JPH0366056B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、連続鋳造機における鋳片案内ロール
スタンドに関し、特に、鋳型直下の垂直方向の鋳
片案内ロールスタンドとして好適に用いられるも
のである。

従来の技術 連続鋳造機において、鋳片案内ロールスタンド
に取り付けられるガイドロールは、鋳片の凝固促
進及び凝固過程における鋳片のふくれ、異常曲が
りを防止する作用をなす。そのため、該ガイドロ
ールの調整は極めてシビアな調整が要求され、こ
の調整如何によつてアライメント誤差が生じる
と、鋳片に過分な応力が作用し、鋳片表面の皮下
割れが発生し、品質に悪影響を及ぼす。

特に、鋳型を出た直後の鋳片を支持案内する鋳
型直下の垂直ガイドロールのアライメント調節は
重要である。

しかも、近年、連続鋳造機では、従来の普通鋼
鋳造から特殊鋼鋳造への比率が大きくなつてお
り、特殊鋼鋳造を完遂するためには、従来の普通
鋼鋳造に比べて、各機械の組立が更に高精度を要
求される。

上記要求は、据付時の組立に求められるのは言
うに及ばず、長期間使用した後のメンテナンスに
おいても、分解、組立および調節を容易として当
初の精度を確保することが求められている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、鋳片案内ロールスタンドの配置
場所および使用目的から、当然、高熱にさらさ
れ、熱変形をうけて組立精度に狂いが生じ易く、
かつ、組立時においても芯出しが簡単に行い難
く、組立精度を高精度に確保し難い問題がある。

上記鋳片案内ロールスタンドの分解および組立
の容易さを図るために、ガイドロールをユニツト
化することが考えられるが、ユニツト化した場合
にユニツト内における調整を容易とすること及び
ユニツト間における調整（ロールアライメント）
を容易にすることが必要となる。

課題を解決するための手段 本発明は、上記した点に鑑みてなされたもの
で、連続鋳造機における鋳片案内ロールスタンド
において、鋳片の四面を案内支持するガイドロー
ルを鋳片の進行方向に複数段にわけて支持するフ
レームを一体的に連結して枠状箱型からなるユニ
ツトを構成し、上記複数のユニツトを、ユニツト
接合部に設けた嵌合穴に丸キーを介して積層する
と共にタイロツドにより連結せしめ、かつ、上記
ユニツト接合部に水平面内の前後・左右方向の相
対的位置を調節して固定するウエツジ機構を設け
たことを特徴とする鋳片案内ロールスタンドを提
供するものである。

より詳しくは、鋳型の直下に設ける鋳片案内用
の垂直ガイドロールを備えた鋳片案内ロールスタ
ンドとして好適に用いられるもので、 鋳片の四面に当る夫々のガイドロールを各面毎
に分割すると共に各面の上下方向に配置される複
数個のガイドロールを複数のブロツクに分割して
夫々のブロツクのガイドロールを夫々１枚のプレ
ートに取付ける一方、上記ガイドロール支持用の
フレームをガイドロールを上下方向に分割した複
数のブロツクに応じて複数に分割すると共に、該
フレームを鋳片の他の面に面する他のフレームと
一体的に連結して鋳片の周囲四面を囲む枠状の箱
型に形成したユニツトを構成し、各ユニツトの各
フレームに夫々上記ガイドロールを取り付けたプ
レートを嵌め込んで取り付けた後、これらユニツ
トを上下方向に積み重ね、タイロツドを貫通して
一連に連結すると共に、該連結時に各ユニツトの
位置調節を行うため、積み重ねる両ユニツトの接
合部位の上記タイロツド貫通穴の外周面を切り欠
いて丸キー穴を形成し、該丸キー穴に調節用クリ
アランスをあけて丸キー外嵌すると共に、上記上
下ユニツトの対向面に夫々左右方向及び前後方向
に当板を突設し、これら当板により左右方向の空
〓と前後方向の空〓を形成し、これら空〓にウエ
ツジを介在させてユニツトにおける水平面内にお
ける前後方向および左右方向の相互の位置調節を
自在としたウエツジ機構を設けたことを特徴とす
る鋳片案内ロールスタンドを提供するものであ
る。

作 用 上記したように、本発明では、ガイドロールを
取り付けるユニツトを箱型として剛性を持たせて
いるため、組立及び使用中でもアライメント誤差
が生じない。

また、本発明では、ガイドロール、該ガイドロ
ールを支持するプレート、該プレートを取り付け
るフレーム、該フレームを固定して構成するユニ
ツトを夫々別個に設け、ガイドロールをプレート
に取り付けて、該プレートをユニツトに嵌め込む
だけの所謂カートリツジ方式としているため、分
解および組立が容易となり、かつ、組立時におい
て各ユニツト内での位置調節が容易に行える。

