JPH0356165Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は湛水土中直播機における播種フロート
の保護装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種保護装置として、例えば、実開昭
57−98715号公報、実開昭59−154012号公報等に
記載のものが公知である。

この従来のものは、保護装置兼スタンドを特定
の一点回りに回動自在に設けてなるものであつ
た。

（考案が解決しようとする課題） 前記従来のものは、保護装置兼スタンドをある
一点回りに回動させるものであるから、回動腕の
長さが長くなると、スタンドとしては適切であつ
ても、保護装置とした場合は、側方に大きく張り
出し、かえつて走行の邪魔になるという問題があ
つた。

そこで、本考案は、フロートの保護装置として
も、又、スタンドとしてもいずれであつても適切
なものとすることができるフロートの保護装置を
提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 前記目的を達成するため本考案は、次の手段を
講じた。即ち、本考案の特徴とするところは、播
種フロートに、その下面より突出状に、播種溝成
形用の作溝器及び覆土用の覆土板を備えてなる湛
水土中直播機の前記播種フロートの上方位置の機
体側に、取付ブラケツトが設けられ、 該取付ブラケツトに保護部材がボルトを介して
取り付けられており、 該保護部材は、前後方向に細長い板状の保護フ
レームと、該保護フレームの一側面に突出状に固
定された支持フレームとからなり、 該支持フレームにはその長手方向に細長状とさ
れたガイド孔が形成されており、 該ガイド孔に前記ボルトが摺動自在に挿通され
ており、前記保護部材は、前記ガイド孔の保護フ
レーム側端部にボルトを位置させたとき、前記保
護フレームが前記播種フロートの上方で外側方に
突出状とされる作業時保護姿勢と、前記ガイド孔
の保護フレーム側端部とは反対側端部にボルトを
位置させたとき、前記保護フレームが前記播種フ
ロートの外側方で前記作溝器及び覆土板より下方
に突出状とされるスタンド姿勢とに姿勢変更自在
になるよう構成されている点にある。

（作用） 本考案によれば、播種作業に際しては、保護部
材を作業時保護姿勢にする。即ち、ボルトを緩
め、支持フレームが水平姿勢を維持した状態で、
保護部材をガイド孔に沿つて移動させ、ガイド孔
の保護フレーム側端部にボルトが位置したとき、
該ボルトを締付、保護部材を取付ブラケツトに固
定する。

又、直播機の運搬に際しては、保護部材をスタ
ンド姿勢にする。即ち、ボルトを緩め、支持フレ
ームが垂直姿勢を維持した状態で、保護部材をガ
イド孔に沿つて移動させ、ガイド孔の保護フレー
ム端部とは反対側の端部にボルトが位置したと
き、該ボルトを締付、保護部材を取付ブラケツト
に固定する。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基いて説明する
と、第１図乃至第３図において、１はエンジン等
を備えた機体で、この機体１の左右両側には伝動
ケース２を介して駆動輪３が設けられ、その駆動
輪３は油圧シリンダ４の伸縮により上下調整可能
である。５は機体１から後方に突設された支持フ
レームで、その後端側は上方側に弯曲せしめら
れ、かつハンドル６が設けられている。７は主フ
ロートで、機体１の下方側に配置されている。８
は伝動ケースで、下端部の支軸９によりブラケツ
ト１０を介して支持フレーム５に対して左右揺動
自在に支持されている。なお伝動ケース８は揺動
不能にロツクできるようになつている。伝動ケー
ス８には左右外方に延びる上下一対のツールバー
１１，１２が設けられ、その上部のツールバー１
１には左右所定間隔おきに複数個（例えば左右２
個）の播種装置１３が取付けられ、また下部のツ
ールバー１２には各播種装置１３に対応して播種
フロート１４がリンク１５により上下動自在に連
結されている。播種装置１３は、種籾を入れる種
子タンク１６及びその下部に設けられた繰出部１
７を有し、繰出部１７は繰出軸１８を介して伝動
ケース８内の伝動機構により駆動されている。伝
動ケース８の伝動機構は自在接手軸１９を介して
機体１側の駆動軸に連結されている。繰出部１７
の下側には、繰出された種籾を２条に播種するよ
うに二又状の播種シユート２０が接続されてい
る。

