JPH035537B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車のパーキング・ブレーキ・
ケーブルの引き代調整に使用される張力検出装置
に関する。

一般に、自動車のパーキング・ブレーキ・ケー
ブルの引き代を調整する場合には、先ず、左右の
パーキング・ブレーキ本体側において、シユー・
クリアランスを調整し、次いで、そのパーキン
グ・ブレーキ本体のブレーキ・レバーにそれぞれ
連結されたパーキング・ブレーキ・ケーブルをほ
ぼ均一の力で引き付けるように作用するイコライ
ザにおいて、アジヤステイング・ナツトを締め付
け、非制動下で、左右のリア・ホイールに引きず
りがなく、かつ、その自動車のキヤブ・フロア側
に配置されたパーキング・ブレーキ・レバーが引
き上げられるとき、そのパーキング・ブレーキ本
体が確実に作動し、左右のリア・ホイールを制動
し得るようにブレーキ調整がなされてきている。

しかし、そのような従来の方法では、そのアジ
ヤステイング・ナツトの締め付け時にばらつきが
多く、そのパーキング・ブレーキ・ケーブルを所
定の張力下に維持するには極めて煩雑な作業が要
求され、多数の自動車のパーキング・ブレーキ・
ケーブルの引き代調整作業において、常に適正な
調整を短時間で行なうことは困難であつた。

また、特開昭55−87932号公報には、巻上装置
のロープ弛み検出装置が開示されているが、この
種の装置の構造では、狭いスペースで行なわれる
ところの自動のパーキング・ブレーキ・ケーブル
の引き代調整に使用することは困難であつた。

この発明の目的・課題は、狭いスペースにおい
て、パーキング・ブレーキ・ケーブルに組み付け
可能にしてそのケーブルの張力を検出し、そし
て、そのケーブルの引き代調整を容易にし、特
に、圧縮空気でアジヤステイング・ナツトを締め
付けるインパクト・レンチに組み合わせて使用可
能にし、そのインパクト・レンチによるそのケー
ブルの引き代調整作業を極めて容易にするところ
の自動車のパーキング・ブレーキ・ケーブルの引
き代調整に使用される張力検出装置の提供にあ
る。

上述の目的・課題に関連して、この発明の張力
検出装置は、水平方向に所定の間隔を置いてケー
シングに回転可能に支持される一対のガイド・ロ
ーラと、そのケーシングにおいて、その一対のガ
イド・ローラ間で垂直方向に往復動されるテンシ
ヨン・ローラと、圧縮空気が封入されてそのケー
シングに配置されるエア・シリンダからなり、そ
の一対のガイド・ローラの下側間に張られるケー
ブルに対してそのテンシヨン・ローラを常に上方
に押し上げてそのケーブルをそのガイド・ローラ
に押し付ける空気圧型テンシヨン装置と、そのテ
ンシヨン・ローラの垂直方向の往復動に関して水
平方向に所定の間隔を置いて、そのケーシングに
配置される投光器および受光器、および、そのテ
ンシヨン装置に支持されてその投光器および受光
器の間に垂直方向に往復動される遮光板からなる
テンシヨン・ローラ位置検出器とを含み、自動車
の狭いスペースにおいて、パーキング・ブレー
キ・ケーブルに簡単に組み付けられ、そのケーブ
ルの張力を検出するところにある。

