JPH0356846A - 薄膜の熱膨張係数測定装置 - Google Patents

薄膜の熱膨張係数測定装置

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JPH0356846A
JPH0356846A JP19117089A JP19117089A JPH0356846A JP H0356846 A JPH0356846 A JP H0356846A JP 19117089 A JP19117089 A JP 19117089A JP 19117089 A JP19117089 A JP 19117089A JP H0356846 A JPH0356846 A JP H0356846A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野〕 本発明は薄膜の熱膨張係数を劃定する装置に関する。
〔従来の技術〕
成膜技術の長足の進歩により、各種薄膜デバイスが多く
の産業分野で幅広く用いられている。
例えば、近年注目されている光ディスクは、金属媒体を
S10,やSi,N,などのセラミック系薄膜でサンド
イッチした状態で樹脂基板上に成膜されたものであり、
これが実用に供される。このような光ディスクの記録再
生はレーザー光を照射することによって行われる。レー
ザー光照射時の急速な加熱とその後の冷却は、金属膜と
セラミック膜との熱膨張係数が異なるために、剥離や亀
裂の発生を促し、光ディスクの寿命を短縮する原因とな
っている。すなわち、光ディスクの構造設計を行い、信
頼性を確保する上で、薄膜の熱膨張係数を把握しておく
必要がある。また、感熱プリンター用のヘッドは、印刷
時数lOOkg/7を超える圧力で押し付けられ、しか
も高速度で印刷紙に対して摺動する。このような摺動時
の摩擦損傷を抑えるために、Ta, O.やSiCが保
護膜として被覆されている。感熱プリンターヘッドの保
護膜材料が満足しなければならない第1の条件は、長時
間使用中に温度上昇を受け、基板と保護膜との膨張係数
の違いにより基板と保護膜とが剥離する故障例が多いこ
とから、保3膜の膨張係数が基板のそれにできるだけ一
致していることである。さらに、半導体や集積回路のパ
ターン形成用に用いられるハード露光マスク(ガラス基
板に膜厚50〜300nmの金属又は金属酸化物の遮光
層を被覆したものをマスクとして用いる)では、基板と
遮光層との膨張係数が著しく異なる場合には、露光時の
温度上昇に起因する熱応力が発生し、微細パターンの形
或が困難となる。
以上のように、薄膜の熱膨張係数は薄膜デバイスやデバ
イス製造用の重要部品の信頼性を決定する重要な物理定
数であり、その精密測定に関する要求は極めて高いもの
がある。
固体の熱膨張係数を求める手段としては、鏡やコンバレ
ー夕などを用いて、異なる温度での物体の長さを電気的
もしくは機械的に拡大して測定し、その差から算出する
方法と、フィゾー型膨張計に代表される光の干渉を利用
する方法が一般的である。また、試料の寸法変化を測定
する全膨張計と、標準試料との差分のみを取り出して測
定する示差熱膨張計とがある。しかし、これら従来の測
定法では薄膜の熱膨張係数を測定することは不可能であ
る。
[発明が解決しようとする課題] なぜならば、.J膜の熱膨張係数を薄膜の膜厚方向での
長さ変化から測定する場合を考える。薄膜の膜厚をlp
m、薄膜が極く一般的な金属材料であるとして、熱膨張
係数をl×10−“(/℃)、温度差を100゜Cとす
れば、熱膨張による寸法変化はたかだか1×IO゜ll
mにすぎない。現在の変位測定の分解能は世界最高水準
でも0.Olnmであることを考えれば、膜厚方向の長
さ変化から熱膨張係数を測定することは不可能である。
すなわち、薄膜の熱膨張係数を測定しようとすれば、必
然的に膜面方向の寸法変化を測定することになり、現在
の測定法では薄膜単体(単独膜)の作製を必要としてい
る。しかし、単独膜の作製は高いレベルの技術を必要と
し、膜厚1pm以下の薄膜の単独膜を作製することは事
実上不可能である。また、単独膜を作りえたとしても、
その単独膜を従来の膨張計の変位計に固定することは技
