JPH0357210B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は静電気を利用する繊維の分繊装置の構
成に関するものである。

従来、紡績方法には天然繊維又はカツト人造繊
維等の短繊維を梳綿機により分繊する方法と、ト
ウ状の人造繊維を梳綿機を使用せずに分繊するい
わゆるトウ紡績の方法とがある。

梳綿機を使用する場合はカードドラムに巻着さ
れた針布やメタリツク針負の針先、歯先に繊維を
引掛けることによりくしけずられ、引き伸ばされ
て一定方向に並べられてウエブを形成する。ま
た、トウ紡績ではベルトローラ、或はギル等によ
り分繊されるが、前者の梳綿機による分繊方法で
は繊維がカードローラの針布と針布な間で梳綿さ
れる時、フツクやネツプを生じたり、切断や捲付
きが発生し易く、その生産量の増大には限界があ
る。

一方、トウ紡績では分繊能力に限界があり、梳
綿機の代替えにはならず限定された用途のみで使
用されているにすぎない。

本発明は上記の問題点を解消するものであり、
従来の機械的な分繊装置に代り、静電気を利用す
ることにより高生産の分繊装置を提供するもので
ある。以下、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

実施例 １ 第１図及び第２図に示す様に駆動源（図示して
いない）により高速回転する円筒体１の表面２に
多数の微小な電極３を設け、正又は負の電気を帯
電させる。該円筒体の軸方向と直交する一方側に
原料繊維供給装置４及び他方側にドツフイング装
置５を配置して分繊装置を形成した。

このように形成された分繊装置による分繊は、
繊維供給装置４より供給された繊維６が円筒体の
電極３に与えられた電荷により電極に付着し、円
筒体の高速回転により発生する高速気流により電
極３に付着した繊維６は円筒体の回転方向に引き
伸ばされ、一部は円筒体表面の気流層中に浮遊す
るか、或は他の電極間に伸ばされて把持される。
この分繊作用は時間と共に加算され、一定時間後
は円筒上にバラツキが極めて少ない均等なウエブ
状に形成される。上記ウエブはドツフイング装置
により剥取りウエブ状態又は後工程に供給され
る。

尚、回転体表面に設ける電極は多数の微小な電
極を適当な間隔で設けたシートやフイレツトを円
筒体表面に取付けてもよく、またメタリツク針布
状のワイヤーをスパイラル状に巻付けて歯先を電
極となし、歯間を絶縁材にて埋め込んでもよい。

実施例 ２ 第３図に示す様に実施例１と同様に形成した円
筒体１の軸心方向と平行状態に近接して配置した
ベルトコンベヤー又は小径ローラ等の原料繊維供
給装置７の表面に円筒体表面電極の電荷と異符号
の電荷を荷電し、繊維を供給装置と同符号に荷電
する。また、円筒体表面の一部に電化供給装置８
を配置し、円筒体表面の電極の電位を一定値に維
持或は増減させたりすることもでき、円筒体表面
の電極への繊維付着を均一化し、制御も可能とな
る。

尚、電荷供給装置として回転ブラシやバー状ブ
ラシを使用してもよい。

実施例 ３ 第４図は本発明の他の実施例を示す他の側面図
であり、実施例１と同じく形成した分繊装置のド
ツフイング装置５に代り、ベルトコンベヤー又は
ローラ９の表面に多数の電極１０を設け、該円筒
体１の電極３より高い電位に荷電し、円筒表面の
電極に付着し形成されるウエブの繊維を移行させ
剥取るように構成した。このようにドツフイング
装置を構成することにより、ウエブの移行は容易
となる。即ち、ドツフイング装置の表面速度が円
筒体の表面速度より非常に低速にコントロールさ
れており、円筒体表面上で蓄積された繊維は厚い
ウエブとなり、上記ドツフイング装置により剥取
りが容易となる。尚、この際ドツフイング装置の
電極に、回転体電極と異符号の電荷を荷電し、静
電気を打ち消すこともできる。

