JPH0360881B2 - - Google Patents
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- JPH0360881B2 JPH0360881B2 JP19312782A JP19312782A JPH0360881B2 JP H0360881 B2 JPH0360881 B2 JP H0360881B2 JP 19312782 A JP19312782 A JP 19312782A JP 19312782 A JP19312782 A JP 19312782A JP H0360881 B2 JPH0360881 B2 JP H0360881B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F7/00—Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression
- B22F7/02—Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression of composite layers
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
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Description
本発明は、合金粉末と合成樹脂粘着剤との混練
物をシート状に形成し、母材上で加熱焼結するた
めの焼結結合用合金粉末シートに関する。 従来より、この種の合金粉末シートは公知であ
り、例えば、特開昭51−83834号公報には自溶性
合金粉末を用いた合金粉末シートを金属母材上に
貼り付けたうえで加熱融着して耐摩耗性合金層を
形成することが記載されている。 かかる合金粉末シートは、母材の所望の個所に
比較的容易に耐摩耗性合金層を形成することがで
きる利点を有する。 ところで、上記のように、自溶性合金粉末と粘
着性を有する合成樹脂との混練物よりなる合金粉
末シートを母材上に接着し、液相を生じる溶融温
度にまで加熱して母材に溶融結合するものでは、
合成樹脂の消失に加えて、合金粉末の溶融に伴な
う収縮があるため、加熱後の体積収縮が大きくな
る問題がある。 この問題は、合金粉末シートの接着に際してそ
の面積が限定されないような広面に使用する場合
には、シートの収縮量を予じめ見込んで大きめの
シートを用意すれば解決されるが、逆に接着する
シートの面積が限定されるものでは、必要な部位
の全面に焼結合金層を形成することができないと
いつた不具合があつた。 一方、例えば、特開昭52−65111号公報には、
合金粉末シートを加圧状態で予じめ焼結して、所
定形状の焼結体を形成し、しかる後、母材の所望
の部位に取付けるようにしたものが開示されてい
る。かかる方法では、前述の問題、即ち焼結時の
収縮は、収縮量を予じめ見込んだ成形が行なえる
ため問題とはならない。 しかしながな、かかる方法は、工数が多くなる
うえ、予備焼結体と母材との間の結合力を大きな
ものとすることができず、せん断力が作用するよ
うな部位には適用できない本質的な欠陥がある。 本発明は、したがつて、合金粉末シートを母材
上で加熱焼結して結合するに際して、合金粉末シ
ートの収縮を可及的に抑制することができ、よつ
て接着面積が局部的に限定される場合にも、当該
局部のほぼ全面に必要な焼結合金層を形成するこ
とができる焼結結合用粉末合金シートを提供する
ことを目的としている。 このため、本発明においては、焼結温度域で液
相を生成する合金粉末を含有する第1の合金粉末
シートと、焼結温度域で液相を生成しない合金粉
末を含有する第2の合金粉末シートとの積層シー
トとして合金粉末シートを形成することを基本的
な特徴としている。 第1の合金粉末シートは、焼結温度域で液相を
生ずるので、母材との結合および第2の合金粉末
シートとの結合を促進することができ、第2の合
金粉末シートは焼結温度域で液相を生成しないの
で、焼結時に体積収縮をさほど生じない剛体層と
して機能する。 この場合、第1の合金粉末シートが第2の合金
