JPH0368354A - 歯間清掃用糸 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、歯間清掃用糸（デンタルフロス）に関し、さ
らに詳しくは、う蝕防止効果、および／または歯肉炎、
歯槽膿漏、口内炎などの口腔内疾病の治癒効果を有し、
しかも引張り強度、耐衝撃強度、耐クリープ性および使
用感などに優れた歯間清掃用糸に関する。

〔従来の技術〕

歯間清掃用糸は歯間部に挿入し、指などで強く引張って
歯間を通過させることにより、歯間部にある食物残渣な
どを除去するために用いられる。

その機能としては、歯ブラシでは容易に除去できない歯
間の歯垢および食物残渣を効率よく除去し、う蝕、歯肉
炎などを予防するものであるが、歯間清掃用糸として使
用されている従来のナイロン捲縮系のマルチフィラメン
トは、引張り強度や耐衝撃強度などに劣るため使用中に
切断することが多く、しかも自己潤滑性に乏しいため歯
に引っかかりやすく、使用感が悪いという問題点があっ
た。

一方特公昭５８−１５１３７号公報には、マルチフィラ
メントに噴霧乾燥した香味料粒子を含有する水不溶性の
ロウを塗布した歯間清掃用糸が開示されている。しかし
、この歯間清掃用糸は、歯ブラシでは除去できない歯間
の食物残渣や歯垢を除去できるだけであり、例えば歯垢
の原因となろう蝕原性連鎖球菌の繁殖を抑制することは
できない。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明の目的は、う蝕防止効果、および／または歯肉炎
、歯槽膿漏、口内炎などの口腔内疾病の治癒効果を有し
、しかも引張り強度、耐衝撃強度、耐クリープ性および
使用感に優れた歯間清掃用糸を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、シコニン、フッ素化合物および殺菌剤から選
ばれる少なくとも１種以上の口腔衛生剤を含有する付着
剤で被覆された延伸マルチフィラメントからなることを
特徴とする歯間清掃用糸である。

シコニンを口腔衛生剤として使用した場合、シコニンは
優れた抗菌作用および創傷治癒作用などの薬理効果を有
していることが知られている（特公昭６３−２６０８２
号公報）。例えば口腔内疾病の原因となろう蝕原性連鎖
球菌等の菌類などの繁殖を抑制したり、殺菌する薬理作
用がある。またシコニンは優れた肉芽形成促進作用など
を有しているので、口腔内にできた創傷、炎症および潰
瘍などの疾病、例えば歯肉炎、歯槽膿漏、潰瘍性口内炎
に対して優れた治癒効果を有している（特公昭６３−２
６０８２号公報）。

このため、延伸マルチフィラメントにシニコンを塗布し
た本発明の歯間清掃用糸を、例えば第１図に示すような
歯間清掃用具の歯間清掃用糸として使用した場合、前記
歯間清掃用具を用いて歯間の清掃を行う際に、シコニン
が口腔内に広がって前記の薬理作用が発揮され、う蝕の
防止効果、および歯肉炎、歯槽膿漏、潰瘍性口内炎など
に対する治癒効果が得られる。

本発明で使用するシコニンとしては、純度１．００％の
シコニンを用いてもよいが、次のような方法により得ら
れる純度８０％以上のシコニン（以下、高純度シコニン
と称す）を用いてもよい。なお、天然の紫根、または組
織培養によって得られるムラサキのカルス（以後、この
紫根およびムラサキのカルスを紫根等と略記する）から
抽出される紫根等のエキス中には、数％のシコニンが含
まれているが、このような紫根等のエキスは不快臭を有
しているので、紫根等のエキスをそのまま本発明のシコ
ニンとして使用することは好ましくない。

高純度シコニンは紫根等を原料として、シコニンおよび
シコニンのエステル化物などを含むシコニン含有混合物
をヘキサンなどの有機溶剤からなる抽出剤で抽出し、得
られた抽出液に、例えば１規定の苛性カリなどのアルカ
リ水溶液を加えて加水分解し、次に硫酸などの酸を加え
て酸析を行うことにより得ることができる。

上記の方法により得られた高純度シコニン中には、少量
のシコニンエステル類が含まれているが、不快臭はない
。

シコニンは歯間清掃用糸の０．００１〜１０重量％、好
ましくは０．１〜１重量％を占める割合で使用するのが
好ましい。

本発明で使用するフッ素化合物としては、従来口腔衛生
の分野で使用されているフッ素化合物が使用できる。こ
のようなフッ素化合物としては、例えばフッ化ナトリウ
ム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第−スズ、
フッ化アミン、フッ化カルシウムなどをあげることがで
きる。これらのフッ素化合物はう蝕防止効果などを有し
ている。

