JPH036249A - 電線・ケーブル用電気絶縁組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野１ 本発明は、架橋ポリエチレン絶縁型カケープルの絶縁体
内に発生する水トリー特にボウタイトリーの発生を大巾
に抑止し得る電気絶縁体用組成物に関するものである。

［従来の技術］ 架橋ポリエチレンは高度の電気絶縁性を有しているため
に、電線・ケーブル用電気絶縁体として多用されている
。

しかし、この架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを湿潤な環
境下で使用すると、いわゆる水トリーと呼ばれる電気化
学的劣化が発生し、電気的性能を著しく低下させる結果
となるために、その抑止については架橋ポリエチレン絶
縁ケーブルが本格的な実用化をみるに到って以来長年の
課題となってきた。

水トリー発生のメカニズムについては、数多くの基礎的
あるいは実課電的研究が重ねられてきており、異説はあ
るもののそのおおよその原因は解明されつつある。

すなわち、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの一般的楕成
は、図に示すように導体１の上に内部半導電層２が、そ
の外周に絶縁体３が、そして当該絶縁＃３と保護被覆５
との間に外部半導電層４が設けられた構造よりなるが、
ボウタイ状水トリーは絶縁体３内部の異物やボイドに起
因すること、そして界面水トリーは内部２又は外部４の
それぞれの半導電層上の異物や突起を起点として発生す
ることはすでに定説となっている。

講学的には、架橋ポリエチレンが無極性で水との親和性
がないため、ボイドや異物部での凝縮水の圧力上昇が生
じ、これか起因となってその周辺に力学的ひずみを起さ
せるためと考えられており、これを防止する手段として
架橋ポリエチレン中に親水性の極性基を導入させなり、
レジンの細心にわたる品質管理やクリーンルーム化を含
む電線・ケーブルの製造技術面上での改善などによって
、この水トリー発生の抑止効果も着実な実績をみるに到
るようになった。

［発明か解決しようとする課題］ しかし、上記各・方面にわたる努力が重ねられているに
も拘らず、今日の技術によってはこの水トＪ−−発生の
欠陥を未だ！無にできる段階にまでは到達しておらず、
鋭意その発生の抑止対策についての真埜な検討が進めら
れているのが実情である。

本発明の目的は、上記したように従来より苦慮されてい
る実情にかんがみ、絶縁体中に不可避的に存在するボイ
ドや異物、あるいは絶縁体と半導電層の界面における不
均整といつな欠陥が存在していたとしても、絶縁体に添
加された特定の成分により水トリーの発生を大巾に抑止
し得る新規な電線・ケーブル用電気絶縁組成物を提供し
ようとするものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明は、ポリエチレン又はエチレン系共重合体あるい
はこれらの混合物１００重量部に対し、総炭素数が５〜
１００の脂肪酸アマイドを０．００５〜１．０重量部及
び脂肪酸エステルを０．００５・〜１．０重量部添加し
てなる電線・ケーブル用電気絶縁組成物をその特徴とす
るものである。

ここにいうアマイド（ａＩｉｄｅ）とは、−数式は下記
のような構造よりなるものである。

Ｉ Ｒ−Ｃ−ＮＨ２（Ｒはアルキルあるいはアリル基でその
総炭素数５〜Ｚｏｏ） なお、上式中Ｒの一部に酸素、窒素、硫黄等の原子又は
これらからなる原子団が含まれていてもよい。

上記アマイドの総炭素数を５〜１００と限定したのは、
５未満ではポリエチレン又はエチレン系共重合体あるい
はこれらの混合物と相溶性がなく、表面に析出してしま
うからである。又、１００を越えると、アマイドが本来
有するボウタイトリーの発生抑止作用が著しく低下して
しまうからである。

上記アマイドの具体例としては、ステアリン酸アマイド
、バルミチン酸アマイド、ヤシ酸アマイド、オレイン酸
アマイド、モンタン酸アマイド、カプリル酸アマイド、
カプリン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、ミリスチン
酸アマイド、エルシン酸アマイド、糖脂肪酸アマイド、
大豆脂肪酸アマイド、牛脂脂肪酸アマイド、パーム脂肪
酸アマイド、シーナツト脂肪酸アマイド、トール脂肪酸
アマイド、イソステアリン酸アマイド、ジステアリン酸
アマイド、ジオレイン酸アマイド、トリカプリル酸アマ
イド、トリミリスチン酸アマイド等が挙げられる。こｔ
しらのうち１種又は２種以上を組合せて使用してもよい
。

