JPH0361897B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［産業上の利用分野］ 本発明は、紙、プラスチツク、アルミニウム等
の金属箔あるいはそれらの複合材料からなる弾力
的もしくは可撓的な外壁を有する容器の漏洩検査
等に適した密封容器の検査方法及びその装置に関
する。 ［従来の技術］ 近年、果汁あるいはコーヒ等の飲料を充填する
容器として、紙を基材とし、プラスチツクフイル
ム及びアルミニウム箔等を用いた積層体からな
り、ある程度の可撓性と保形性を兼備したシート
材を袋状、箱状あるいは筒状に形成した容器が実
用化されつつある。 通常、飲料は90℃乃至95℃程度の高温状態で容
器に熱間充填、密封され、その後冷却される。高
温状態の飲料を容器に充填、密封した後冷却する
と、容器内は減圧状態となる。このとき、ピンホ
ールあるいはシール不良等の漏洩箇所を有する不
良容器は、その箇所より容器内に外部空気が流入
し、容器内外の圧力差をほぼ同じとするため容器
にほとんど変形を生じない。 一方、ピンホールあるいはシール不良等の漏洩
箇所のない正常な容器においては、容器内の減圧
にともなつて可撓的壁面が内側に撓み、その容積
が減少する。 従来、このような性質を利用した容器の漏洩を
検査する方法としては、コンベアによつて送られ
てくる容器の一側に検知端子を設けておき、この
検知端子が容器側面と接触したときに不良品、接
触しないときには良品とする特開昭59−65744号
に記載のものがある。 ［発明が解決しようとする課題］ しかし、上述した紙、プラツチツク、アルミニ
ウム箔等の複合材からなる弾力的あるいは可撓的
な容器は、さらに次のような性質を有している。 すなわち、この種の容器は、容器の内部を負圧
としても、容器外周面の内側への撓み（凹み）具
合が一様になるとは限らず、特に容器の断面形状
が多角形の場合、それぞれの壁面が同時に同じだ
け凹むことは少なく、負圧が大きくなるに連れ強
度の弱い面から順に凹んで行く。 また、容器の内部が中程度の負圧の場合、まだ
凹んでいない面に外から軽く押力を与えると、そ
の面が凹んで、これまで凹んでいた面が元に戻つ
てしまう。 したがつて、上述した特開昭59−65744号に記
載の技術では、次のような問題が生じる。 第一の問題は、容器と一壁面のみの凹み具合を
測定して検査を行なつているため、測定壁面の凹
み具合が小さい容器は、たとえ良品であつても不
良品と判断されてしまう。 また第二の問題は、検知端子が接触式のセンサ
であり、しかも容器側に付勢されているため、検
知端子が容器壁面に当接すると、その壁面が押圧
されて凹んでしまい、正確な検査を行なうことが
できない。 本発明はこのような事情にかんがみてなされた
ものであり、容器壁面の全周における凹み具合を
測定して検査するとともに、その測定を非接触式
のセンサで行なうことにより、きわめて正確な漏
洩検査等を可能ならしめた密封容器の検査方法と
その装置の提供を目的とする。 ［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本発明の検査方法は、
可撓的な壁面を有する容器に飲料等の内容物を熱
間充填して密封し、その後該容器を冷却すること
により内容物を収縮させて容器壁面を変形させ、
この容器壁面の全周における外形形状を、所定位
置からの距離として非接触の状態で測定し、この
測定状態を容器の断面積に演算した後、予め設定
してある断面積と比較することによつて容器の漏
洩箇所の有無等を判別する方法としてある。 また、本発明の検査装置は、可撓的な壁面を有
する密封容器の漏洩等を検査する装置において、
飲料等の内容物を熱間充填し、その後冷却した容
器を所定の速度で移動もしくは回転させる手段
と、この移動もしくは回転手段に取り付けられた
容器の壁面全周における外形形状を所定位置から
の距離として測定する非接触式の距離計と、この
距離計の測定値を入力し、容器の断面積を演算す
る演算装置と、この演算装置で求めた断面積を予
め設定されている断面積と比較して容器の漏洩箇
所の有無等を判別する比較装置と備えた構成とし
てある。 ［作用］ 本発明は、容器の可撓的壁面の外周形状寸法を
光学的センサ等の非接触距離計で測定し、所定の
演算を行なつて断面積を求めた後、その断面積が
一定の値より大きいか否かを判別することによつ
