JPH035227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はコンバインの後部に付設する排藁結束
機の株元を揃える強制株元揃え板に関する。

(ロ) 従来技術 従来からも株元揃え板に関する技術は公知とさ
れていたのである。

例えば実開昭58−26826号公報や、実開昭57−
149734号公報や、実開昭57−171829号公報の如く
である。

しかし従来の技術においては、株元揃え板の揺
動回数の方が、パツカーの掻き込み回数よりも少
なかつたので、パツカーの掻き込み中に株元揃え
板により押すような状態が発生し、十分な株元揃
えの効果が発揮されなかつたのである。

(ハ) 考案が解決すべき課題 本考案はこれらの点を改善すべく強制株元揃え
板の駆動力を、コンバインの脱穀装置から結束機
ミツシヨンケース入力までの間の減速部より取り
出したものである。

また株元揃え板の前端に枢支点を設け、該枢支
点の位置を調節することにより、排藁の長短稈に
対応可能としたものである。

そして、株元揃え効果を向上させる為に株元揃
え板の強制振動を、パツカーの回動速度と同調さ
せ乍らパツカーの回動回数よりも大とし、株元揃
え装置の揃え性能の向上を図るものである。

(ニ) 課題を解決する手段 本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、
次に該課題を解決する手段を説明する。

株元揃え板１の強制揺動により排藁株元をパツ
カー３０ａ，３０ｂ側へ押して排藁結束機の株元
側を揃える構成において、前端に設けた枢支点Ｍ
により株元揃え板１を枢支し、後端を揺動可能と
し、該枢支点Ｍを排藁の長短稈に応じて左右に調
節可能とし、該株元揃え板１の動力を結束機入力
部までの減速部より取り出すことにより、該株元
揃え板１の揺動回数を、パツカー３０ａ，３０ｂ
の掻き込み回数よりも大としたものである。

(ホ) 実施例 本考案の解決すべき課題及び解決する手段は以
上の如くであり、次に添付の図面に示した実施例
の構成を説明する。

第１図は本考案の排藁結束機の後面図、第１Ａ
図は他の実施例の平面図、第２図は株元揃え板１
の駆動部を示す平面図、第３図は同じく側面図、
第４図は動力伝達線図である。

第１図、第１Ａ図において概略を説明すると。
前方より排藁Ａが排藁チエーンにて送られてく
る。２０，２１，２２は横方向の機枠を兼ねる摺
動枠であり、この上を結束ミツシヨンケース２４
と排藁ガイド板２７、及び、結節装置全体が左右
に摺動可能である。

結束ミツシヨンケース２４に動力を伝える軸２
５はスプライン軸となつておりこの上を、結束ミ
ツシヨンケース２４が摺動移動しても動力の伝達
を可能としている。３２はユニバーサルジヨイン
トであり、３３はこの軸２５とユニバーサルジヨ
イント３２の安全をカバーする蛇腹である。

コンバインよりの動力は排藁結束機の左側へ伝
えられ、歯車３より動力伝達軸６へ伝えられ、該
動力伝達軸６にて排藁結束機の右側へ伝えられ、
Ｖプーリー２９、Ｖプーリー３４へ伝えられる。
Ｖプーリー３４より軸３５を介してユニバーサル
ジヨイント３２へ伝えられる。

排藁は排藁ガイド板２７上の斜面を落下してき
て２本のパツカー３０ａ，３０ｂにて掻き込ま
れ、結節クラツチへ溜められる。排藁の量が増え
て結節クラツチを押すと、結節作用のクラツチが
入り、ニードル３１が回動し、排藁の周囲に紐を
巻き結節を行う。その後、放出杆２６が放出回動
して結束束を放出する。

このような全体構成において、株元揃え板１が
排藁結束機の左端の機枠１８より支持突出されて
いる。

２３は結束紐ケースである。

第２図、第３図において、より具体的な構成を
説明すると。

コンバインの脱穀装置のプーリーより、Ｖプー
リー２へ動力が伝えられる。Ｖプーリー２の軸１
９上に歯車１２が固設されており、歯車１２と歯
車３との間で減速が行われ、減速後の回転が歯車
３の軸６により排藁結束機の右側へ伝えられてい
る。

歯車３の側面にクランクピン１４が植設され、
株元揃え用の強制揺動力を得ている。クランクピ
ン１４とリンク４と枢支ピン３６によりベルクラ
ンクアーム５，１０へ揺動が伝えられる。ベルク
ランクアーム５，１０は機枠１８から突出した軸
３７に枢支されている。

