JPH0359094A - レールおよび車輪用潤滑剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、レールや車輪の摩耗、機関車の燃料を削減さ
せる合成エステル系潤滑剤に関するものである。

従来の技術 近年、鉄道輸送は高軸重化、高速化を指向しつつあり、
それに伴いレール頭部並びに車輪フランジ、踏面の摩耗
が増加している。また、レールと車輪間の摩耗損失も膨
大であり、これを軽減することが、機関車の燃費を向上
させる上で、重要な課題となっている。

従来、このような要求を満足し得る潤滑剤としては、モ
ーター油、酸化亜鉛カルシウム、脂肪酸などを主成分に
するアラジングリース、各種グリースにグラファイトや
二硫化モリブデン、銅粉末、ポリマー粉などを添加した
潤滑剤、ヴアーデン・レールオイル（潤滑油）などが知
られている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら最近の鉄道各社では、高軸重化、高速化を
積極的に推進しているため、レールと車輪間の荷重条件
が過酷になり、また車両連結数の増加によって、従来の
潤滑剤では、充分な摩耗の防止、燃費の軽減が果たせな
い場合が生じてきた。

特にレールや車輪を潤滑する場合は、通常の工業分野で
使用される、密封された容器内の場合での使用特性とは
異なり、全く囲いのないレールと車輪間に供給されるた
め、潤滑剤の保持性、延び性、回り込み性といった特別
な性質が車両の燃費向上に必要となる。以下に、この三
つの特性について説明する。

（１）保持性とは、先頭車両で潤滑剤をレールに供給し
た場合、後続の何両目まで潤滑剤が切れずにその潤滑効
果を継続できるか、またレールのある位置に潤滑剤を供
給した場合、その潤滑剤が何車両、何列車の走行後まで
潤滑性を継続しうるか、という性能である。

（２）延び性とは、主にレール１カ所に潤滑剤を供給し
た場合、その潤滑剤が車輪との接触において、レールの
列車進行方向に何ｍ延びるか、という性能である。

（３）回り込み性とは、潤滑剤を第１図に示すレール頭
側部ｌまたは車輪７ランジ部３に供給した場合、レール
と車輪間でどれだけ潤滑剤がレール頭頂部２に回り込ん
で、はみ出してくるかという性能で、潤滑剤の回り込み
が大きいとレール頭頂面と車輪の粘着力が低下し、空転
やブレーキ性能が低下等の原因になる。

レールや車輪の潤滑剤の場合は、これらの性能を数多く
満たすことが要求されるが、従来のグリース系潤滑剤や
潤滑油では、いずれの性能も現状のレールや車輪の摩擦
条件にとって不十分のものであった。

本発明はレールや車輪の摩耗を軽減させ、かつ上記の性
能を満足することにより、機関車の燃料を削減させるレ
ールおよび車輪用潤滑剤を供給しようとするものである
。

本発明と同様成分の潤滑剤は、鋼板などの圧延、切削加
工、研削加工、プレス加工、引抜き加工等に適用可能な
潤滑剤として、特願昭１１３−１３０４４９号に示され
ている。しかし、本発明は、従来の用途とは明確に異な
り、レールや車輪の摩耗を軽減させるだけではなく、先
に述べたレールと車輪潤滑特有の３つの性能を満足する
ことにより、機関車の燃料を削減させることを主眼とし
たレールおよび車輪用潤滑剤を供給しようとするもので
ある。

課題を解決するための手段 この発明のレールおよび車輪用潤滑剤は、合成エステル
を基油とし、これに固体潤滑剤を添加したものである。

この発明の合成エステルは、下記一般式（１）のアルコ
ールおよび下記一般式（２）のアルコールの少くとも一
つまたはこれらアルコールの水素添加物と、炭素数６以
上の脂肪酸または前記脂肪酸とロジン、水素添加ロジン
、不均斉化ロジンもしくは重合ロジンの混合物とのエス
テル化生酸物である。

・（１） ・　・　・（２） ただし、Ｘｔ　、　　Ｘ２　：　Ｈ７りはＣＨ。

ｎ：０または１〜１０の整数 一般式（１）のアルコールは、ビスフェノールＡ（４，
４’−ジヒドロキシジフェニル−２，２−プロパン）、
ビスフェノールＦ（ジヒドロキシジフェニルメタン）、
その水素添加物、およびそれらにエチレンオキサイドま
たはプロピレンオキサイドを所定量付加させたポリエー
テルポリオールである。

また、一般式（２）のアルコールは、ビスフェノールＳ
’（４，４’　−ジヒドロキシフェニルスルホン）、そ
の水素添加物、およびそれらにエチレンオキサイドまた
はプロピレンオキサイドを所定量付加させた含イオウア
ルコールである。

