JPH0360932B2 - - Google Patents
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- JPH0360932B2 JPH0360932B2 JP62119973A JP11997387A JPH0360932B2 JP H0360932 B2 JPH0360932 B2 JP H0360932B2 JP 62119973 A JP62119973 A JP 62119973A JP 11997387 A JP11997387 A JP 11997387A JP H0360932 B2 JPH0360932 B2 JP H0360932B2
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- Filtering Materials (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
Description
発明の分野
本発明は二成分系の繊維とチユーブ、及びそれ
らから製造される多孔質の壁を有する多孔質の繊
維とチユーブに関する。 背景技術 二成分系のヘテロフイラメント繊維は周知であ
る。このような繊維において、ヘテロフイラメン
トは通常芯/さや配置か、又はサイド・バイ・サ
イド配置を取る。 本出願人の欧州特許第0080274号には繊維形成
性ポリマーと0.1〜10重量%の他の不混和性ポリ
マーとのブレンドから製造され、不混和性ポリマ
ーは得られる繊維中で連結されていないミクロフ
イブリルとして繊維形成性ポリマーの連続マトリ
ツクス中に分散して存在している二成分系繊維が
記載されている。 1983年8月中旬発行のポリマー・エンジニアリ
ング・アンド・サイエンス(Polymer
Engineering and Science)、Vol.23、No.11にプ
リンストン大学(Princeton University)、化学
工学部(Department of Chemical
Engineering)のブライス・マツクスウエル及び
ギラーモ・エル・ジヤツソ(Guillermo L.
Jasso)による“不相溶性熱可塑性プラスチツク
ブレンドの安定性(Stability of Blends of
Incompatible Thermoplastics)”についての研
究が載せられている。更に詳しく述べると、この
報文はポリ(メチルメタクリレート)とポリエチ
レンのブレンドの押出しについて述べている。形
成された押出物は2種のポリマーに対応する2つ
の連続相互貫通相から成る。押出物中の分離相は
三次元連続くもの巣構造と称されている。製品を
示す添付図面(その2葉は写真)から、フイブリ
ルはくもの巣構造を形成しているが、その配置は
全くランダムで、フイブリルの整列状態について
は何んらの示唆もないことは極めて明白である。 発明の概要とその詳しい説明 本発明によれば、30〜70重量部で含有される第
一成分と70〜30重量部で含有される第二成分の2
種の高分子繊維成分を有する溶融紡糸繊維又は同
チユーブであつて、各繊維成分は繊維又はチユー
ブ壁の中でその軸に対して実質的に整列している
フイブリルとして存在し、それら整列したフイブ
リルは相互間でランダムに連結されており、その
相互連結フイブリルは他方の成分のフイブリルを
貫通して両成分が繊維壁又はチユーブ壁の中で相
互貫通ネツトワークとして存在している前記繊維
又はチユーブが提供される。 本発明の溶融紡糸繊維は所望によつて常法で延
伸することができる。 斯る新規な繊維又はチユーブは第一成分と第二
成分のブレンドから従来の溶融紡糸法で製造でき
ることが判明した。 紡糸時のブレンドの構造は紡糸口金を出た直後
の押出物を調べることによつて確認した。即ち、
その断面を取り、顕微鏡で調べた。通常の場合、
2種の不混和性ポリマーの溶融ブンレンドは、一
方のポリマーが連続相を形成し、他方のポリマー
が不連続相を形成して押出物中に小球として現わ
れる2相系をもたらす。繊維又はチユーブを紡糸
する場合、小球はその粘度が適当な場合に変形を
起こして個々のフイブルを形成するが、それらフ
イブリルは相互に連結されていない。 ある種のブレンド組成と紡糸条件を採用すると
き、2成分の相互貫通ネツトワーク
(interpenetrating neturerk:IPN)を生成させ
得ることが見い出された。これは第1図(後記実
施例1、実験5を参照)の押出物の断面に示され