以下、この発明の張力検出装置の特定された具
体例について、図面を参照して説明する。

第１および２図は、自動車のパーキング・ブレ
ーキ・ケーブル２５，２６の引き代調整に使用さ
れたこの発明の張力検出装置の具体例１０を示し
ている。

その張力検出装置１０は、水平方向に所定の間
隔を置いてケーシング１１の側壁に回転可能に支
持された一対のガイド・ローラ１２，１３と、そ
のケーシング１１において、その一対のガイド・
ローラ１２，１３間で垂直方向に往復動されるテ
ンシヨン・ローラ１４と、圧縮空気が封入されて
そのケーシング１１に配置されたエア・シリンダ
１９からなり、その一対のガイド・ローラ１２，
１３の下側間に張られたそのパーキング・ブレー
キ・ケーブル２６に対してそのテンシヨン・ロー
ラ１４を常に上方に押し上げてそのパーキング・
ブレーキ・ケーブル２６をそのガイド・ローラ１
２，１３に押し付ける空気圧型テンシヨン装置１
８と、そのテンシヨン・ローラ１４の垂直方向の
往復動に関して水平方向に所定の間隔を置いて、
そのケーシング１１に配置された投光器１６およ
び受光器１７、および、そのテンシヨン装置１８
に支持されてその投光器１６および受光器１７の
間に垂直方向に往復動される遮光板２１からなる
テンシヨン・ローラ位置検出器１５とを含んで組
み立てられた。

そのケーシング１１は、鋼板からボツクス型に
加工されたもので、ほぼ中央の位置には、上方に
開口されたＵ字状溝２３が形成された。勿論、こ
のケーシング１１には、硬質合成樹脂が使われて
もよい。

そのガイド・ローラ１２，１３は、金属から加
工され、ピン３２，３３を介してそのケーシング
１１の側壁の上方部分に、水平方向に所定の間隔
を置いてそれぞれ回転可能に支持された。すなわ
ち、そのガイド・ローラ１２，１３は、そのＵ字
状溝２３の両側で、そのケーシング１１の側壁の
上方部分に回転可能に取り付けられた。

勿論、これらガイド・ローラ１２，１３は、合
成樹脂から形成されてもよい。

そのテンシヨン・ローラ１４は、そのガイド・
ローラ１２，１３間において、垂直方向に往復動
するように、すなわち、上下方向に往復動するよ
うに、そのケーシング１１のＵ字状溝２３付近に
配置された。勿論、そのテンシヨン・ローラ１４
は、そのパーキング・ブレーキ・ケーブル２６，
２７がそのガイド・ローラ１２，１３の下側間に
張られ、そして、そのガイド・ローラ１２，１３
に押し付けられることを考慮して、そのガイド・
ローラ１２，１３に対してほぼ同一平面上に配置
されてある。

その空気圧型テンシヨン装置１８は、そのテン
シヨン・ローラ１４を常に上方に押し上げ、そし
て、そのガイド・ローラ１２，１３にそのパーキ
ング・ブレーキ・ケーブル２６，２７を下側から
押し付けるところに動作するもので、そのケーシ
ング１１の底壁に固定されたシリンダ１９と、そ
のシリンダ１９内に往復摺動可能に嵌め込まれた
ピストン（図示せず）と、そのシリンダ１９にお
いて、上端側を出し入れ可能にして下端をそのピ
ストンに固定的に連結したプツシユ・ロツド２０
とより組み立てられたエア・シリンダが使用され
た。

従つて、そのテンシヨン・ローラ１４は、ピン
３４を介してそのプツシユ・ロツド２０の上端に
回転可能に支持された。

勿論、そのエア・シリンダ１８のシリンダ１９
内には、圧縮空気が封入され、そのテンシヨン・
ローラ１４が、下方に押し下げられるとき、その
封入された圧縮空気がそのテンシヨン・ローラ１
４の押し下げ力に対して抵抗する。

そのように、このテンシヨン装置１８は、圧縮
空気が封入されるので、そのシリンダ１９を取り
換えることなしに、その圧縮空気の封入圧を変え
ることによつて、張力を簡単に適宜の値に設定可
能になる。

そのテンシヨン・ローラ位置検出器１５は、そ
のケーシング１１内で、そのガイド・ローラ１２
側に配置された投光器１６と、その投光器１６か
らの光を受けるように、そのケーシング１１内
で、そのガイド・ローラ１３側に配置された受光
器１７と、その投光器１６とその受光器１７との
間に配置されるようにして、そのテンシヨン装置
１８におけるプツシユ・ロツド２０の上端に取り
付けられた遮光板２１と、その遮光板２１の所定
の位置に形成された貫通孔２２とより構成されて
いる。

