JPH0365516B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

〔発明の技術分野〕 本発明は原子炉設備に多数設けられている各種
配管系の状態を監視する監視装置に関する。 〔発明の技術的背景〕 一般に沸騰水形原子炉設備には原子炉再循環
系、低圧炉心スプレイ系、高圧炉心スプレイ系、
原子炉隔離時冷却系等の配管系が設けられてい
る。これらの配管系は配管、ポンプ、バルブ等か
らなり、これらの配管系により冷却材としての炉
水を原子炉圧力容器内に供給するように構成され
ている。 従来、これらの配管系が正常に作動するか否か
の判定は次のように行なつていた。すなわち、原
子炉建屋の中央制御室内には各配管系の構成要素
であるバルブ、ポンプ、配管等の状態を表示する
表示ランプや操作スイツチ等が設けられている。
そして、作業員はこれらの表示ランプや操作スイ
ツチの状態を確認して各配管系が正常に作動する
かどうかを判断していた。 〔背景技術の問題点〕 前記従来例では次のような不具合があつた。 まず、各配管系は多数のバルブ、ポンプ等を備
えているため作業員はそれらの多数のバルブ、ポ
ンプ等を監視しなければならない。しかも、中央
制御室内の表示ランプ、操作スイツチは各所に分
散して配置されており、これら多数の表示ラン
プ、操作スイツチを作業員が確認するのに長時間
を要し上記各配管系の状態を把握するのに長時間
を要する不具合があつた。 また、表示ランプ、操作スイツチの確認の際に
作業員による表示ランプの誤認等が生じるおそれ
もあつた。 〔発明の目的〕 本発明の目的は、原子炉設備の配管系の状態を
画面上にパターン表示して短時間で作業員が前記
配管系の状態を監視できるようにするとともに、
パターン表示された配管系の各要素に流体が流通
しているか否かを表示して前記配管系を構成して
いる各要素がどのような状態にありかつその状態
が正常であるか否かを目視して認識することがで
きる、配管系監視装置を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明による配管系監視装置は、バルブ、ポン
プ等の動的要素と配管等の静的要素とからなる配
管系の正常時における状態を２値化データで各要
素毎に記憶した第１の記憶部と、前記動的要素に
設けられ動的要素の状態を検出する検出器と、前
記流体の流通を直接検出できない静的要素に流体
が流通しているか否かを判断するための論理演算
式を要素毎に記憶した第２の記憶部と、この第２
の記憶部に記憶された論理演算式と前記検出器か
らの信号により各要素における流体の流通を判別
する演算回路と、この演算回路で得られた演算結
果を前記第１の記憶部に記憶された２値化データ
と比較する比較回路と、前記演算回路の演算結果
にもとづき前記各要素に流体が流通しているか否
かを第１の表示形態で区別して現状を表示し、ま
た比較回路の比較結果にもとづいてその各要素の
現状が正常であるか否かを第２の表示形態で区別
して表示し前記配管系全体のパターンを画面上に
表示する表示部とを具備したものである。 〔発明の実施例〕 第１図ないし第５図を参照して本発明の一実施
例を説明する。第１図は原子炉設備の配管系の一
系統である低圧炉心スプレイ系（以下LPCSと称
する。）を示すもので、図中２はサプレツシヨ
ン・チヤンバである。このサプレツシヨン・チヤ
ンバ２には貯溜水が貯溜されており、貯溜水を原
子炉圧力容器４へ導く主配管６の一端が連通して
いる。この主配管６には上流側から開閉弁８、ポ
ンプ１０、第１注入弁１２、逆止弁１４、第２注
入弁１６が接続されており、主配管６の他端側は
前記原子炉圧力容器４に連通している。そして、
主配管６のポンプ１０下流側にはテスト配管１８
の一端が分岐接続されており、このテスト配管１
８の他端側は前記サプレツシヨン・チヤンバ２に
連通している。テスト配管１８の途中にはテスト
弁２０が接続されている。さらに、前記主配管６
の第１注入弁１２上流側とテスト配管１８のテス
ト弁２０下流側とを連通する最低流量配管２２が
設けられており、ポンプ１０の〆切り運転を防止
するように構成されている。最低流量配管２２に
も開閉弁２４が接続されている。 以上のようなLPCSの状態を監視するために次
のような監視装置が設けられている。この監視装
置は第２図に示すように第１記憶部３０、検出器
３２………、第２記憶部３４、信号処理部３６、
表示部３８、から構成されている。 まず第１記憶部３０を説明する。前記LPCSを
第１図に示す如く配管系を仮想的なノードNi（ｉ
＝１、２、３〜20）で区分し各要素Ei（ｉ＝１、
２、３〜20）を下記の第１表に示すように定義す
る。

