JPH0364486A

JPH0364486A - ステンレス鋼の耐食性改善方法

Info

Publication number: JPH0364486A
Application number: JP1199920A
Authority: JP
Inventors: Tokuo Morishige; 森重　徳男; Kenji Hirano; 賢治平野; Kiyobumi Ishikawa; 清文石川; Shuji Furuya; 古屋　修治
Original assignee: IHI Corp
Current assignee: IHI Corp
Priority date: 1989-08-01
Filing date: 1989-08-01
Publication date: 1991-03-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野−１本発明はステンレス鋼の耐食性改善方法に係り、特に、
ステンレス鋼が本来有している耐食性をさらに改善する
技術に関するものである。

「従来の技術」ステンレス鋼は、一般に建造物、橋梁、原子力発電プラ
ント、化学プラント等に多用されており、大気中におい
て、空気中の酸素と組織中のクロムとが反応してステン
レス鋼の表面に薄いクロム酸化物の不働態化被膜が形成
されることに基づいて、本質的に良好な耐食性を有して
いるが、ステンレス鋼が硫化水素、塩素イオン、溶存酸
素高温水等の腐食性流体に接触する場合は、ステンレス
鋼の表面に孔食や腐食による割れが発生し易い。

従来、ステンレス鋼の表面の腐食性が問題視される場合
は、酸等を使用して不働態化被膜を強化することによっ
てこれに対処することが考えられている。

「発明が解決しようとする課題」しかし、酸等を使用してステンレス鋼の不働態化被膜を
強化した場合であっても、ステンレス鋼が腐食性流体に
接触している条件が取り除かれない限り、腐食現象が次
第に進行することをａｌＪることかできない。

本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ステンレ
ス鋼の表面に、良好な耐食性を確実にイ」与することを
目的とするものである。

「課題を解決するための手段」本発明に係るステンレス鋼の耐食性改善方法は、ステン
レス鋼表面を平滑化処理する工程と、クロム系複合材か
らなる金属粉末及びバインダの混合塗料を平滑化処理を
施したステンレス鋼の表面に塗布して塗膜を形成する工
程と、該塗膜をレーザ照射によって焼成しクラッド層を
形成する工程どによって、ステンレス鋼の表面に耐食性
を付与する改善処理を行なうものである。

「実施例」本発明におけるステンレス鋼の耐食性改善方法の一実施
例について、第１図ないし第４図に示す工程図に基づい
て説明する。

〈表面平滑化工程〉第１図に示すように、耐食性改善処理前におけるステン
レス鋼（板または管）■の表面（管の場合は内面等）等
の耐食性改善を必要とする部分（部分的なものを含む）
に、製造時あるいはその後の加工に基づく傷等によって
残されている凹凸１ａを、機械加］二や表面研磨加工等
によって、例えば仕」二げ記号程度の精度（１，５〜６
Ｓ）の平滑な状態に整面加工を施し、第２図に示すよう
に、平滑化表面１ｂに整面する。

く、脱脂工程〉表面平滑化したステンレス鋼ｌについて、表面平滑化工
程で（−１着したｉ＋ｌ＋脂分、酸化スケール等を有機
溶剤または酸洗い等により除去する。

ただし、脱脂工程後には、処理したステンレス鋼Ｉが再
び大気中に放置されるために、ステンレス鋼ｌの平滑化
表面１ｂと空気中の酸素との接触によって、平滑化表面
１ｂには薄い不４ａ　ｆＴ３化被膜が自然に形成される
ことになる。

く塗膜の形成工程〉後述するクラッド層３を形成するのための主拐料として
、クロ１２系複合材の金属粉末を用意する。

該クロト系複合伺の配合比は、例えば第１表に示すよう
に設定され、該金属粉末の平均粒径は、例えば４０μｍ
とする。

第１表（金属粉末の配合例）第２表（バインダの配合例）また、金属粉末を保持するためのバインダとして、有機
溶剤系の耐熱塗料等を用意する。このバインダに要求さ
れる性能は、レーザビームの照射時に蒸発または分解し
てクラッド層３の中に残存しないことど、レーザビーム
から若干離間した位置において金属粉末を処理母材（ス
テンレス鋼）の表面に保持する耐熱性を有することであ
る。また、素材の水素割れを防止するために、水素成分
が少ないものがよく、例えば第２表のように設定した黒
色ペイントを使用する。