一般式（１）および（２）のポリオールおよびその水素
添加物では、ｎは１−１０の範囲がよく、ｎが１１以上
になると分子量が大きくなり、かつエーテル結合の増加
と共に潤滑性および耐焼付性が減少する。

脂肪酸としては、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、
ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキン酸、ベヘニン酸、モンタン酸、パルミトオ
レイン酸、オレイン酸、エルカ酸、リシノール酸、ヒド
ロキシステアリン酸、リノール酸、リルン酸、イソオク
チル酸、イソデカン酸、インラウリン酸、インミリスチ
ン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、インアラ
キン酸などの炭素数６以上の脂肪酸が使用される。また
、ラノリン脂肪酸、魚油脂肪酸、・大豆油脂肪酸、ヤシ
油脂肪酸、牛脂脂肪酸などおよびそれらを水素添加した
脂肪酸などの天然脂肪酸を使用することもできる。炭素
数５以下の脂肪酸を用いた場合には潤滑性および耐焼付
性が劣る。

一方、脂肪酸の炭素数の上限は規制しないが。

一般に工業的に安価に入手可能な範囲としては炭素数３
０以下が好ましい。

また、ロジンとは一般に知られているもので、たとえば
トールロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどがある。

これらの口′ジンに水素添加を行なったものが水素添加
ロジンである。不均斉ロジンの不均斉化とは、一般に同
一化合物のある分子は還元を、他の分子は酸化を受ける
反応を言う、この発明における不均斉化ロジンは、水素
添加ロジンと同じように７ビエチン酸やビマール酸分子
などの構成分子が還元されたものである。また、重合ロ
ジンはロジン（単量体）が２個以上化学的に結合して分
子量が大きいロジン化合物（重合体）である。

脂肪酸と各種ロジンとの混合系の場合における配合比率
は潤滑性の面から、脂肪酸：各種ロジン＝９５：５〜２
５ニア５の重量比が良い、また、更に好ましくは９０：
１０〜４０：θ０の重量比が良い。

エステル化反応は、無触媒または触媒存在下通常の方法
で行ない、この発明のエステル化生成物を合成すること
ができるが、合成法は特に限定するものではない。

上記合成エステルよりなる基油に添加する固体潤滑剤と
して、雲母、グラファイト、二硫化モリブデン、銅粉末
、ＰＴＦＥ　（ポリテトラフロロエチレン）、チタン酸
カリウム（ｋ２０　ｅ　ｎＴｉＯ２−Ｘ、　Ｘ：水和物
−・・・例えばに、Ｏ・８Ｔｉ０２テイスモーＤ、ｋ２
０・ｆ３Ｔｉ０２　・１／２１２０テイスモーＬ、大塚
化学■製の商品名）、リン酸カリウム（Ｋ３ＰＯ，、Ｋ
ＰＯ３）等の無機化合物やＭＣＡ（メラミンシアヌレー
ト：三菱油化■製の商品名）、Ｎ（−ラウロイルリシン
（味の素■製：商品名アミホープＬＬ）等の化合物の超
微粉体（例えば、０．１〜５０ｇｍ）を用いる。これら
の固体潤滑剤のうちの複数種を混合して添加してもよい
。

これら固体潤滑剤の添加量は、０．１〜３０重量％であ
る。添加量が０．１％未満であると潤滑性の向上が見ら
れず、また３０％を超えると潤滑性の向上が飽和し、固
体潤滑剤がむだとなる。

本発明の潤滑油は、上記合成エステルを基油として固体
潤滑剤を添加して使用するが、また他にこれらを鉱物油
や勤・植物油脂と混合し、乳化剤を加えてエマルション
液として用いることもできる。

他に、実用油滑剤に添加剤として常用されている乳化剤
、脂肪酸、酸化防止剤、腐食防止剤と組合せて使用する
こともできる。

本発明の合成エステルを他の基油等と混合して用いる場
合には、１０！＆量％以上の含有量とすることが望まし
い、また固体潤滑剤の添加量は０．１〜３０重量％であ
る。

本発明のレールおよび車輪用潤滑剤は、上記合成エステ
ル単体かつ上記固体潤滑剤を添加使用する。

以下本発明のエステルの合成法の一例を示す。

合成例 攪拌機、温度計、窒素ガス吹込管、水分離器を備えた４
ツロフラスコに日本乳化剤■製Ｎｅｗｃｏ　！１９００
　（ビスフェノールＡエチレノキサイド２モル付加物）
　２８８ｇ、イソステアリン酸＄８７１　　（エメリー
社製）　５８５ｇを仕込み、触媒としてリン酸を０．５
ｇ添加し、キシレンを還流溶剤として仕込量の５％を添
加し、よく攪拌し、混合物を１８０〜２３０℃にて計算
量の水が留出するまで反応を行なった。