【表】

【表】 そして、第１記憶部３０はこれら各要素Eiに流
体すなわち貯溜水が流通している場合にはその要
素を２値信号の１で記述し、流体が流通していな
い場合にはその要素をＯで記述してLPCSが正常
な状態を表現した信号INiを記憶するように構成
されている。 そして、前記各要素Eiのうち流体が流通してい
るか否かを直接検出できる要素すなわち、弁およ
びポンプには検出器３２………が設置されてい
る。これら検出器３２は弁の開閉およびポンプの
回転を検出して流体が流通している場合には２値
信号の１を出力し、流体が流通していない場合に
は２値信号の０を出力するように構成されてい
る。また、検出器３２の出力は信号処理部３６へ
伝達されるように構成されている。 前記第２記憶部３４を説明する。この第２記憶
部３４は前記検出器３２が設置されていない要素
すなわち要素に流体が流通しているか否かを直接
検出できない要素の状態を決定するための論理演
算式を記憶するように構成されている。そして、
前記論理演算式は次のような原則に従つて作成す
る。 要素の状態を直接検出器３２で検出できる要
素はその要素に設置された検出器３２からの信
号で要素の状態を決定する。 要素の状態を直接検出できない要素はその要
素の上流側の要素の状態にもとづいて決定す
る。 前記の場合でかつ上流側の要素が直列であ
る時は直上流の要素の状態とさらに上流側の要
素の状態との論理積により要素の状態を決定す
る。 前記の場合でかつ上流側の要素が並列であ
る時は直上流の全要素の状態の論理和により要
素の状態を決定する。 要素の状態が常に一定である要素については
その状態を表わす２値信号（１または０）によ
る定数で表示する。 以上のような原則に従い前記LPCSの各要素Ei
の状態を示す論理演算式fiを下記の第２表に示
す。第２表において論理Iiは要素Eiの状態を示す
検出器３２からの２値信号、ｘは論理積、＋は論
理和である。

〔発明の効果〕

本発明によれば、原子炉設備の配管系をCRT
表示面上にパターン表示し、前記配管系を構成し
ている各要素に流体が流通しているか否かを第１
の表示形態で表示し、この第１の表示形態で表示
された各要素の状態が正常であるか異常であるか
を第２の表示形態で表示することができる。した
がつて、作業員は表示部のCRT表示画面を目視
するだけで前記配管系の状態およびその状態が正
常か異常かを判別することができ、その効果は大
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は原子炉設備の配管系の１例である
LPCSを示す配管系統図、第２図は本発明の一実
施例を示す構成図、第３図は信号処理部３６の動
作を示す流れ図、第４図は各要素Eiの表示形態を
区分して示す説明図、第５図は表示部３８の
CRT表示画面を示す説明図である。 Ei……要素、３０……第１記憶部、３２……検
出器、３４……第２記憶部、３６……信号処理
部、４０……演算回路（信号処理部）、４２……
比較器（信号処理部）、３８……表示部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ バルブ、ポンプ等の動的要素と配管等の静的
   要素とからなる配管系の正常時における状態を２
   値化データで各要素毎に記憶した第１の記憶部
   と、前記動的要素に設けられ動的要素の状態を検
   出する検出器と、前記流体の流通を直接検出でき
   ない静的要素に流体が流通しているか否かを判断
   するための論理演算式を要素毎に記憶した第２の
   記憶部と、この第２の記憶部に記憶された論理演
   算式と前記検出器からの信号により各要素におけ
   る流体の流通を判別する演算回路と、この演算回
   路で得られた演算結果を前記第１の記憶部に記憶
   された正常時における２値化データと比較する比
   較回路と、前記演算回路の演算結果にもとづき前
   記各要素に流体が流通しているか否かを第１の表
   示形態で区別して現状を表示し、また比較回路の
   比較結果にもとづいてその各要素の現状が正常で
   あるか否かを第２の表示形態で区別して表示し前
   記配管系全体のパターンを画面上に表示する表示
   部とを具備したことを特徴とする配管系監視装
   置。