粉末シートの片面側にのみ存在するとすると、焼
結過程で生じた液相が凝固する際に、第2の合金
粉末シートの片面に圧縮力を及ぼして、シート全
体を湾曲させ、母材との間にはく離を生じ、はく
離を生じないまでも母材との間に必要な結合強度
を得ることができない。 このため、本発明においては、前記積層シート
を第2の合金粉末シートを第1の合金粉末シート
間にサンドウイツチした少なくとも3層の積層構
造とし、第2の合金粉末シートの両面に作用する
第1の合金粉末シートの圧縮力を相拮抗させて、
シートのそりを防止し、常にシートと母材とが強
い結合力で全面的に結合しうるようにしている。 かかる合金粉末シートのそれを有効に防止する
ためには、以下に詳述するように、第2の合金粉
末シートの両側にある各第1の合金粉末シートの
各々の厚みと、第2の合金粉末シートの厚みとの
間に所定の比率を与えることが必要となる。 実際には、第2の合金粉末シートの両側に位置
する第1の合金粉末シートの各々の厚みをt1,t2
とし、第2の合金粉末シートの厚みをt3としたと
きに、t1:t3:t2の比を(0.7〜1.3):1:(0.7〜
1.3)の範囲で設定することが好ましい。 第1のシートに使用する合金粉末としては、焼
結温度域1060〜1100℃において、好ましくは10〜
50容量%程度のかなりの液相を生ずる合金粉末、
好ましくは共晶合金粉末、特にその中でも3元共
晶合金粉末を用いることができる。 以下に、好ましい3元共晶合金粉末の好ましい
化学成分および粒度分布を示す。
物をシート状に形成し、母材上で加熱焼結するた
めの焼結結合用合金粉末シートに関する。 従来より、この種の合金粉末シートは公知であ
り、例えば、特開昭51−83834号公報には自溶性
合金粉末を用いた合金粉末シートを金属母材上に
貼り付けたうえで加熱融着して耐摩耗性合金層を
形成することが記載されている。 かかる合金粉末シートは、母材の所望の個所に
比較的容易に耐摩耗性合金層を形成することがで
きる利点を有する。 ところで、上記のように、自溶性合金粉末と粘
着性を有する合成樹脂との混練物よりなる合金粉
末シートを母材上に接着し、液相を生じる溶融温
度にまで加熱して母材に溶融結合するものでは、
合成樹脂の消失に加えて、合金粉末の溶融に伴な
う収縮があるため、加熱後の体積収縮が大きくな
る問題がある。 この問題は、合金粉末シートの接着に際してそ
の面積が限定されないような広面に使用する場合
には、シートの収縮量を予じめ見込んで大きめの
シートを用意すれば解決されるが、逆に接着する
シートの面積が限定されるものでは、必要な部位
の全面に焼結合金層を形成することができないと
いつた不具合があつた。 一方、例えば、特開昭52−65111号公報には、
合金粉末シートを加圧状態で予じめ焼結して、所
定形状の焼結体を形成し、しかる後、母材の所望
の部位に取付けるようにしたものが開示されてい
る。かかる方法では、前述の問題、即ち焼結時の
収縮は、収縮量を予じめ見込んだ成形が行なえる
ため問題とはならない。 しかしながな、かかる方法は、工数が多くなる
うえ、予備焼結体と母材との間の結合力を大きな
ものとすることができず、せん断力が作用するよ
うな部位には適用できない本質的な欠陥がある。 本発明は、したがつて、合金粉末シートを母材
上で加熱焼結して結合するに際して、合金粉末シ
ートの収縮を可及的に抑制することができ、よつ
て接着面積が局部的に限定される場合にも、当該
局部のほぼ全面に必要な焼結合金層を形成するこ
とができる焼結結合用粉末合金シートを提供する
ことを目的としている。 このため、本発明においては、焼結温度域で液
相を生成する合金粉末を含有する第1の合金粉末
シートと、焼結温度域で液相を生成しない合金粉
末を含有する第2の合金粉末シートとの積層シー
トとして合金粉末シートを形成することを基本的
な特徴としている。 第1の合金粉末シートは、焼結温度域で液相を
生ずるので、母材との結合および第2の合金粉末
シートとの結合を促進することができ、第2の合
金粉末シートは焼結温度域で液相を生成しないの
で、焼結時に体積収縮をさほど生じない剛体層と