また、ここにいう脂肪酸エステルとは高位脂肪酸を主成
分とする固形エステルを主体とするものであり、各種の
ロウなどがこれに属する。

これらの添加量については、０．００５重量部未満では
目的とするボウタイトリーの発生抑止作用が不十分であ
り、１．０重量部を越えると相溶性の制限から前記アマ
イドが絶縁体表面に析出しく以下ブルームという）、製
品の品質を低下させてしまう結果となるため、いずれら
これ以上添加することは好ましくない。

主成分であるベースレシンとしては、低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリ
マー、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−プロ
ピレン共重合体等、エチレンを過半に含むポリオレフィ
ン等が適当である。

これらのうち１種又は２種以上を組合せて用いてもよい
。

架ａ刑としては、通常使用されるジクミルパーオキサイ
ド、１，３−ビス−（ｔ−ブチル・パーオキシ−イソプ
ロピル）ベンセン、２．５−ジメチル−２，５−ジー（
ｔ−ブチルパーオキシ）−ヘキシン−３等が挙げられる
。

架橋法としては、有機過酸化物による化学架橋の他にシ
ラン水架橋や電離性放射線による方法を用いても差支え
ない。

上記の他に必要によっては滑剖、着色剤、充填剤、架橋
促進剤等を添加することはなんら差支えない。

なお、ボウタイトリーに及ぼす水分の影響は極めて大き
く、気中で課電したケーブルや金属シース等で遮水した
ケーブルにもボウタイトリーが見い出される。これらは
外部から浸透した水分によるものではなく、ケーブル製
造時に架橋ポリエチレンの内部に含まれるＲｆｆｉの水
分によるものと考えることかできろうこのようなボウタ
イトリーに対しても本発明に係る絶縁体が有効なトリー
抑止効果を発揮することはいうまでもない。

［実施例］ つぎに、本発明について実施例および比較例を参照し説
明する。

第１表の実施例１〜６および比較例１〜３に示す配合成
分よりなる組成物を１２０℃に加熱した熱ロールによっ
て混練し、シート状としなのち、これをベレタイザを用
いてベレット化しなうこれを外径３　＋ｍの導体上に、
ポリエチレン系の半導電層の厚さが０．５朋となり、絶
縁体の厚さが２１１ＩＩ＋となるように同時押出法によ
り押出被覆した。ついで加熱媒体として窒素ガスを用い
た乾式架橋法により架橋管内で連続架橋を用い、加圧冷
却して架橋ポリエチレン絶縁ケーブルを得た。

第１表下欄に評価結果を示す。

ボウタイトリーの発生数の評価については、上記のよう
にして作製した電線を９０℃の温水中に浸漬し、導体−
水量にＡＣ３ＫＶを５００日間印加した後、これを薄く
スライスし、メチレンブルー水溶液で煮沸染色し、光学
顕ｍ鏡を用いてボウタイトリーの発生の有無とその個数
を計数した。

ブルームの有無については、電線を作製する前のベレッ
トを８０℃の恒温槽内に１０日間条持させた後、その表
面を観察することにより目視によって評価した。

第１表から明らかなように、本発明に係る実施例１〜６
は、ボウタイトリーの発生が十分抑止されているばかり
でなく、ブル−ムも全くＪ忍められないことがわかる。

これに対し、本発明に係る添加剤を添加しない比較例１
及び添加量が本発明の規定する範囲よりも少ない比較例
２は、ボウタイトリーの発生数が非常に多く、又、上記
添加剤を本発明の規定する範囲を越えて添加した比較例
３は、ブルームが見られ、好ましくない。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、絶縁体中のボイ
ド、異物、並びに絶縁体と半導電層界面の不整といった
欠陥が存在していたとしても、ボウタイトリーの発生を
十分抑止することができ、かつブルームの生じない絶縁
体を広く市場に供給することが可能であろう

【図面の簡単な説明】

図は、架橋ポリエチレン絶縁ケーブルの実施例を示す断
面図である。 １：導体、 ２：内部半導電層、 ３：絶縁体、 ４：外部半導電層、 ５二保護被覆。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）　ポリエチレン又はエチレン系共重合体あるいは
   これらの混合物１００重量部に対し、総炭素数が５〜１
   ００の脂肪酸アマイドを ０．００５〜１．０重量部及び脂肪酸エステルを０．０
   ０５〜１．０重量部添加してなる電線・ケーブル用電気
   絶縁組成物。