JPH0365946B2 - - Google Patents

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JPH0365946B2
JPH0365946B2 JP58084799A JP8479983A JPH0365946B2 JP H0365946 B2 JPH0365946 B2 JP H0365946B2 JP 58084799 A JP58084799 A JP 58084799A JP 8479983 A JP8479983 A JP 8479983A JP H0365946 B2 JPH0365946 B2 JP H0365946B2
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明はリパーゼを用いた油脂の加水分解シ
ステムに関する。 従来のリパーゼによる油脂の加水分解方法とし
ては、低融点油脂をリパーゼ水溶液と液状で混合
撹拌しながら加水分解させる方法や高融点油脂を
リパーゼ水溶液と乳化混合し半固形状のスラリー
状態として加水分解させる方法などが知られてい
る。しかるに、これらの方法は油脂とリパーゼ水
溶液との接触に際して強力な撹拌エネルギーを必
要とし、またこのような強力の撹拌下では巻き込
み空気による油脂の酸化劣化をきたす心配があ
る。 一方、リパーゼの再使用を容易にしかつ加水分
解反応を連続的に行う観点から、適宜の担体に固
定化したリパーゼをカラム中に充填しこれに油脂
の含水有機溶剤溶液や乳化液を連続的に導入して
加水分解反応を行わせる方法が考えられている。
ところが、この方法では、リパーゼの固定化のた
めに比較的高価な固定化用担体が必要である、固
定化操作が複雑である、固定化による活性低下が
著しいなどのリパーゼの固定化に伴なう諸種の問
題があるほか、油脂と水とを混合するために用い
た有機溶剤や乳化剤の使用が反応系を複雑にする
ばかりでなく、上記使用が酵素反応に対して阻害
効果をおよぼしたり、生成物の分離工程を複雑に
する問題がある。 この出願人は、上記事情に鑑み鋭意検討した結
果、水不溶性の油脂をリパーゼ水溶液を含むカラ
ム中に微細な油滴として連続的に導入して分散状
態で浮上せしめ、この浮上中に油脂とリパーゼと
を充分接触させて加水分解反応を行わせ、生成物
のひとつであるグリセリンはカラム中のリパーゼ
水溶液に溶解させるとともに脂肪酸はカラム上方
に泡上分離させるという油脂の加水分解方法を、
すでに提案した。 この提案法によれば、加水分解反応の連続化が
可能でまた脂肪酸とグリセリンとの分離が容易と
なるなどの効果が得られるほか、油脂とリパーゼ
水溶液との接触に際して従来の如き強力な撹拌エ
ネルギーを必要としない、強力な撹拌を必要とし
ないため巻き込み空気による油脂の酸化劣化を低
減できる、前記固定化リパーゼ充填カラム方式に
みられる如きリパーゼの固定化や有機溶剤ないし
乳化剤の使用に伴なう諸種の問題を生じないなど
の利点が得られる。 ところが、上記提案法では、上記の如き利点が
ある反面リパーゼをかなり多量用いなければ加水
分解の実用的な反応速度が得られず、しかも加水
分解の進行に伴なつてリパーゼ水溶液中に溶解し
てくるグリセリンによつて反応速度が低下してく
る問題がある。このため、上記提案法を工業的有
利に実施するためには、高価なリパーゼを多量使
用することによる経済的不利をいかに低減し、ま
た反応速度をいかに一定に保つかが、重要な課題
となる。 この発明者らは、上記問題を克服するためにさ
らに検討した結果、カラム中で所定時間加水分解
反応を行わせたリパーゼ水溶液からグリセリンを
回収するとともにリパーゼの濃縮液を得、これを
グリセリンの回収工程で分離した水と混合して再
びカラム中での加水分解反応に循環供給すること
により、反応速度の維持と経済性の改善とを図り
うることを知り、この発明を完成するに至つた。 すなわち、この発明は、この出願人がすでに提
案した前記加水分解法を工業的有利に実施するた
めの加水分解システムに関するものであり、その
要旨とするところは、 a 油脂をリパーゼ水溶液で満されたカラム中に
微細な油滴として導入し分散状態で浮上させな
