JPH0372297A - 加圧器の気相消滅制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は、加圧水型原子力発電プラントにおける加圧器
内の気相を消滅させるための制御装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ 加圧水型原子力発電プラントにおいては、運転中、炉心
での冷却材の沸騰を抑えるために、一次冷却系に加圧器
が接続され、炉心内を飽和圧力を超える加圧状態にして
いる。この加圧器は、一般に、定期検査等のために原子
力発電プラントを停止させる際に、内部の気相を消滅さ
せるようになっている。

従来、加圧器気相消滅のための制御は運転員の手動に頼
っていた。即ち、第２図に示した加圧器水位制御系を参
照して手動制御について説明すると、先ず、加圧器２２
内の水位を徐々に上昇させるために、充填ライン１４に
設けられた流量制御弁１５と抽出ライン１６に設けられ
た抽出制御弁２０の操作により、充填ライン１４から一
次冷却系１１への流入量を一次冷却系１１から抽出ライ
ン１６への流出量よりも多くする。

その結果、一次冷却系１１の増加した水量は加圧器２２
内に流入し、加圧器２２の水位が上昇する。この水位上
昇に伴い、加圧器の気相部１８の蒸気は圧縮され圧力が
上昇するため、加圧器スプレィ弁１２を開いて冷水をス
プレィして気相部１８の蒸気を凝縮させ圧力を低下させ
る。圧力が低下し過ぎれば、加圧器ヒータ１３をオンに
して、加圧器２２内の水を加熱し、圧力を上げる。スプ
レィ弁１２の開閉及び加圧器ヒータ１３のオン・オフに
よる加圧器圧力の制御は加圧器圧力制御系２１により自
動的に行われる。

加圧器２２の圧力は圧力計１９で検出でき、水位は水位
計１７で検出できる。しかし、この水位計Ｉ７の較正は
、プラントが完全に停止し、加圧器内が完全に冷却され
た時の水の温度を仮定して行われる。

一方、加圧器気相消滅はプランＩ・の停止過程で行い、
この時、加圧器内の水の温度は高く、その比重は冷却さ
れた水よりも小さい。

［発明が解決しようとする課題］ 従って、差圧式の水位計を用いると、加圧器２２の気相
消滅時の水位の指示値は実際の水位よりも小さくなる。

また、加圧器水位計１７の上部検出配管１７ａは加圧器
２２の頂部の真上には取り付けられず、図示のように頂
部から下がった位置に取り付けられる。このため、加圧
器２２の水位が上部検出配管１７ａの取付位置よりも高
くなると、全く水位が計測できなくなり、充填流量を増
加させ続ければ、加圧器内の圧力の急上昇になる。

このような事情のため、運転員は、その勘と経験に頼っ
て、気相が完全に消滅した後には充填流量を抽出流量よ
り多くしないように、手動で充填流量を調節しなければ
ならず、その操作に比較的長時間を要するだけでなく、
運転員の熟練と非常に繁雑な手間とが要求され、改善が
望まれていた。

従って、本発明の目的は、加圧器水位の指示値が正確に
計測できない条件下での加圧器の急上昇を防止しつつ、
加圧器気相の消滅を自動的に確実に行う加圧器気相消滅
制御装置を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために、本発明は、充填流量制御
弁を有する充填ライン及び抽出制御弁を有する抽出ライ
ンが接続された一次冷却系と、該一次冷却系に流体連通
するよう接続された加圧器と、該加圧器内の気相圧力を
検知する圧力検知器とを含む加圧氷核原子力発電プラン
１〜における前記加圧器の気相消滅制御装置であって、
前記充填ラインへの充填流量を表す充填流量検出信号、
前記抽出ラインからの抽出流量を表す抽出流量検出信号
及び前記一次冷却系の冷却材温度を表す一次系ループ温
度検出信号を用いて前記加圧器の水位上昇速度を計算す
る水位上昇速度計算手段と、該水位上昇速度計算手段に
接続され、そこからの水位上昇速度信号を積分して前記
加圧器の水位の推定水位信号を発生する水位推定手段と
、前記水位上昇速度計算手段及び前記水位推定手段に接
続され、前記水位上昇速度信号及び推定水位信号から前
記充填ラインへの充填流量を設定する充填流量設定手段
と、該充填流量設定手段及び前記充填流量制御弁に接続
され、前記設定された充填流量に従って前記充填流量制
御弁の開閉を制御する充填流量制御器と、前記水位推定
手段、前記充填流量制御器及び前記圧力検知器に接続さ
れ、前記推定水位が規定値を超えた時に、前記充填流量
制御器に充填流量をパルス状に変化させるパルス信号を
印加し、このパルス信号の印加直前及び直後の前記加圧
器の気相圧力の変化を表す信号を前記圧力検知器から受
けて、前記変化が規定値以上になった時に前記加圧器が
満水になったと判定する満水確認手段とを備えてなるこ
とを特徴とするものである。

