未変生の免疫グロブリンであ
る。
また、免疫グロブリン濃縮液はど、のような乾燥法を採
用しても、得られる粉末は水をはじく性質があり、水に
溶けにくい、したがって、この粉末をそのままカプセル
に封入するか、錠剤化しても、人工胃液中ではゴム状の
塊になって全く分散しない。この実験結果から牛乳由来
の精製免疫グロブリンは、血液中から精製した免疫グロ
ブリンと比べると水に溶かした際の粘度が著しく高く、
単純な製剤では消化管内でゴム状の塊として粘膜に付着
するだけで、消化液中に分散することは期待できないと
推定された。したがって、ヒト或いは動物に免疫グロブ
リンを経口投与し、消化管内で抗ウィルス活性を発揮さ
せるには、消化管内で分散溶解させる必要がある。この
目的に沿った製剤化法としては、微細に粉砕した免疫グ
ロブリン濃縮物粉末1部を、1部以上の親水性化合物、
例えばm類或いは糖アルコールと混合し、少量の水分を
11!してから充分に練り合わせて顆粒化することが望
ましい、このような顆粒は水をはじく性質を持つ免疫グ
ロブリン粒子の表面を親水性の糖類で被覆するために、
分散性及び溶解性が著しく改善される。したがって、ウ
シ免疫グロブリン濃縮物は、牛乳から分離されるもので
あり、牛乳中には容易に溶解する。また、′I11.I
IIな免疫グロブリン粉末を5〜50%の割合で粉乳に
混合するだけで、免疫グロブリンは温水に非常に溶けや
すくなる。更にpHが中性の電解質粉末、例えばpho
sphate buffersarineの粉末と免疫
グロブリン濃縮物の微細な粉末を混合しても、水への溶
解性が大きく向上する。
そしてまた、このような免疫グロブリン濃縮物を用いて
ヒト乳児、子ウシ、子ウマにおけるロタウィルス性下痢
症の治療及び予防効果を検討した。
まずヒトについては免疫グロブリンを65%含有する粉
末を免疫グロブリンに換算して100〜1200■、−
日一回育児用調整粉乳或いは飲料と混合して与え、ロタ
ウィルス感染症に対する治療及び予防効果を検討した。
詳細については実施例に譲るが、治療効果の場合には、 ■下痢症の期間の短縮。
■糞便中へのロタウィルス排泄期間の短縮。
の点で統計的に有意な効果が認められた。また、予防効
果の検討では、ウシ初乳免疫グロブリン濃縮物を予防的
に一日一人当たり0.5〜1.5g (免疫グロブリン
の純度60%)連続的に与えた群では有意にロタウィル
ス感染症の発生が抑制された。
この実験からウシ初乳免疫グロブリンのヒト・ロタウィ
ルス感染症に対する治療及び予防効果は明らかである。
ウシの場合にも子ウシ100頭以上を使い、ウシ初乳免
疫グロブリン(純度65%)25gを電解質溶液に溶解
して与え、ロタウィルス感染症に対する治療及び予防効
果を検討した。この場合もウシ初乳免疫グロブリンは治
療及び予防の両面にわたって有意な効果を示した。
更にロタウィルスに感染した子ウマについても、免疫グ
ロブリン(純度65%)を25g連日経口投与し、ロタ
ウィルス下痢症に対する治療効果を検討した。この場合
にも対照群と比べ「下痢の期間」及び「糞便中へのロタ
ウィルス排泄期間」の両面にわたって期間の短縮が認め
られた。したがって、ウシ初乳免疫グロブリンはヒトを
含む哺乳動物のロタウィルス感染症に対し普遍的な治療
及び予防効果を示すことが明らかになった。
「発明の効果」 従来の方法と比較した本発明の利点は下記の通りである
■「収量」、初乳ホエイ以降の工程では全く損失がない
ので、従来法と比べて免疫グロブリンの収量が約2倍に
向上する。
■「廃液処理」。従来法と比べて廃液が非常に少ないの
で、処理に時間と費用がかからない。
■「品質」。長時間処理する必要がないので、従来法よ
り品質的に優れた免疫グロブリンを得ることができる。
また、免疫グロブリン粒子の表面を親水性の糖類で被覆
すると、分散性及び溶解性が著しく改善される。また、
免疫グロブリン粉末を5〜50%の割合で育児用調整粉