して機能する。 この場合、第1の合金粉末シートが第2の合金
粉末シートの片面側にのみ存在するとすると、焼
結過程で生じた液相が凝固する際に、第2の合金
粉末シートの片面に圧縮力を及ぼして、シート全
体を湾曲させ、母材との間にはく離を生じ、はく
離を生じないまでも母材との間に必要な結合強度
を得ることができない。 このため、本発明においては、前記積層シート
を第2の合金粉末シートを第1の合金粉末シート
間にサンドウイツチした少なくとも3層の積層構
造とし、第2の合金粉末シートの両面に作用する
第1の合金粉末シートの圧縮力を相拮抗させて、
シートのそりを防止し、常にシートと母材とが強
い結合力で全面的に結合しうるようにしている。 かかる合金粉末シートのそれを有効に防止する
ためには、以下に詳述するように、第2の合金粉
末シートの両側にある各第1の合金粉末シートの
各々の厚みと、第2の合金粉末シートの厚みとの
間に所定の比率を与えることが必要となる。 実際には、第2の合金粉末シートの両側に位置
する第1の合金粉末シートの各々の厚みをt1,t2
とし、第2の合金粉末シートの厚みをt3としたと
きに、t1:t3:t2の比を(0.7〜1.3):1:(0.7〜
1.3)の範囲で設定することが好ましい。 第1のシートに使用する合金粉末としては、焼
結温度域1060〜1100℃において、好ましくは10〜
50容量%程度のかなりの液相を生ずる合金粉末、
好ましくは共晶合金粉末、特にその中でも3元共
晶合金粉末を用いることができる。 以下に、好ましい3元共晶合金粉末の好ましい
化学成分および粒度分布を示す。
【表】
上記化学成分中、モリブデンMoは、鉄Fe、炭
素Cと結合して融点を下げ、液相の共晶温度を
1070℃とすることができる。 燐Pは、鉄Fe、炭素Cと結合して燐共晶を形
成して融点を下げ、液相の共晶温度を950℃とす
ることができる。 また、炭素Cは、鉄Fe、モリブデンMo、燐P
と結合して低融点を形成し、密度の上昇および鉄
系母材との結合性を強めることができる。 また、粒度としては、150メツシユ以上とする
ことが、シートの密度の向上および気孔率の低下
を図るうえで有利である。 一方、第2の合金粉末シートに使用する合金粉
末としては、焼結温度域1030〜1150℃で液相が生
じない合金粉末、例えば、クロムCr11.0〜13.0重
量%、残部FeのSUS410の粉末を有利に使用する
ことができる。合金粉末の粘度は、上記と同様、
150メツシユ以上とすることが好ましい。 次に、合金粉末と合成樹脂との混合の割合は、
合金粉末を97〜85重量%、合成樹脂を3〜15重量
%の範囲で選択することができる。これは、第
1、第2の合金粉末シートの両方に共通で、合成
樹脂分が3重量%より少ないと、合金粉末粒子を
相互に結合してバインダとしての機能が不足して
シートの可撓性を維持することができない。ま
た、合成樹脂分は15重量%より多くは必要でな
く、これ以上ではガス欠陥が多く発生するうえ、
シートの体積収縮率を増大させるのみである。勿
論、第1と第2の合金粉末シートの合金粉末と合
成樹脂との混合割合は同じにする必要はなく、第
1の合金粉末シートによつてサンドイツチされる
第2の合金粉末シートの合成樹脂分を第1の合金
粉末シートのそれに比して少量とし、シートとし
ての剛性を高めるようしてもよい。 また、合金粉末のバインダとして働く合成樹脂
としては、シートとして成形したときに、常温下
でシートに可撓性を与えることができるものであ
ればよいが、焼結温度まで加熱する過程で、ガス
を余り発生せず、焼結温度近傍までシートと母材
との間の接着性を維持しうるような合成樹脂、例
えばアクリル樹脂を有利に用いることができる。 さらに、第1、第2の合金粉末シートの厚み
は、0.1〜3.0mmの範囲で選択することができる。
0.1mm未満の厚みである場合には、焼結後の合金
層の厚みが0.15未満となることが予想され、必要
な仕上加工代を確保することができない。また、
各シートの厚みを3.0mmより厚くすると、焼結層
の全体厚みは4.5mm以上となつて実用上不経済で
ある。 本発明者等は、第2の合金粉末シートを第1の