る通りで、両相(両成分)は共に連続している。
各成分は三次元ネツトワークの形態を取り、それ
ぞれ他方の成分のネツトワークとからみ合つてい
る。紡糸繊維又はチユーブにおいてもこの相互か
らみ合いは維持され、各成分は繊維壁又はチユー
ブ壁の中でその軸に対して実質的に整列している
配向したフイブリルとして存在し、それらの整列
したフイブリルは相互間でランダムに連結されて
おり、そしてそのような相互連結フイブリルは他
方の成分のフイブリルを貫通している。 このような繊維又はチユーブを製造するには2
つの条件が必要である。すなわち、(1)ブレンドは
IPNを形成しなければならないことと、(2)この
IPNは紡糸可能でなければならないことで、この
ことは製造された繊維又はチユーブを巻き取るこ
とができることを意味する。IPNを形成すること
ができる特定の2成分系については限られた条件
範囲しかなく、しかもその条件範囲で運転したと
きでもその二成分系は常に紡糸可能な訳ではない
だろう。ブレンドが紡糸不能な場合、その糸線
(threadline)の又はチユーブ状の溶融物は紡糸
口金から引き出されるとき連続的に破断する。 IPNの形成には高度の剪断が必要という重要な
条件があり、これは主として紡糸口金における溶
融物の通過でコントロールされ、従つてこれは紡
糸口金のオリフイス直径とオリフイス形成に依存
する。もう1つの因子は2種のポリマーの相対濃
度で、両ポリマーは割合をほゞ等しいのが最も好
ましい。 IPNの紡糸能はまた第1図に示される通りの相
厚の特徴的な寸法を意味する“ドメイン・サイズ
(domain size)”、すなわち“領域サイズ”と各
ポリマーの粘度にも依存する。一般に、ドメイ
ン・サイズが大きければ大きいほど紡糸性は悪く
なるが、これは後記実施例1のポリプロピレンに
関して示されるように成分の1つの粘度を下げる
ことによつて償うことができる。しかし、ドメイ
ン・サイズが大き過ぎるとこの補償は可能でなく
なるだろう。ドメイン・サイズをコントロールす
る主因子はブレンド中における“相容化剤
(compativiliser)”の存在で、これはポリマー間
の界面の表面張力を下げる作用を持ち、かくして
ブレンドに同量の剪断が加えられた場合について
比較すると、相容化剤が存在しない場合より小さ
いドメイン・サイズをもたらす。ポリプロピレン
とナイロン66のブレンドに対しては、ローン−ポ
ーレンク社(Rhone−Poulenc)製のナイロン11
ポリマーであるリルサン(RILSAN)が適当な
相容化剤であることが見い出された。他のポリマ
ーについてはもちろん相容化剤が不要であるか、
別の相容化剤が必要になる。 本発明の方法によれば従つて、第一の繊維形成
性ポリマーと第二の不混和性繊維形成性ポリマー
との、第一ポリマーを30〜70重量部、第二ポリマ
ーを70〜30重量部含有するブレンドは、各ポリマ
ーをして得られる繊維又はチユーブの壁の中でそ
の軸に対して実質的に整列し、かつ相互間でラン
ダムに連結されているフイブリルとして存在せし
めるような、そしてその相互連結部がフイブリル
を貫通して両ポリマーが繊維壁又はチユーブ壁の
中で相互貫通ネツトワークとして存在するような
剪断及びズーメイン・サイズの条件下で紡糸され
る。 本発明の新規な繊維の紡糸に寄与する各種因子
の影響を次の実施例で実証する。 実施例 1 本実施例ではナイロン66、ポリプロピレン及び
ナイロン11を用いた。ナイロン66はインペリア
ル・ケミカル・インダストリーズPLC(Imperial
Chemical Industries PLC)製のグレードSG(相
対粘度40)であつた。ポリプロピレンもインペリ
アル・ケミカル・インダストリーズPLC製であ
つた。色々なメルトフローインデツクス(MFI)
を有する色々な試料を用いた。相容化剤のナイロ
ン11はローン−ポーレンク社製のリルサンであつ
た。 MFIは(ポリプロピレンの)溶融粘度の尺度
で、MFINが小さければ小さいほど粘度は高い。
MFIは2.16Kgの荷重下、230℃で測定した。ナイ
ロン66は紡糸前に80℃で16時間乾燥した。 両ポリマーのチツプブレンドを常用の押出機供
給溶融紡糸機で吐出量54g/ホール/時間におい
て、積極的な急冷は行わずに紡糸した。巻取速度
は500mpmであつた。 得られた結果を第1表に示す。実験1及び2
は、相容化剤を用いても、紡糸口金のオリフイス
が高剪断速度を与えるほど十分に小さくない場合
は、IPNは形成されず、ブレンドは紡糸不能であ
