JPH0355613B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は構造物の水圧等による浮上り防止を
兼ねる地中杭を形成する、アースアンカー兼用中
空パイルの施工方法に関するものである。

（発明が解決しようとする問題点） 近年構造物の基礎等底盤の薄肉化に伴い、構造
物下の地中杭には主に底盤に作用する水圧による
構造物の浮上りに対する抵抗力を持たせることが
必要になる。

この発明はこうした事情を基になされたもの
で、中空パイルによる地中杭先端部にアースアン
カーを定着し、これに接続されたPC鋼材を緊張
することにより杭に抵抗力を与えようとするもの
である。

（問題点を解決するための手段） 本発明では中空パイルにより形成した地中杭の
先端部に、PC鋼材に接続されたアースアンカー
を定着させたPC鋼材にプレストレスを導入する
ことにより杭に水圧等による上向きの力に対する
抵抗力を持たせる。

アースアンカーは根固め用にモルタルが注入さ
れる掘削孔の孔底部に、モルタル硬化前に中空パ
イル、トレミー管とともに挿入される。そして中
空パイル内にトレミー管を通じてモルタルを注入
し、アースアンカーを孔底部に定着させた後、
PC鋼材を緊張して杭に下向きの力を与える。

（実施例） 以下本発明をコンクリート製の中空パイルによ
る一実施例を示す図面に基づいて説明する。

この発明はPC鋼材１の下端に接続されたアー
スアンカー２を掘削孔Ｃの孔底部ｃに定着させて
中空パイル３により地中杭Ａを施工する方法であ
る。

初めに第１図により施工手順を説明する。

まず掘削機４により所定の支持層Ｂまで掘削し
て掘削孔Ｃを形成し（），その孔底部ｃに根固
め用のモルタル５を注入する（）。

続いてモルタル５の硬化前に掘削孔Ｃ内に孔底
部ｃまで中空パイル３を打ち込み（），更に中
空パイル３内を通じてトレミー管６及びPC鋼材
１を挿入する（）。中空パイル３の杭頭は構造
物の基礎７位置までやつとこ杭８により打ち込ま
れる。またPC鋼材１の下端にはアースアンカー
２が接続されており、アースアンカー２は孔底ま
で吊り下げられる。

次にトレミー管６を引き上げながらこれを通じ
て中空パイル３内にモルタル９を注入し（），
モルタル９を中空パイル３内に充てんして地中杭
Ａを形成する（）。アースアンカー２は根固め
用モルタル５の硬化と同様に孔底部ｃに定着され
る。

そしてアースアンカー２の定着後、地中杭Ａの
杭頭部に構築される基礎７においてPC鋼材１を
緊張し、この上端を基礎７に定着する（）。

第２図は掘削孔Ｃ内に中空パイル３，トレミー
管６及びPC鋼材１を挿入した状態を示したもの
で、第３図、第４図、第５図はその上端部、中間
部、下端部の詳細を示している。

第３図−に示すように中空パイル３打ち込み
後のやつとこ杭８上には主としてトレミー管６及
びPC鋼材１の位置決めのための架台１０が設置
される。この架台１０はモルタル９注入時にPC
鋼材１がモルタル９によつて押し上げられるのを
防ぐ役目も兼ねる。PC鋼材１は第３図−のよ
うにトレミー管６の周囲に配置されるが、架台１
０上のトレミー管６周囲にはPC鋼材１を吊るた
めの楔１１が取り付けられる。

トレミー管６の外周には第４図に示すように
PC鋼材１の位置決めのための位置決め用スペー
サ１２が取り付けられており、のようにその
PC鋼材１位置に設けた凹みに外側からPC鋼材１
を差し込むようにしてある。はPC鋼材１を３
本入れる場合であり、，はそれぞれ２本入れ
る場合、４本入れる場合を示している。

トレミー管６及びPC鋼材１の下端部には第５
図に示すようにPC鋼材１を固定する固定用金物
１３が取り付けられる。この固定用金物１３の内
側にはツメ１３ａが突設されており、このツメ１
３ａにより固定用金物１３はトレミー管６に仮固
定されている。そして固定用金物１３はモルタル
９注入開始後、トレミー管６を引き上げる際これ
を回転させてツメ１３ａを解くことによりトレミ
ー管６から切り離される。

第５図においてPC鋼材１の下端はのように
固定用金物１３にパイプ状の固定端金物１３ｂ及
びＵ型ボルト１３ｃによつて固定されており、ま
たPC鋼材１下端の下方には固定用金物１３と支
持層Ｂとの距離を確保するためのスペーサ１４が
取り付けられている。本実施例ではこのスペーサ
１４と固定用金物１３とから孔底部ｃに定着され
るアースアンカー２を形成している。

スペーサ１４にはストツパー１４ａが取り付け
られ、ストツパー１４ａ下のスペーサ１４が支持
層Ｂ内に埋め込まれることによつて固定用金物１
３と支持層Ｂとの距離を確保するようにしてあ
る。スペーサ１４は支持層Ｂ内に埋め込まれるこ
とによつてトレミー管６の固定用金物１３からの
解除を容易にしている。

（発明の効果） この発明は以上の通りであり、アースアンカー
を地中杭の先端に定着させてPC鋼材にプレスト
レスを導入することによつて杭に下向きの力が与
えられているため構造物の水圧等による浮上りを
有効に防止することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の施工手順を示した概要図、第
２図はモルタル注入前の掘削孔内の様子を示した
断面図であり、第３図−，は架台部分を示し
た断面図であり、第３図−，は架台部分を示
したそれぞれ正面図、平面図、第４図−はトレ
ミー管中央部を示した正面図、，，はその
平面図、第５図−，は孔底部を示したそれぞ
れ正面図、平面図である。 Ａ：地中杭、Ｂ：支持層、Ｃ：掘削孔、ｃ：孔
底部、１：PC鋼材、２：アースアンカー、３：
中空パイル、４：掘削機、５：モルタル、６：ト
レミー管、７：基礎、８：やつとこ杭、９：モル
タル、１０：架台、１１：楔、１２：位置決め用
スペーサ、１３：固定用金物、１３ａ：ツメ、１
３ｂ：固定端金物、１３ｃ：Ｕ型ボルト、１４：
スペーサ、１４ａ：ストツパー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所定の支持層まで掘削して形成した掘削孔の
   孔底部に根固め用のモルタルを注入し、モルタル
   硬化前に掘削孔に中空パイル、トレミー管及び下
   端にアースアンカーが接続されたPC鋼材を孔底
   部まで挿入し、トレミー管を引き上げながらこれ
   を通じて中空パイル内にモルタルを注入し、充て
   んした後、アースアンカーを孔底部に定着させて
   PC鋼材を緊張するアースアンカー兼用中空パイ
   ルの施工方法。