JPH036177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はコンバインの後面に付設して、脱穀後
の排藁を結束する排藁結束機の株元揃え装置に関
するものである。

(ロ) 従来技術 従来から排藁結束機に付設して株元揃え板を設
ける技術は公知とされているのである。

例えば実開昭58−26826号公報や、実開昭57−
149734号公報や、実開昭57−171829号公報に記載
の技術の如くである。

(ハ) 考案が解決すべき課題 排藁結束機には従来から、排藁に対する結束位
置を調節する為に、結束機を左右にスライド可能
とする構成が設けられている。

又、排藁の結束時の外観を良くする為の株元揃
え装置も、排藁の長短稈に対応可能とすべく、左
右への回動基点調節装置が設けられているのであ
る。

このように結束機も、株元揃え装置も両方とも
左右移動可能としているので、相互の位置を無視
して一方を移動させてしまうと、結束機のうち、
最も株元揃え板側に突出している放出アームが株
元揃え板と干渉し合つて、両者共破損する可能性
があるのである。

本考案の目的はこの問題点を解決することであ
り、これを簡潔な構造により防ごうとするもので
ある。

即ち、稈長差により株元揃え板及び結束機の位
置を調整するに際し、株元揃え装置の側に結束機
の一部に接当するスライドストツパーを設け、こ
れを結束機フレームの左右連結棒上にて摺動させ
たものである。

(ニ) 課題を解決する手段 本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、
次に該課題を解決する手段を説明する。

コンバインの後部に固設した左右連結棒７上
を、結束位置調節の為に結束機をスライド可能と
し、更に揺動作用により排藁の株元を押して揃え
る株元揃え板１の回動軸２４を回動基点調節アー
ム１０の回動により左右に調節可能とした構成に
おいて、回動基点調節アーム１０の中途部に枢支
金具１０ｂを設け、該枢支金具１０ｂにストツパ
ーリンク１２を連結し、該ストツパーリンク１２
の他端は前記左右連結棒１７上のスライドストツ
パー２に枢支し、リンクストツパー２に左右移動
調節するる結束部が接触した位置が、株元揃え板
と結束部の干渉しない最接近位置としたのであ
る。

(ホ) 実施例 本考案の解決すべき課題及び解決する手段は以
上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例
の構成を説明する。

第１図は排藁結束機の平面図、第２図、第３図
は株元揃え装置の拡大平面図、第４図は株元揃え
装置の拡大右側面図、第５図は左側面図、第６図
はスライドストツパー部分の斜視図である。

第１図、第２図、第３図において、全体構成を
説明する。

左右連結棒７，８及び縦枠９，２８等により成
る結束機フレームがコンバインの後面に固定され
ており、この左右連結棒８，７上にスライド環を
嵌装して、結束機Ａを左右に摺動固定自在として
いる。この結束機Ａの移動につれて、株元側デツ
キ３と穂先側デツキ４も共に左右に摺動可能とし
ている。

結束機は、排藁を集束するパツカー、結束クラ
ツチ装置、結節を行うニードル等を含む結束部Ａ
と、結節部２９、放出アーム５等より構成されて
いる。６は結束ミツシヨンケースから結節部２９
と、放出アーム５等へ動力を伝えるコの字形の動
力伝達ケースである。

本考案の要部である株元揃え装置は、株元揃え
板１とその回動駆動装置より構成されている。株
元揃え板１は回動して突出した際は、第１図の如
く、株元側デツキ３の上方まで突出するので放出
アーム５の回動軌跡と干渉する恐れがあるのであ
る。

株元揃え板１の駆動系統を説明すると。

第２図・第４図より、コンバイン側の脱穀駆動
プーリーよりＶベルト１３にて動力が入力プーリ
ー１７へ伝えられている。入力プーリー１７の軸
２２上に小径歯車２０が固設されており、結束機
への動力伝達軸１８上の大径歯車１９との間で減
速を行つている。

大径歯車１９の側面にクランクピンが突出され
ており、このクランクピンの動きをジヨイント軸
２１にて取り出して、駆動アーム１４の前後動に
変換している。

駆動アーム１４は回動基点調節アーム１０の基
部の縦軸１０ａに枢支されている。回動基点調節
アーム１０の基部には、更に調節板１５が固設さ
れており、この調節板１５の長孔に挿入したボル
ト１６にて、該調節板１５を縦枠９から突出する
固定体２５に固定している。