がら加水分解する工程と、 b 上記a工程後カラム上方に浮上した含水油層
を親油性の多孔性高分子膜を通過させて脂肪酸
を主体とする油分を回収するとともにリパーゼ
およびグリセリンを含む水溶液を分離する工程
と、 c 上記b工程で分離した水溶液を前記a工程後
カラムから排出されるグリセリンを含むリパー
ゼ水溶液と混合したのち限外ろ過してリパーゼ
の濃縮液とグリセリン水溶液とに分離する工程
と、 d 上記c工程で分離したグリセリン水溶液を逆
浸透処理してグリセリンの濃縮液と水とに分離
する工程と、 e 上記d工程で分離したグリセリンの濃縮液か
ら水の蒸発またはこれと蒸留によつてグリセリ
ンを回収する工程と、 f 前記c工程で分離したリパーゼの濃縮液と上
記d工程で分離した水とを混合してリパーゼ水
溶液となしこれを前記a工程に循環供給する工
程 とを具備してなる加水分解システムにある。 以下、この発明の加水分解システムを図面を参
考にして工程順に説明する。 この発明では、まずa工程において、リパーゼ
水溶液1で満たされたカラム2内にその下部から
酢酸セルロース膜の如き多孔性部材3を介して油
脂4を導入する。図中、5は貯槽6内の油脂4を
カラム2へ導入するためのパイプである。カラム
2内に導入された油脂4はリパーゼ水溶液中で微
細な油滴となつて分散状態で浮上し、この浮上中
にリパーゼとよく接触して加水分解される。接触
時間を長くするために通常は上方に浮上した含水
油層7をパイプ8を介してカラム2内に数回循環
させる。 所定の加水分解率に達しリパーゼ水溶液中のグ
リセリン濃度が所定濃度に達したのち、カラム上
方に浮上した含水油層7はパイプ9より系外に取
り出され、b工程において親油性の多孔性高分子
膜を有するマイクロろ過器10を通過して脂肪酸
を主成分とし少量のグリセリンの脂肪酸部分エス
テルを含む油分とリパーゼおよびグリセリンを含
む水溶液とに分離される。すなわち、含水油層7
は上記膜を通過することによつてその乳化状態が
破壊されて透明な油分と透明な水溶液とに分離さ
れる。図中、11は上記分離し油分をパイプ12
を介して回収するためのタンクである。 上記分離に用いられる親油性の多孔性高分子膜
としては一般に孔径が1〜20μm程度の細孔を有
するポリプロピレン製膜やポリ四フツ化エチレン
製膜などが好ましく用いられる。この膜が親水性
であると油分による孔づまりなどをおこして分離
作業に支障をきたす。 つぎに、c工程において、上記b工程で分離し
た水溶液と前記a工程後カラム2から排出される
グリセリンを含むリパーゼ水溶液とをパイプ1
3,14を介して混合したのち、限外ろ過器15
にて処理してリパーゼの濃縮液とグリセリン水溶
液とに分離する。 なお、上記混合後の水溶液、つまり限外ろ過を
行う前の水溶液中に含まれるリパーゼとしては通
常100〜5000単位/mlの範囲、グリセリンとして
は通常0.5〜2.0重量%の範囲とされているのが望
ましい。換言すればa工程で用いるリパーゼ水溶
液のリパーゼ濃度と加水分解反応で生成するグリ
セリンの濃度とを上記範囲内に設定しておくのが
望ましい。しかし、上記濃度範囲を多少逸脱した
としても、この発明の効果が大きく減ずるもので
はない。 限外ろ過による透過流束としては工業的見地か
ら操作圧3〜4Kg/cm2で5/m2・時間以上とな
るように設定して、このときのリパーゼの濃縮比
が5〜10の範囲内となるようにするのがよい。限
外ろ過膜としては、市販のポリスルホン製膜、酢
酸セルロース製薬、芳香族スルホン製膜、ポリア
クリロニトリル製膜などがいずれも使用可能であ
り、特にリパーゼの分子量の1〜2倍の分子量分
画性能を有するものが好適である。 このようにして得られるリパーゼの濃縮液中に
は、a工程で反応原料として用いたリパーゼ水溶
液中のリパーゼの約90%が含まれている。また、
上記限外ろ過では水溶液中に微量に混入してくる
たん白質や油分などの不純物も濃縮されるため、
上記濃縮液中にはこれら不純物が濃縮前の水溶液
に比しより高濃度で含まれている。 一方、限外ろ過器を透過した水溶液はリパーゼ
をほとんど含まずかつ前記不純物が可及的に除去
されたグリセリン水溶液とされたものである。も
ちろん、グリセリンの濃度としては限外ろ過前の