しかも、箱型ユニツトを上下に積み重ねて、タ
イロツドで連結すると共に、上記ユニツトの接合
部を貫通するタイロツドの外周には丸キーを間〓
をあけて取り付け、各ユニツトの位置調節を可能
とし、上下ユニツトの間にウエツジを介して変位
可に一連に連結する構成としているため、ユニツ
ト間での位置調節も容易で、局部的に誤差が生じ
た際に、再調節を容易に行うことが出来る。

実施例 以下、本発明を図面に示す実施例により詳細に
説明する。

図中、１は鋳片、２Ａ，２Ｂ，２ｃ，２Ｄは鋳
片１の左側面、右側面、前面及び後面の４面に
夫々当接し鋳片１を案内保持する上下方向に並ん
だガイドロール、３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄは上記
上下方向に並んだガイドロール２Ａ，２Ｂ，２
Ｃ，２Ｄを夫々３個及び４個のブロツクに分割し
て各ブロツク毎に取り付けるプレート、４Ａ，４
Ｂ，４Ｃは夫々左右および前後方向の４枚のフレ
ーム５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄをボルにより枠状の
箱型に一体的に連結して構成したガイドロール支
持用のユニツトである。

上記ユニツト４Ａ，４Ｂ，４Ｃは第１図に示す
ように上下方向に積み重ねてタイロツド７を用い
て一連に連結すると共に、生み重ね時にユニツト
のおける水平面内の前後方向および左右方向の相
互の位置を調節自在に位置決めするため、ユニツ
ト間に後述するウエツジ機構を設けている。

第４図に示すように、上記した上下方向に３個
及び４個づつのブロツクとして分割されたガイド
ロール２Ａは、ブロツク毎に一枚のプレート３Ａ
に、ボルト２０とナツト２１とにより前以て取り
付けて芯出ししている。同様に、鋳片１の他の３
面をガイドするガイドロール２Ｂ，２Ｃ，２Ｄも
ブロツク毎にプレート３Ｂ，３Ｃ，３Ｄに前以て
取り付けている。

ブロツク毎にガイドロール２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，
２Ｄを夫々取り付けた４枚のプレート３Ａ，３
Ｂ，３Ｃ，３Ｄはユニツト４Ａの各フレーム５
Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄの内面に嵌め込み、ボル
ト・ナツト６により取り付けている。同様に、ユ
ニツト４Ｂ，４Ｃの各フレーム５Ａ，５Ｂ，５
Ｃ，５Ｄにも夫々ガイドロールを前以て取り付け
たプレート３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄを嵌め込みボ
ルト・ナツト６で取り付けている。

上記ユニツト４Ａ，４Ｂ，４Ｃの相互の位置関
係を調節するための機構として、４枚のフレーム
５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄを一体に連結して構成す
る４角枠状の箱型のユニツトの４隅にタイロツド
貫通穴７０を設けている。該タイロツド貫通穴７
０はユニツトの上部側では当板１０に、下部側で
は当板８に貫通して形成している。

上記上部の当板１０にはタイロツド貫通穴７０
の上端側の外周面を切り欠いで大径とした丸キー
穴１７を形成している。同様に、下部の当板８に
はタイロツド貫通穴７０の下端側の外周面を切り
欠いて大径とした丸キー穴１６を形成している。

よつて、第６図に示すように、ユニツト４Ａ，
４Ｂ，４Ｃを上下に重ね合わせた時、上下方向に
一連に連通するタイロツド貫通穴７０のユニツト
接合部に、丸キー穴１６と１７が上下に連通した
丸キーの嵌合穴７１が形成されるようにしてい
る。

上記嵌合穴７１には丸キー１８を挿入し、該丸
キー１８の中空部にタイロツド７を貫通させるよ
うにしている。上記したタイロツド７、丸キー１
８、嵌合穴７１の寸法関係は、夫々の間に調節用
クリアランスが生じるように設定している。例え
ば、図示の実施例では、タイロツド７はφ70、丸
キー１８の内径はφ75、外径はφ130、嵌合穴７１
の内径はφ130＋0.1に設定している。

尚、丸キーを用いているのは、鋳片の熱による
フレームの歪みを考えるとき、フレーム内にセツ
トしたロールポジシヨンにねじれがある場合、後
述するウエツジにより左右および前後方向を調節
することによりねじれの補正を可能とするためで
ある。

上記ウエツジ機構として、第２図において、各
ユニツトのフレームの左側の当板１０の左先端部
に突出端より垂直上向きに屈曲した突出部１０ａ
を設ける一方、後側の当板１０の後先端部に突出
端より垂直上向に屈曲した突出部１０ｂを突設し
ている。

一方、各ユニツトの下部の当板８には上記突出
部１０ａ，１０ｂと同一側方に突出した段部８ａ
を下端面より所要距離をあけて突設している。

よつて、第６図に示すように、ユニツトを上下
に積み重ね、下位のユニツト４Ｂの当板１０の上
に上位のユニツト４Ａの当板８の下面を載置し、
互いのタロツド貫通穴７０を連通して位置決めし
た際、当板８の外面と当板１０の突出部１０ａの
間に空〓９Ａが生じ、当板８の段部８ａは空〓９
Ａの上部に位置するようにしている。同様に、当
板８の外面と突出部１０ｂの間に空〓９Ｂが生
じ、該空〓９Ｂの上部に段部８ａが位置するよう
にしている。

