JPH0368827B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主として感圧接着型ラベルの連続体
等のような長尺材に印刷をするに適する、オフセ
ツト多色印刷機の圧胴装置に関するものである。

従来の多色印刷機は、第３図に示す如く、版胴
１０１、ゴム胴１０２及び圧胴１０３からなる１
ユニツト１０４…で１色を刷る機構のものを２ま
たは４基と連結して順次に紙を通して２色又は４
色の印刷をするものがあるが、その色数が多くな
ればそれだけユニツト１０４数を増加する必要性
があり、ゆえに広い据え着け場所を必要とする。
しかも、各ユニツト１０４…毎に一色ずつ刷り重
ねていく方式のために、各色の見当合わせに熟練
度を要し、ズレ等が生じる可能性が多く、試し刷
りが多くなる。

本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、
印刷機本体の小型化を図り、しかも、見当合わせ
等が極めて容易に行うことができ、試し刷りによ
る無駄を省くことができるオフセツト多色印刷機
を提供せんとするものである。

以下、本発明を図面に示した実施例に従つて詳
細に説明する。

第１図は、本発明の一実施例たる圧胴装置を用
いた感圧接着型ラベルの連続体の印刷機の斜視図
である。

１は、被印刷材たるラベルの連続体であり、紙
等の帯状の台紙の表面にシリコーン樹脂等を塗布
してなる剥離剤層が形成された剥離シート２の表
面に、その裏面に感圧型接着剤を塗布してなるラ
ベル３を、その粘着剤層面において適宜な間隔を
おいて仮着してなる。かかるラベルの連続体１
は、ワインデイングリール４に捲装されており、
ワインデイングリール４より連続送りで、送り出
されたラベルの連続体１は、必要な印刷送り量を
得るべきための戻し機構を有する進退装置５を経
て、送り装置６へと順次移送されるが、その間に
印刷装置７が設けられている。

印刷装置７は、回転軸８に固定されたブランケ
ツト胴９の周囲に、４組の版胴１０が設けられ、
各版胴１０にはインキ装置１１が付設され、ブラ
ンケツト胴９の下面には圧胴装置１２が圧設され
ている。

そして、４組の版胴１０の径は、略々同一であ
り、ブランケツト胴９の径の四分の一の長さであ
る。

ブランケツト胴９は、その外周に、ゴムのシー
トよりなるブランケツト９ａが捲装されてなる。
そして、ブランケツト胴９において、ブランケツ
ト９ａの長さは、版胴１０における版面の長さと
等しく形成され、他の部分は一段低くなつている
が、ブランケツト９ａの一端はブランケツト胴９
に固定され、他端はまき込んでこれを緊張させて
いる。

４組の版胴１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄ
は、インキ装置１１と協働して色分解した適当な
色を各版胴１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄにて
印刷するように形成されており、凸版１３が付着
されている。

そして、ブランケツト胴９を回転させてブラン
ケツト９ａに、第１版胴１０ａにより第１色にて
版胴１０ａの版の画線を転移させ、引き続き第２
版胴１０ｂにより該版胴１０ｂの版の画線を第２
色により転移させ、以下、順次第３版胴１０ｃ及
び第４版胴１０ｄによつて所定の画線を転移さ
せ、ブランケツト胴９の１回転の間に、ブランケ
ツト９ａの同一箇所に重ねて４色の転移を完成す
る。

そして、圧胴１２をブランケツト胴９のブラン
ケツト９ａに圧接回転させると、その間を通過す
るラベル連続体１のラベル３の表面に、プラケツ
ト胴９の表面に形成された所定の多色の画線（鏡
像）が転移印刷される。

圧胴装置１２は、圧胴１４がブランケツト胴９
側に常に圧接されるのではなく、ブランケツト胴
９に向けて進退自在に形成され、見当合わせ等が
正確にできず、失敗をした場合にも、圧胴１４を
即座にブランケツト胴９より引き離し、次に進ん
できたラベル３を挾圧してブランケツト胴９のブ
ランケツト９ａ部の画線が印刷されるのを防ぐこ
とができるように構成されている。