て、容器の漏洩の有無等を検査する。 ［実施例］ 以下、本発明を実施例にもとづいて説明する。 実施例における容器１０１は、厚みが0.3mmの
基材紙の外側に50μのポリエチレン、内側に30μ
のポリエチレンと15μとアルミニウム箔、さらに
最内層に50μのポリエチレンのそれぞれ接着積層
した、巾171mm、高さ130mmの長方形のシート材
を、直径53mmのほぼ円筒形に丸めて熱接着した胴
部と、厚みが100μのアルミニウム箔を基材とし、
内側に50μポリエチレンを積層し、外側に5μのエ
ポキシフエノール系塗料を塗布したシートを円形
皿状にプレス成形した蓋とからなり、この蓋を円
筒形胴部の両端に接着して形成してある。 また、胴部には、容器内の圧力が減圧した際、
胴部の断面積がほぼ正六角形となるように、予め
胴部の縦方向に六本の折目が等間隔に予備加工し
てある。 容器内の減圧による変形は、上述の折目に沿つ
て胴部のほぼ中央に大きく現れ、蓋との熱接着に
より硬くなつている両端部には現れにくい。した
がつて、胴部の変形、すなわち容器全体の容積減
少は胴部中央で代表して検知することができる。 第１図は本発明検査装置の第一実施例を示す。 第１図において、１０２はコンベアで、矢印Ｘ
方向へ図示せざる駆動装置によつて移動し、容器
１０１を搬送する。１０３ａ，１０３ｂはレーザ
距離計で、コンベア１０２の直角方向両側に、等
距離かつ対向した状態で配設されている。このレ
ーザ距離計１０３ａ，１０３ｂは、容器１０１の
中央部までの距離の一方を正の値、他方を負の値
として0.1mmの精度でデジタル的に測定する。１
０４はコンベア１０２の移動距離に対応してパル
ス信号を発するエンコーダであり、コンベア１０
２の移動量を0.1mmの精度で測定する。 １０５は記憶装置１０６と加算装置１０７から
なる演算装置で、エンコーダ１０４の１パルスご
とに、一対のレーザ距離計１０３ａ，１０３ｂか
らの測定値を入力し、記憶装置１０６に記憶させ
る。この記憶装置１０６に記憶された値は、容器
１０１の胴中央部の切断面形状寸法の座標値を示
している。 １０８はＸ−Ｙブロツタであり、記憶装置１０
６に記憶された各値にもとづいて容器１０１の胴
中央部切断面形状を図形化する。 １１０はデジタル比較器で、デジタルスイツチ
よりなる判別レベル設定器１０９に予め設定され
た断面積値と、演算装置１０５で求められた断面
積値とを比較し、演算装置１０５からの断面積値
がレベル設定器１０９の断面積値より大きい場合
に不良判別信号を発する。 次に、この装置を用いた検査方法の第一実施例
について説明する。 容器１０１を立位状態でコンベア１０２に載せ
て搬送する。一対のレーザ距離計１０３ａ，１０
３ｂは、予め、コンベア１０２のほぼ中央に立て
られた一枚の薄い紙片によつて零点が較正され、
一方の距離計は正の値、他方の距離計は負の値を
出力するようになつている。そして、このレーザ
距離計１０３ａ，１０３ｂによる測定値は、エン
コーダ１０４の歩進数をＸとしたとき、一方のレ
ーザ距離計１０３ａの値をy_a、他方のレーザ距離
計１０３ｂの値をy_bとして記憶装置１０６に入力
される。 すなわち、コンベア１０２上の容器がレーザ距
離計１０３ａ，１０３ｂのレーザビームの当る位
置にくるまでは、一対のレーザ距離計１０３ａ，
１０３ｂの測定値はそれぞれ＋∞及び−∞を指示
しているが、容器１０１の前端がレーザビームと
当る位置まで移動してくると、レーザ距離計１０
３ａ，１０３ｂはその座標値y_a，y_bを指示する。 そこで、この値をエンコーダ１０４の１パルス
ごとにトリガして記憶装置１０６に入力させる。
この入力は、レーザ距離計１０３ａ，１０３ｂの
測定値が再び＋∞及び−∞を指示するまで続行さ
れる。このようにして、記憶装置１０６には、容
器１０１の胴中央部の切断面形状寸法の座標値が
記憶される。 第２図は、記憶装置１０６に記憶された各値を
Ｘ−Ｙブロツタ１０８に出力して描かせた図形で
あり、第２図ａは、漏洩箇所のない正常な容器の
場合で、胴中央部はほぼ正六角形となつている。
第２図ｂは、蓋の熱接着不良による漏洩箇所のあ
る不良容器の場合で、胴中央部はほとんど円形と
なつている。 一方、加算装置１０７は、容器１０１の胴中央
部断面積Ｓを求めるべく、記憶装置１０６内の値
y_a，y_bの差の総和を、 式 Ｓ＝Σ^X1 ₀（y_a−y_b） にもとづて演算する。 第１表は、加算装置１０７によつて求められ