合金粉末シートでサンドイツチした3層構造の合
金粉末シートを種々作製して、各層の厚みが母材
との焼結結合性に与える影響について実験を行な
つた。 この実験に際して、第1の合金粉末シートは、
C3.6重量%、P2.4重量%、Mo10.5重量%、Si、
Mn1.0重量%未満、残部Feの3元共晶合金粉末93
重量%と、合成樹脂分として7重量%のアクリル
樹脂とを、溶剤アセトンとともに混練して製作
し、実験では、第2の合金粉末シートの両側の第
1の合金粉末シートの厚みt1,t2は等しいものを
使用した。 また、第2の合金粉末シートは、95重量%の
SUS410粉末と、合成樹脂分として5重量%のア
クリル樹脂とを用いて製作した。 添付の図面にこの実験結果を示す。 グラフ中、ハツチングで囲つた範囲では、収縮
量が少なく、シートの変形が見られず、母材との
接合が良好であつた。 上記の好ましい範囲を、各第1の合金粉末シー
トの厚みt1,t2と第2の合金粉末シートの厚みt3
との比で計算すると、t1:t3:t2=(0.7〜1.3):
1:(0.7〜1.3)という比率範囲となる。 これ以外の領域では、第1と第2の合金粉末シ
ートのはく離や、全体の合金粉末シートの母材に
対するそり上りや盛り上り等のために、良好な母
材との接合性を得ることができない。 換言すれば、単に第2の合金粉末シートの両側
の第1の合金粉末シートの厚みをほぼ等しくすれ
ば、原理上は第2の合金粉末シートの表裏に作用
しうる液相凝固時の圧縮力は等しい筈であるから
第2の合金粉末シートの変形は生じないと考えら
れるが、実際には、第1、第2の合金粉末シート
の厚みの比率が、シート全体の母材に対する接合
性に大きな影響を与える。 即ち、第1の合金粉末シートの厚みが、第2の
合金粉末シートの厚みに比して薄すぎると(t1/
t3又はt2/t3<0.7)、第1の合金粉末シートの液
相分が不足して、第2の合金粉末シートに生じた
合成樹脂の消失による空孔に、十分な液相を供給
できず、第1の合金粉末シートと第2の合金粉末
シートとの結合が有効に行なわれず、液相の凝固
にともなつて、第1の合金粉末シートは、第2の
合金粉末シートに対してそりを生じ、母材との間
の接合性も悪化する。 一方、逆に第2の合金粉末シートの厚さt3が、
第1の合金粉末シートの厚さt1,t2に比して薄す
ぎる場合(t1/t3又はt2/t3>1.3)には、全体と
して液相分が過剰となり、合金化および母材との
接合は行なわれるが、もとのシート形状を保持せ
きず、また焼結層は半溶融状態で凝固した状態に
なり、粗大な組織となる。 また、上記の好ましい範囲内に厚みの比率を設
定した合金粉末シートの収縮率は5〜6%の範囲
となり、従来、市場に供されている合金粉末シー
ト(成分P1.7wt%、Mo7.4wt%、C2.5wt%、
Cr5.5wt%、残Fe)の収縮率19%に比して大幅に
小さくすることができた。 なお、上記の例では、合金粉末シートを3層機
造としたが、本発明の技術的思想の範囲内で、5
層や7層の層構造とすることもできる。 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、母材との接合性が良好でしかも収縮の少ない
合金粉末シートを提供することができる。
素Cと結合して融点を下げ、液相の共晶温度を
1070℃とすることができる。 燐Pは、鉄Fe、炭素Cと結合して燐共晶を形
成して融点を下げ、液相の共晶温度を950℃とす
ることができる。 また、炭素Cは、鉄Fe、モリブデンMo、燐P
と結合して低融点を形成し、密度の上昇および鉄
系母材との結合性を強めることができる。 また、粒度としては、150メツシユ以上とする
ことが、シートの密度の向上および気孔率の低下
を図るうえで有利である。 一方、第2の合金粉末シートに使用する合金粉
末としては、焼結温度域1030〜1150℃で液相が生
じない合金粉末、例えば、クロムCr11.0〜13.0重
量%、残部FeのSUS410の粉末を有利に使用する
ことができる。合金粉末の粘度は、上記と同様、
150メツシユ以上とすることが好ましい。 次に、合金粉末と合成樹脂との混合の割合は、
