JPH037118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、下限位置規制のプレス装置に関す
る。

従来の技術 パンチングプレスやシヤープレスでは、プレス
の下限位置規制が必要である。そのため、実開昭
60−94400号公報のような下限位置設定装置が知
られている。

考案が解決しようとする問題点 しかし、上記の下限位置設定装置はベツド側に
設けているため、プレスの作業面の確保からアツ
プライト間に取りつけざるを得ず、アツプライト
まわりの空間の利用が不可能状態となるととも
に、スライドにブラケツトを側方に突設したり、
修理がしにくいベツドの下部に同調駆動装置を設
けなければならないものであつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記のような点に鑑みたもので、上記
の問題を解決するために、パンチングやせん断可
能なプレス装置のクラウン部に左右対称状に下限
位置規制のクツシヨンシリンダーを同調して所定
量にわたつて昇降駆動自在に配設し、下部をスラ
イドに取着した下限規制棒を上記クツシヨンシリ
ンダーの中央部を嵌挿して摺動自在に配設すると
ともにクツシヨンシリンダーの上面に当接してス
ライドを所定の下限位置で規制できるようにクツ
シヨンシリンダーを嵌挿した下限規制棒の上部側
にストツパーを固着したことを特徴とする下限位
置規制のプレス装置を提供するにある。

作 用 本考案によれば、下限位置規制装置をベツド側
に設けずにクラウン部に配設しているため、ベツ
ド部での作業面を十分に確保できるとともにアツ
プライトまわりの利用も制限されず、またスライ
ドにブラケツトを突設したり、ベツドの下部に同
調駆動装置を設置しなくてよい。

実施例 以下、本考案を実施例にもとづいて説明する。

第１図以下は、本考案の一実施例である。プレ
ス装置１は油圧プレスのもので、第１図のように
クラウン２、アツプライト３、ベツド４で囲んだ
中央部に所要の剛性のスライド５を設け、クラウ
ン２部に固設した加圧シリンダー６によつてスラ
イド５を下部のベツド４側に向かつて摺動駆動自
在とし、スライド５の下面に取着の上金型７をベ
ツド４側に取着し下金型８に押圧して所要の部品
を打ち抜きしたり、せん断したりできるようにし
ている。このプレス装置１のクラウン２部には、
所要の部品を打ち抜いたり、せん断する際の下限
を規制して衝撃を緩和できる所要径の数mm位の短
ストロークの油圧ラムシリンダーのようなクツシ
ヨンシリンダー９を左右対称状に下部をクラウン
部２部に埋設して搭載している。クツシヨンシリ
ンダー９はそれぞれ外周部にねじ１０を穿設して
いて、第２図のようにクラウン２部に固定した固
定部１１に十分な耐久性のあるナツトのような駆
動リング１２を介して螺着している。そして、左
右の駆動リング１２に歯車１３をそれぞれ取着
し、ピニオン１４、ベベルギヤー１５，１６、伝
導軸１７をそれぞれ回転伝達自在に連結して同調
駆動モーター１８に接続し、所定のプログラム設
定等にもとづいて左右のクツシヨンシリンダー９
を同調して昇降し、下限位置を可変に規制できる
ようにしている。また、クツシヨンシリンダー９
は、第２図のように中央部を中空状として所定の
剛体の下限規制棒１９をそれぞれ嵌挿している。
この下限規制棒１９の下部には取付部２０を螺着
してスライド５の上面に固着するとともにその上
部にストツパー２１を固着し、スライド５を下降
してパンチングやせん断の際にストツパー２１を
クツシヨンシリンダー９の上面に当接してプレス
装置１の下限位置を規制できるようにしている。
クツシヨンシリンダー９には、公知の圧力リリー
フ回路の油圧制御回路（図示せず）を接続し、ス
トツパー２１が当接したときに衝撃を有効に緩和
できるようにしている。

しかして、上記構成のプレス装置１を駆動して
パンチングや打ち抜き加工をすれば、スライド５
を押し下げて下降地点で第１図のように下限規制
棒１９のストツパー２１がクツシヨンシリンダー
９に当接し、油圧制御回路を介してプレス装置１
を緩衝できて、所定の下限位置で規制でき、機器
の損傷を確実に防止できるものである。特に、本
考案では、ストツパーやクツシヨンシリンダー等
がベツド側に存在しないため、ベツド面、アツプ
ライトまわりを広く利用できるとともに、スライ
ドにブラケツトを突設して緩衝する必要もないも
のである。

また、同調駆動モーターを駆動すれば、クツシ
ヨンシリンダーを昇降できて所定の金型や加工物
に対応して所定の下限位置を可変に設定すること
ができるものである。

上記実施例では、クツシヨンシリンダーの下限
規制装置を左右対称状に２個配設したが、クラウ
ン部の各コーナー部等に４個や６個等の複数個設
置するようにもできるものである。

なお、上記実施例で、クツシヨンシリンダーを
ストローク下限位置まで下ろせば、絞り加工等の
プレス成形にも使用できるものである。

考案の効果 以上のように本考案にあつては、スライドを下
降してパンチングやせん断を行なつて下限位置を
規制できるにもかかわらず、ベツド側には下限位
置規制装置が何ら存在せず、ベツド面やアツプラ
イトまわりを広く有効に利用してプレス加工する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概略正面図、第２
図は同上の下限位置規制部の拡大断面図である。 １……プレス装置、２……クラウン、３……ア
ツプライト、４……ベツド、５……スライド、９
……クツシヨンシリンダー、１９……下限規制
棒、２１……ストツパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パンチングやせん断可能なプレス装置のクラウ
   ン部に左右対称状に下限位置規制のクツシヨンシ
   リンダーを同調して所定量にわたつて昇降駆動自
   在に配設し、下部をスライドに取着した下限規制
   棒を上記クツシヨンシリンダーの中央部を嵌挿し
   て摺動自在に配設するとともにクツシヨンシリン
   ダーの上面に当接してスライドを所定の下限位置
   で規制できるようにクツシヨンシリンダーを嵌挿
   した下限規制棒の上部側にストツパーを固着した
   ことを特徴とする下限位置規制のプレス装置。