JPH0365586B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (1) 発明の属する分野の説明 本発明は、文字をストロークの集合として記述
し、同様にストロークの集合として記述されて格
納されている標準パターン群との間で、ストロー
ク対応の距離計算を行つて入力文字を認識する文
字認識装置に関するものである。

(2) 従来の技術の説明 従来のこの種の装置では、候補カテゴリを絞る
分類処理に、認識処理に用いる特徴とは別に、分
類用特徴を用意する方式が用いられてきた。した
がつて、分類処理を行うためには分類用特徴を格
納する記憶装置が別個に必要となるとともに、入
力文字から分類用特徴を、認識用の特徴とは別個
に抽出する手続きが増えるため、装置構成が複雑
になるという欠点があつた。

(3) 発明の目的 本発明は、これらの欠点を除去するために、認
識に用いる標準パターンのストロークの中で、分
離処理に有効と考えられるストローク群を指定す
る手段を設けることにより、指定したストローク
の認識処理用の特徴を使用して、まず入力文字を
分類処理し、次いで得られた少数の候補カテゴリ
について総てのストロークを用いて認識処理を行
うようにしたものである。以下、図面について説
明する。

(4) 発明の構成および作用の説明 第１図は本発明の実施例であつて、１は文字入
力前処理装置、２は特徴抽出装置、３はストロー
ク間距離計算装置、４は最小ストローク決定装
置、５はパターン間距離及び候補決定装置、６は
標準パターンメモリー、７は候補ストローク記憶
装置である。

これを動作するには、まず標準パターンメモリ
６に登録されている各標準パターンに対して、各
ストロークの重要度の順（例えば、ストロークの
長さを重要度とした場合には、ストロークの長さ
の順）に、そのストロークの番号を候補ストロー
ク記憶装置７に登録しておく。これは外部から信
号１０６により与えることができる。

次に、装置１に入力された文字に対する動作を
順におつて説明する。入力された文字は雑音除
去、平滑化、大きさの正規化など公知の技術によ
り前処理が施される。入力文字のストローク数
（Ｓとする）が、ストローク数通知信号１０３に
よつて標準パターンメモリー６及び候補ストロー
ク記憶装置７に入力される。

装置６はＳ画に属する標準パターンの第１番目
のカテゴリーについて、装置７で指定されるスト
ロークの番号順に、装置６内に記憶されているス
トロークの特徴の記述に関する情報（例えば、特
願昭53−153999によれば、ストロークを近似して
表現する特徴点の数）を、特徴抽出装置２に送出
する。又、同時に、ストロークの特徴量（例え
ば、特願昭52−083733によると、ストロークの特
徴点の（ｘ，ｙ）座標値とその分散の値）をスト
ローク間距離計算装置３に送る。特徴抽出装置２
は装置６からのストロークの特徴の記述に関する
情報に従つて、入力文字を構成する各ストローク
から特徴を抽出する。抽出された入力文字の各ス
トロークの特徴は、ストローク間距離計算装置３
に送られる。

ストローク間距離計算装置３は装置６からのス
トロークの特徴量を用いて、入力文字の各ストロ
ークと標準パターンの第１番目に読み出されたス
トロークとの間でストローク間の距離を計算す
る。なお、ストローク間の距離は公知の技術を用
いて計算することができる。これら各ストローク
間の距離をd₁，d₂，…，d_s（ｓは入力文字のスト
ローク数）として示す。各ストローク間の距離d₁
〜d_sは最小ストローク決定装置４に送られる。

最小ストローク決定装置４は、d₁〜d_sの中の最
小値を決定してそれをパターン間距離及び候補決
定装置５に送る。同時に装置４は、装置６に対し
て、現在照合を行つている標準パターンの残りの
ストロークに対して候補ストローク記憶装置７で
指定されるストロークの順に、以上述べた処理を
くり返して実行するための信号１０４を送出す
る。このくり返しの結果、装置５内には、現在照
合を行つている標準パターンの各ストロークにつ
いて、最も近い入力文字のストロークとの間のス
トローク間距離が順次決定されて格納される。な
お、このくり返し処理は、信号１０７又は信号１
０７によつて指定される装置６内の記憶装置から
の指示信号１０８によつて定められる分類処理に
用いるストロークの使用本数（Ｍとする）に等し
い回数だけ行われる。

