JPH0359308B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （関連産業分野） 本発明は油圧式バーナーに使用する電磁弁の改
良に関するものである。

（従来技術） 従来油圧式バーナーの燃焼量を供給油圧又は戻
り油圧によつて無段階に変化させる場合、燃料制
御部分とその駆動部分がそれぞれ別々に取付けら
れ、これらが２次的にリンケージ等で繋がつてい
た。この為、リンケージの位置、角度等によつて
燃焼量の制御の一様性を得ることがなかなか困難
であつた。又制御部分は精密を要し、特に小型油
圧バーナーでは均一な制御性能をもつ量産品の製
作は困難であつた。

（発明の解決しようとする問題点及目的） 従来技術の問題点に鑑み、油圧式バーナーの供
給油圧制御或いは戻り油圧制御の両制御を自動制
御でき、しかも安価に行いうるようにしようとす
るものである。

（解決手段） 本体内に設けたフリーシリンダと密接して摺動
可能であつて、油出口側に向つてフリーシリンダ
ーとの間に形成される油路面積が次第に変化する
ような溝を円筒面に複数条切られたピストンと、
該ピストンを前記溝の油路面積が大きくなる方向
に移動させる駆動装置とを具え、該駆動装置をボ
ビンコイルに電圧を印加することにより固定磁気
ヘツド及びパワープランジヤが互いに引張り又は
押圧することによつて行うようにしたことを特徴
とする。

（第１実施例） 第１図に基いて説明する。Ａは本発明に係る電
磁弁、１はその本体で、先端に油出口２を有し、
中心部が中空で、こゝにピストン３が同心的に嵌
つている。ピストン３は精密加工されたフリーシ
リンダ４内に下ばね５を挟んで納まつている。３
ａはピストン３の円筒面に軸方向に複数条切られ
たＶ溝で、油出口２に向つてＶ溝の幅は次第に広
くなつている。６はピストン３と一体のパワープ
ランジヤで、本体１に対しＯリング８でシールさ
れたガイドケース７内に摺動可能に嵌挿されてい
る。パワープランジヤ６は中心部が中空で、こゝ
に嵌挿された上ばね１０は磁性体よりなる固定磁
気ヘツド９との間に納つている。６ａはパワープ
ランジヤ６内の油孔で上ばね１０の嵌挿された中
空部とフリーシリンダ４の外側に形成された油室
１１を連通させている。固定磁気ヘツド９は中心
に油孔９ａを備え、該油孔９ａは油入口継手１２
の油入口１２ａと連つている。

１３は本体１にねじ１３ａで固定された下板で
ある。１４はボビンコイルで、下板１３とガイド
ケース７及び油入口継手１２の外側に巻きつけら
れている。１５はボビンコイル１４のキヤツプ
で、下板１３と油入口継手１２に嵌めたワツシヤ
ー１６で固定されている。１７は電線である。

以上の如き構成の電磁弁Ａは第３図の如くオイ
ルポンプ１８からバーナー１９への送油回路と油
タンクへの戻り管路間に設置され、バーナー１９
の油圧力を無段階制御することにより油量を無段
階に制御することができる。

第４図はバーナー１９のノズルからの戻し油管
路に本発明の電磁弁を設けてバーナー１９のノズ
ルよりの戻し油量を無段階に変化させることによ
り、油量を無段階制御する例である。

尚油圧バーナー以外にも、第５図の如く他液体
の流れる管路中に本電磁弁を入れることにより、
流量の変化を無段階に変化させることができる。

（作用） 油入口１２ａより、ある一定圧力Ｐ（Kg／cm²）
の油が供給されると、供給された油は油入口継手
１２→固定磁気ヘツド９内の油孔９ａ→パワープ
ランジヤ６内を通つて、油孔６ａ→油室１１へと
流入する。そして気密に加工され、油漏れが殆ど
ない状態に嵌合しているフリーシリンダ４とピス
トン３の部分で油の流れはストツプされる。

この状態において、ボビンコイル１４に電圧を
徐々に印加して行くと、パワープランジヤ６及び
固定磁気ヘツド９は互いに引合い、パワープラン
ジヤ６は図の右側に向つて少しずつ引張られる。
所定の所までパワープランジヤ６が手張られる
と、パワープランジヤ６と一体となつているピス
トン３も同時に所定の所まで引張られる。する
と、ピストン３の円筒面に複数乗切られたＶ溝３
ａの右端がフリーシリンダ４の右端よりさらに右
側に出るので、Ｖ溝３ａが油の出口溝として機能
し始める。従つて油入口１２ａより供給された油
は、本体１内の油室１１から油出口２を通つて供
給される。

さらにコイル１４の印加電圧を上げるとさらに
パワープランジヤ６は右側に引上げられ、Ｖ溝の
開口面積がより大きくなり、供給された油は大量
に油出口２を通つて油タンク側に戻される。この
ようにしてボビンコイル１４に印加する電圧を
徐々に上昇又は下降させることにより無段階に油
量を変化させることができる。出口、入口は逆に
なつてもさしつかえない。

尚、ボビンコイル１４への印加電圧は半波整流
電圧、位相制御電圧、パルス周波数（定電圧）、
パルス電圧巾、直流電圧等何れも可能である。

印加電圧が前記の半波整流電圧、位相制御電
圧、パルス周波数及びパルス電圧巾の場合は、供
給される周波数に応じてパワープランジヤ６及
び、ピストン３はフリーシリンダ４内をピストン
運動をしながら油流出量を変化させていくことと
なる。

尚、ピストン３を上下させるための構造はボビ
ンコイル１４への電圧印加に限らず、ピストン３
をダイヤフラム弁に直結することにより、あるい
は空気圧力による制御でも勿論さしつかえない。
又、パワープランジヤ６、ピストン３は上下バネ
により密着できるので分離していてもさしつかえ
ない。