ることを示している。 実験3及び4は、紡糸口金のオリフイス直径を
小さくするとその壁における剪断速度が押出物の
断面を横切るどの場所におけるよりも大きく、押
出物の外側にIPNを形成させるほど十分に大きく
なるが、押出物の中央では小さいことを示す。こ
れは第2図に示される通りである。これらの条件
下ではブレンドは依然として紡糸不能であつた。 最後に、実験5は紡糸口金のオリフイス直径を
更に小さくした場合で、このときIPNが生成し
(第1図を参照)、そのIPNは紡糸可能であつた。 実験5,6及び7は相容化剤の効果を示すもの
である。その量が減少するにつれてドメイン・サ
イズは大きくなり、最後にはたとえIPNが形成さ
れても糸線は紡糸不能になることを示している。 剪断速度に及ぼすポリプロピレンの粘度の効果
は実験8で示される。この実験において、紡糸口
金のオリフイス直径がたとえ相対的に大きくとも
小さいドメイン・サイズのIPNが生成した。しか
し、そのIPNはポリプロピレンの粘度が高過ぎる
ために紡糸不能であつた。実験9の同じ幾何学的
構造のIPNはより低粘度のポリプロピレンを用い
て得れたものであるが、同じ理由から同様に紡糸
不能であつた。実験10及び11はポリプロピレンの
粘度を更に下げたもので、ドメイン・サイズが大
きくなつたにもかかわらず再び紡糸可能になつ
た。 しかし、実験12のように相容化剤を用いないこ
とにより得られるドメイン・サイズが大きい場
合、又は実験13のようにポリプロピレンの粘度が
非常に低い場合、紡糸性は得られなかつた。 実験14及び15は33.6重量%のポリプロピレンを
用いると紡糸可能のIPNを形成することができる
が、ポリプロピレン量が9.8重量%ではそのよう
なIPNは得られないことを示す。
らから製造される多孔質の壁を有する多孔質の繊
維とチユーブに関する。 背景技術 二成分系のヘテロフイラメント繊維は周知であ
る。このような繊維において、ヘテロフイラメン
トは通常芯/さや配置か、又はサイド・バイ・サ
イド配置を取る。 本出願人の欧州特許第0080274号には繊維形成
性ポリマーと0.1〜10重量%の他の不混和性ポリ
マーとのブレンドから製造され、不混和性ポリマ
ーは得られる繊維中で連結されていないミクロフ
イブリルとして繊維形成性ポリマーの連続マトリ
ツクス中に分散して存在している二成分系繊維が
記載されている。 1983年8月中旬発行のポリマー・エンジニアリ
ング・アンド・サイエンス(Polymer
Engineering and Science)、Vol.23、No.11にプ
リンストン大学(Princeton University)、化学
工学部(Department of Chemical
Engineering)のブライス・マツクスウエル及び
ギラーモ・エル・ジヤツソ(Guillermo L.
Jasso)による“不相溶性熱可塑性プラスチツク
ブレンドの安定性(Stability of Blends of
Incompatible Thermoplastics)”についての研
究が載せられている。更に詳しく述べると、この
報文はポリ(メチルメタクリレート)とポリエチ
レンのブレンドの押出しについて述べている。形
成された押出物は2種のポリマーに対応する2つ
の連続相互貫通相から成る。押出物中の分離相は
三次元連続くもの巣構造と称されている。製品を
示す添付図面(その2葉は写真)から、フイブリ
ルはくもの巣構造を形成しているが、その配置は
全くランダムで、フイブリルの整列状態について
は何んらの示唆もないことは極めて明白である。 発明の概要とその詳しい説明 本発明によれば、30〜70重量部で含有される第
一成分と70〜30重量部で含有される第二成分の2
種の高分子繊維成分を有する溶融紡糸繊維又は同
チユーブであつて、各繊維成分は繊維又はチユー
ブ壁の中でその軸に対して実質的に整列している
フイブリルとして存在し、それら整列したフイブ
リルは相互間でランダムに連結されており、その
相互連結フイブリルは他方の成分のフイブリルを
貫通して両成分が繊維壁又はチユーブ壁の中で相
互貫通ネツトワークとして存在している前記繊維
又はチユーブが提供される。 本発明の溶融紡糸繊維は所望によつて常法で延
伸することができる。 斯る新規な繊維又はチユーブは第一成分と第二
成分のブレンドから従来の溶融紡糸法で製造でき
ることが判明した。 紡糸時のブレンドの構造は紡糸口金を出た直後
の押出物を調べることによつて確認した。即ち、
その断面を取り、顕微鏡で調べた。通常の場合、
