JPH0368821B2 - - Google Patents

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JPH0368821B2
JPH0368821B2 JP14431283A JP14431283A JPH0368821B2 JP H0368821 B2 JPH0368821 B2 JP H0368821B2 JP 14431283 A JP14431283 A JP 14431283A JP 14431283 A JP14431283 A JP 14431283A JP H0368821 B2 JPH0368821 B2 JP H0368821B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
mononitride
base material
monochromium
gas pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP14431283A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6034840A (ja
Inventor
Takashi Kuhara
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentel Co Ltd
Original Assignee
Pentel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentel Co Ltd filed Critical Pentel Co Ltd
Priority to JP14431283A priority Critical patent/JPS6034840A/ja
Publication of JPS6034840A publication Critical patent/JPS6034840A/ja
Publication of JPH0368821B2 publication Critical patent/JPH0368821B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、基材上に多結晶性の無機物皮膜を有
してなる耐摩耗性皮膜形成物に関する。 機械の工具や治具、筆記具のペン先やクリツプ
や軸筒、時計やライターの外装品といつたように
耐摩耗性を求められるものに対し、真空蒸着やイ
オンプレーテイングなどの方法によつて基材上に
多結晶性の無機物皮膜を形成することで、耐摩耗
性の向上を図ることは既によく知られたところと
なつている。 当然、皮膜は耐摩耗性に優れる程よい訳だか
ら、例えば窒化チタン、炭化チタン、α−アルミ
ナなどの硬度的に優れた物質が皮膜の対象として
好適に選択されることになる。ちなみに、これら
3物質の皮膜の硬度試験の測定結果として従来の
データ上知られている値としては、窒化チタンが
2000Kg/mm2、炭化チタンが3200Kg/mm2、α−アル
ミナが3000Kg/mm2である。 ところが、かように高い硬度を示す皮膜も、皮
膜を形成された製品としては、往々にして、皮膜
の耐摩耗性が活かされないことがある。皮膜形成
される基材と皮膜との密着性が悪かつたり、皮膜
にクラツクを生じたりすることがあるからであ
る。特に、基材がステンレス、洋白、真鍮といつ
たように比較的軟くて成形性の良い物質の場合
に、前記問題が生じることが多く、そのため、必
然的に用途の限定を受けざるを得なかつたのであ
る。 本発明は上述した点に鑑みなされたものであ
り、基材上に多結晶性の無機物皮膜を有してなる
耐摩耗性皮膜形成物において、皮膜が、基材の表
面(111)面を平行とするよう優先的に配向した
一窒化一クロムであることを特徴とする耐摩耗性
皮膜形成物を要旨とする。 一般に、窒化クロムとかクロムの窒化物とかと
言つても、実際は一種のものではない。一窒化二
クロムもある。むしろ、従来の皮膜としては一窒
化二クロムの方が一窒化一クロムより耐摩耗性に
優れると報告されている(応用物理学関係連合講
演会第30回講演予稿集:6p−U−13)。しかし、
本発明は一窒化一クロムでありながら、良好な結
果を示すものである。これは、一窒化一クロムの
多結晶に(111)面が基材表面に平行となるよう
な優先的な配向を付与したことに基づいている。
従つて、同じ一窒化一クロムであつても、例えば
ランダムな多結晶状態を呈するような皮膜であつ
てはならないのである。 また、皮膜は僅かでも配向しておれば、その分
だけ良好となるが、より配向している方が良い。
完全にランダムな多結晶状態を呈する場合、A.S.