上記空〓９Ａには、一対のクサビ片５０Ａ，５
０Ｂからなるウエツジ１１を挿入して左右方向の
位置決めをするようにしている。同様に、空〓９
Ｂには一対のクサビ片６０Ａ，６０Ｂからなるウ
エツジ１１を挿入して前後方向の位置決めをする
ようにしている。

本発明に係わる鋳片案内ロールスタンドの組立
時には、前以てガイドロール２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，
２Ｄを夫々ボルト２０とナツト２１とで芯出して
プレート３Ａ，３Ｂ，３Ｄに取り付け、該プレー
ト３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄをボルト・ナツト６で
ユニツト４Ａ，４Ｂ，４Ｃのフレーム５Ａ，５
Ｂ，５Ｃ，５Ｄに固定している。

このようにプレート３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄを
フレーム５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄに対してボル
ト・ナツト６により取り付けていること、およ
び、ボルトとナツトとの締結状態を調整すること
により、プレート３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄをフレ
ーム５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄに対して移動して、
該プレート３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄに取り付けた
ガイドローラ２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄの芯出しを
容易に行うことが出来る。

上記のように夫々ガイドロール２Ａ，２Ｂ，２
Ｃ，２Ｄを取り付けたユニツト４Ａ，４Ｂ，４Ｃ
を上下方向に積み重ね、積み重ねるユニツトの接
合部を形成される嵌合穴７１に丸キー１８を嵌合
し、該丸キー１８を貫通させてタイロツド７を貫
通穴７０に挿入してユニツト４Ａ，４Ｂ，４Ｃを
連結する。かつ、該連結より形成された空〓９
Ａ，９Ｂにそれぞれ一対のクサビ片５０Ａと５０
Ｂ、および６０Ａと６０Ｂからなるウエツジ１１
を各空〓９Ａ，９Ｂの開口端から挿入する。該状
態で、ユニツト間のロール段差を計測し、上記ウ
エツジ１１（クサビ片）をハンマーにより打ち込
んで、上下フレームの左右方向および前後方向の
位置関係を調節する。

このように、単独に芯出しがなされたユニツト
４Ａ，４Ｂ，４Ｃを組立時にウエツジおよび丸キ
ーで芯出しするため、アライメント精度は高精度
に確保出来る。

発明の効果 以上の説明より明らかなように、本発明に係わ
る鋳片案内ロールスタンドでは、ガイドロール支
持用のフレームを箱型として剛性を持たせている
ため、熱変形を受け難く、アライメント誤差が生
じにくく、かつ、誤差が生じた場合も、ユニツト
間の位置調節をウエツジと丸キーでおこなうこと
により、簡単に行えると共に、誤差が生じたユニ
ツトを取り出し、該ユニツトを芯出しをプレート
取付位置に調節することにより簡単に行うことが
出来る利点を有するものである。

上記したように鋳片案内用ガイドロールのアラ
イメント調節を正確にかつ容易に行うことが出来
るため、該アライメント調節がシビアに要求され
る鋳型直下の垂直ガイドロールに特に好適に用い
ることが出来る。しかしながら、鋳片案内ガイド
ロールのいずれの位置においてもアライメント調
節および迅速且つ容易な分解および組立が必要で
あるため、いずれのタイプの連続鋳造機における
いずれの位置の鋳片案内ロールスタンドにおいて
も好適に採用できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す正面図、第２図
は第１図の−線断面図、第３図は第１図の
−線断面図、第４図はガイドロールとプレート
の取付状態を示す断面図、第５図は各ユニツトを
構成するフレームの要部断面図、第６図は上下ユ
ニツトの接合部の断面図である。 １……鋳片、２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄ……ガイ
ドロール、３Ａ，３Ｂ，３Ｃ，３Ｄ……プレー
ト、４Ａ，４Ｂ，４Ｃ……ユニツト、５Ａ，５
Ｂ，５Ｃ，５Ｄ……フレーム、７……タイロツ
ド、８，１０……当板、１１……ウエツジ、１
６，１７……丸キー穴、１８……丸キー、７０…
…タイロツド貫通穴、７１……嵌合穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 連続鋳造機における鋳片案内ロールスタンド
   において、 鋳片の四面を案内支持するガイドロールを鋳片
   の進行方向に複数段にわけて支持するフレームを
   一体的に連結して枠状箱型からなるユニツトを構
   成し、 上記複数のユニツトを、ユニツト接合部に設け
   た嵌合穴に丸キーを介して積層すると共にタイロ
   ツドにより連結せしめ、かつ、上記ユニツト接合
   部に水平面内の前後・左右方向の相対的位置を調
   節して固定するウエツジ機構を設けたことを特徴
   とする鋳片案内ロールスタンド。