2種の不混和性ポリマーの溶融ブンレンドは、一
方のポリマーが連続相を形成し、他方のポリマー
が不連続相を形成して押出物中に小球として現わ
れる2相系をもたらす。繊維又はチユーブを紡糸
する場合、小球はその粘度が適当な場合に変形を
起こして個々のフイブルを形成するが、それらフ
イブリルは相互に連結されていない。 ある種のブレンド組成と紡糸条件を採用すると
き、2成分の相互貫通ネツトワーク
(interpenetrating neturerk:IPN)を生成させ
得ることが見い出された。これは第1図(後記実
施例1、実験5を参照)の押出物の断面に示され
る通りで、両相(両成分)は共に連続している。
各成分は三次元ネツトワークの形態を取り、それ
ぞれ他方の成分のネツトワークとからみ合つてい
る。紡糸繊維又はチユーブにおいてもこの相互か
らみ合いは維持され、各成分は繊維壁又はチユー
ブ壁の中でその軸に対して実質的に整列している
配向したフイブリルとして存在し、それらの整列
したフイブリルは相互間でランダムに連結されて
おり、そしてそのような相互連結フイブリルは他
方の成分のフイブリルを貫通している。 このような繊維又はチユーブを製造するには2
つの条件が必要である。すなわち、(1)ブレンドは
IPNを形成しなければならないことと、(2)この
IPNは紡糸可能でなければならないことで、この
ことは製造された繊維又はチユーブを巻き取るこ
とができることを意味する。IPNを形成すること
ができる特定の2成分系については限られた条件
範囲しかなく、しかもその条件範囲で運転したと
きでもその二成分系は常に紡糸可能な訳ではない
だろう。ブレンドが紡糸不能な場合、その糸線
(threadline)の又はチユーブ状の溶融物は紡糸
口金から引き出されるとき連続的に破断する。 IPNの形成には高度の剪断が必要という重要な
条件があり、これは主として紡糸口金における溶
融物の通過でコントロールされ、従つてこれは紡
糸口金のオリフイス直径とオリフイス形成に依存
する。もう1つの因子は2種のポリマーの相対濃
度で、両ポリマーは割合をほゞ等しいのが最も好
ましい。 IPNの紡糸能はまた第1図に示される通りの相
厚の特徴的な寸法を意味する“ドメイン・サイズ
(domain size)”、すなわち“領域サイズ”と各
ポリマーの粘度にも依存する。一般に、ドメイ
ン・サイズが大きければ大きいほど紡糸性は悪く
なるが、これは後記実施例1のポリプロピレンに
関して示されるように成分の1つの粘度を下げる
ことによつて償うことができる。しかし、ドメイ
ン・サイズが大き過ぎるとこの補償は可能でなく
なるだろう。ドメイン・サイズをコントロールす
る主因子はブレンド中における“相容化剤
(compativiliser)”の存在で、これはポリマー間
の界面の表面張力を下げる作用を持ち、かくして
ブレンドに同量の剪断が加えられた場合について
比較すると、相容化剤が存在しない場合より小さ
いドメイン・サイズをもたらす。ポリプロピレン
とナイロン66のブレンドに対しては、ローン−ポ
ーレンク社(Rhone−Poulenc)製のナイロン11
ポリマーであるリルサン(RILSAN)が適当な
相容化剤であることが見い出された。他のポリマ
ーについてはもちろん相容化剤が不要であるか、
別の相容化剤が必要になる。 本発明の方法によれば従つて、第一の繊維形成
性ポリマーと第二の不混和性繊維形成性ポリマー
との、第一ポリマーを30〜70重量部、第二ポリマ
ーを70〜30重量部含有するブレンドは、各ポリマ
ーをして得られる繊維又はチユーブの壁の中でそ
の軸に対して実質的に整列し、かつ相互間でラン
ダムに連結されているフイブリルとして存在せし
めるような、そしてその相互連結部がフイブリル
を貫通して両ポリマーが繊維壁又はチユーブ壁の
中で相互貫通ネツトワークとして存在するような
剪断及びズーメイン・サイズの条件下で紡糸され
る。 本発明の新規な繊維の紡糸に寄与する各種因子
の影響を次の実施例で実証する。 実施例 1 本実施例ではナイロン66、ポリプロピレン及び
ナイロン11を用いた。ナイロン66はインペリア
ル・ケミカル・インダストリーズPLC(Imperial
Chemical Industries PLC)製のグレードSG(相
対粘度40)であつた。ポリプロピレンもインペリ
アル・ケミカル・インダストリーズPLC製であ
つた。色々なメルトフローインデツクス(MFI)
を有する色々な試料を用いた。相容化剤のナイロ
ン11はローン−ポーレンク社製のリルサンであつ
