JPH0368271B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この発明は、コンクリートなどの支持面上に電
線などのケーブルを所定の向きに取付けて配線す
るケーブル取付け具に関する。

＜従来の技術＞ 本出願人は上記のようなケーブル取付け具を米
国特許第4127250号で提案した。このケーブル取
付け具は、平らな上面と下面を有する分厚なプラ
スチツクで成形された本体からなり、該本体は下
面を横断し、且つ下面に開放した１つの溝を有す
ると共に、前記上面に開口したピンの挿入孔が上
記溝を避けて本体に上下方向に設けられている。
従つて、支持面上に所定の向きに電線を這わせ、
本体下面の溝を上記電線に上から被せ本体を支持
面上に置き、本体上面に開口した挿入孔に上から
ピンを通し、ピンを上から叩いてピンの下部を支
持面中に打込んで本体を支持面上に固定し、これ
によつて電線を支持面上に所定の向きに取付ける
のである。

＜発明が解決しようとする課題＞ 電線は一芯型、二芯型の眼鏡型等があり、しか
も、その太さも変わつた多数の種類がある。上記
従来のケーブル取付け具の下面を横断する溝は一
つなので、このケーブル取付け具によつて支持面
上に取付けることができる電線はその溝の断面形
状に対応した一種類しかない。

このため、各種の電線を取付けるためには、電
線ごとの断面形状に合わせた溝を有する多種の取
付け具を作り、取付けるべき電線に合わせて取付
け具を使い分ける必要があり、製作にコストが
かゝると共に、保管、管理にも手数がかゝる。

＜課題を解決するための手段＞ そこで本発明は、１つのケーブル取付け具によ
つて複数の種類の電線の取付けを可能にしたので
あつて、本発明のケーブル取付け具は、平らな上
面と下面を有する分厚なプラスチツクで成形され
た本体からなり、該本体は下面を横断し、且つ下
面に開放した断面形状が異なる複数の溝を有する
と共に、前記上面に開口したピンの挿入孔が、上
記複数の溝を避けて本体に上下方向に設けられて
いることを特徴とする。

＜作用＞ 本発明のケーブル取付け具による支持面への電
線の取付けかたは従来のものと同様であつて、支
持面上に所定の向きに電線を這わせ、本体下面の
溝を上記電線に上から被せて本体を支持面上に置
き、本体上面に開口した挿入孔に上からピンを通
し、ピンを上から叩いてピンの下部を支持面中に
打込んで本体を支持面上に固定し、これによつて
電線を支持面上に所定の向きに取付ける。

この場合、本体の下面には断面形状が異なる複
数の溝があるため、各１つ宛の溝の断面形状に合
つた複数種類の電線を取付けることができる。

＜実施例＞ 第１図から第５図の実施例において、ケーブル
取付け具１０は平らな上面２２と下面２４を有す
るプラスチツクで成形された分厚な本体１２から
なる。この本体１２の下面２４には、下面を横断
し、且つ下面に開放した二つの溝２６と２８が直
交状に設けてある。この溝２６と２８は断面形状
が異なり、こゝでは溝２６は二芯型の電線３８の
断面形状に対応し、溝２８は所定の直径の一芯型
の電線４０の断面形状に対応する。

これらの溝２６，２８を避け、本体１２には上
面に開口１４を有するピンの挿入孔１５が上下方
向に、この実施例では２つ設けてある。そして、
上面２２は挿入孔の開口１４の回りに環状隆起部
３６を有する。

挿入孔１５の下端は、本体の下面２４に尖端を
近接した円錐形の底４４になつていて、第３図に
示すように底４４の円錐角は挿入孔１５に上から
通してコンクリートなどの支持面３４中に打込む
焼入鋼製のピン１６の下端の円錐部１８の円錐角
Ｉより大きい。ピン１６の円錐部１８の円錐角Ｉ
は45°など、40〜45°の範囲が好ましく、これに対
し挿入孔１５の底４４の円錐角は60°が好ましい。

第２図、第４図で明らかなように、本体１２は
下端が下面２４に開放し、上端４８が上面２２に
近接した円筒形の空洞３７と、この空洞２７で回
りが囲まれた円筒部４６を有し、前述したピンの
挿入孔１５は上記円筒部４６に同心状に設けられ
ている。

第１図は支持面上で所定の向きに這う二芯型電
線３８に、この電線３８の断面形状に合つた溝２
６を上から被せて本体１２を支持面上に置いた状
態を示し、又、第２図は支持面上に這う溝２８の
断面形状に合つた電線４０に、その溝２８を上か
ら被せて本体を支持面上に置いた状態を示す。こ
うして電線に上から溝２６や２８を被せて本体を
支持面上に置いたら、挿入孔１５にピン１６を上
から挿入し、本体の上面から上に突出するピンの
上端２０をハンマーなどで叩いてピンの下部を支
持面３４中に打込み、支持面３４上に電線を取付
けるのである。尚、ピン１６は、本体を電線上に
被せる前に挿入孔１５に挿入して軽く叩き込み、
第４図に示すように挿入孔１５に予め保持してお
いてもよい。

このようにピン１６の下部を支持面３４に打込
むと、ピンは挿入孔の底４４を突き破つて底を下
から３５で示すように圧密化し、圧密化された底
４４はピンを回りから摩擦で把持するため本体１
２はピン１６に沿つて上に抜けることがない。そ
して、挿入孔の底４４が円錐形ではなく、平らで
あると、底の圧さが或る程度ないと底を突き破つ
たピンを把持する摩擦が不足するので、そのよう
に厚くするとピンを打込むのに大きな力を要す
る。又、挿入孔の底４４の円錐形と、ピンの下端
の円錐部１８の円錐形が同じであると、挿入孔の
底を突き破つたピンを把持する摩擦は大きいが、
ピンの円錐部１８の円錐面の全体を挿入孔の底の
円錐面に接触させ、その摩擦に抗してピンを打込
まねばならないので矢張りピンを打込むのに大き
な力を要する。