合金粉末を97〜85重量%、合成樹脂を3〜15重量
%の範囲で選択することができる。これは、第
1、第2の合金粉末シートの両方に共通で、合成
樹脂分が3重量%より少ないと、合金粉末粒子を
相互に結合してバインダとしての機能が不足して
シートの可撓性を維持することができない。ま
た、合成樹脂分は15重量%より多くは必要でな
く、これ以上ではガス欠陥が多く発生するうえ、
シートの体積収縮率を増大させるのみである。勿
論、第1と第2の合金粉末シートの合金粉末と合
成樹脂との混合割合は同じにする必要はなく、第
1の合金粉末シートによつてサンドイツチされる
第2の合金粉末シートの合成樹脂分を第1の合金
粉末シートのそれに比して少量とし、シートとし
ての剛性を高めるようしてもよい。 また、合金粉末のバインダとして働く合成樹脂
としては、シートとして成形したときに、常温下
でシートに可撓性を与えることができるものであ
ればよいが、焼結温度まで加熱する過程で、ガス
を余り発生せず、焼結温度近傍までシートと母材
との間の接着性を維持しうるような合成樹脂、例
えばアクリル樹脂を有利に用いることができる。 さらに、第1、第2の合金粉末シートの厚み
は、0.1〜3.0mmの範囲で選択することができる。
0.1mm未満の厚みである場合には、焼結後の合金
層の厚みが0.15未満となることが予想され、必要
な仕上加工代を確保することができない。また、
各シートの厚みを3.0mmより厚くすると、焼結層
の全体厚みは4.5mm以上となつて実用上不経済で
ある。 本発明者等は、第2の合金粉末シートを第1の
合金粉末シートでサンドイツチした3層構造の合
金粉末シートを種々作製して、各層の厚みが母材
との焼結結合性に与える影響について実験を行な
つた。 この実験に際して、第1の合金粉末シートは、
C3.6重量%、P2.4重量%、Mo10.5重量%、Si、
Mn1.0重量%未満、残部Feの3元共晶合金粉末93
重量%と、合成樹脂分として7重量%のアクリル
樹脂とを、溶剤アセトンとともに混練して製作
し、実験では、第2の合金粉末シートの両側の第
1の合金粉末シートの厚みt1,t2は等しいものを
使用した。 また、第2の合金粉末シートは、95重量%の
SUS410粉末と、合成樹脂分として5重量%のア
クリル樹脂とを用いて製作した。 添付の図面にこの実験結果を示す。 グラフ中、ハツチングで囲つた範囲では、収縮
量が少なく、シートの変形が見られず、母材との
接合が良好であつた。 上記の好ましい範囲を、各第1の合金粉末シー
トの厚みt1,t2と第2の合金粉末シートの厚みt3
との比で計算すると、t1:t3:t2=(0.7〜1.3):
1:(0.7〜1.3)という比率範囲となる。 これ以外の領域では、第1と第2の合金粉末シ
ートのはく離や、全体の合金粉末シートの母材に
対するそり上りや盛り上り等のために、良好な母
材との接合性を得ることができない。 換言すれば、単に第2の合金粉末シートの両側
の第1の合金粉末シートの厚みをほぼ等しくすれ
ば、原理上は第2の合金粉末シートの表裏に作用
しうる液相凝固時の圧縮力は等しい筈であるから
第2の合金粉末シートの変形は生じないと考えら
れるが、実際には、第1、第2の合金粉末シート
の厚みの比率が、シート全体の母材に対する接合
性に大きな影響を与える。 即ち、第1の合金粉末シートの厚みが、第2の
合金粉末シートの厚みに比して薄すぎると(t1/
t3又はt2/t3<0.7)、第1の合金粉末シートの液
相分が不足して、第2の合金粉末シートに生じた
合成樹脂の消失による空孔に、十分な液相を供給
できず、第1の合金粉末シートと第2の合金粉末
シートとの結合が有効に行なわれず、液相の凝固
にともなつて、第1の合金粉末シートは、第2の
合金粉末シートに対してそりを生じ、母材との間
の接合性も悪化する。 一方、逆に第2の合金粉末シートの厚さt3が、
第1の合金粉末シートの厚さt1,t2に比して薄す
ぎる場合(t1/t3又はt2/t3>1.3)には、全体と
して液相分が過剰となり、合金化および母材との
接合は行なわれるが、もとのシート形状を保持せ
きず、また焼結層は半溶融状態で凝固した状態に