その必要時間は５時間であった０反応終了後減圧にてキ
シレンを留去後、活性白土にて脱色ろ過して黄色液体を
得た。収量７８８ｇ、酸価２．Ｌであった（試料Ｂ）。

以下、同様の方法で合成エステルを製造した。

得られた合成エステルの性状などを第１表〜第２表に示
した。

実施例 次に本発明の一実施例について説明する。まず説明の便
宜上、第１＠にレールおよび車輪の各位置の呼称を表示
する。ｌはレール頭側部、２はレール頭頂部、３は車輪
フランジ部、４は車輪路面部である。

第２表には、本発明のエステル系潤滑剤（記号Ｂ）と、
固体潤滑剤を含有させた本発明のエステル系潤滑剤（記
号Ｉ）、Ｅ、１．Ｌ）を示す。

次いで本発明の潤滑剤の耐摩耗性、保持性、延び性１回
り込み性を評価する目的で、第３表に示す本発明潤滑剤
（記号Ｂ、Ｄ、Ｅ、Ｉ、Ｌ）と比較潤滑剤として、グリ
ース系潤滑剤（記号Ｍ）、潤滑油（記号Ｎ）を用いた保
持性、延び性１回り込み性評価試験を行った。

試験に用いた実験装置は、特願昭１１１２−１４７００
７に示されている潤滑性能試験装置を用いた。すなわち
、第２図に平面図を、第３図に側面図を示すような、ド
ラムに溝をスパイラル状に設け、回転自在なスクリュー
と、前記溝に係合し回転自在かつ軸方向に移動自在なデ
ィスクとを有するもので、ディスクに連結しその軸方向
に付勢力を付加する駆動装置と、ディスクの軸に設けら
れたトルク検出器とから゛なる。実験条件は第４表に示
す通りである。

以下に、潤滑剤の保持性、延び性、回り込み性の試験方
法について順を追って述べる。

保持性はレール試験片ドラム５上の点Ａに潤滑剤を０．
２ｇｆ塗布する。その後スクリュー５とディスク１０を
接触させ、一定の距離回転（回転速度はレールが１８８
ｒｐｍ、車輪試験片が１８８ｒｐｓ）させた後、ディス
ク１０をスクリュー５から放し、回転を停止する。この
工程を４０回繰り返し、車輪輌トルクの上昇カーブおよ
び４０回繰り返し後の車輪軸トルクを保持性のパラメー
タとする。

延び性は保持性テストと同じ要領で潤滑剤を塗布して接
触回転（回転速度は保持性試験と同じ）し、最初の回転
工程における、スクリュー上の位置Ｂと位ｔｃをディス
クが通過したときの車輪軸トルクの上昇勾配を、延び性
のパラメータとする。

回り込み性については、特願昭８３−３１８９７８号の
レール潤滑剤回り込み性評価方法を用いた。すなわち第
２図のスクリュー状のレール６の頭側部に蛍光塗料を適
量混ぜたレール潤滑剤を散布し、試験装置を運転し、前
記レール潤滑剤散布箇所付近を紫外線で照射して写真撮
影し、その写真に写っている蛍光を発している潤滑剤の
影像のうち、レール試験片５の頭頂面に回り込んだ表面
積の大小を判定してレール潤滑剤の回り込み性を評価す
る。

具体的には、潤滑剤を適量ビーカー等の容器にとり、こ
れに蛍光塗料、たとえばマークチック株式会社製の０Ｌ
２００を微量、たとえば０．２重量％混ぜる。これを所
定の量、たとえば２０ｍｇ、前記の試験装置のレール６
の肩部に散布する（第４図参照）０次に試験装置のモー
タ７を始動し、レール試験片ドラムを周速１３ｋｍ／ｈ
（３，８ｍ／ｓ）で回転させる。ディスク１０が第２図
のＤ方向に移動し終わったところで試験装置の運転を停
止し、中心波長３０００　Ａのブラックライトをドラム
５面に照射しながら、ドラム５を手で回して蛍光を発し
ている部分を目当てに潤滑剤散布箇所を捜す、散布箇所
を見つけたらドラム５を止め、撮影に移る。

第２図に示すように、レール６の潤滑剤散布箇所側にカ
メラ２１を配置し、ブラックライト２２をその反対側に
セットして撮影する。このとき、レール６の形状も同時
に影像に現れるように、ブラヲクライト２２と共に自然
光または可視光線帯域の照明も併用する。