た。 MFIは(ポリプロピレンの)溶融粘度の尺度
で、MFINが小さければ小さいほど粘度は高い。
MFIは2.16Kgの荷重下、230℃で測定した。ナイ
ロン66は紡糸前に80℃で16時間乾燥した。 両ポリマーのチツプブレンドを常用の押出機供
給溶融紡糸機で吐出量54g/ホール/時間におい
て、積極的な急冷は行わずに紡糸した。巻取速度
は500mpmであつた。 得られた結果を第1表に示す。実験1及び2
は、相容化剤を用いても、紡糸口金のオリフイス
が高剪断速度を与えるほど十分に小さくない場合
は、IPNは形成されず、ブレンドは紡糸不能であ
ることを示している。 実験3及び4は、紡糸口金のオリフイス直径を
小さくするとその壁における剪断速度が押出物の
断面を横切るどの場所におけるよりも大きく、押
出物の外側にIPNを形成させるほど十分に大きく
なるが、押出物の中央では小さいことを示す。こ
れは第2図に示される通りである。これらの条件
下ではブレンドは依然として紡糸不能であつた。 最後に、実験5は紡糸口金のオリフイス直径を
更に小さくした場合で、このときIPNが生成し
(第1図を参照)、そのIPNは紡糸可能であつた。 実験5,6及び7は相容化剤の効果を示すもの
である。その量が減少するにつれてドメイン・サ
イズは大きくなり、最後にはたとえIPNが形成さ
れても糸線は紡糸不能になることを示している。 剪断速度に及ぼすポリプロピレンの粘度の効果
は実験8で示される。この実験において、紡糸口
金のオリフイス直径がたとえ相対的に大きくとも
小さいドメイン・サイズのIPNが生成した。しか
し、そのIPNはポリプロピレンの粘度が高過ぎる
ために紡糸不能であつた。実験9の同じ幾何学的
構造のIPNはより低粘度のポリプロピレンを用い
て得れたものであるが、同じ理由から同様に紡糸
不能であつた。実験10及び11はポリプロピレンの
粘度を更に下げたもので、ドメイン・サイズが大
きくなつたにもかかわらず再び紡糸可能になつ
た。 しかし、実験12のように相容化剤を用いないこ
とにより得られるドメイン・サイズが大きい場
合、又は実験13のようにポリプロピレンの粘度が
非常に低い場合、紡糸性は得られなかつた。 実験14及び15は33.6重量%のポリプロピレンを
用いると紡糸可能のIPNを形成することができる
が、ポリプロピレン量が9.8重量%ではそのよう
なIPNは得られないことを示す。
【表】
本発明の二成分系繊維及び二成分系繊維チユー
ブの特徴は両成分のどちらかは適当な溶剤を用い
ると浸出することができ、そのため他方の成分か
ら成る低密度の繊維がもたらされることである。
驚くべきことに、残つている成分はその繊維とし
ての一体性を保持している。 本発明の1つの局面によれば、従つて、繊維の
長手方向軸に対して実質的に整列し、しかも互い
にランダムに連結されている繊維形成性ポリマー
の離間したフイブリルから成る、同ポリマーの溶
融紡糸繊維が提供される。 本発明のもう1つの局面によれば、チユーブ壁
がチユーブの軸に対して実質に整列している繊維
形成性ポリマーの離間したフイブリルから成る構
造を有し、それらの整列、離間したフイブリルは
互いにランダムに連結されている同ポリマーの溶
融紡糸チユーブが提供される。 所望によつては、本発明による二成分系繊維は
布帛に織成又は編成し、次いで布帛を成分繊維の
1つに対する溶剤に浸漬することによつてその成
分繊維を除去することができる。 IPN繊維を構成する2成分のうちの1成分は除
去することができ、それでも依然として凝集性の
繊維(cohernet fibre)を残していることを証明
するために、次の実験を実施例2として行つた。 実施例 2 本実施例においてその使用ブレンドの組成はポ
リプロピレン(MFI20)39.2重量%、ナイロン66
(SGグレード)58.8重量%及びナイロン11(リル
サン)2重量%であつた。紡糸可能のIPNが得ら
れた。ホール当りの吐出量は60g/分、巻取速度
は500mpmであつた。 紡糸された繊維の試料を室温で90%ギ酸中に浸
漬してナイロン66を溶解し、水洗し、室温で16時
間乾燥した。ナイロン66の除去量は45.2%であつ
た。 紡糸繊維の別の試料を80℃のホツトピン及び延
伸速度30mpmを用いて延伸比2.5で延伸した。こ
の延伸繊維について更にギ酸処理すると、その重
量減は今度は56.4重量%であつた。 インストロン引張試験機により試験すると、次
の引張特性が得られた。
ブの特徴は両成分のどちらかは適当な溶剤を用い