従つて、その遮光板２１は、そのテンシヨン・
ローラ１４と共に上下方向に往復動し、そのテン
シヨン・ローラ１４が上方に位置されていると
き、その投光器１６からの光はその遮光板２１に
よつて遮断され、そのテンシヨン・ローラ１４が
下方に押し下げられ、所定の位置に置かれると、
その投光器１６からの光がその遮光板２１の貫通
孔２２を通過し、その通過した光は、その受光器
１７に受け入れられる。

また、そのケーシング１１には、スイツチ２
４、および、ランプ２５が設けられ、そのスイツ
チ２４およびランプ２５は、その投光器１６およ
び受光器１７の電気回路に接続されている。

勿論、その投光器１６および受光器１７の電気
回路はバツテリー（図示せず）に接続されてい
る。

次に、上述の張力検出装置１０を使用して、自
動車のパーキング・ブレーキ・ケーブル２６，２
７の引き代を調整する場合について説明する。

先ず、その張力検出装置１０をパーキング・ブ
レーキ・ケーブル２６付近に配置し、第２図に示
されるように、そのパーキング・ブレーキ・ケー
ブル２６をその張力検出装置１０のガイド・ロー
ラ１２，１３およびテンシヨン・ローラ１４に掛
ける。

勿論、そのパーキング・ブレーキ・ケーブル２
６，２７は、一端をパーキング・ブレーキ本体
（図示せず）のブレーキ・レバーにそれぞれ連結
し、他端をイコライザ２８の両端にそれぞれ連結
し、さらに、そのイコライザ２８は、その自動車
のキヤブ・フロア側に配置されたパーキング・ブ
レーキ・レバー（図示せず）の引き上げ動作に応
じて引かれるプル・ロツド２９にアジヤステイン
グ・ナツト３０を介して連結されている。

上述のような状態において、その張力検出装置
１０のスイツチ２４を付勢し、インパクト・レン
チ３１を使用して、そのアジヤステイング・ナツ
ト３０を締め付ける。

そのスイツチ２４を付勢すると、その投光器１
６からその受光器１７側に向けて光が照射される
が、そのテンシヨン・ローラ１４は、そのテンシ
ヨン装置１８のシリンダ１９内に封入された圧縮
空気によつて上方に押し上げられ、その遮光板２
１がその光を遮断しているため、そのランプ２５
は点灯しない。

そのインパクト・レンチ３１により、そのアジ
ヤステイング・ナツト３０が締め付けられると、
そのパーキング・ブレーキ・ケーブル２６に張力
が加えられ、そのテンシヨン・ローラ１４はその
テンシヨン装置１８に抗して押し下げられる。

そのようにしてそのパーキング・ブレーキ・ケ
ーブル２６に所定の張力が加えられると、そのテ
ンシヨン・ローラ１４と共にその遮光板２１が下
げられ、その投光器１６からの光は、その遮光板
２１の貫通孔２２を通過し、その受光器１７に受
け入れられる。

従つて、その張力検出装置１０のランプ２５が
点灯し、そのランプ２５の点灯を確認して、その
インパクト・レンチ３１の駆動を停止すれば、そ
のパーキング・ブレーキ・ケーブル２６の引き代
が適正に調整される。

勿論、その張力検出装置１０内にブザー（図示
せず）を内蔵し、そのブザーをその受光器１７の
電気回路に接続すれば、そのランプ２５の点灯と
同時にそのブザーが動作し、そのランプ２５の点
灯を視覚的に確認することなく、そのインパク
ト・レンチ３１の駆動の停止が可能になる。