乳に混合する場合並びにpHが中性の電解質粉末に混合
する場合には、水への溶解性を向上させることができる
。更にまた、免疫グロブリンを経口投与すると、下痢症
の期間が短縮され且つまた糞便中へのロタウィルス排泄
期間を短縮させることができる。
以下、本発明の実施例を示す。
〔実施例1〕 限外濾過膜による分離精製法。
分娩48時間後までのウシ初乳500kgを40℃に加
温し、酢酸を添加してpH4,6に調節した後、チーズ
製造に準じて凝乳酵素レンネッ) 0.01%、CaC
1z O,02%を加えて1時間、攪拌しながら保持し
てカゼインを完全に微細なカード化した。このカゼイン
・カードを含む液を遠心分離し、凝集したカードの部分
約150kgとホエイ部分350kgを得た。ホエイに
再度NaOHを加えpH6〜7に修正してから、フィル
ター・プレスを通して濾過して濾液を得た。この濾液を
分画分子量10万の限外濾過膜を通過させて3倍濃縮を
5回繰り返し、濃縮液80瞳を得た。この液を無菌濾過
した後、凍結乾燥し約8kgの免疫グロブリン濃縮粉末
(純度65%〉を得た。
このようにして初乳から分離精製した免疫グロブリン濃
縮粉末についてロタウィルスに対する中和抗体価を下記
のようにして測定した。 MA−104,II胞で増殖
させたウシ・ロタウィルス(NCDV株)を200 P
FU /mlになるように希釈する。このウィルス希釈
液と免疫グロブリン濃縮物の5倍°段階希釈溶液とを夫
々等量混和し、37℃で1時間中和後のウィルス量を、
3.5cIlのシャーレで37℃2日間培養したMa−
10411fl胞単層培養上でのブランク形成で測定し
、対照ブラック数に比較して約60%のブラック減少を
認めたサンプル希釈倍数を中和抗体価とした。
〔実施例2〕 糖類による製剤化法。
12kgのブドウ糖に蒸溜水420a+1をスプレィし
て湿らせた後、粉砕機にかけて微細な粉末としたウシ免
疫グロブリン濃縮物(免疫グロブリンとして純度63%
、ウシ・ロタウィルスNCDV株に対する中和抗体価、
1 :6250) 4kgを加えて充分に練り合わせた
。練合した後、2a+/m  (16〜13mesh)
のネットを備えた押し出し造粒機にかけて顆粒化し、次
いで流動乾燥機にかけて温度70℃、25分間乾燥した
。このようにして調製した顆粒の水分含量は7.5%で
あった。
〔実施例3〕 育児用調整粉乳による製剤化法。
市販育児用調整粉乳90gにウシ免疫グロブリン濃縮物
10g (免疫グロブリン含有率65%、ウシ・ロタウ
ィルスNCDV株に対する中和抗体価(1:6250)
を混合し、3mlの蒸溜水を噴霧して軽く湿り気を与え
つつ充分に練り合わせる。次に50℃以下の温度で乾燥
し、適当に粉砕してから1同量10〜20gを防湿の袋
に充填して製品化する。
〔実7f!例4〕 市販オレンジジュースとの混合によ
る製剤化法。
市販の粉末オレンジジュース400gに微粉化したウシ
初乳免疫グロブリン濃縮物100g (免疫グロブリン
含有率62%、ロタウィルスNCDV株に対する中和抗
体価1 : 31250 )を混合し、以下実施例2と
同様に操作してウシ初乳免疫グロブリン含有の粉末オレ
ンジジュースを得た。
〔実施例5〕 乳酸醗酵による製剤化法。
市販牛乳1000リツトルにウシ初乳免疫グロブリン濃
縮物(純度62%、ロタウィルスNCDV株に対する中
和抗体価1 : 31250 ) 10gを添加し、適
当量のLactobecillus bulgaric
us並びにStreptococcusthermop
hf 1usuからなる混合塔#(スターター)を添加
し、40℃で8〜10時間培養した。乳酸菌の増殖によ
ってpHが低下し、液全体が固化した頃を見計らって出
荷し食用に供する。ウシ免疫グロブリンはこれらの乳酸
菌の増殖に対し何等の阻害作用も示さない。また、この
ような短時間の培養では、これらの乳酸菌は蛋白分解酵