ベルクランクアーム１０の上面にボールジヨイ
ント７の一端が枢支されている。ボールジヨイン
ト７は球面支持されているので上下左右へ揺動し
ても動力を伝えることが可能である。ボールジヨ
イント７の他端は、株元揃え板１の枢支点Ｍより
突出するアーム１７に枢結されている。

枢支点Ｍを構成する枢支軸１５は支持体９の先
端に固設された軸である。アーム１７がボールジ
ヨイント７により前後に回動されると、株元揃え
板１が強制的に左右へ回動される。

支持体９を固定していれば、枢支点Ｍは移動し
ないので、常にこの枢支点Ｍを中心に回動する
が、支持体９を扇形板８の回動することにより
９′の位置へ回動すると、枢支点ＭがM′の位置に
来て、株元揃え板１は１′の位置で回動すること
となり短稈用となるのである。支持体９はその基
部を扇形板８に溶接固定されており、枢支点Ｎを
中心に回動させて、長孔８ａの適当な位置でボル
ト３８により固定するのである。

株元揃え板１の角度は、ボールジヨイント７の
長さが変化しないことにより、支持体９を回動す
ると、ボールジヨイント７がアーム１７を引つ張
り、これによつても変化するのである。

第３図に示す如く、株元揃え板１と枢支軸１５
の間には、付勢バネ１６が介装されており、ボー
ルジヨイント７にて強制揺動中に、障害物等を噛
み込んで、それ以上株元揃え板１が揺動できない
時にこの付勢バネ１６により逃がすのである。

１１は機枠１８から突設したコの字形の枢支部
であり、これに扇形板８をボルト３８にて締め付
けて回動後の固定を行うのである。

第４図において、回転数を説明すると。

入力プーリー２へコンバインの脱穀装置から入
力される。この入力プーリー軸１９の右端の小径
歯車１２と軸６の大径歯車３の間で減速が行われ
る。そしてこの大径歯車３の側面にクランクピン
１４が植設されているのである。

軸６の右端の小径Ｖプーリー２９と大径Ｖプー
リー３４との間で、第２段目の減速が行われ、こ
の減速後の回転が結束ミツシヨンケース２４へ入
力されている。パツカー３０ａ，３０ｂはこの結
束ミツシヨンケース内で、更に減速されて回動さ
れるので、株元揃え板１の揺動数よりも相当に少
なくなるのである。

(ヘ) 考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、株元揃え板１の前端に枢支点Ｍを設
け、該枢支点Ｍを左右に調節可能としたので、排
藁の長短稈に応じて、株元揃え板１の前端の枢支
点Ｍの位置を調節することが出来るので、長短稈
に関わらず常時、株元揃え板１が押し作用をして
株元揃えを確実に行うことが出来るのである。

第２に、株元揃え板１を前端の枢支点Ｍにより
枢支して、後端を揺動するので、排藁の最初に接
当する部分の揺動幅は小とし、後端の揺動幅は大
とすることが出来るので、排藁のスムーズな株元
揃えが出来るのである。

第３に、株元揃え板の揃え作用を、パツカーが
掻き込み作用する間の短い時間に瞬間的に行うこ
とができ、パツカーにより掻き込み作用が行われ
ている間は摩擦抵抗が大の為に揃え作用が低下す
るが、それ以外のパツカーがガイド板の下に引つ
込んだ瞬間やパツカーに掻き込まれる以前に効果
的に株元揃え作用を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の排藁結束機の後面図、第１Ａ
図は他の実施例の平面図、第２図は株元揃え板の
駆動部を示す平面図、第３図は同じく側面図、第
４図は動力伝達線図である。 １……株元揃え板、３０ａ，３０ｂ……パツカ
ー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 株元揃え板１の強制揺動により排藁株元をパツ
   カー３０ａ，３０ｂ側へ押して排藁結束機の株元
   側を揃える構成において、前端に設けた枢支点Ｍ
   により株元揃え板１を枢支し後端を揺動可能と
   し、該枢支点Ｍを排藁の長短稈に応じて左右に調
   節可能とし、該株元揃え板１の動力を結束機入力
   部までの減速部より取り出すことにより、該株元
   揃え板１の揺動回数を、パツカー３０ａ，３０ｂ
   の掻き込み回数よりも大としたことを特徴とする
   排藁結束機の株元揃え板。