ると浸出することができ、そのため他方の成分か
ら成る低密度の繊維がもたらされることである。
驚くべきことに、残つている成分はその繊維とし
ての一体性を保持している。 本発明の1つの局面によれば、従つて、繊維の
長手方向軸に対して実質的に整列し、しかも互い
にランダムに連結されている繊維形成性ポリマー
の離間したフイブリルから成る、同ポリマーの溶
融紡糸繊維が提供される。 本発明のもう1つの局面によれば、チユーブ壁
がチユーブの軸に対して実質に整列している繊維
形成性ポリマーの離間したフイブリルから成る構
造を有し、それらの整列、離間したフイブリルは
互いにランダムに連結されている同ポリマーの溶
融紡糸チユーブが提供される。 所望によつては、本発明による二成分系繊維は
布帛に織成又は編成し、次いで布帛を成分繊維の
1つに対する溶剤に浸漬することによつてその成
分繊維を除去することができる。 IPN繊維を構成する2成分のうちの1成分は除
去することができ、それでも依然として凝集性の
繊維(cohernet fibre)を残していることを証明
するために、次の実験を実施例2として行つた。 実施例 2 本実施例においてその使用ブレンドの組成はポ
リプロピレン(MFI20)39.2重量%、ナイロン66
(SGグレード)58.8重量%及びナイロン11(リル
サン)2重量%であつた。紡糸可能のIPNが得ら
れた。ホール当りの吐出量は60g/分、巻取速度
は500mpmであつた。 紡糸された繊維の試料を室温で90%ギ酸中に浸
漬してナイロン66を溶解し、水洗し、室温で16時
間乾燥した。ナイロン66の除去量は45.2%であつ
た。 紡糸繊維の別の試料を80℃のホツトピン及び延
伸速度30mpmを用いて延伸比2.5で延伸した。こ
の延伸繊維について更にギ酸処理すると、その重
量減は今度は56.4重量%であつた。 インストロン引張試験機により試験すると、次
の引張特性が得られた。
【表】
この結果は、ナイロン66の除去後もポリプロピ
レンのフイブリルは依然として連続繊維を形成し
ていることを示す。両浸出試料共、2成分親繊維
より高い伸び率を有していた。その理由は親繊維
の伸びはナイロン66の存在により制限されること
にあつた。ギ酸による抽出後の紡糸繊維について
撮つた走査電子顕微鏡写真を第3図に示す。 実施例 3 本実施例においてその使用ブレンドの組成はポ
リプロピレン(溶融粘度、248℃において580ポイ
ズ)43重量%、ナイロン66(溶融粘度、284℃にお
いて800ポイズ)53重量%及び相容化剤としての
ナイロン11(リルサン−溶融粘度、284℃において
500ポイズ)4重量%であつた。ブレンドを形成
する前にナイロン66及びナイロン11を共に80℃に
おいて16時間真空乾燥した。 二重C形状のオリフイス(一方のCの向きは他
方の逆で、オリフイス幅は100μ、両Cの足は
250μ離間していた)を有する紡糸口金を通して
ブレンドを4.4g/分の吐出量で282℃で紡糸し
た。紡糸筒(空気冷却を使用)中で2本のC形状
溶融物は合着して内径が略1mmのチユーブを形成
した。チユーブは17.5m/分で巻き取つた。 チユーブの壁を通る縦及び横の断面を取ると、
ナイロン66とポリプロピレンの両成分が壁の中に
チユーブの軸に対して実質的に整列しているフイ
ブリルとして存在していることが示された。これ
らの整列したフイブリルは相互にランダムに連結
されており、その相互連結フイブリルは両成分が
チユーブ壁中で相互貫通ネツトワークとして存在
するように他成分のフイルブリルを貫通してい
た。 チユーブの試料を98%ギ酸中に2.5時間撹拌し
ながら浸漬した。これはチユーブの壁からナイロ
ン(66及び11)の約95%を除去するのに役立つ
た。チユーブは今やその軸に対して実質的に整列
し、相互間でランダムに連結されているポリプロ
ピレンの離間したフイブリルから構成されてい
た。 以上の実施例において、使用した主成分はポリ
プロピレン及びナイロン66であるが、ポリエチレ
ンテレフタレート、ナイロン66、ポリエチレン、
ポリプロピレン又はポリエチレングリコールのよ
うな繊維形成性ポリマーから選ばれるもののごと
き他の繊維形成性ポリマーの組み合せも全く等し
く用い得ることを理解しなければならない。更
に、本発明を便宜上2成分系に関して説明した
が、本発明の繊維及びチユーブは本発明の精神か
ら逸脱しない範囲で2成分より多い系からも製造
することができることを理解しなければならな
い。また、第3成分以上を使用する場合、このよ