また、コンベヤーやローラの代りに多数の電極
を表面に有する板やコーム等をドツフイング装置
として使用してもよい。

実施例 ４ 第５図、第６図、第７図は同じく本発明の他の
実施例を示す側面図であり、実施例１と同様に形
成した円筒体１の表面に近接させ、回転体の軸方
向に円弧状シート１１や複数のバー１２、又は回
転する小径ローラ群１３等よりのる開繊装置の表
面に多数の電極１４を設けた。この様に開繊装置
を構成することにより、円筒体表面に設けた電極
３と同符号の電荷を与え、上面両電極間で繊維を
引張り平行度を高くすることができた。尚、上記
開繊装置は従来用いられているものでも差支えな
い。

実施例 ５ 第８図は同じく本発明の他の実施例を示す側面
図であり、実施例１と同様にして形成した分繊装
置のドツフイング装置側の上方より、円筒体１の
電極の電荷と異なる電荷に荷電され気流１５を吹
きつけ、回転電極の電荷を中和して、繊維の付着
力を排除し、気流や回転体の遠心力でウエブを剥
取る様にした。

実施例 ６ 第９図は同じく本発明の他の実施例の側面図で
あり、回転円筒体１上に設ける多数の電極３を円
周上で細分してブロツク１６を造り、円筒体の回
転により繊維供給側１７に近づいた時、そのブロ
ツク１６に電荷を供給し、剥取側に達した時ブロ
ツクの電荷を消失せしめるか又は異符号の電荷を
与え、円筒体への繊維の移行及びドツフイング装
置への移行を容易となした。

本発明は上記構成としたから、従来の梳綿機の
如く針布やメタリツク針布による分繊時に於て、
針先や歯先に繊維を引掛け櫛梳するものではな
く、電極に繊維を電気的に付着させる。従つて繊
維はフツク状やネツプとならず切断も生じない。
また、回転円筒体からドツフイング装置へは100
％の移行が可能となり、巻付きや繊維切断もなく
円筒体の回転数や寸法も大きくすることが出来る
ので、生産性は従来高速梳綿機の10〜100倍も可
能となる。

また、平行度が高く、ネツプのないウエブが形
成され、均斉度のよいスライバーが製造できるの
で、トウ紡績の分繊装置としても好適である等の
極めて効果の大なる発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の１実施例を示す分
繊装置の概略側面図及び斜視図、第３図、第４
図、第５図及び第６図、第７図、第８図、第９図
は夫々本発明の他の実施例を示す側面図である。 １……回転体、２……表面、３……電極、４，
７……原料繊維供給装置、５……ドツフイング装
置、６……繊維、８……電荷供給装置、９……ベ
ルトコンベヤー又はローラ、１０，１４……電
極、１１……円弧状シート、１２……バー、１３
……小径ローラ、１５……気流、１６……ブロツ
ク、１７……繊維供給側。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 表面に多数の微小な電極を設け、正又は負に
   荷電せしめた回転する円筒体と、該円筒体の軸芯
   方向と直交する側に近接して設けた原料繊維供給
   装置及び上記円筒体を挾み、該原料繊維供給装置
   と対向する側にドツフイング装置を設けてなるこ
   とを特徴とする分繊装置。 ２ ドツフイング装置かローラ、ベルトコンベヤ
   ー又は板やコーム等の表面に多数の電極を有し、
   円筒体表面の電位よりも高い電位を与えてなるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の分繊
   装置。 ３ 円筒体の電極表面に近接させて表面に多数の
   電極を設けた円弧状シート、複数のバー、又は回
   転する小径ローラ群等の開繊装置を設け、円筒体
   と同種の静電荷を附与させてなることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項及び第２項記載の分繊装
   置。 ４ 原料繊維供給装置を円筒体表面の電極と異な
   る異符号の電荷に荷電し、円筒体表面の一部に電
   荷供給装置を設けてなることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の分繊装置。