標準パターン“仁”と入力文字“仏”の間で、
標準パターンのストロークを筆順（ストロークの
重要度を筆順とした場合）に、２本まで用いた場
合に求められたストローク間の距離及び標準パタ
ーンの各ストローク毎に決定された最小値を第２
図に示す。

その後、パターン間距離及び候補決定装置５は
現在照合を行つている標準パターンの各ストロー
クに対して求められた、最小となるストローク間
の距離（第２図ではd_1a，d_2bで示されている）の
総和を計算し、分類処理に用いるストロークの使
用本数Ｍ（第２図では、Ｍ＝２）でこれを除す。
この値を照合している標準パターンと入力文字と
のパターン間距離Ｄとして格納する（第２図で
は、Ｄ＝（d_1a＋d_2b／２となる）。また同時に、装
置５は、装置６に対して次の標準パターンに対し
て上述の各処理を開始するための信号１０５を送
出する。このようにして、入力文字と同じストロ
ーク数の標準パターン群に対して入力文字とのパ
ターン間距離が決定される。

その後、装置５は、得られたパターン間距離の
小さい順に候補カテゴリー数指定信号１０９によ
つて指定される個数の標準パターンを、再度認識
処理を行う必要のある候補カテゴリとして選出し
候補カテゴリ名を指定する信号１１０によつて装
置６に通知する。

なお、信号１０９で候補数を１とした場合、又
は信号１０７又は信号１０８で分類処理に標準パ
ターンを構成するすべてのストロークを用いるよ
うに指定した場合には、この時点において、最小
なパターン間距離を与える標準パターンのカテゴ
リーを認識結果として出力し、すべての処理を終
了する。信号１０９によつて２個以上の候補カテ
ゴリーを選び出すように指定した場合には、装置
５が決定した候補カテゴリーの各々について、全
ストロークを用いて、以上と同じ処理をくり返し
実行する。

(5) 効果の説明 以上説明したように、本発明によれば、標準パ
ターンを構成する各ストロークを認識に有効と言
えるストロークから順次用いるため、偏、傍、冠
などが共通となる文字や画数の多い漢字の認識に
おいて分類の効果が期待されるために、処理時間
を大幅に短縮できる利点がある。

又、大分類用の辞書を全く必要としないため、
標準パターンメモリーの容量も増加せず、大分類
用の特徴抽出処理が不要なため、装置構成も簡単
となる利点がある。

更に、予め記憶されている標準パターンのスト
ロークの特徴記述に関する情報を基に、入力文字
のストロークから特徴を抽出するため、英字や数
字と漢字が混在した字種に対しても安定な識別系
を構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例の機能ブロツク図、
第２図は２本のストロークを用いた場合のストロ
ーク間距離の説明図である。 図中１は文字入力前処理装置、２は特徴抽出装
置、３はストローク間距離計算装置、４は最小ス
トローク決定装置、５はパターン間距離及び候補
決定装置、６は標準パターンメモリー、７は候補
ストローク記憶装置である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 文字を構成する各ストロークの情報を取り込
   み、予め辞書に登録されている標準パターンの各
   ストロークの情報との間でストロークの特徴間の
   距離計算を行つて入力文字を認識する文字認識方
   式において、各標準パターンに対し、任意の一部
   又は全部のストロークを指定して、指定されたス
   トロークと同じ種類の特徴で、上記入力文字を構
   成する各ストロークの特徴を抽出する手段と、該
   指定された標準パターンの各ストロークと上記入
   力文字のすべてのストロークとの間でストローク
   間の距離を計算する手段と、上記距離計算に基づ
   いて距離の小さい順に一つ又は複数の候補となる
   標準パターンを選出する手段と、候補として選出
   された各文字の標準パターンと上記入力文字との
   間で、文字を構成するすべてのストロークを用い
   てストローク間の距離計算を行つて上記入力文字
   を認識する手段をもつことを特徴とする認識処理
   時間短縮処理方式。