うな成分はフイブリル形成性でもよいし、あるい
は非フイブリル形成性であつてもよい。 本発明の繊維は新規な外観を有するので、本発
明の繊維は審美性をアピールすることが望ましい
織布や編布の製造に用いることができる。また、
本発明の繊維及びチユーブの構造は極めて多孔質
であるので、それらの繊維及びチユーブは分離材
料の製造において、又は繊維壁又はチユーブ壁の
孔内に化学的な粒子を固定するのに用いることが
できる。
レンのフイブリルは依然として連続繊維を形成し
ていることを示す。両浸出試料共、2成分親繊維
より高い伸び率を有していた。その理由は親繊維
の伸びはナイロン66の存在により制限されること
にあつた。ギ酸による抽出後の紡糸繊維について
撮つた走査電子顕微鏡写真を第3図に示す。 実施例 3 本実施例においてその使用ブレンドの組成はポ
リプロピレン(溶融粘度、248℃において580ポイ
ズ)43重量%、ナイロン66(溶融粘度、284℃にお
いて800ポイズ)53重量%及び相容化剤としての
ナイロン11(リルサン−溶融粘度、284℃において
500ポイズ)4重量%であつた。ブレンドを形成
する前にナイロン66及びナイロン11を共に80℃に
おいて16時間真空乾燥した。 二重C形状のオリフイス(一方のCの向きは他
方の逆で、オリフイス幅は100μ、両Cの足は
250μ離間していた)を有する紡糸口金を通して
ブレンドを4.4g/分の吐出量で282℃で紡糸し
た。紡糸筒(空気冷却を使用)中で2本のC形状
溶融物は合着して内径が略1mmのチユーブを形成
した。チユーブは17.5m/分で巻き取つた。 チユーブの壁を通る縦及び横の断面を取ると、
ナイロン66とポリプロピレンの両成分が壁の中に
チユーブの軸に対して実質的に整列しているフイ
ブリルとして存在していることが示された。これ
らの整列したフイブリルは相互にランダムに連結
されており、その相互連結フイブリルは両成分が
チユーブ壁中で相互貫通ネツトワークとして存在
するように他成分のフイルブリルを貫通してい
た。 チユーブの試料を98%ギ酸中に2.5時間撹拌し
ながら浸漬した。これはチユーブの壁からナイロ
ン(66及び11)の約95%を除去するのに役立つ
た。チユーブは今やその軸に対して実質的に整列
し、相互間でランダムに連結されているポリプロ
ピレンの離間したフイブリルから構成されてい
た。 以上の実施例において、使用した主成分はポリ
プロピレン及びナイロン66であるが、ポリエチレ
ンテレフタレート、ナイロン66、ポリエチレン、
ポリプロピレン又はポリエチレングリコールのよ
うな繊維形成性ポリマーから選ばれるもののごと
き他の繊維形成性ポリマーの組み合せも全く等し
く用い得ることを理解しなければならない。更
に、本発明を便宜上2成分系に関して説明した
が、本発明の繊維及びチユーブは本発明の精神か
ら逸脱しない範囲で2成分より多い系からも製造
することができることを理解しなければならな
い。また、第3成分以上を使用する場合、このよ
うな成分はフイブリル形成性でもよいし、あるい
は非フイブリル形成性であつてもよい。 本発明の繊維は新規な外観を有するので、本発
明の繊維は審美性をアピールすることが望ましい
織布や編布の製造に用いることができる。また、
本発明の繊維及びチユーブの構造は極めて多孔質
であるので、それらの繊維及びチユーブは分離材
料の製造において、又は繊維壁又はチユーブ壁の
孔内に化学的な粒子を固定するのに用いることが
できる。
第1図は本発明による溶融紡糸繊維の断面構造
としての繊維構造を示す電子顕微鏡写真であり、
第2図は第1図の繊維の場合と同じ成分からなる
繊維であるが、繊維中央部分のネツトワーク構造
が不十分であることを示す繊維の断面構造として
の繊維構造を示す電子顕微鏡写真であり、そして
第3図は本発明による、繊維成分の1つが抽出除
去された多孔質の溶融紡糸繊維の外観組織として
の繊維構造を示す電子顕微鏡写真である。
としての繊維構造を示す電子顕微鏡写真であり、
第2図は第1図の繊維の場合と同じ成分からなる
繊維であるが、繊維中央部分のネツトワーク構造
が不十分であることを示す繊維の断面構造として
の繊維構造を示す電子顕微鏡写真であり、そして
第3図は本発明による、繊維成分の1つが抽出除
去された多孔質の溶融紡糸繊維の外観組織として
の繊維構造を示す電子顕微鏡写真である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 30〜70重量部の第一のポリマー成分及び70〜
