JPH0362500B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、鋳型造型装置の改良に関するもので
あり、詳しくは、鋳型硬度をほぼ均一にできる鋳
型造型装置に関するものである。

（従来の技術） 従来の鋳型造型装置として、第４図に示す様な
ものがある（例えば、「新版鋳造法」（昭和
63.3.31）社団法人鋳造技術普及協会、P.28〜30）。
このものは、固定されたブローヘツド２１と、上
向きのスクイズシリンダ２３に接続した模型定盤
２２と、継ぎ枠２６に接続した下向きの継ぎ枠用
シリンダ２４とを具備し、ブローヘツド２１には
ブロープレート２５が取付けられると共に、模型
定盤２２には継ぎ枠２６および鋳枠２７が載置さ
れている。

（発明が解決しようとする課題） 下降した継ぎ枠用シリンダ２４と上昇した模型
定盤２２とによつて継ぎ枠２６および鋳枠２７を
圧着した後、ブローヘツド２１に２〜３Kg／mm²の
圧縮エアを供給すると、鋳物砂２８はブロープレ
ート２５から圧縮エアと共に、継ぎ枠２６および
鋳枠２７内に吹込まれる。次に、継ぎ枠用シリン
ダ２４の油圧を解除し、スクイズシリンダ２３を
さらに上昇させてブローヘツド２１に対してスク
イズを行ない、鋳型硬度の均一化を図つている
が、吹込まれた鋳物砂２８中から圧縮エアを十分
に抜気できないため砂密度が均一にならず、搬送
工程又は時間経過による鋳型変形や鋳込圧力によ
るハリが発生していた。そこで、本発明はかかる
問題点を解消するためになされたもので、鋳物砂
中の圧縮エアを速やかに抜気して容易に鋳物砂全
体を所要の硬度にできる鋳型造型装置を提供する
ものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は、ブロープレートの外周に矩形状の枠
体を設けると共に、継ぎ枠に排気孔を設け、さら
に鋳枠および該継ぎ枠からなる外枠とブローヘツ
ドとの間に昇降自在な中空の内枠を設け、該内枠
の内側面および上下面に排気孔を設けた鋳型造型
装置である。

（作用） 外枠内に嵌挿された内枠内に鋳物砂を吹込む
と、該鋳物砂は矩形状の枠体と模型との隙間を移
動して該内枠内に所定量充填されると共に、圧縮
エアは該内枠の内側面および上下面の各排気孔を
経て大気中に排出される。次いで、該内枠が鋳物
砂を適宜押圧しながらブロープレート面まで上昇
すると、該内枠の上昇に際して該外枠近傍の鋳物
砂が高密度状態に充填されると共に、圧縮エアは
該内枠の上記各排気孔および該継ぎ枠の排気孔を
経て大気中に排出される。

（実施例） 本発明の一実施例を第１〜３図に基づいて説明
する。第１〜２図に本発明に係る鋳型造型装置が
示され、固設されたブローヘツド１の上部には、
内部に鋳物砂（図示せず）を充満するためのサン
ドゲード２が取付けられると共に、ブローヘツド
１に圧縮エアを給排するための圧縮エア供給口３
および圧縮エア排出口４が設けられ、該下部には
ブローホール５を透設したブロープレート６およ
び矩形状の枠体７が設けられ、該枠体７はブロー
プレート６の外周に配設されている。

ブローヘツド１の下方には昇降自在なスクイズ
シリンダ８が設けられ、スクイズシリンダ８には
模型定盤９が接続され、模型定盤９に継ぎ枠１０
および鋳枠１１が載置され、継ぎ枠１０および鋳
枠１１から外枠１２が形成される。継ぎ枠１０は
中空の金枠から形成され、継ぎ枠１０の内側面に
は排気孔１３ａが多数個設けられると共に、該外
側面にも排気孔１３ｂが多数個設けられ、さらに
継ぎ枠１０の内部には矩形状の空気室１４が設け
られ、排気孔１３ａ、空気室１４および排気孔１
３ｂが連通するように形成されている。