T.M.カード(カード番号:11−65)によれば一
窒化一クロムの(111)面及び(200)面のX線回
折ピーク強度は80:100とされているが、望まし
くは100:100もしくはそれ以上に(111)面のピ
ーク強度の方が強くなるよう形成する。 皮膜の厚みは約1μm〜約10μm程度が好ましい。
あまり薄すぎると皮膜の耐摩耗性の長所を発揮で
きないし、あまりに厚すぎると皮膜表面が粗とな
るからである。尤も、これは、皮膜が一層のみの
場合であり、また、筆記具のペン先のように粗面
であれば書き味が悪くなるので好ましくない場合
に言えることであり、例えば、一窒化一クロム皮
膜を厚く形成し、その際の粗表面を覆うように何
らかの物質、例えばクロムの皮膜を形成すれば、
一窒化一クロム皮膜の突出部が上層皮膜の摩耗を
抑えることになるし、また、粗面だからと言つて
問題にならない場合には、より厚くしても格別の
支障はない。 一方、一窒化一クロムの皮膜をその全表面もし
くは一部表面に有する対象である基材の材質は極
めて広範囲から選択することができる。一例を挙
げると、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、ニ
ツケル、銅、亜鉛、モリブデン、タンタル、タン
グステン、ロジウム、銀、白金、金、錫、鉛、洋
白、真鍮、ステンレス鋼、炭化タングステンなど
であり、更には、自身の耐摩耗性は一窒化一クロ
ムよりも高いけれど脆性に問題のあるα−アルミ
ナなどのセラミツクに対しても、脆性の悪影響を
低下し、全体としての耐摩耗性を高めることがで
きる。また、樹脂などを基材として使用すること
もできるし、上記した如き各種物質上に予め電気
めつきなどによつてクロムなど何らかの皮膜を形
成しておいたものも基材として使用することがで
きる。ここで、前述した炭化クロムなどの皮膜を
形成する場合には、あまり好ましい基材たり得な
かつたステンレス鋼も、本発明では、むしろ好適
なものの一つである。これはステンレス鋼中のク
ロムが一窒化一クロムのなじみを良くしているも
のと思われる。 基材表面に(111)面が平行となるよう一窒化
一クロムの皮膜を形成した本発明が何故に耐摩耗
性の優れた製品たり得るのか、その理由は不明で
ある。皮膜にクラツクが生じたり、皮膜が基材と
剥離したりするのは応力の関係と言われたりもし
ているが、その点で言えば、特定の方向に形成さ
れる皮膜には不要な応力の影響が無視もしくは抑
制できるようになつたのであろうとしか推測でき
ない。 それゆえ、実施例によつて本発明の優れた点を
説明する。 実施例 1 添付第1図に概念図を示す反応性バイアススパ
ツタリング法によつて一窒化一クロムの皮膜を形
成た。ターゲツト1はクロム、サンプルホルダー
2上に載置されたサンプル3、即ち、皮膜形成さ
れる基材は、直径0.3mm内径0.11mm長さ7.3mmの円
筒体の先端外壁を截頭円錐状かつ角部がないよう
に加工したステンレス鋼(SUS304)製のペン先
用材である。ここで、ペン先を例にしたのは、ペ
ン先にとつて筆記面はやすりのようなものであ
り、耐摩耗性を最も必要とされるものの一つを示
すことができるからである。尚、第1図におい
て、他の参照符号は、4がターゲツト1背面の磁
石、5がプラズマ放電を安定化させるコイル、6
がターゲツト1とサンプルホルダー2との間に蒸
着を阻害しないよう配したリング状のアノード、
7がサンプル加熱ヒーター、8,9が電源であ
る。電源8によつてアノード6に対するサンプル
ホルダー2の電位が負になされている。 アルゴンガスにより、イオンボンバードした
後、アルゴンガス圧力7.0×10-3Torr・窒素ガス
圧力3.0×10-3Torr、基材加熱温度300℃、直流電
圧500V・直流電流1.4A、コイル電流10A(垂直磁
界72Gauss)、バイアス電圧−75Vの条件で約
5μmの皮膜を形成した。 オージエ分析(装置:日電アネルバ(株)製
EMAS−)によつて得たものの皮膜は窒素と
クロムが実質的に1:1であり、また、X線回折
(装置:日本電子(株)製 DX−GO−F)によつて
その皮膜は多結晶が基材表面に対し(111)面を
平行にするよう優先的に配向しているものである
ことを確認した。ここで、配向度は(111)面及
び(200)面のピーク強度比が約200:100(ターゲ
ート:銅、フイルター:ニツケル)で与えられる
ものであつた。 実施例 2、3 実施例1において、アルゴンガス圧力・窒素ガ
ス圧力を、アルゴンガス圧力8.0×10-3Torr・窒
素ガス圧力2.0×10-3Torr、アルゴンガス圧力7.6
×10-3Torr・窒素ガス圧力2.4×10-3Torrとした
以外すべて実施例1と同様にして約5μmの皮膜を