［作用］ 水位推定手段は、加圧器水位が加圧器水位計の上部検出
配管より高くなった場合のように、加圧器水位を直接計
測できない時に、水位上昇速度計算手段で得られた水位
上昇速度を積分して、加圧器水位の推定値を求める。

充填流量設定手段は、水位推定値及び水位上昇速度の関
数として充填流量を設定する。水位推定値が小さく、水
位上昇速度も小さい時は充填流量を大きく設定し、水位
推定値が満水に近付くにつれて充填流量を小さく設定す
ることができる。

設定された充填流量の信号は充填流量制御器に送られる
が、同充填流量制御器には、この充填流量信号に加えて
、満水確認手段から、パルス状に充填流量を増加させる
パルス信号がある決められた周期で印加される。

満水確認手段は、このパルス信号が印加された時の加圧
器圧力の上昇幅が所定値以上となれば満水と判定する。

このように、圧力の変化で満水を確認すると、水位推定
値には誤差が生ずる可能性があるので、圧力の急上昇を
伴うことなく確実に気相を消滅させることができる。

［実施例］ 次に、本発明の好適な実施例について添付図面を参照し
て詳細に説明するが、図中、同一符号は同−又は対応部
分を示すものとする。

第１図において、鎖線で囲まれた部分は本発明による加
圧器の気相消滅制御装置Ｃを示している。

この制御装置Ｃは、充填流量検出器１、抽出流量検出器
２及び一次系ループ温度検出器３等の諸要素に接続され
た水位上昇速度計算手段５を備え、該計算手段５がそれ
ぞれ充填流量検出信号１ａ、抽出流量検出信号２ａ及び
一次系ループ温度検出信号３ａを受は次式に従って、加
圧器２２〈第２図）におけＬ ろ水位上昇速度−を計算する。

ｔ ここで Ｌ：　加圧器水位 ｖｌ・　加圧器液相部比容積 ■ｏ：　　加圧器水位レンジ内の体積 （：ＣＨ：充填流量 ＧＬｔＤ＝抽出流量 Ｔ：　一次系ループ温度 ρ；　Ｔの１℃上昇に伴う体積膨張分の質量換算値 であり、また、充填流量検出器■、抽出流量検出器２及
び一次系ループ温度検出器３は、第２図に示した充填ラ
イン１４、抽出ライン１６及び一次系ループ〈一次冷却
系）１１の適所にそれぞれ設けることができる。加圧器
水位りは、正規化した値であり、Ｏ〜１の大きさをもつ
。

また、制御装置Ｃは、上述の水位上昇速度計算手段５と
水位検出器４とに接続された水位推定手段６を含んでい
る。同水位推定手段６は、水位上昇速度を表す水位上昇
速度計算手段５からの水位上昇速度信号５ａを受け、水
位上昇速度を積分してて加圧器水位推定値し、を計算し
、拙走水位信号６ａここで、Ｌｏは加圧器水位の初期値
である。水位検出器４は第２図の加圧器水位計１７でよ
く、検出すべき水位が上部水位検出配管１７ａのタップ
を超えると、水位推定手段６は上述の（２）式に従って
加圧器水位を推定する。

この水位推定手段６には、充填流量設定手段７と満水確
認手段９とが接続されている。充填流量設定手段７は、
水位上昇速度計算手段５にも接続されていて、水位上昇
速度計算手段５がら水位上昇速度信号５ａを受けると共
に水位推定手段６から推定水位信号６ａを受ける。加圧
器２２の断面積は既知であり、また、加圧器２２の容積
も既知であるから、充填流量設定手段７は上述の信号５
ａ、６ａ及び既知データに基づいて充填ライン１４を介
して一次ループ系１１に充填すべき流量を設定する。加
圧器水位及び加圧器水位上昇速度と充填流量設定値との
関係は、例えば本願と同一の出願人による特願平１−５
９５３３号の第３図に示されたような関数に従って、加
圧器水位が低く、加圧器水位上昇速度が小さい場合には
充填流量設定値を大きくとり、加圧器水位が満水に近付
いたならば充填流量設定値を小さくとるようにすること
ができる。これにより、満水接近時の水位上昇速度を小
さく仰えうる。