濃度と同じである。前記限外ろ過ではグリセリン
の分離能はないためである。したがつて前記濃縮
液中にも透過液と同濃度のグリセリンが含まれて
くることとなるが、その絶対量は透過液中のグリ
セリン量に較べてごく僅かである。 つぎのd工程では、上記グリセリン水溶液をパ
イプ16によつて逆浸透処理器17に導き、グリ
セリンの濃縮液と水とに分離する。この際の透過
流束としては工業的見地から操作圧40〜60Kg/cm2
で5/m2・時間以上となるように設定して、濃
縮液中のグリセリン濃度が10〜15重量%(処理前
は0.5〜2.0重量%)となるようにするのがよい。
用いる逆浸透膜としては、市販の酢酸セルロース
製膜、ポリスルホン製膜、ポリアクリロニトリル
製膜、ポリアミド製膜などがいずれも使用可能で
あり、特に食塩排除率90%以上のものが好適であ
る。 上記逆浸透処理によつて得られるグリセリンの
濃縮液は、前記c工程での限外ろ過時に油分やた
ん白質などの不純物がほとんど除去されているこ
とから、これをそのままe工程に供して水の蒸発
またはこれとグリセリンの蒸留によつて高品質の
グリセリンとして製品化する。図中、18,19
はパイプ、20は水の蒸発またはこれとグリセリ
ンの蒸留を行うための装置、21は高品質グリセ
リンの回収タンクである。このようにして回収さ
れるグリセリンの回収率は約85%以上である。 また、上記逆浸透処理器を透過した水は約0.2
重量%程度のグリセリンを含んでいるが、この水
をf工程において混合槽22に導き、ここで前記
c工程の限外ろ過で得られたリパーゼの濃縮液と
混合する。図中、23は逆浸透処理器を通過した
水を混合槽22へ導くパイプであり、24はc工
程で得られたリパーゼの濃縮液を混合槽22に導
くパイプである。 上記混合後の液中にはa工程にて最初に用いた
リパーゼの約90%が含まれているため、不足する
約10%のリパーゼを新たに補給すると共に水を新
たに追加補給してa工程で最初で用いたのと同濃
度のリパーゼ水溶液とする。この際、水の補給
は、外部供給によらないであるいは外部供給とと
もにe工程(グリセリン回収工程)で分離される
水をパイプ25を介して回収利用するようにして
もよい。 このようにして混合槽22で調製されたリパー
ゼ水溶液は、所定のリパーゼ活性を示すとともに
グリセリン含有量がa工程のカラム2から排出さ
れた直後のものに較べて非常に低濃度とされたも
のであるため、これをパイプ26によつて再びa
工程の加水分解反応用として循環供給する。 以後、上述のa〜f工程を繰り返すことによ
り、加水分解反応を半連続的に行えるとともに、
上記工程中に高品質の脂肪酸を主成分とする油分
およびグリセリンを回収することができる。な
お、上記繰り返しに際し、c工程で用いる限外ろ
過膜については、液中の不純物の付着に基づく目
づまりによつて透水速度が低下しているから、ろ
過後アニオン系または非イオン系の界面活性剤な
どでよく洗浄するのが望ましい。d工程での逆浸
透膜については、限外ろ過工程で不純物がほとん
ど除去されているため、上述の如き目づまりの問
題は特に生じない。 以上のように、この発明では、a工程にて所定
の加水分解反応を行わせたのちのリパーゼ水溶液
からb工程ないしe工程を経てリパーゼおよびグ
リセリンを回収すると共に、f工程にて上記回収
リパーゼの所定濃度の水溶液を調製してこれをa
工程での加水分解反応用として循環供給するよう
にしたものであり、上記回収リパーゼが良好な活
性を示すことおよび循環供給する水溶液中にはグ
リセリンが多く含まれていないことによつて、a
工程での加水分解の反応速度を長期に亘つて実用
的な速度に維持させることができる。また、リパ
ーゼの回収率は約90%であるため、リパーゼの多
量使用に基づく経済的不利を低減することができ
る。 しかも、b工程によつてa工程でカラム上方に
浮上した含水油槽からリパーゼ,グリセリンおよ
び水をほとんど含まない脂肪酸を主成分とする高
品質の油分を回収することができ、さらにc工程
を経てd,e工程によつて油分やたん白質などの
不純物をほとんど含まない高品質のグリセリンを
回収することができる。特にe工程において水の
蒸発またはこれとグリセリンの蒸留だけで、つま