なり、粗大な組織となる。 また、上記の好ましい範囲内に厚みの比率を設
定した合金粉末シートの収縮率は5〜6%の範囲
となり、従来、市場に供されている合金粉末シー
ト(成分P1.7wt%、Mo7.4wt%、C2.5wt%、
Cr5.5wt%、残Fe)の収縮率19%に比して大幅に
小さくすることができた。 なお、上記の例では、合金粉末シートを3層機
造としたが、本発明の技術的思想の範囲内で、5
層や7層の層構造とすることもできる。 以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、母材との接合性が良好でしかも収縮の少ない
合金粉末シートを提供することができる。
図面は、第1の合金粉末シートの厚みt1,t2と
第2の合金粉末シートの厚みt3との比率を種々変
化させたときの実験結果を示す図である。
第2の合金粉末シートの厚みt3との比率を種々変
化させたときの実験結果を示す図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 合金粉末を粘着性を有する合成樹脂で結合し
てなる合金粉末シートを母材の任意部位に接着し
た後加熱して母材に焼結結合せしめるようにした
合金粉末シートにおいて、 焼結温度域で液相を生成する合金粉末を含有さ
せた第1のシートと、焼結温度域で液相を生成し
ない第2のシートとの積層シートとして合金粉末
シートを構成し、該積層シートは第2のシートの
両側に夫々第1のシートを積層した少なくとも3
層の層構造を有し、かつ、各第1のシートと第2
のシートの各々の厚みは、焼結時に合金粉末シー
トが母材に対しそりを生じない所定の比率に設定
されたことを特徴とする焼結結合用粉末シート。 2 特定請求の範囲第1項記載の焼結結合用合金
粉末シートにおいて、 第2のシートの両側の第1のシートの厚みを
夫々t1,t2とし、第2のシートの厚みをt3とした
ときに、これら厚みの比t1:t3:t2が、(0.7〜
1.3):1:(0.7〜1.3)の範囲で設定されたことを
特徴とする焼結結合用合金粉末シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19312782A JPS5983705A (ja) | 1982-11-01 | 1982-11-01 | 焼結結合用合金粉末シ−ト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19312782A JPS5983705A (ja) | 1982-11-01 | 1982-11-01 | 焼結結合用合金粉末シ−ト |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5983705A JPS5983705A (ja) | 1984-05-15 |
JPH0360881B2 true JPH0360881B2 (ja) | 1991-09-18 |
Family
ID=16302711
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19312782A Granted JPS5983705A (ja) | 1982-11-01 | 1982-11-01 | 焼結結合用合金粉末シ−ト |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5983705A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60181203A (ja) * | 1984-02-24 | 1985-09-14 | Mazda Motor Corp | 金属基体表面に焼結層を形成する方法 |
-
1982
- 1982-11-01 JP JP19312782A patent/JPS5983705A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5983705A (ja) | 1984-05-15 |
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