た、正常な容器10個と不良な容器10個の断面積を
表にしたものである。

【表】 第１表から判るように、正常容器の場合は平均
187mm²の断面積の収縮がみられ、この値は、測定
値のばらつき値よりも十分大きい。したがつて、
断面積を指標として容器の良否判別を十分行ない
得ることが判る。 このようにして演算された容器の断面積値は、
デジタル比較器１１０において、判別レベル設定
器１０９からの設定値と比較される。そして、演
産装置１０５からの値、すなわち測定値の方が設
定値より大きい場合に、容器の不良判定信号を、
例えば図示せざる排除装置に出力し、不良容器を
コンベア１０２から取り除く。 第３図は、本発明検査装置の第二実施例を示
す。この実施例装置が第一実施例装置と異なる点
は、非接触式の距離計を一台にするとともに、容
器１０１を一回転させるようにした点であり、他
の点は第一実施例と同様の構成となつている。 すなわち、第３図において、２０２は回転台で
あり、駆動モータ２０３により中心軸Ｚを中心と
して一方向に回転される。この回転台２０２の上
部には容器１０１が中心軸Ｚを合致させた状態で
載置してある。２０４は駆動モータ２０３と同軸
に設けられたエンコーダで、回転台２０２の一回
転を1024等分したパルス信号として出力する。 レーザ距離計１０３は、容器１０１の胴中央部
と対向して配置されており、容器１０１の胴部ま
での距離を測定する。 本実施例においては、演算装置１０５の記憶装
置１０６へ、エンコーダ２０４の１パルスごとに
レーザ距離計１０３の測定値（少なくとも、容器
１０１の一周分の値）が入力される。 したがつて、容器回転台２０２の回転軸Ｚとレ
ーザー距離計までの距離をy₁、レーザ距離計の容
器胴部までの距離をy₂として、以後の処理を上述
した第一実施例の場合と同様にして行なうことに
より、容器断面積による漏洩検査の実施が可能と
なる。 なお、本発明は、上記実施例に限定されるもの
ではなく、測定した断面積と予め設定してある断
面積との差によつて良品、不良品の判定を行なえ
る検査、例えば、内容品の変敗によるガス発生、
容器の異常変形等の実施する場合をも含むもので
ある。 ［発明の効果］ 以上のように本発明によれば、紙、プラスチツ
ク、アルミニウム等の金属箔あるいはそれらの複
合材料からなる弾力的もしくは可撓的な外壁を有
する任意形状の容器における漏洩検査等を、容器
全周における壁面の外形形状を非接触距離計で測
定し、これにもとづいて容器の断面積を求めて行
なつているので、自動的な手段により迅速かつ正
確に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明における第一実施例検査装置の
斜視図、第２図ａは正常容器の胴中央部切断面図
形、第２図ｂは不良容器の胴中央部切断面図形、
第３図は本発明における第二実施例の斜視図を示
す。 １０１：容器、１０２：移動手段、１０３，１
０３ａ，１０３ｂ：レーザ距離計、１０５：演算
装置、１１０：比較装置、２０２：回転手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可撓的な壁面を有する容器に飲料等の内容物
   を熱間充填して密封し、その後該容器を冷却する
   ことにより内容物を収縮させて容器壁面を変形さ
   せ、この容器壁面の全周における外形形状を、所
   定位置からの距離として非接触の状態で測定し、
   この測定結果を容器の断面積に演算した後、予め
   設定してある断面積と比較することによつて容器
   の漏洩箇所の有無等を判別することを特徴とした
   密封容器を漏洩検査方法。 ２ 可撓的な壁面を有する密封容器の漏洩等を検
   査する装置において、飲料等の内容物を熱間充填
   し、その後冷却した容器を所定の速度で移動もし
   くは回転させる手段と、この移動もしくは回転手
   段に取り付けられた容器の壁面全周における外形
   形状を所定位置からの距離として測定する非接触
   式の距離計と、この距離計の測定値を入力し、容
   器の断面積を演算する演算装置と、この演算装置
   で求めた断面積を予め設定されている断面積と比
   較して容器の漏洩箇所の有無等を判別する比較装
   置とを備えたことを特徴とする密封容器の漏洩検
   査装置。