これらクロム系複合材からなる金属粉末及びバインダの
混合塗料を、第３図に示すように、ステンレス鋼１の表
面に塗布し、自然乾燥または強制乾燥させる等により、
塗膜２を形成する。この場合の塗膜２の厚さは、例えば
５００μｍ程度とし、そして、塗膜２は、２５０℃程度
まで金属粉末をステンレス鯛ｌの表面に（＝Ｉ着状態に
保持する耐熱性を有するものが使用される。

くレーザ照射による焼成工程〉第４図に示すように、塗膜２を例えばＹＡＧレーザを利
用したレーザビームＩ７によって大気中雰囲気で加熱し
て、塗膜２を溶解させる。この場合にあって、塗膜２が
黒色状態であると（つまり、第２表で示したバインダに
カーボンブラックを適量配合しておくと）、レーザビー
ムＬの反射を防止して熱効率を高めることができる。ま
た、レーザビームＩ、によって、ステンレス鋼１の母材
の部も溶解させて、塗膜２とステンレス鋼１の母材との
両方の溶融部分が一部混合した状態になる焼成処理を行
なう。

そして、第４図の矢印（Ａ）で示すように、レーザビー
ムＬを進行させることによって、塗膜２の焼成を行ない
、その後、レーザビームＬの後方に位置する溶融部分が
固化状態となることによってクラッド層３が形成される
。

この場合のＹＡＧレーザによる焼成処理は、例えば出力
６００Ｗ、スボソト直径０．８〜２．５ｍｍ。

レーザ移動速度０．２〜１．０　ｍ７分、１回のビード
幅１〜２゜Ｏｍｍ、大気中雰囲気での焼成とされる。

〈クラッド層の成分〉塗膜２の厚さが５００μｍ程度とである場合に、レーザ
ビームＬの焼成によって生成されたクラッド層３は、厚
さが約３００μｍとなるとともに、第３表に示す成分比
の組成となった。

第３表（クラッド層の成分比）このような組成成分を有するクラッドステンレス鋼１は
、クラッド層３に割れ等の不具合点のない平滑表面を有
するものが得られた。

特に、第１表における配合■及び配合■のものは、クラ
ッド層３の表面仕上がり状態が良好であり、これは、Ｆ
ｅを適量加えることによって、ステンレス鋼１の表面へ
のぬれ性が改良されたものと考えられる。

〈腐食試験例〉また、耐食性を実証するために、厚さ５ｍｍの５ＵＳ３
０４板の表面及び３５ｍｍ口径の５ＵＳ３０４管の内面
に、前述のクラッド層３を形成した試料を、ＮａＣ１の
濃度が５％で、かつ硫酸を加えてｐ＋−１＝１に調整し
た沸騰状態の溶液に、３３時間浸漬する実験を行なった
結果、ステンレス鋼１の旬刊（５ＵＳ３０４　　）その
ちのでクラッド層を形成し紅か−）た比較試料は、激し
い腐食を生じたが、第３表のクラッド層３を形成した場
合は腐食の形跡が認められなかった。

なお、処理対象表面がステンレス鋼管の内面である場合
は、ＹＡＧレーザを利用することにより、光ファイバに
よるレーザビームの照射が可能なため、例えば内径３５
ｍｍ程度の小口径管に対しても適用することができる。

「発明の効果」以」二説明したように、本発明におけるステンレス鋼の
耐食性改善方法によれば、ステンレス鋼の表面にクロＬ
、量の大きなりラッド層が形成されること等に基づいて
、ステンレス鋼が本来有している耐食性をさらに改良し
て、顕著な耐食性を付与することが可能となった。また
、平滑化表面に塗膜膜を形成してレーザビームによってクラッド層を焼成す
るという簡単な手法よって行なわれるので、良好な耐食
性処理を確実に実施することができる等の優れた効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明におｌ−するステンレス鋼
の耐食性改善方法の一実施例にお（：する工程を示すも
ので、第１図は加工前のステンレス鋼の表面状態の断面
図、第２図は平滑化処理後の表面状態の断面図、第３図
は塗膜２形戊後の状態の断面図、第４図はクラッド層形
戊後の状態の断面図である。１・・・・・ステンレス鋼、１ａ・・・凹凸、１ｂ・・・・・平滑化表面、２・・・・塗膜、３・・・・・クラッド層。

Claims

【特許請求の範囲】

ステンレス鋼表面を平滑化処理する工程と、クロム系複
合材からなる金属粉末及びバインダの混合塗料を平滑化
処理を施したステンレス鋼の表面に塗布して塗膜を形成
する工程と、該塗膜をレーザ照射によって焼成しクラッ
ド層を形成する工程とを有することを特徴とするステン
レス鋼の耐食性改善方法。