術的に困難である。したがって、薄膜の熱膨張係数を測
定するためには、基板−■二に成膜した状態の試料が使
用可能な測定装置と測定方法の開発が必要である。
本発明の目的は前記課題を解決した薄膜の熱膨張係数測
定装置を提供することにある。
1課題を解決するための手段1 上記目的を達威するため、本発明による薄膜の熱膨張係
数測定装置においては、基板上に薄1膜が形威されてい
る試験片と薄膜が被覆されていない基板のみの標準試験
片とをセットする温度制御が可能な真空チャンバーと、
該真空チャンバー内に配置された両試験片の両端を支持
あるいは固定する機構と、両試験片のたわみ変形量を検
知する変位計とを備えるものである。本発明にお&Lで
は、温度を上昇させたときに生じる両試験片の反り変形
量を測定し、その反り変形量の差分から薄膜と基板の熱
膨張係数の違いを測定するものである。
このような構造をとることにより、先に指摘した変位計
の分解能の制限を受けることなく、薄膜の熱膨張係数の
精密測定が可能となる。
1作用〕 本発明の原理は、基板とその基板上に被覆した薄膜の熱
膨張係数の違いによって、高温に保持した薄膜/基板試
験片に反り変形が生じることに着目して、薄膜の熱膨張
係数を測定するものである。
厚さh l Tヤング率E I T熱膨張係数α1の基
板上に厚さh myヤング率E t T熱膨張係数α,
の薄膜を被覆した試験片を温度をT℃上昇させた場合に
、熱膨張係数の違いによって基板と薄膜に生じる熱応力
σ1とσ,は、 σ,一−h,T(α1−α,)E,E,/(h,E,+
h,E,)  (1−1)σ,=h,T(α,−α.)
E,E./(h,E,+h,E,)  (1−2)であ
る。h, >h,であれば、σ2〉σ1であるから、試
験片に反り変形を与える熱応力としては薄膜に作用する
σ.のみを考慮すればよい。熱応力σ、と薄膜/基板試
験片の反り量γとの関係は、σ,=2E,h,”γ/3
(1−ν,)h,L″ (2)で与えられる。ただし、
ν は基板のポアソン比、Lは基板の長さである。
ここで、厚さh =50pm、長さL=40mm、幅8
Mの石英ガラスの基板上にN1膜を厚さh,=O.II
Im被覆した試験片を温度100’CJ一昇させたとき
の反り量を見積もってみる。ただし、石英ガラスのヤン
グ率E, =30GPa、熱膨張係数ct , = 8
 x 10−” (/℃)、ボアソン比ν =0.22
である。また、N1膜のヤング率E, =3000Pa
、熱膨張係数a , = lsX 10 ’ (/℃)
とした。これらの値を■式に代入すると、γ=0.45
ドm となり、変位量の測定分解能が0,OllLm程度であ
れば、十分な測定精度でこの反り量を検知することがで
き、薄膜の熱膨張係数α,は次式より求めることができ
る。
α.=σ12h1γ(h, E,+h,E,)/3T(
1−ν,)h,L″ ■[実施例] 以下に本発明の実施例を図によって説明する。
第1図は本発明の一実施例である熱膨張係数測定装置の
構造図である。試験片1には〔作用]の項で説明した基
板の曲げ変形が、一軸変形となるように短冊型の基板を
用いた。試験片1と試験片1′とは、温度と雰囲気の制
御が可能な真空チャンバー2の内に設置された試験片固
定台3の上に固定されている。試験片1は測定対象の薄
膜を被覆した試験片であり、試験片1′は測定対象の薄
膜を被覆しない標準試験片である。試験片の構成は、後
術する変位計に非接触光反射形変位計を用いた関係上、
ガラスのような透明基板を用いた場合と金属のような光
を反射する基板の場合とでは異なる。
後者の場合、試験片1が薄膜/基板、試験片1′は基板
のみの単純な構成である。透明基板の場合は、試験片1
がAu反射膜/薄膜/基板、試験片1′がAu反射膜/
基板とし、Au反射膜を設けることにより、光反射形変
位計を適用可能とした。なお、Au反射膜の熱膨張係数
の影響は両試験片にAu反射膜が設けられていることか
ら、両試験片の変形量の差をとることによって除くこと
ができる。真空チャンバー2はチャンバー全体の熱膨張
をできるだけ低く抑えるためにインバー合金で作製した
。支持台3は、少なくとも!O−“の桁までの熱膨張係
数がOであるネオセラームガラス(商品名 日本電気ガ