り従来の高温高圧法による加水分解で得られる不
純物含有量の多いグリセリン水に適用されている
ような特別な精製工程を要しないで、高品質のグ
リセリンを得ることができるという利点がある。 以下に、この発明の実施例を記載してより具体
的に説明する。 実施例 酵素活性1000単位/mlのキヤンデイダ・シリン
ドラセより得たリパーゼ(分子量30000)水溶液
2000mlを満たした高さ200cm、内径3.6cmのカラム
中に、けん化価192.4、酸価0.2のオリーブ油200
gを、上記カラム下部に配設された孔径0.1〜0.2
mmの孔を有する酢酸セルロース膜を介して平均粒
径0.5mmの油滴として導入して分散状態で浮上さ
せ、浮上した油層はこれを再度上記セルロース膜
を介してカラム中に導入浮上させた。この導入浮
上の繰り返し数を51回とすることにより、96%の
加水分解率が得られた。このときのリパーゼ水溶
液と油滴との接触時間は合計34分であつた。 このような加水分解後、上方に浮上する油層に
は水が乳化して存在するため、この油層を孔径
5μmの細孔を有するポリ四フツ化エチレン製膜
を有するマイクロろ過器を通過させて脂肪酸を主
成分とする油分と水層とに分離した。これによ
り、高品質油分を回収するとともに、73mlのリパ
ーゼおよびグリセリンを含む水溶液を得た。 この水溶液73mlと前記カラムより排出したリパ
ーゼ水溶液1860mlとを混合し、混合液のリパーゼ
活性を測定したところ、985単位/mlであつた。
また、混合液中に含まれるリパーゼ以外の成分を
測定したところ、グリセリン1.2重量%、たん白
質(アルブミンとして)1470ppm、油分(n−ヘ
キサン可溶分)510ppmであつた。 この混合液を分画分子量5000のポリスルホン製
の限外ろ過膜を装備した2.5容量の限外ろ過セ
ルに入れた。なお、上記ろ過膜の有効面積は162
cm2、透水速度は4Kg/cm2の操作圧、20℃で148
/m2・時間である。上記セルを20℃に保持し、
操作圧として窒素圧で4Kg/cm2をかけてろ過し、
リパーゼの濃縮液200mlとグリセリン水溶液1733
mlとに分離した。ろ過に要した時間は7.0時間、
平均透過流束は15.3/m2・時間、濃縮比は9.67
であつた。 上記リパーゼの濃縮液を分析すると、リパーゼ
活性9010単位/ml、グリセリン1.2重量%、たん
白質11200ppm、油分1000ppmであつた。また、
グリセリン水溶液を分析すると、リパーゼ活性0
単位/ml、グリセリン1.2重量%、たん白質
50ppm、油分90ppmであつた。 上記分析結果より以下のことが明らかである。
すなわち、リパーゼの濃縮液中には最初の使用量
の94.6%のリパーゼが含まれており、限外ろ過に
よるリパーゼの漏れは全く認められず、ほぼ完全
に濃縮して回収することができる。グリセリン濃
度は濃縮液とグリセリン水溶液とで差のないこと
から、限外ろ過にはグリセリンは無関係である。
たん白質と油分の透過率はそれぞれ3.4%、17.6
%であり、限外ろ過によつてかなり濃縮分離され
る。濃縮液とリパーゼ水溶液とのいずれにも含有
されないたん白質と油分とは限外ろ過膜に付着し
たものと推定される。なお、上記たん白質はリパ
ーゼの分解に基づくものであり、油分は加水分解
工程での混入に基づくものである。 つぎに、上記限外ろ過で得たグリセリン水溶液
を、食塩排除率98%、膜面積162cm2の酢酸セルロ
ース製の逆浸透膜を装備した2.5容量の逆浸透
セルに入れ、窒素圧40Kg/cm2をかけてバツチ式で
20℃でろ過した。ろ過には9時間を要して濃縮比
が12.8となるまで処理した。このときの平均透過
流束は10.6/m2・時間であつた。 上記処理により、グリセリン濃度13.3重量%の
濃縮液135と、グリセリンが0.18重量%含まれ
た水1550mlを得た。上記濃縮液は、引き続き水の
蒸発またはこれとグリセリンの蒸留によつて高品
質グリセリンとして回収した。グリセリン回収率
は86.5%であつた。 なお、上記濃縮液はグリセリン濃度が13.3重量
%で、現在工業的に採用されている水蒸発濃縮蒸
留用原料であるグリセリン水溶液とほぼ同濃度で
あるため、そのまま現在の既存の工程へ導入する