また、そのインパクト・レンチ３１において、
圧縮空気の供給を制御する電磁弁の電気回路にそ
の受光器１７を接続し、さらに、継電器を使用し
てその受光器１７からの電気信号により、その電
磁弁を閉じるように構成すれば、上述のようなパ
ーキング・ブレーキ・ケーブル２６の引き代調整
作業において、張力が所定の力に達するとそのイ
ンパクト・レンチ３１の駆動が自動的に停止し、
そのような引き代調整作業が極めて容易になされ
る。

上述から理解されるように、この発明の張力検
出装置は、水平方向に所定の間隔を置いてケーシ
ングに回転可能に支持される一対のガイド・ロー
ラと、そのケーシングにおいて、その一対のガイ
ド・ローラ間で垂直方向に往復動されるテンシヨ
ン・ローラと、圧縮空気が封入されてそのケーシ
ングに配置されるエア・シリンダからなり、その
一対のガイド・ローラの下側間に張られるケーブ
ルに対してそのテンシヨン・ローラを常に上方に
押し上げてそのケーブルをそのガイド・ローラに
押し付ける空気圧型テンシヨン装置と、そのテン
シヨン・ローラの垂直方向の往復動に関して水平
方向に所定の間隔を置いて、そのケーシングに配
置される投光器および受光器、および、そのテン
シヨン装置に支持されてその投光器および受光器
の間に垂直方向に往復動される遮光板からなるテ
ンシヨン・ローラ位置検出器とを含むところにあ
るので、この発明の張力検出装置では、自動車の
パーキング・ブレーキ・ケーブルの引き代調整作
業の際、狭いスペースにおいてそのケーブルに組
み付け可能になり、そのケーブルの張力が自動的
に検出され、引き代調整が容易になり、殊に、ア
ジヤステイング・ナツトの締付け手段として、圧
縮空気でそのアジヤステイング・ナツトを回転さ
せるインパクト・レンチに組み合わせて使用する
ことが容易になり、その場合、そのケーブルが所
定の張力に張られると、そのインパクト・レンチ
が自動的に停止可能になり、そのケーブルの引き
代調整作業がさらに容易になり、加えて、そのテ
ンシヨン装置が、そのシリンダを取り換えること
なしに、圧縮空気の封入圧を変えることによつて
張力を簡単に適宜の値に設定可能になるので、張
力の異なつたパーキング・ブレーキ・ケーブルの
引き代調整に容易に適応可能になり、自動車のパ
ーキング・ブレーキ・ケーブルの引き代調整にと
つて非常に有用で、実用的になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のパーキング・ブレーキ・ケー
ブルの引き代調整に使用されたこの発明の張力検
出装置の具体例を示す正面図、および、第２図は
この発明の張力検出装置およびインパクト・レン
チを使用した自動車のパーキング・ブレーキ・ケ
ーブルの引き代調整方法を示す斜視図である。 １１……ケーシング、１２，１３……ガイド・
ローラ、１４……テンシヨン・ローラ、１５……
テンシヨン・ローラ位置検出器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水平方向に所定の間隔を置いてケーシングに
   回転可能に支持される一対のガイド・ローラと、 そのケーシングにおいて、その一対のガイド・
   ローラ間で垂直方向に往復動されるテンシヨン・
   ローラと、 圧縮空気が封入されてそのケーシングに配置さ
   れるエア・シリンダからなり、その一対のガイ
   ド・ローラの下側間に張られるケーブルに対して
   そのテンシヨン・ローラを常に上方に押し上げて
   そのケーブルをそのガイド・ローラに押し付ける
   空気圧型テンシヨン装置と、 そのテンシヨン・ローラの垂直方向の往復動に
   関して水平方向に所定の間隔を置いて、そのケー
   シングに配置される投光器および受光器、およ
   び、そのテンシヨン装置に支持されてその投光器
   および受光器の間に垂直方向に往復動される遮光
   板からなるテンシヨン・ローラ位置検出器 とを含む張力検出装置。