30重量部の第二の不混和性ポリマー成分を含有す
るブレンドからチユーブを、各ポリマーをしてチ
ユーブの壁の中にチユーブの軸に対して実質的に
整列したフイブリルとして存在させる剪断条件下
で溶融紡糸し;ここで、該整列フイブリルは互い
にランダムに相互連結され、その相互連結フイブ
リルは他方の成分から成るフイブリルを貫通し、
しかして両ポリマーはチユーブ壁の中に相互貫通
ネツトワークとして存在し;そして チユーブ壁から2つの相互貫通ポリマーネツト
ワークの一方を適当な溶剤を用いて浸出して他方
のポリマーネツトワークから成る壁を有するチユ
ーブを製造する; 工程を含んで成る、分離材料として使用するた
めの高度に多孔質の繊維状溶融紡糸チユーブを製
造する方法。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
GB868611974A GB8611974D0 (en) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | Biocomponent fibres |
GB8611974 | 1986-05-16 | ||
GB8700247 | 1987-01-07 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62276012A JPS62276012A (ja) | 1987-11-30 |
JPH0360932B2 true JPH0360932B2 (ja) | 1991-09-18 |
Family
ID=10597975
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11997387A Granted JPS62276012A (ja) | 1986-05-16 | 1987-05-16 | 高度に多孔質の繊維状溶融紡糸チューブの製造法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62276012A (ja) |
GB (1) | GB8611974D0 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012526925A (ja) * | 2009-05-11 | 2012-11-01 | インビスタ テクノロジーズ エス エイ アール エル | 漂白抵抗性を有するナイロン絨毯の繊維 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3968307A (en) * | 1968-02-29 | 1976-07-06 | Kanegafuchi Boseki Kabushiki Kaisha | Mixed filaments |
JPS569963A (en) * | 1979-07-05 | 1981-01-31 | Tokyo Shibaura Electric Co | Lamp |
-
1986
- 1986-05-16 GB GB868611974A patent/GB8611974D0/en active Pending
-
1987
- 1987-05-16 JP JP11997387A patent/JPS62276012A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3968307A (en) * | 1968-02-29 | 1976-07-06 | Kanegafuchi Boseki Kabushiki Kaisha | Mixed filaments |
JPS569963A (en) * | 1979-07-05 | 1981-01-31 | Tokyo Shibaura Electric Co | Lamp |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
GB8611974D0 (en) | 1986-06-25 |
JPS62276012A (ja) | 1987-11-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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R250 | Receipt of annual fees |
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