素を分泌してウシ免疫グロブ°Jンを加水分解し、失活
させることはない。したがって、初めに添加した免疫グ
ロブリンは、本発明法で調製したヨーグルト製品中にそ
のままの形で残存する。また、上記の混合培養の代わり
に中温性の乳酸菌Streptococcus 1ac
tis。
5trept、 cremorisなどをスターターと
して用い、20℃前後の温度で培養することによっても
、免疫グロブリン含有のヨーグルトを製造することがで
きる。
〔実施例6〕 ヒトのロタウィルス感染症治療法。
冬期下痢症を発症して24時間以内に小児科医のもとに
通院を始めた患児を対象としてウシ初乳免疫グロブリン
の治療効果を検討した。
現状ではヒトロタウィルス感染症に対し有効な治療剤は
存在せず、使われるのは全てが対症療法である。したが
って、治療に際しては原則として重篤な細菌感染症を合
併する場合を例外として、抗生物質を除く全ての対症療
法剤の使用は自由とした。抗生物質は免疫グロブリンの
治療効果を修飾する可能性があるので、使用を禁止した
。患児には実施例2のように製剤化した顆粒(ウシ初乳
免疫グロブリンの純度67%、ロタウィルスに対する中
和抗体価1 二6250)を−日一回微温湯、育児用調
整粉乳、牛乳、果汁などの何れかに溶解して与え、排便
する毎にその一部を採取して、その性状、ロタウィルス
抗原の有無などを検討した。
方、対照群としては免疫グロブリン非投与群を設定し、
両群における下痢の期間及びウィルスが検出できなくな
るまでの期間を比較した。その結果は表2に示す通りで
ある。即ち、下痢症の期間及びウィルス排泄期間の何れ
をとっても、免疫グロブリン投与群は対照群と比べ、有
意に罹病期間を短縮させる効果を示した。したがって、
ウシ初乳免疫グロブリンがヒト・ロタウィルス感染症に
対し治療効果を持っていることは明らかである。
表2 ウシ初乳免疫グロブリンのロタウィルス感染症に
対する治療効果。
〔実施例7〕 ヒトのロタウィルス感染症予防法。
昭和61年2月1日から同28日までの4週間、2歳未
満の乳幼児53名をランダムに2群に分け、−方の群(
30名)を対照群としてブドウ糖を連日4gを投与し、
他方の群(23名)には実施例2の方法によって調製し
たウシ初乳免疫グロブリン製剤4g(ウシ初乳免疫グロ
ブリン濃縮物として1g、口タウイルスNCDV株に対
する中和抗体価1 : 31250 )を連日経口投与
した。4週間後にロタウィルス感染による下痢症発生の
頻度を両群で比較した結果は表3に示す通りである。
表3 ウシ初乳免疫グロブリンによるロタウィルス感染
症の抑制 ロタウィルスによる下痢症予防効果は明らかである。
〔実施例8〕 ウシのロタウィルス感染症予防法。
生後1ケ月以内のホルスタイン茄子ウシ141頭をラン
ダムに2群に分け、1群にウシ初乳免疫グロブリン(純
度63%〉を−日一回25gづつ電解質溶液或いはブド
ウ糖溶液に溶解して与えた。対照群には夫々電解質或い
はブドウ糖液のみを与えた。
その結果は表4に示す通りである。
表4 子ウシにおけるウシ免疫グロブリンの下痢症予防
効果 冬期下痢症発生に際しては、愚兄から採便してロタウィ
ルス排泄の有無を調べて、診断を確定した。表3に示す
ようにウシ初乳免疫グロブリン製剤を連日経口投与した
群では、対照群と比ベロタウイルス感染症の発生が有意
に抑制される。したがって、本発明のウシ初乳免疫グロ
ブリン製剤の〔実施例9〕 ウシのロタウィルス感染症
治療法。
生後1ケ月以内のホルスタイン茄子ウシにロタウィルス
感染症を疑われる下痢が始まってから24時間以内に、
ウシ初乳から分離した免疫グロブリン(純度64%〉2
5gを一日一回連続1週間、水ないし電解質液に熔かし
て経口的に与え、下痢が止まるまでの期間を免疫グロブ
リンを与えなかった対照群の下痢が収まる期間と比較し
た。なお、ロタウィルス感染症の証明は、採取した糞便
からウシ・ロタウィルス抗原が検出された場合のみを陽
