JPH03711Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） この考案は、電線固定具に関し、更に詳しくは
所望電線の先端にコネクタ、プラグ等を射出成型
して接続する際、電線を所望成形型内の所定位置
に一定の間隔を置いて固定し、該コネクタ、プラ
グ等内に一体に埋設成形される切り離し自在な電
線固定具に関する。

（従来の技術） 従来射出成形法により電線の先端にコネクタ、
プラグ等を一体成形する場合、成形型内（図示せ
ず）に所望電線を導びき、複数の固定具（図示せ
ず）の先端を入れ、その所定位置に外側から固定
していた。その為多数の固定具を用意し、成形さ
れるべき所望コネクタ、プラグ等の中心に配置さ
せ、しかも電線間に一定間隔が保たれる様に固定
する。更に成形型の凹部内に固定具を設ける方法
も採られているが作業性が悪かつた。

（考案が解決しようとする問題点） 従つて成形型内への電線端部の外側からの固定
作業は極めて煩雑となり、特に第１０，１１図の
様に湾曲部分となるコネクタ１に於いては、複数
個の固定具を該成形型内でそれなりに湾曲状態で
狭い間隔で配置して電線３を固定しなければなら
ない。

先端に電極スリーブ２を接続した電線３を成形
型内に固定具で固定した後、300〜400℃に加熱さ
れた絶縁性溶融合成樹脂を該成形型内に相当の圧
力で射出し、該樹脂が硬化後脱型し、これら固定
具を取り除くが、成形作業中該固定具の周囲から
溶融樹脂が部分的に漏れる場合があり、その漏洩
した樹脂がバリとなつて突出して残るのでこれを
削り取らなければならない。又固定具を取り除い
た後には第１１図の様に固定具の数だけの穴４が
残るのでそこから塵埃等が侵入することが多く、
内部電線に影響を及ぼす場合もある。

又複写機等の変圧器には数万ボルトの高い電圧
が印加されるので、そのコネクタ、プラグ１等は
特に堅牢に製造されなければならない。

「考案の構成」 前述の欠点に着目し、この考案は、一定の長さ
を有し、中心に電線貫通孔を穿設した絶縁性材料
から成る本体周囲の長手方向に一定間隔で切り離
し用Ｖ字溝を形成し、これらＶ字溝により形成さ
れる各単位体の周囲に一定間隔で支持用突起を設
けた長い固定具を形成し、電極スリーブ又はタブ
等を先端に接続し又はこれらスリーブ又はタブを
内蔵するコネクタ又はタブの射出成型に際し、該
切り離し用Ｖ字溝により各単位体に切り離し、各
単位体の該貫通孔内に、電極スリーブ又はタブ等
を先端に接続した電線を貫通して共に所望成形型
内の所定位置に該電線を配置固定し、所望の溶融
合成樹脂を該成形型内に射出した該電線と共に成
型されるコネクタ又はプラグ内に一体に埋設状態
で成形し、該コネクタ又はプラグの中心に該電線
を配置する様にするものである。

この考案に係る電線固定具の実施例を図面につ
いて説明する。一定の長さを有し、中心に電線貫
通孔１２を穿設した耐熱絶縁性合成樹脂等から成
る本体の周囲の長手方向に切離用Ｖ字溝１４を形
成して各単位体１０ａ…とし、該各単位体１０ａ
の周囲で該Ｖ字溝１４を形成しない部分に保持用
突起１６を夫々形成し、該各単位体１０ａの周囲
に全体として放射状に一定間隔で保持用突起１６
…を形成した電線固定具１０とする。

「考案の作用」 この長い電線固定具１０を切離用Ｖ字溝１４で
各単位体１０ａに分割し、先端に電極スリーブ２
を接続した電線３の所要個所を該単位体１０ａの
貫通孔１２内に貫通し、第９図の通り、下部成形
型２４の凹部２６内に嵌合し、該凹部の内壁に単
位体固定具１０ａの各突起１６を接触支持してこ
れら電線３を該成形型の凹部内の中心に配置固定
し、上部成形型２０を上から該下部成形型に合わ
せて一体とし、次の射出成形工程に備える。所要
により２個以上の接続された（即ちＶ字溝１４で
分割されない）ままの単位体１０ａ，１０ａ…を
嵌合して凹部２６内に電線３と共に嵌合する。

「考案の効果」 前述の通り、この考案に係る電線固定具１０は
所要により各種の長さの単位体１０ａ，１０ａ…
に分割し、電線３を上下成形型２０，２４の凹部
２２，２６内の中心に配置固定し、高い圧力で溶
融合成樹脂を該型内に圧入すれば、電線３と共に
単位体１０ａ，１０ａ…が埋設されて該電線が中
心からずれず、該樹脂の硬化後脱型すれば、成形
されたコネクタ１の中心位置に電線３が配置され
るので絶縁効果が損なわれることがなく、外側か
ら固定具を設けて電線を成形型内に固定する従来
の場合と違い、コネクタ１の周囲に該固定具を取
り除いた穴が全く残らないので美麗に仕上がり、
塵埃等が該コネクタ内に侵入することがない。更
に作業性が相当改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る電線固定具の１部縦
断正面図、第２図は、第１図の側面図、第３図
は、切り離し部分の部分拡大断面図、第４図は、
各単位体の正面図、第５図は、２個接続した単位
体の正面図、第６図は、本考案に係る電線固定具
に電線を貫通した状態を示す図、第７図は、上部
成形型の斜視図、第８図は、下部成形型の斜視
図、第９図は、第８図の下部成形型の凹部内に電
線と電極スリーブとを配置して、この電線固定具
により凹部内に該電線を固定した状態を示す拡大
斜視図、第１０図は、この考案の固定具により成
形型内に電線を固定して射出成形したコネクタと
電線の正面図、第１１図は、従来の固定具で外側
から成形型内に電線を固定して成型したコネクタ
と電線の正面図である。 １０……長い電線固定具、１０ａ……単位体固
定具、１２……電線貫通孔、１４……切り離し用
Ｖ字溝、１６……支持用突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定の長さを有し、中心に電線貫通孔を穿設し
   た絶縁性合成樹脂製本体１０周囲の長手方向に、
   一定間隔で切離用Ｖ字溝１４を形成して各単位体
   １０ａ…とし該各単位体１０ａの周囲で該切離用
   Ｖ字溝１４を形成しない部分に保持用突起１６を
   夫々形成し、該各単位体１０ａの周囲に全体とし
   て放射状に一定間隔で保持用突起１６…を設けて
   成り、所要により該切離用Ｖ字溝１４により１個
   又は２個以上の各単位体１０ａに切離自在とする
   コネクタ、プラグ等成型用電線固定具。