ことができる。この場合に、従来の高温高圧法に
よる加水分解で得られるグリセリン水溶液に較べ
てはるかに不純物が微量であるため特別な精製工
程が不要であり、水の蒸発とグリセリンの蒸留工
程のみで高品質グリセリンとして製品化すること
ができる。 一方、上記処理にて得られたグリセリン濃度が
0.18重量%とされた水は前記限外ろ過にて得られ
たリパーゼ濃縮液の希釈用水としてそのまま利用
した。すなわち、前記リパーゼ濃縮液(リパーゼ
活性9010単位/ml)200mlの合計活性単位は
1802000であり、これに上記の希釈用水1550mlを
加え、さらに新たな水250mlを補給して2000mlと
し、この水溶液のリパーゼ活性が9000単位/mlと
なることから、これにさらに20万単位のリパーゼ
粉末を追加補給して1000単位/mlのリパーゼ水溶
液2000mlとした。このリパーゼ水溶液を前記加水
分解反応の反応用として循環供給した。 以下、上述した全工程を1サイクルとして、合
計5サイクルまでオリーブ油の加水分解を行い、
各サイクルでの加水分解率が96%に達するまでの
リパーゼ水溶液と油滴との接触時間、限外ろ過時
の透過流束、逆浸透処理時の透過流束およびリパ
ーゼの回収率を調べた結果は、下記の表に示され
るとおりであつた。 なお、限外ろ過膜については、各サイクル後に
高級アルキルサルフエート系アニオン界面活性剤
で洗浄して脱イオン水の透水速度を向上させ、次
サイクルの使用に供した。たとえば、前記1サイ
クル後の透水速度は4Kg/cm2の操作圧、20℃で
52.1/m2・時間まで低下したが、これを上記界
面活性剤で洗浄して117.3/m2・時間の透水速
度に向上させて2サイクル目の使用に供した。
【表】 上記の結果から明らかなように、各サイクル毎
にリパーゼを高収率で回収してこれをグリセリン
含量の少ないリパーゼ水溶液として循環再使用す
ることにより、経済的な加水分解の反応速度の急
激な低下を防止できると共にリパーゼの多量使用
に基づく経済的不利を低減でき、また各サイクル
毎の限外ろ過および逆浸透処理をその透過流束に
変化をきたすことなく安定して実施できるもので
あることがわかる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明の油脂の加水分解システムを概
略的に示した説明図である。 1…リパーゼ水溶液、2…カラム、4…油脂、
7…含水油層、10…親油性の多孔性高分子膜を
有するマイクロろ過器、15…限外ろ過器、17
…逆浸透処理器、20…水の蒸発またはこれとグ
リセリンの蒸留を行うための装置、22…混合
槽。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 a 油脂をリパーゼ水溶液で満されたカラム
    中に微細な油滴として導入し分散状態で浮上さ
    せながら加水分解する工程と、 b 上記a工程後カラム上方に浮上した含水油層
    を親油性の多孔性高分子膜を通過させて脂肪酸
    を主体とする油分を回収するとともにリパーゼ
    およびグリセリンを含む水溶液を分離する工程
    と、 c 上記b工程で分離した水溶液を前記a工程後
    カラムから排出されるグリセリンを含むリパー
    ゼ水溶液と混合したのち限外ろ過してリパーゼ
    の濃縮液とグリセリン水溶液とに分離する工程
    と、 d 上記c工程で分離したグリセリン水溶液を逆
    浸透処理してグリセリンの濃縮液と水とに分離
    する工程と、 e 上記のd工程で分離したグリセリンの濃縮液
    から水の蒸発またはこれと蒸留によつてグリセ
    リンを回収する工程と、 f 前記c工程で分離したリパーゼの濃縮液と上
    記d工程で分離した水とを混合してリパーゼ水
    溶液となしこれを前記a工程に循環供給する工
    程 とを具備してなる油脂の加水分解システム。
JP58084799A 1983-05-13 1983-05-13 油脂の加水分解システム Granted JPS59210893A (ja)

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