進退装置５は、三本のローラ１５，１６，１７
よりなり、前ローラ１５の下面を経て、変位ロー
ラ１６の上面そして後ローラ１７の下面を経て、
ラベルの連続体１を送るように、前ローラ１５と
後ローラ１７の間に、変位ローラ１６が垂直方向
に昇降自在に設けられてなる。

又、ラベル連続体１を、印刷装置７を経て、次
の捲き取り工程（図示せず）に移送する送り装置
６は、その周面に吸引孔１８が貫設された送りロ
ーラ１９を真空吸引装置２０に連設してなり、真
空吸引装置２０にて該送りローラ１９の吸引孔１
８よりラベル連続体１の剥離シート２を吸引し、
且つ、該送りローラ１９を回転させて、ラベル連
続体１を適宜なスピードで送るように構成されて
いる。

ところで、ブランケツト胴９の径や回転速度、
そしてラベル３間の間隔や移送速度との間に相違
があるので、ブランケツト胴９表面に版胴１０か
ら転移された画線の位置と次に送られてくるラベ
ル３の位置関係との間にズレが生じる。すなわ
ち、ラベル３の長さ及びラベル３間の長さより
も、ブランケツト胴９の外周長の方が長い場合
は、一回転して次にブランケツト９ａが印刷すべ
きラベル３よりも遅れて回転してくることにな
り、ラベル３の方が一歩先に進むことになる。そ
こで、ブランケツト胴９の表面はブランケツト９
ａ部分より一段低くなつているので、ブランケツ
ト胴９による１回の印刷が終了すると、前記進退
装置５の変位ローラ１６を上昇移動させ、ラベル
連続体１を、ラベル間の距離と次の印刷すべきブ
ランケツト胴９のブランケツト９ａの画線までの
距離等を勘案して、必要な印刷送り量だけ引き戻
す。すなわち、送り装置６の吸引力より、変位ロ
ーラ１６の引戻力の方が大となるように構成し、
変位ローラ１６の上昇によりラベル連続体１を反
対方向に引き戻すのである。そして、所定幅だけ
引き戻し、ブランケツト胴９のブランケツト９ａ
の画線の位置と、ラベル連続体１のラベル３の印
刷位置とが一致する箇所まで引き戻すと、変位ロ
ーラ１６の上昇運動を停止し、送り装置６により
ラベル連続体１を移送方向に移送させ、それに伴
い、ラベル連続体１の移送スピードに合わせて変
位ローラ１６を初期位置まで下降させ、次の上昇
運動開始時まで待機させる。

そして、次の印刷を印刷装置７にて終了すれ
ば、また先のとおりの作動を繰り返すのである。

本発明は、上記実施例に限定されることなく、
かかる事項に基づきなされる変更仕様、応用なら
びに変形等は本発明の技術的思想に包含されるも
のであることはいうまでもない。

例えば、機台に揺動自在に圧胴１４′を設け、
適宜ブランケツト胴９′より離間させるようにな
してもよい。又、必要印刷量を得るべきための戻
し機構として、第２図に示す如く、一対の変位ロ
ーラ１６ａと１６ｂと前ローラ１５′と後ローラ
１７′を有してなる進退装置５′を用いてもよい。
該進退装置５′は、印刷装置のブランケツト胴
９′の印刷部位を挾んで、その下方に前ローラ１
５′と後ローラ１７′とが所定間隔をおいて配設さ
れ、且つ、該前ローラ１５′の上方で被印刷材
１′の進行方向とは逆の後方に、前変位ローラ１
６ａが設けられるとともに後ローラ１７′の上方
で被印刷材１′の進行方向とは順な前方に、後変
位ローラ１６ｂが設けられている。

そして、被印刷材１′は、前ローラ１５′に捲か
れてその下端より前変位ローラ１６ａを経て、印
刷装置７′へと送られ、更に進んで後変位ローラ
１６ｂに捲かれてその下端より反対方向たる後方
に進み、後ローラ１７′にて再び方向転換されて
前方に進むように送られる。