故に調節板１５と回動基点調節アーム１０は、
回動基点調節時以外は固定されている。

第２図においては回動基点を最大に突出した状
態を示しており、第３図は回動基点を引つ込めた
状態を示している。

株元揃え板１は、この回動基点調節アーム１０
の先端に枢支された回動軸２４を中心に１，１′
の如く回動するのである。株元揃え板１の駆動力
は駆動アーム１４の前後動が前後動アーム１１に
伝えられ、更に前後動アーム１１より回動アーム
２３が回動され、回動軸２４を回動させて、最後
に株元揃え板１を回動させるのである。

このような全体構成において、本考案の要部は
回動基点調節アーム１０の中途部にストツパーリ
ンク１２の為の枢支金具１０ｂを固設して枢支
し、ストツパーリンク１２、他端は左右連結棒７
上のスライドストツパー２の枢支金具２ａに枢支
したものである。

スライドストツパー２自体は左右連結棒７に固
定されておらず自由に摺動可能であるが、回動基
点調節アーム１０の調節板１５が長孔１５ａ部に
ボルト１６にて、固定体２５に調節後に固定され
るので、スライドストツパーも実質的に左右摺動
は不可能となつているのである。

そして、このスライドストツパー２に第１図の
株元側デツキ３の左端面が干渉し接触した位置
が、株元揃え板と放出アーム５の干渉しない最接
近位置に設定されているのである。

(ヘ) 考案の作用 このような構成とすることにより作用として
は、株元揃え装置を穂先側へ大きく突出している
時には結束機を少しでも左方へ移動させると、株
元側デツキ３の左端とスライドストツパー２の右
端が干渉し、これ以上結束機を左方へ移動不可能
とするのである。

逆に結束機を左側へ大きく摺動されている時に
も株元揃え装置のスライドストツパー２が株元側
デツキ３に干渉してしまうので、大きく右方へ移
動させることはできなくなるのである。

実施例においてスライドストツパー２は株元側
デツキ３に干渉すべく構成しているが、結束機の
一部であればどこでもよいものである。

(ト) 考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

即ち、排藁結束機を構成する結束機と株元揃え
板を、どちらも左右に移動調節可能とした構成に
おいて、相手の位置を確認せずに他方を移動調節
させることにより、株元揃え板と、結束機の放出
アームが干渉し、両者が共に破壊されるという不
具合が発生していたのであるが、本考案は結束機
が摺動される左右連結棒７の上に、ストツパーリ
ンク１２を設け、該ストツパーリンク１２を株元
揃え板１の側に延設し、株元揃え板１の回動軸２
４を左右に調節する回動基点調節アーム１０と連
動したことにより、両者が近付き過ぎると、スト
ツパーリンク１２がまず干渉することにより、そ
れ以上の接近を阻止することができるので、誤操
作による、株元揃え板１や放出杆の損傷という不
具合を解消することができたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は排藁結束機の平面図、第２図、第３図
は株元揃え装置の拡大平面図、第４図は株元揃え
装置の拡大右側側面図、第５図は左側側面図、第
６図はスライドストツパー部分の斜視図である。 Ａ……結束部、２９……結節部、１……株元揃
え板、２……スライドストツパー、３……株元側
デツキ、７……左右連結棒、１２……ストツパー
リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンバインの後部に固設した左右連結棒７上を
   結束位置調節の為に結束機をスライド可能とし、
   更に揺動作用により排藁の株元を押して揃える株
   元揃え板１の回動軸２４を回動基点調節アーム１
   ０の回動により左右に調節可能とした構成におい
   て、回動基点調節アーム１０の中途部に枢支金具
   １０ｂを設け、該枢支金具１０ｂにストツパーリ
   ンク１２を連結し、該ストツパーリンク１２の他
   端は前記左右連結棒７上のスライドストツパー２
   に枢支し、スライドストツパー２に左右移動調節
   する結束部が接触した位置が、株元揃え板と結束
   部の干渉しない最接近位置としたことを特徴とす
   る排藁結束機の株元揃え装置。