フッ素化合物は使用する化合物の種類にもよるが１通常
歯間清掃用糸の０．００１〜１０重量％、好ましくは０
．１〜１重量％を占める割合で使用するのが好ましい。

本発明で使用する殺菌剤としては、従来口腔衛生の分野
で使用されている殺菌剤が使用できる。

このような殺菌剤としては、例えばクロロへキシジン、
ヨードグリセリン、チモールなどをあげることができる
。

殺菌剤は使用する殺菌剤の種類にもよるが、通常歯間清
掃用糸のｏ、ｏｏｉ〜１０重量％、好ましくは０．０１
〜１重量％を占める割合で使用するのが好ましい。

シコニンの場合と同様に、フッ素化合物および／または
殺菌剤を塗布した本発明の歯間清掃用糸を、例えば第１
図に示すような歯間清掃用具の歯間清掃用糸として使用
した場合、前記歯間清掃用具を用いて歯間の清掃を行う
際、フッ素化合物および／または殺菌剤が口腔内に広が
ってう蝕防止作用、殺菌作用などが発揮され、う蝕防止
効果、殺菌効果などが得られる。

本発明では、シコニン、フッ素化合物および殺菌剤から
選ばれる口腔衛生剤は適当な付着剤とともに延伸マルチ
フィラメントに被覆されて用いられる。

付着剤としては、例えば蜜ろう、微結晶性ワックス、パ
ラフィンワックス、Ｃａｒｂｏｗａｘ　（ユニオン・カ
ーバイド社製、商標）、鯨ろう、ろう様の重合体、およ
びこれらの混合物などをあげることができる。

このような付着剤は、シコニン、フッ素化合物および殺
菌剤の持っている薬理作用などを阻害しない。さらに、
これらの口腔衛生剤を酸化などから保護して長期間安定
に保つとともに、歯間清掃の際の潤滑性を付与すること
ができる。さらに、延伸マルチフィラメントを構成する
延伸モノフィラメントがバラけるのを防止することがで
きる。

付着剤と口腔衛生剤の混合割合は、使用する口腔衛生剤
の種類にもよるが、付着剤二ロ腔衛生剤の重量比で通常
１：１〜１０００：１、好ましくは５：１〜１００：１
が好ましい。

本発明では、延伸マルチフィラメントを被覆するものと
して、前記口腔衛生剤の他に、例えば香料１着色料、天
然染料などを使用してもよい。

本発明の歯間清掃用糸を製造するには種々の方法が採用
できる。例えば延伸マルチフィラメントをろう浴に通し
た後、ろうが固化する前に口腔衛生剤および必要により
添加するものを塗布または散布等の手段により付着させ
る方法、またはろうの溶融状態でろうと、口腔衛生剤お
よび必要により添加するものとの溶融混合液を調製し、
この溶融混合液中に延伸マルチフィラメントを通した後
。

冷却固化させる方法などが採用できる。

本発明で用いる延伸マルチフィラメントは、延伸モノフ
ィラメント（以下、単に延伸フィラメントと称す）を複
数本、通常５〜３００本束ねたものである。

次に本発明で用いる延伸フィラメントについて説明する
。

本発明で用いる延伸フィラメントとしては、超高分子量
ポリオレフィンの延伸フィラメントまたは超高分子量エ
チレン・α−オレフィン共重合体の延伸フィラメントが
好ましい。

延伸フィラメントを構成する上記超高分子量ポリオレフ
ィンとしては、具体的には超高分子量ポリエチレン、超
高分子量ポリプロピレン、超高分子量ポリ１−ブテンお
よび２種以上のα−オレフィンの超高分子量共重合体な
どを例示することができる。これらの超高分子量ポリオ
レフィンの延伸フィラメントは、引張り強度および耐衝
撃強度に優れ、しかも耐クリープ性、耐水性などに優れ
ている。

本発明で用いる延伸フィラメントを構成する超高分子量
エチレン・α−オレフィン共重合体としては、エチレン
と炭素数が３〜２０、好ましくは４〜１０のα−オレフ
ィンとの共重合体をあげることができる。エチレンと共
重合するα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、
ｌ−ブテン、１−ペンテン、４−メチル−１−ペンテン
、１−ヘキセン、１−ヘプテン、１−オクテン、１−デ
センなどがあげられる。

これらの中では、１−ブテン、４−メチル−１−ペンテ
ン、１−ヘキセン、１−オクテン、ｌ−デセンなどが好
ましい。超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合体
の具体的なものとして、例えば超高分子量エチレン・プ
ロピレン共重合体、超高分子量エチレン・１−ブテン共
重合体、超高分子量エチレン・４−メチル−１−ペンテ
ン共重合体、超高分子量エチレン・１−ヘキセン共重合
体、超高分子量エチレン・１−オクテン共重合体、超高
分子量エチレン・１−デセン共重合体などをあげること
ができる。このような超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体としては、炭素数３以上のα−オレフィン
がこの共重合体の炭素数１０００個当り０．１〜２０個
、好ましくは０．５〜１０個、さらに好ましくは１〜７
個の割合で含有されているものを使用するのが好ましい
。