第５図は、このようにして撮影した写真の図解例を示す
、２３が潤滑剤散布箇所、２４がレール６の頭頂面に回
り込んだ潤滑剤を示している。

この写真の影像に基づいて、レール６の頭頂面に回り込
んだ潤滑剤の面積を数値化する。これには、半透明のセ
クションペーパーを印画紙に当て、蛍光を発している回
り込み部分の輪郭を描き、その輪郭に含まれている掛目
を数えることにより、面積を求める。（３１は頂面であ
る。）複数の潤滑剤について撮影をするとき、相互の回
り込み面積の相関をとるために、第６図に示すようにレ
ール上の潤滑剤供給装置の真近に長さ補正用の印（たと
えばテープを貼るか塗料でマーキングする）を２方向に
付けて、面積の補正を行う、（３２は基準用ペイント、
３３は供給した潤′滑剤である。） 以下、評価試験結果について述べる。荷重などの実験条
件は第４表に示す通りである。第７図は保持性試験結果
を示す図で、横軸がスクリューとディスクの回転を繰り
返した工程数を、縦軸には車輪軸のトルクを示す０本発
明の潤滑剤Ｂ、Ｄ、Ｅ、１．Ｌのトルク上昇は、従来の
グリース系潤滑剤Ｍや潤滑油Ｎに比べてトルク上昇が小
さく。

本発明の潤滑剤が保持性に優れていることが確かめられ
た。

次ぎに、延びに関する評価試験結果を第８図に示す、横
軸が点Ｂと点Ｃ１縦軸が車輪軸のトルクであり、本発明
の潤滑剤Ｂ、Ｄ、Ｅ、１．Ｌの点Ｂと点Ｃ間のトルク上
昇は、従来のグリース系潤滑剤Ｍや潤滑油Ｎの上昇率に
比べて著しく小さく、本発明の潤滑剤が延び性にも優れ
ていることが確かめられた。

第９図は回り込み性に関する試験結果で、縦軸は回り込
み面積（ａｍ２）を示す０本発明の潤滑剤Ｂ、Ｄ、Ｅ、
工、Ｌは、従来のグリース系潤滑剤Ｍや潤滑油Ｎのはみ
出し量に比べて著しく小さく、本発明の潤滑剤が耐回り
込み性に優れていることが確かめられた。

第４表 実験条件 発明の効果 以上のように、本発明の潤滑剤は、レールや車輪の摩耗
を軽減させ、レールや車輪の潤滑にとって最も重要な保
持性、延び性、回り込み性のいずれにおいても、従来の
グリース系潤滑剤や潤滑油に比べて優れた性能を有する
、車輪の燃費向上に優れた効果を発揮するレールおよび
車輪用潤滑剤である。

【図面の簡単な説明】

第１図はレールおよび車輪の各部の呼称を表示した図、
第２図は潤滑剤の性能評価試験ＩＩｃｍの平面図、第３
図は潤滑剤の性能評価試験装置の側面図、第４図はレー
ル部における潤滑剤と塗布箇所を示す説明図、第５図は
撮影した写真の影像の例を示す図、第６図は潤滑剤の回
り込み面積を補正するための方法の説明図、第７図は保
持性に関する試験結果を示した図、第８図は延び性に関
する試験結果を示した図、第９図は回り込み性に関する
試験結果を示した図である。 １・・・レール頭側部、２・・・レール頭頂部、３◆・
・車輪フランジ部、４・・・車輪踏面部、５＃・・ドラ
ム、６・・・レール、７・・・モータ、８・・・変速機
、９．１８・・・駆動軸、１０・・−ディスク、１１・
・・歯車機構、１２．１５・・・油圧シリンダ、１３・
・・伝達軸、１４・・・ディスク保持具、１６・・・軸
、１７・・・チェーン、ｌ！３−・・ピボット、２０・
・・トルク検出器、２１・・φカメラ、２２・・・ブラ
ックライト、２３・・・潤滑剤塗布箇所、２４・・・回
り込んだ潤滑剤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、下記一般式（１）のアルコールおよび下記一般式（
   ２）のアルコールの少くとも一つまたはこれらアルコー
   ルの水素添加物と、炭素数６以上の脂肪酸または前記脂
   肪酸とロジン、水素添加ロジン、不均斉化ロジンもしく
   は重合ロジンの混合物とのエステル化生成物よりなる潤
   滑剤を含有し、かつ固体潤滑剤を含有することを特徴と
   するレールおよび車輪用潤滑剤。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・（１） ▲数式、化学式、表等があります▼・・・（２） （ただし、Ｘ＿１、Ｘ＿２はＨまたはＣＨ＿３を、ｎは
   ０または１〜１０の整数を示す。）