印刷装置７′にて、被印刷材１′に印刷される場
合は、前ローラ１５′の後方位置に設けられた適
宜なストツプ装置２１にて被印刷材１′の進行が
停止され、それと同時に前後の変位ローラ１６
ａ，１６ｂが同一間隔を保持した状態にて、水平
に移動し、ブランケツト胴９′の回転に伴いブラ
ンケツト９a′，９b′に着肉された画線を被印刷材
１′表面に転移し、かかる印刷が終了すると前後
の変位ローラ１６ａ，１６ｂはその進行を停止
し、再び前後の変位ローラ１６ａ，１６ｂは、そ
の進行方向を変え後方に逆に移動し、初期の位置
まで戻る。そこで、前後の変位ローラ１６ａ，１
６ｂはその移動動作を停止し、ストツプ装置２１
のストツプ機構が外れ、被印刷材が順の方向に移
送される。この間の被印刷材１′の移送量は、先
に印刷された印刷部分の長さ、該印刷部分の終端
と次に印刷されるべき印刷部分の始端との距離、
そしてブランケツト胴９′においてブランケツト
９b′部が被印刷材１′の印刷部分に圧接するまで
の長さ等を考慮して決定せられるべきである。

本発明は、上記のように構成され、圧胴装置
が、ブランケツト胴に圧接する圧胴をブランケツ
ト胴に向けて合離自在となしているため、例えば
試し刷りの時に見当合わせ等が正確にできないよ
うな場合にも、圧胴を後退させてブランケツト胴
より離し、続いて移送されてきた被印刷材にその
まま印刷されることがないようになすことが可能
であり、無駄な印刷を繰り返すことがない。

印刷装置は、複数個の版胴を、該版胴より径が
大きいブランケツト胴の周囲に、適宜な間隔をお
いて設け、該ブランケツト胴の一回転の間に該ブ
ランケツト胴のブランケツト部に版胴の数だけ画
線を順次転移して重ね、かかる画線をもつてラベ
ル等の被印刷材に印刷するように構成すれば、印
刷ユニツトを複数基列設した従来の多色印刷機に
比較して、小型化することができ、印刷機の設置
場所も従来機に比して狭い場所で足りる。

しかも、被印刷材において印刷される箇所がブ
ランケツト胴の画線位置と一致せず、その間隔を
狭くして順次印刷する必要性があるような場合に
も、進退装置にて被印刷材を適宜幅だけ進退させ
ることができるように構成すれば、被印刷材のサ
イズを問わず、フリーサイズの被印刷材への印刷
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例たる圧胴装置を利用
した感圧接着型ラベルの連続体のオフセツト印刷
機の斜視図であり、第２図は変形例たる印刷機の
正面図である。第３図は従来例の説明図である。 １……ラベルの連続体、２……剥離シート、３
……ラベル、４……ワインデイングリール、５…
…進退装置、６……送り装置、７……印刷装置、
８……回転軸、９……ブランケツト胴、１０……
版胴、１１……インキ装置、１２……圧胴装置、
１３……凸版、１４，１４′……圧胴、１５，１
５′……前ローラ、１６，１６ａ，１６ｂ……変
位ローラ、１７，１７′……後ローラ、１８……
吸引孔、１９……送りローラ、２０……真空吸引
装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 被印刷材が適宜な印刷送り量を得るべきため
   の戻し機構を有し、且つ、その周面の一部にブラ
   ンケツト部が設けられたブランケツト胴と、該ブ
   ランケツト胴の周囲に、該ブランケツト胴が一回
   転する間に見当合わせされた複数の画線をブラン
   ケツト部に複数回転移すべく、適宜な間隔をおい
   て複数の凸版印刷用版胴が設けられた多色印刷機
   において、印刷装置のブランケツト胴に圧接さ
   れ、被印刷材をブランケツト胴とともに挾圧して
   ブランケツト胴に対して合離自在となるように設
   けられたことを特徴とするオフセツト多色印刷機
   の圧胴装置。