ブローヘツド１の側方には４個の下向きの内枠
用シリンダ１５が周設され、該シリンダ１５は矩
形状の内枠１６の上面四隅に接続している。内枠
１６は該シリンダ１５によつて外枠１２内に嵌挿
自在に形成され、内枠１６の内側面および下面に
は排気孔１７ａが多数個設けられると共に、該上
面にも排気孔１７ｂが多数個設けられ、さらに内
枠１６の内部には矩形状の空気室１８が設けら
れ、排気孔１７ａ、空気室１８および排気孔１７
ｂが連通するように形成されている。

次に作動について述べる。

第１図に示すように内枠用シリンダ１５を下方
向に伸長作動すると共に、スクイズシリンダ８を
上方に伸長作動して継ぎ枠１０および鋳枠１１か
らなる外枠１２内に、内枠１６を嵌挿して外枠１
２と内枠１６とを係合せしめる。次いで、圧縮エ
ア供給口３より圧縮エアをブローヘツド１内に供
給すると、圧縮エアと共にブローヘツド１内の鋳
物砂（図示せず）がブロープレート６から内枠１
６内に吹込まれる。該鋳物砂（図示せず）は矩形
状の枠体７と模型１９との隙間を模型１９に沿つ
て移動し内枠１６内に所定量充填され、圧縮エア
は内枠１６の内側面および下面の排気孔１７ａを
経て内枠１６の空気室１８に一旦収容された後、
内枠１６の上面の排気孔１７ｂから大気中に排出
される。次いで、内枠用シリンダ１５の上方向へ
の収縮作動、停止および下方向への伸長作動を適
宜繰り返しながら、該シリンダ１５を上方に収縮
作動させて内枠１６をブロープレート６面まで上
昇させると、圧縮エアは、内枠１６の内側面およ
び下面の排気孔１７ａを経て空気室１８に一旦収
容された後、排気孔１７ｂから大気中に排出され
ると共に、継ぎ枠１０の内側面の排気孔１３ａを
経て空気室１４に一旦収容された後、排気孔１３
ｂから大気中に排出され、外枠１２近傍の鋳物砂
（図示せず）が高密度状態に充填される。その後、
スクイズシリンダ８を上方に伸長作動して外枠１
２内に充填された鋳物砂（図示せず）を押圧する
と、該鋳物砂（図示せず）全体がさらに高密度状
態になり、もつて鋳物砂（図示せず）全体が所要
の硬度となる。

鋳物砂（図示せず）の硬化後、スクイズシリン
ダ８を下方向に収縮作動して模型定盤９を下降さ
せ継ぎ枠１０の抜型を行ない、次いで造型された
鋳枠１１を模型定盤９から取り出すと、第３図に
示す様な鋳型が得られる。しかる後、空の別の鋳
枠１１を模型定盤９に載置し、サンドゲード２か
らブローヘツド１内に鋳物砂（図示せず）を充満
する。

（発明の効果） 本発明によれば、ブロープレートの外周に矩形
状の枠体を設けると共に、継ぎ枠に排気孔を設
け、さらに、鋳枠および該継ぎ枠からなる外枠と
ブローヘツドとの間に昇降自在な中空の内枠を設
け、該内枠の内側面および上下面に排気孔を設け
たので、模型の形状が複雑な場合でも、鋳物砂の
充填が鋳枠全体に渡つて均一に行われ、所要の硬
度を有する鋳型を容易かつ確実に造型できる。
又、造型に際して大きなエネルギーを必要とせ
ず、騒音、振動を低減でき、造型作業の容易化、
迅速化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す一部破断正面
図、第２図は内枠の要部断面図、第３図は造型さ
れた鋳型を示す断面図、第４図は鋳物砂吹込み状
態を示す従来の鋳型造型装置の一部破断正面図で
ある。 ６…ブロープレート、７…枠体、１０…継ぎ
枠、１１…鋳枠、１２…外枠、１３ａ，１３ｂ，
１７ａ，１７ｂ…排気孔、１６…内枠。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋳枠および継ぎ枠を載置した昇降自在な模型
   定盤の上方にブロープレートを取付けたブローヘ
   ツドを固設した鋳型造型装置において、該ブロー
   プレートの外周に矩形状の枠体を設けると共に、
   該継ぎ枠に排気孔を設け、さらに該鋳枠および該
   継ぎ枠からなる外枠と該ブローヘツドとの間に昇
   降自在な中空の内枠を設け、該内枠の内側面およ
   び上下面に排気孔を設けたことを特徴とする鋳型
   造型装置。