ラス社製)で作製し、試験片支持台3の熱膨張の影響を
できるだけ小さくした。試験片の加熱は赤外線放射を用
いた発熱体4により行い、試験片の温度は上昇速度1〜
50℃/分で室温から!000℃までの範囲で温度変化
させることができる。温度は試験片の近傍に設置した熱
電対5によって検知される。また、チャンバー2内の雰
囲気は、薄膜や基板の熱酸化を防止するために、真空排
気系6を介して10−’Pa以下の真空度にすることが
できる。チャンバー2の上端には無反射ガラス7がはめ
込まれており、無反射ガラス7の上方に2台の光反射形
変位計8と8′が設置されている。9は水冷板である。
1台の変位計は試験片1の反り変形を測定し、他の1台
は試験片l′の変形を測定する。無反身・士ガラス7と
非接触先反射形変位計8と8′の間には変位計の加熱を
防止し、試験片の変形量を精密ζこ:II1定するため
に水冷板9が置かれている。なお、水冷板の中央には光
が通過するのに必要な最低限の貫通孔が設けられている
。非接触光反射形変位計8にはレーザー式ミクロン変位
計(商品名キーニンス社製)を用いた。レーザー式ミク
ロン変位計の測定分解能は0。0211mである。
第2図は本発明の一実施例を示すブロック図である。図
において、変位計からの変位信号はアナログ/デジタル
・コンバータ10を介してパーソナルコンピューター1
1に入力される。熱電対5からの温度信号はアナログ/
デジタル・コンバータ10を介してパーソナルコンピュ
ーターl1に入力されると同時に、パーソナルコンピュ
ーター1lからの制御信号と、温度コントロール装置1
2を介して発熱体4に入力する電流値を変化させ、温度
制御を行う。温度信号と変位信号とはパーソナルコンピ
ューター11によってデータ処理される。@度上昇に伴
う反り変形量の変化から求められる薄膜の熱膨張係数は
所定のパラメーターを入力することによりパーソナルコ
ンピューターによって算出される。算出した熱膨張係数
や温度一反り変形量曲線などはディスプレイ13、プリ
ンターl4、x−Yブロッタ15に出力される。
次に、本発明の装置によって測定した各種材料の蒸着膜
の熱膨張係数を表−1に示す。ここで、試験片はそれぞ
れの薄膜を厚さ100Ilm,長さ40m1幅8Mの石
英ガラスの基板上に電子ビーム蒸着法により膜厚0,1
から0,211m被覆したもので、試験片を室温から1
00℃上昇させたときの反り量変化を測定することによ
り薄膜の熱膨張係数を求めた。
なお、石英ガラスのヤング率は30 GPa、熱膨張係
数8x lo ’ (/℃)、ボアソン比0.22であ
る。
(発明の効果1 以上、表一lの測定結果に示したように、本発明の測定
装置によれば、従来試験法では不可能であった膜厚サブ
ミクロン以下の薄膜について熱膨張係数を測定すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の熱膨張係数測定装置の一実施例の構造
を示す図、第2図は一実施例のブロック図である。 1.1’・・・試験片      2・・・真空チャン
バー3・・・支持台       4・・・発熱体5・
・・熱電対       6・・・真空排気系7・・・
無反射ガラス    8,8′・・・光反射変位計9・
・・水冷板 10・・・アナログ/デジタル・コンバータII・・・
パーソナルコンピューター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)基板上に薄膜が形成されている試験片と薄膜が被
    覆されていない基板のみの標準試験片とをセットする温
    度制御が可能な真空チャンバーと、該真空チャンバー内
    に配置された両試験片の両端を支持あるいは固定する機
    構と、両試験片のたわみ変形量を検知する変位計とを備
    えることを特徴とする薄膜の熱膨張係数測定装置。
JP19117089A 1989-07-24 1989-07-24 薄膜の熱膨張係数測定装置 Expired - Lifetime JP2900414B2 (ja)

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