形成した。 得たものの皮膜はいずれもやはり実質的に一窒
化一クロムであつたが、配向度は(111)面及び
(200)面のピーク強度比がそれぞれ約150:100、
約100:100で与えられるものであつた。 比較例 1 実施例1において、アルゴンガス圧力、窒素ガ
ス圧力を、アルゴンガス圧力3.0×10-2Torr・窒
素ガス圧力2.7×10-3Torrとした以外すべて実施
例1と同様にして約5μmの皮膜を形成した。 得たものの皮膜は実質的に一窒化二クロムであ
つた。 比較例 2 実施例1において、ターゲツト1をチタンに代
え、また、アルゴンガス圧力・窒素ガス圧力をア
ルゴンガス圧力8.5×10-3Torr・窒素ガス圧力1.5
×10-3Torrに代えた以外すべて実施例1と同様
にして約5μmの皮膜を形成した。 得たものの皮膜は実質的に一窒化一チタンであ
つた。 各例で得たものの試験結果を表−1に示す。
【表】
【表】 表−1より明らかなように各実施例で得たもの
は各比較例で得たものよりビツカース硬度は高く
なつている。しかもこの値は無配向の一窒化一ク
ロムの皮膜が有する最も高いとされていた従来値
(2000Kg/mm2)よりはるかに高い。また、摩耗量
A,Bも良好になつている。摩耗量Aは試験紙の
表面が滑らかなものであることより、皮膜の硬度
が積極的に反映された結果を与え、また、摩耗量
Bは試験紙の表面が粗いものであることより皮膜
が試験紙から受ける衝撃などに対する抵抗力、従
つて、基材に対する皮膜の密着性が反映された結
果を与えるものであるが、これらより、各実施例
で得たものは総合的に耐摩耗性の優秀さを示して
いる。
【図面の簡単な説明】
第1図は反応性バイアススパツタリング法を説
明するための概念図である。 1……ターゲツト、2……サンプルホルダー、
3……サンプル、4……磁石、5……コイル、6
……アノード、7……サンプル加熱ヒーター、8
……電源、9……電源。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 基材上に多結晶性の無機物皮膜を有してなる
    耐摩耗性皮膜形成物において、皮膜が、基材の表
    面に(111)面を平行とするよう優先的に配向し
    た一窒化一クロムであることを特徴とする耐摩耗
    性皮膜形成物。
JP14431283A 1983-08-05 1983-08-05 耐摩耗性皮膜形成物 Granted JPS6034840A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14431283A JPS6034840A (ja) 1983-08-05 1983-08-05 耐摩耗性皮膜形成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14431283A JPS6034840A (ja) 1983-08-05 1983-08-05 耐摩耗性皮膜形成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6034840A JPS6034840A (ja) 1985-02-22
JPH0368821B2 true JPH0368821B2 (ja) 1991-10-29

Family

ID=15359155

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14431283A Granted JPS6034840A (ja) 1983-08-05 1983-08-05 耐摩耗性皮膜形成物

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0353520Y2 (ja) * 1986-09-12 1991-11-22
JPH03133698A (ja) * 1989-10-19 1991-06-06 Pilot Corp:The ボールペンチップの構造
JPH088426B2 (ja) * 1992-05-20 1996-01-29 アジアエレクトロニクス株式会社 発熱電気部品配置装置
DE19952549A1 (de) * 1999-11-02 2001-05-03 Hauzer Techno Coating Europ B Substrat mit einer Chrom-Nitrid-Schicht

Also Published As

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JPS6034840A (ja) 1985-02-22

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