性として集計した。表5から明らかなように、ウシ初乳
免疫グロブリンは子ウシのロタウィルス感染に基づく下
痢症の罹病期間を有意に短縮する効果を示した。
表5 ウシ免疫グロブリンのロタウィルス感染症〔実施
例10〕  ウマのロタウィルス感染症予防法。
北海道日高地方で出生したサラブレッド茄子ウマ19頭
をランダムに2群に分け、一方の群には出生後1週間目
から一日一回連Vt10日間にわたってウシ初乳免疫グ
ロブリンを25gづつ経口的に与えた。他方の群は対照
として、ロタウィルス感染による下痢発生の有無を比較
した。
表6 ウシ初乳免疫グロブリンによる子ウマの下痢症予
防効果 結果は統計的に有意ではないが、ウシ免疫グロブリンが
ウマのロタウィルス感染症を予防する効果があることは
中和抗体価並びにヒト、ウシの例からみて明らかである
* *  p<o、oi  in  5tudent 
 t−test手続補正書 平11jL2年6月19日

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)脱脂初乳或いは初乳ホエイを分画分子量5万〜1
    5万の限外濾過膜により処理し、初乳中の免疫グロブリ
    ンを主成分とする生理活性蛋白質を濃縮し分離精製する
    ことを特徴とする牛乳中の生理活性蛋白質の分離精製法
  2. (2)限外濾過膜として分画分子量10万のものを用い
    る請求項(1)記載の牛乳中の生理活性蛋白質の分離精
    製法。
  3. (3)請求項(1)記載の方法によって分離精製した牛
    乳中の生理活性蛋白画分に糖類を加え、1〜5%の水を
    噴霧して軽く湿り気を与えてから充分に練合し顆粒化し
    て得られる牛乳中の未変生生理活性蛋白質の製剤。
  4. (4)糖類としてグルコース、マルトース、シェークロ
    ース、フルクトース及びソルビトールの中のいずれかを
    用いる請求項(3)記載の製剤。
  5. (5)請求項(1)記載の方法によって分離精製した牛
    乳中の未変生生理活性蛋白質を育児用調製粉乳に0.5
    〜50%添加して得られる育児用粉乳。
  6. (6)請求項(1)記載の方法によって分離精製した牛
    乳中の未変生生理活性蛋白質を粉末飲料に添加して得ら
    れる粉末飲料。
  7. (7)請求項(1)記載の方法によって分離精製した牛
    乳中の未変生生理活性蛋白質を牛乳に添加し、乳酸菌を
    一種または混合して接種し培養して得られる乳酸醗酵食
    品。
  8. (8)乳酸菌としてLactobacillus属、S
    treptococcus属及びLeuconosto
    c属のものを用いる請求項(7)記載の乳酸醗酵食品。
  9. (9)請求項(1)記載の方法により牛乳から分離精製
    した未変生生理活性蛋白質を免疫グロブリンとしてヒト
    1名に一日当たり30〜6000mgを連日経口投与す
    ることを特徴とするロタウイルス感染症の予防及び治療
    法。
  10. (10)請求項(1)記載の方法により牛乳から分離精
    製した未変生生理活性蛋白質をウシ、ブタ、イヌ及びネ
    コなどの幼獣に免疫グロブリンとして一日一頭当たり1
    0〜500mg/kgを連日経口投与することを特徴と
    するロタウイルス感染症の予防及び治療法。
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JP2007185134A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Asama Chemical Co Ltd 容器詰飲料およびそれらの製造方法
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