このような超高分子量エチレン・α−オレフィン共重合
体から得られる延伸フィラメントは引張り強度、耐衝撃
強度、耐クリープ性、耐水性などに優れているが、超高
分子量ポリオレフィンから得られる延伸フィラメントと
比較して、特に耐衝撃強度および耐クリープ性に優れて
いる。

本発明で用いる延伸フィラメントを構成する超高分子量
ポリオレフィンまたは超高分子量エチレン・α−オレフ
ィン共重合体は、その極限粘度〔η〕が５　ｄＱ／ｇ以
上、好ましくは７〜３０ｄＱ／ｇの範囲にあるのが好ま
しい。このような共重合体から得られる延伸フィラメン
トは機械的特性および耐熱性に優れている。すなわち、
分子端末は繊維強度に寄与しなくなり、分子末端の数は
分子量（粘度）の逆数であることから、極限粘度〔η〕
の大きいものほど高強度が得られる。

本発明で用いる延伸フィラメントは、延伸倍率が５〜８
０倍、好ましくは１０〜５０倍のものが好ましい。

前述の高弾性、高引張り強度を有する超高分子量ポリオ
レフィン延伸物を得る方法としては１例えば特開昭５６
−１．５４０８号公報、特開昭５８−５２２８号公報、
特開昭５９−］、３３０３１３号公報特開昭５９−１８
７６１４号公報などに詳述されているような、超高分子
量ポリオレフィンを稀薄溶液にするか、または超高分子
量ポリオレフィンにパラフィン系ワックス等の低分子量
化合物を添加して超高分子量ポリオレフィンの延伸性を
改良して高倍率に延伸する方法などを例示することがで
きる６ 〔実施例〕 次に、本発明の歯間清掃用糸を使用した歯間清掃用具の
実施例を図面により説明する。

第１図は本発明の実施例による歯間清掃用糸を使用した
歯間清掃用具を示す正面図である。

第１図において、歯間清掃用具１は棒状の取手部２と、
この取手部２に対してほぼ直角方向に突出する棒状の突
出部３ａ、３ｂとを有し、これらの突出部３ａと３ｂと
の間に本発明の歯間清掃用糸４が張設されている。突出
部３ａ、３ｂと取手部２との角度は、使用部位などによ
って変化させることができる。一方の突出部３ａは取手
部２の先端側に形成され、他方の突出部３ｂは一方の突
出部３ａから所定間隔離間して形成されている。

これらの突出部３ａ、３ｂの離間間隔は、一般入の歯の
厚さよりも幅広に形成する必要があり、通常１０〜３０
間であることが好ましい。このような突出部３ａ、３ｂ
および取手部２は合成樹脂などで一体に形成することが
好ましい。

歯間清掃用糸４を張設して各突出部３ａ、３ｂに固定す
るための手段は、接着、係合などの公知の手段が採用で
きるが、歯間清掃用糸４の交換を容易にするため取外し
自在とすることもできる。

また、取手部２の先端はこれをとがらせて、つまようじ
としての働きを持たせることもできる。

第１図に示す歯間清掃用具１は、歯間清掃用糸４を歯間
に通し、歯間部にある食物残渣や歯垢などを除去するた
めに用いられる。本発明の歯間清掃用糸４を張設した歯
間清掃用具１を使用した場合、食物残渣や歯垢が除去さ
れるとともに、延伸マルチフィラメントに被覆されてい
るシコニン、フッ素化合物、殺菌剤が口腔内で作用して
、う蝕防止効果、および／または歯肉炎、歯槽膿漏、口
内炎などの口腔内疾病の治癒効果が得られる。

〔発明の効果〕

以上の通り１本発明によれば、シコニン、フッ素化合物
および殺菌剤から選ばれる少なくとも工種以上の口腔衛
生剤を含有する付着剤で、延伸マルチフィラメントを被
覆するようにしたので、う蝕防止効果、および／または
歯肉炎、歯槽膿漏。

口内炎などの口腔疾病の治癒効果を有し、しかも引張り
強度、耐衝撃強度、耐クリープ性および使用感に優れた
歯間清掃用糸が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の歯間清掃用糸を用いた歯間清掃用具を
示す正面図である。 １：歯間清掃用具、２：取手部、３ａ、３ｂ：突出部、
４：歯間清掃用糸。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）シコニン、フッ素化合物および殺菌剤から選ばれ
   る少なくとも１種以上の口腔衛生剤を含有する付着剤で
   被覆された延伸マルチフィラメントからなることを特徴
   とする歯間清掃用糸。
2. （２）延伸マルチフィラメントが超高分子量ポリオレフ
   ィンの延伸マルチフィラメントである請求項（１）記載
   の歯間清掃用糸。