しかし、この実施例のように挿入孔１５の底４
４の円錐角をピンの下端の円錐部１８の円錐角よ
り少し大きくしてあると、ピンの円錐部１８は挿
入孔の底４４の円錐面に下から環状に線接触して
底４４を突き破るので打込むのに大きな力を要し
ないと共に、底４４の円錐面の尖端が本体の下面
に近接していても、底を突き破つたピン１５を底
の円錐面が把持するので大きな摩擦把持力が得ら
れる。

そして、本体の上面は挿入孔１５の開口１４の
回りに環状隆起部３６を有し、この環状隆起部が
本体の上面を補強し、且つピン１５を打込むため
の衝撃を吸収緩和するので、ハンマで叩かれても
破損しない。

更に、この実施例のように挿入孔１５が、円筒
形の空洞３７で回りを囲まれた円筒部４６に設け
てあると、円筒部４６は空洞３７の上端４８と本
体の上面２２との間の肉圧が薄い上壁から下がつ
て首振り可能なので、挿入孔１５を通じコンクリ
ートなどの支持面３４の途中まで打込んだピンの
下端が支持面３４中の小石に突き当たつて真直ぐ
進めなくなつた場合に、円筒部４６は円筒形の空
洞３７の内部で首を振り、ピンの向きを変えて小
石からそらせ、ピンのその後の打込みを可能にす
る。

又、支持面３４がプラスターなどのコンクリー
トよりはもろい材料で構成されている場合は第５
図に示すように、ピン１６を本体の挿入孔に予め
打込み、支持面３４に打込むピンの下部を本体の
下面２４から下に突出させておくとよい。こうす
ると、ピン１６を上から叩き挿入孔１５の底４４
を突き破ることを支持面３４上で行なわなくて済
み、ピンの下部を支持面に打込むだけでよいため
支持面の破損が防げる。

更に、第４図、第５図に示すように溝２８の下
縁に相対向した爪３０，３０を設けておくと、こ
の爪３０，３０の間隔から溝２８の中に電線４０
を押込み、支持面に取付けるべき電線を予め溝２
８の内部に保持しておくことができる。

第６，７図は本発明のケーブル取付け具の他の
一実施例を示す側面図である。この実施例が前述
の第１〜５図に示した実施例と相違する主な点
は、前述の実施例では二つの溝２６と２８を本体
の下面に直交して設けたが、この実施例では溝２
６と４２を本体の下面に平行に設けたことであ
る。そして、溝２６の途中には相対向した突出部
３２，３２を設け、溝の幅を狭めてあるが、こう
すると、突出部３２，３２は溝２６が被さつて支
持面上に取付けた電線の途中を挟み、電線が溝沿
いに動くのを防止することができる。又、ピンの
挿入孔１５を中心に有する円筒部４６の上端部は
放射状の複数の壁４９で空洞３７の上端部に連結
してもよい。

＜発明の効果＞ 以上で明らかなように、本発明のケーブル取付
け具は、支持面に電線を取付けるために本体の下
面を横断する溝を複数、断面形状を変えて有する
ので、各溝の断面形状に合つた複数種類の電線を
１つの取付け具で取付けることができる。

従つて、電線の１種類ごとに合わせた取付け具
を製造したり、保管管理したりする無駄が大幅に
低減する。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は本発明の一実施例のケーブ
ル取付け具を示すもので、第１図は取付けること
ができる１種類の電線の上に被さつている状態の
斜視図、第２図は同じく取付けることができる他
の１種類の電線上に被さつている状態の一部を断
面にした斜視図、第３図はピンと、取付け具の挿
入孔の関係を示す説明図、第４図はケーブル取付
け具の断面図、第５図はケーブル取付け具の挿入
孔にピンを打込み、支持面に打込むべきピンの下
部を下面から突出させた状態の側面図、第６図は
本発明のケーブル取付け具の他の一実施例を示す
側面図、第７図は第６図の一部の平面図である。 図中、１２は本体、１５はピンの挿入孔、１６
はピン、２２は本体の上面、２４は本体の下面、
２６と２８及び２６と４２は溝である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 平らな上面と下面を有する分厚なプラスチツ
   クで成形された本体からなり、該本体は下面を横
   断し、且つ下面に開放した断面形状が異なる複数
   の溝を有すると共に、前記上面に開口したピンの
   挿入孔が、上記複数の溝を避けて本体に上下方向
   に設けられていることを特徴とするケーブル取付
   け具。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のケーブル取付
   け具に置いて、本体の上面は、ピンの挿入孔の回
   りに環状隆起部を有するケーブル取付け具。 ３ 特許請求の範囲第１項、第２項のどれか１項
   に記載のケーブル取付け具において、ピンの挿入
   孔の下端は、本体の下面に尖端を近接した円錐形
   で、その円錐角はピンの下端の円錐部の円錐角よ
   り大であるケーブル取付け具。 ４ 特許請求の範囲第１項から第３項のどれか１
   項に記載のケーブル取付け具において、本体は下
   端が下面に開放し、上端は上面に近接した円筒形
   の空洞と、該空洞で回りを囲まれた円筒部とを有
   し、ピンの挿入孔は上記円筒部に円心上に設けら
   れているケーブル取付け具。