上述の満水確認手段９は、水位推定手段６から推定水位
信号６ａを受け、この信号６ａが満水接近を示す規準値
に達した時に、第３図の（ａ）に示すようなパルス状の
充填流量信号（パルス信号）９ａを発生する。加圧器２
２が満水でないならば、加圧器圧力は、充填流量制御器
１０へのこのパルス信号９ａの印加に応答して実質的に
変化しないが、加圧器２２が満水となっている場合には
、水の圧縮により圧力が上昇して、第３図の（ｂ）に示
すように加圧器圧力が上昇する。満水確認手段９は、第
２図に示した加圧器圧力計１９でよい圧力検出器８に接
続されていて、同圧力検出器８が上述の物理現象に由来
するパルス立ち上がり直前の加圧器圧力（Ｐｌ〉とパル
ス立ち下がり直後の加圧器圧力（Ｐ２）とを計ｇｔｌｌ
し、圧力計測信号（気相圧力の変化を表す信号）８ａを
満水確認手段８に送出すると、満水確認手段８は圧力差
ｐ２−ｐ、を演算し、それが規定値以上であれば、満水
と判定する機能を有する。パルス信号９ａの高さと幅は
、満水検知可能な範囲内で加圧器圧力が極端に上昇しな
いように設定する。

充填流量制御器１０は、充填流量設定手段７で与えられ
る設定値に、満水確認手段９でのパルス信号９ａを加え
て、充填流量制御弁１５（第２図）へ開度要求信号を出
す。かくして、加圧器の気相を消滅させることができる
。

［発明の効果］ 以上のように、本発明によれば、加圧器への質量収支か
ら水位を推定し、この推定値を用い、満水接近となれば
充填流量を絞るので、加圧器水位が上部検出配管より上
昇する場合のように、加圧器水位の指示値が正確に計測
できない条件下でも加圧器の急上昇を防止しつつ、加圧
器気相の消滅を自動的に確実に行う加圧器気相消滅制御
装置を提供することができる。しがち、本発明では、満
水確認手段により満水接近時に充填流量をパルス状に変
化させるので、その際の圧力の変化幅を監視することに
より、水位推定値に誤差が生じても確実に加圧器満水を
判定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による加圧器気相消滅制御装置の実施
例のブロック図、第２図は、原子力発電プラントの代表
的な加圧器水位制御系を示す概要図、第３図は、充填流
量信号（ａ）と加圧器圧力（ｂ）との関係を示す波形図
である。 Ｃ・・・気相消滅制御装Ｔｔｌａ・・・充填流量検出信
号２ａ・・・抽出流量検出信号 ３ａ・・・一次系ループ温度検出信号 ５・・・水位上昇速度計算手段 ５ａ・・・水位上昇速度信号　６・・・水位推定手段６
ａ・・・推定水位信号　　　７・・・充填流量設定手段
８・・・圧力検知器 ８ａ・・・気相圧力の変化を表す信号（圧力計測信号）
９・・・満水確認手段　　　９ａ・・・パルス信号１０
・・・充填流量制御器 １１・・・一次冷却系（一次系ループ）１４・・充填ラ
イン　　　　１５・・充填流量制御器１６・・抽出ライ
ン　　　　２０・・・抽出制御弁２２・・加圧器 第 図 ￥２図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 充填流量制御弁を有する充填ライン及び抽出制御弁を有
   する抽出ラインが接続された一次冷却系と、該一次冷却
   系に流体連通するよう接続された加圧器と、該加圧器内
   の気相圧力を検知する圧力検知器とを含む加圧水形原子
   力発電プラントにおける前記加圧器の気相消滅制御装置
   であって、前記充填ラインへの充填流量を表す充填流量
   検出信号、前記抽出ラインからの抽出流量を表す抽出流
   量検出信号及び前記一次冷却系の冷却材温度を表す一次
   系ループ温度検出信号を用いて前記加圧器の水位上昇速
   度を計算する水位上昇速度計算手段と、該水位上昇速度
   計算手段に接続され、そこからの水位上昇速度信号を積
   分して前記加圧器の水位の推定水位信号を発生する水位
   推定手段と、前記水位上昇速度計算手段及び前記水位推
   定手段に接続され、前記水位上昇速度信号及び推定水位
   信号から前記充填ラインへの充填流量を設定する充填流
   量設定手段と、該充填流量設定手段及び前記充填流量制
   御弁に接続され、前記設定された充填流量に従つて前記
   充填流量制御弁の開閉を制御する充填流量制御器と、前
   記水位推定手段、前記充填流量制御器及び前記圧力検知
   器に接続され、前記推定水位が規定値を超えた時に、前
   記充填流量制御器に充填流量をパルス状に変化させるパ
   ルス信号を印加し、このパルス信号の印加直前及び直後
   の前記加圧器の気相圧力の変化を表す信号を前記圧力検
   知器から受けて、前記変化が規定値以上になった時に前
   記加圧器が満水になつたと判定する満水確認手段とを備
   えてなることを特徴とする加圧器の気相消滅制御装置。