（第２実施例） 第２図に基いて説明する。１は電磁弁A′の本
体で、先端に油出口２を有し、中心部が中空で、
こゝにピストン３が同心的に嵌つている。ピスト
ン３は精密加工されたフリーシリンダ４内に下ば
ね５を挟んで納まつている。３ａはピストン３の
円筒面に軸方向に複数条切られた溝で、油出口２
に向つて溝の幅は狭くなつている。６はピストン
３と別体（一体でも勿論さしつかえない）のパワ
ープランジヤで非磁性体よりなるガイドケース７
内に摺動可能に嵌挿されている。パワープランジ
ヤ６は中心部が中空で、こゝに嵌挿された上ばね
１０は磁性体製の固定磁気ヘツド９との間に納つ
ている。６ａはパワープランジヤ６内の油孔で上
ばね１０の嵌挿された中空部とフリーシリンダ４
の外側に形成された油室１１を連通させている。
固定磁気ヘツド９は中心に油孔９ａを備え、該油
孔９ａは油入口継手１２の油入口１２ａと連つて
いる。

１３は本体１にねじ１３ａで固定された下板で
ある。１４はボビンコイルで、下板１３とガイド
ケース７及び油入口継手１２の外側に巻きつけら
れている。１５はボビンコイル１４のキヤツプ
で、下板１３と油入口継手１２に嵌めたワツシヤ
ー１６で固定されている。１７は電線である。

（第２実施例の作用） 油入口１２ａより、ある一定圧力Ｐの油が供給
されると、供給された油は油入口継手１２→固定
磁気ヘツド９内の油孔９ａ→パワープランジヤ６
内を通つて、油孔６ａ→油室１１へと流入する。
そして気密に加工され、油漏れが殆どない状態に
嵌合しているフリーシリンダ４とピストン３の部
分で油の流れはストツプされる。

この状態において、ボビンコイル１４に電圧を
徐々に印加して行くと、パワープランジヤ６が固
定磁気ヘツド９は互いに反発しあい、パワープラ
ンジヤ６は図の左側に向つて少しずつ押される。
所定の所までパワープランジヤ６が押されると、
パワープランジヤ６と別体で同軸的に係合してい
るピストン３も同時に所定の所まで押される。す
ると、ピストン３の円筒面に複数条切られた溝３
ａの深さが深くなり、溝３ａが油の出口溝として
機能し始める。従つて、油入口１２ａより供給さ
れた油は、本体１内の油室１１から油出口２を通
つて供給される。

さらにコイル１４の印加電圧を上げるとさらに
パワープランジヤ６は左側に押され、溝３ａの開
口面積がより大きくなり、供給された油は大量に
油出口２を通つて供給される。このようにしてボ
ビンコイル１４に印加する電圧を徐々に上昇又は
下降させることにより無段階に油量を変化させる
ことができる。なお入口・出口は逆になつてもさ
しつかえない。

（効果） 本体内にあつて、フリーシリンダと密接して摺
動可能であつて、油出口側に向つてフリーシリン
ダーとの間に形成される油路面積が次第に変化す
るような溝（テーパー溝を含む）を円筒面に複数
条切られたピストンを前記溝の油路面積が大きく
なる方向に移動させる駆動装置を具え、この駆動
装置をボビンコイルに電圧を印加することによ
り、固定磁気ヘツド及びパワープランジヤーは互
いに引合、反発しあいすることにより引張り、又
は押圧することによつて行うようにした。

このように構成したので、 １） 油流量を一様性を持つて無段階に変化させ
ることができる。

２） 可動部及び駆動部が一体となつているため
装置が非常にコンパクトになつた。

３） 自動での油量制御装置を安価に提供でき
る。

４） ピストンの円筒面に次第に幅が広くなる溝
を設け、これを移動することによつて油路を制
御する方式であるからゴミづまり等によるバー
ナーの故障がなくなる。

５） 駆動が直接駆動となるため制御性が抜群に
上昇した。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例断面図。第２図は
同じく第２実施例断面図。第３図。第４図及び第
５図は本発明電磁弁の小型バーナー回路への配管
例を示す。 図において；１…本体、２…油出口、３…ピス
トン、３ａ…Ｖ溝、４…フリーシリンダ、５…下
ばね、６…パワープランジヤー、６ａ…油孔、７
…ガイドケース、８…Ｏリング、９…固定磁気ヘ
ツド、９ａ…油孔、１０…上ばね、１１…油室、
１２…油入口継手、１３…下板、１４…ボビンコ
イル、１５…キヤツプ、１６…ワツシヤー、１７
…電線、１８…オイルポンプ、１９…バーナー、
２０，２１…管路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 本体内に設けたフリーシリンダ４と密接して
   摺動可能であつて、油出口側に向つてフリーシリ
   ンダー４との間に形成される油路面積が次第に変
   化するような溝３ａを円筒面に軸方向に複数条切
   られたピストン３と、該ピストン３を前記溝３ａ
   の油路面積が大きくなる方向に移動させる駆動装
   置とを具え、該駆動装置はボビンコイル１４に電
   圧を印加することにより固定磁気ヘツド９及びパ
   ワープランジヤ６が互いに引張り又は押圧するこ
   とによつて行うようにしたことを特徴とする油圧
   式バーナーに使用する電磁弁。 ２ ピストンの駆動装置に印加する電圧は位相制
   御、パルス発信数制御、パルス巾制御、直流電圧
   制御、、交流電圧制御によつて動作する装置であ
   ることを特徴とする特許請求の範囲１記載の油圧
   式バーナーに使用する電磁弁。