播種フロート１４は前部側が上方に弯曲した側
面視そり状であつて、前後方向中間部分の左右両
側に、後方側が開放する凹部２１が切欠形成され
ており、その凹部２１の前端部位に作溝器２２、
また後方側の左右両側に一対の覆土板２３が設け
られている。作溝器２２は前部のブロツク体と後
部の左右一対のガイド板とを備えてなり、播種フ
ロート１４の下面より下方に突出状に取付けられ
ている。そして両ガイド板間に播種シユート２０
の各下端部が位置されている。また各覆土板２３
も播種フロート１４の下面より下方に突出状に取
付けられている。

前記ツールバー１２の両端は第２図に示される
如く、両側の播種フロート１４の外側面側より僅
かに外側方に突出されており、その端部に夫々、
平面視コ字状の取付ブラケツト２４が溶接等によ
り固着されている。

２６は保護部材で、前記取付ブラケツト２４に
着脱自在に取付けられている。保護部材２６は播
種フロート１４と略同じ長さを有する前後方向細
長板状の保護フレーム２７と、保護フレーム２７
の一側面に溶接等により突出状に固着された前後
一対の支持フレーム２８とからなり、各支持フレ
ーム２８には長手方向に細長状とされたガイド孔
２９が形成されている。

そして第２図に示される如く、各ガイド孔２９
を挿通して取付ブラケツト２４に螺合される前後
一対のボルト３０によつて取付ブラケツト２４に
固定されている。即ち、播種フロート１４の上方
で保護フレーム２７が、播種フロート１４の外側
面より外側方突出状とされた作業時保護姿勢で取
付けられている。

また各ボルト３０の締結を弛め、保護部材２６
を外側方に引出せば、ボルト３０がガイド孔２９
に沿つて相対移動され、その後、保護フレーム２
７を第３図仮想線で示される如く、下方に回動さ
せた後、再度、ボルト３０を締結すれば、第１図
仮想線で示される如く、播種フロート１４の外側
方で作溝器２２及び覆土板２３より下方に突出状
とされたスタンド姿勢とされるよう構成されてい
る。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、播種作業を行なう場合には、保護部材２６を
作業時保護姿勢として作業を行なえば、畦際作業
時において、畦と保護フレーム２７とが接触する
ため、畦と播種フロート１４との直接的な接触が
防止でき、播種フロート１４の損傷が防止でき
る。また、トラツク等で直播機を運搬する場合に
は、保護部材２６をスタンド姿勢として運搬すれ
ば、播種フロート１４下面より突出する作溝器２
２や覆土板２３と、直播機が載置される荷台等と
の間に空間が確保でき、変形等の損傷が防止でき
る。

（考案の効果） 本考案によれば、播種フロートに、その下面よ
り突出状に、播種溝成形用の作溝器及び覆土用の
覆土板を備えてなる湛水土中直播機において、播
種フロート上方位置の直播機機体側に備えられた
取付ブラケツトに、播種フロートの外側面より外
側方突出状に保護部材が取付けられると共に、保
護部材は播種フロートの上方で外側方に突出状と
される作業時保護姿勢と、播種フロートの外側方
で作溝器及び覆土板より下方に突出状とされるス
タンド姿勢とに姿勢変更自在とされたものであ
り、播種フロートや作溝器及び覆土板が有効に保
護でき、損傷防止が図れるという利点を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す全体側面図、第
２図は同要部平面図、第３図は保護部材の操作説
明図である。 １……機体、１４……播種フロート、２２……
作溝器、２３……覆土板、２４……取付ブラケツ
ト、２６……保護部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 播種フロートに、その下面より突出状に、播種
   溝成形用の作溝器及び覆土用の覆土板を備えてな
   る湛水土中直播機の前記播種フロートの上方位置
   の機体側に、取付ブラケツトが設けられ、 該取付ブラケツトに保護部材がボルトを介して
   取り付けられており、 該保護部材は、前後方向に細長い板状の保護フ
   レームと、該保護フレームの一側面に突出状に固
   定された支持フレームとからなり、 該支持フレームにはその長手方向に細長状とさ
   れたガイド孔が形成されており、 該ガイド孔に前記ボルトが摺動自在に挿通され
   ており、前記保護部材は、前記ガイド孔の保護フ
   レーム側端部にボルトを位置させたとき、前記保
   護フレームが前記播種フロートの上方で外側方に
   突出状とされる作業時保護姿勢と、前記ガイド孔
   の保護フレーム側端部とは反対側端部にボルトを
   位置させたとき、前記保護フレームが前記播種フ
   ロートの外側方で前記作溝器及び覆土板より下方
   に突出状とされるスタンド姿勢とに姿勢変更自在
   になるよう構成されていることを特徴とする湛水
   土中直播機における播種フロート保護装置。