JPH0355157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、テープカセツトを、磁気記録再生装
置に装填するためのテープカセツト装填装置に関
し、詳しくはカセツトホルダに供給されたテープ
カセツトを該カセツトホルダの内奥に向けて水平
に強制移送し、水平移送の終了検出に基づいてカ
セツトホルダを垂直に記録再生位置に装填するよ
う構成した装置に関する。

（従来技術） 第１図ないし第３図に本考案が対象とするテー
プカセツト装填装置の一例が示されている。この
装置は、フレーム１の端部に枢軸２により枢設し
た揺動アーム３の先端に、カセツトホルダー４の
上面前後中央部を枢軸５により水平に枢着支持す
るとともに、該カセツトホルダー４の外側面に
は、カセツトホルダー４内奥部に臨む作動片６
と、フレーム１の側面に形成した鈎形孔７に嵌入
するピン８を備えた摺動レバー９を、２組の長孔
１０とガイドピン１１を介して一定範囲で前後動
自在に装着し、前記ピン８とカセツトホルダー４
の側面に突設した一方のガイドピン１１との間に
バネ１２を張設し、該摺動レバー９を常時装置前
面方向（図中、左方向）に付勢し、前記ピン８を
介して鈎形孔７の横長孔部でカセツトホルダー４
を、フレーム１の前面に形成したカセツト挿脱口
１３と同じ高さ位置に保持するよう構成されてい
る。そしてテープカセツト（図示せず）をカセツ
ト挿脱口１３から矢印方向へ挿入してカセツトホ
ルダー４の所定位置まで移動させると、フレーム
１側に軸支駆動されるローラ１４により強制的に
更に矢印方向に押送される。この強制押送作動の
終端においてカセツト先端で作動片６をバネ１２
に抗して押し動かして摺動レバー９が移動され、
該摺動レバー９上のピン８が鈎形孔７の横長孔部
の終端まで移動し、縦長孔部の始端位置に至り、
カセツトホルダー４の下降が許される状態とな
る。そこで、カセツトホルダー４はその自重、揺
動アーム３および挿入カセツトの重量等により僅
かに垂直下降を開始する。

このとき、モータ１５にウオーム１６、ウオー
ムホイール１７およびギヤ１８（ただし、このギ
ヤ１８はモータ１５、ウオーム１６、ウオームホ
イール１７と共に駆動源を構成する。）を介して
連動されて既に時計回りに回転駆動されているギ
ヤ１９の側面に設けた渦巻カム溝２０の入口部
と、前記揺動アーム３の側部に枢設したロール２
１とが係合し、ロール２１のカム溝２０への噛み
込み作用により揺動アーム３は強制的に下降揺動
され、これに伴なつて、カセツトホルダー４が所
定位置にまで垂直下降される。また、前記カセツ
ト押送用ローラ１４の軸支および駆動構造は、ロ
ーラ１４を設けた回転支軸２２の一端を、フレー
ム１に取り付けられた上下動自在でかつ下方向の
付勢力を有する軸受片２３に挿通支持させるとと
もに、支軸２２に他端近くには、周部に環状溝を
有する軸受カラー２４を遊嵌し、このカラー２４
をフレーム１の側壁上縁に形成した凹入部２５に
上下動自在に嵌合支持させている。そして、支軸
２２のカラー２４の外方への突出端には、プーリ
２６を打ち込み固定するとともに、この渦巻カム
溝２０付きギヤ１９に噛合させたアイドルギヤ２
７の側面にはプーリ２８を装備し、これら面プー
リ２６，２８にゴムベルト２９（ただし、このゴ
ムベルト２９は、プーリ２６、アイドルギヤ２
７、プーリ２８と共にローラ駆動機構を構成す
る。）を適当な張力をもつて張架巻回し、これに
よりローラ１４を反時計回りにベルト駆動すると
ともに、ゴムベルト２９の張力でローラ１４をカ
セツトホルダー４側に弾性付勢するよう構成して
ある。そして、従来は、第５図に示すように駆動
側プーリ２８をギヤ２７と一体成型した構成とな
つていた。

しかしながら、このようにして、駆動側プーリ
２８をギヤ２７に一体化したものにおいては、テ
ープセツトの水平移送終了後、カセツトホルダ４
が垂直移送ヘ移行するまでの切り替え動作の間、
ローラ１４が停止しているテープカセツトに押圧
された状態で移送動作を継続しているために、ロ
ーラ１４やベルト２９の摩擦等、水平移送機構に
損耗が生じたり、モータ１５に異常電流が流れる
等の欠点があつた。

（目的） 本考案は、カセツトホルダが垂直移送へ移行す
るまでの切り替え作動中には、カセツト押送用ロ
ーラが回転していてもカセツトホルダそのものが
その回転に応動せず、したがつて、該ローラに大
きな負荷がかかつてこれが磨耗したり、あるい
は、このローラ駆動機構を介してトルク伝達する
駆動源の例えばモータに異常電流が流れたりする
ことのないようにし、長期の使用に耐える実用性
を優れたテープカセツト装填装置を提供すること
を目的としている。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいては
詳細に説明する。なお、この実施例においては、
テープカセツト装填装置の基本構成およびその作
動は先に説明した通りであるが、ローラ１４を駆
動するベルト伝動機構における駆動側に以下に述
べる改良が加えられている。即ち、第４図に示す
ように前記駆動側プーリ２８はギヤ２７に別体に
構成され、ギヤ２７のボス部２７ａに遊転自在に
外嵌されるとともに、前記ボス部２７ａに内嵌固
定されたフランジ付きボス部材３０で抜け止めさ
れている。また、ボス部材３０の内部に支持され
たスラストカラー３１とプーリ２８との間には、
バネ３２が介装されて、プーリ２８がギヤ２７側
に適当圧力で弾性押圧されるとともに、プーリ２
８とギヤ２７との間には摩擦板３３が介在され、
プーリ２８に働く負荷が一定以上になると、プー
リ２８とギヤ２７とがスリツプ回転してプーリ２
８に一定以上のトルクが伝わるのを阻止するトル
クリミツタ構造が構成されている。なお、前記ト
ルクリミツタ構造を、受動側のプーリ２６と回転
支軸２２との間に介装してもよい。また、回転支
軸２２の駆動手段はベルト伝動方式以外にギヤ伝
動方式でもよい。

（効果） 以上のように本考案に係るテープカセツト装填
装置は、フレーム、カセツトホルダ、カセツト押
送用ローラ、駆動源、およびローラ駆動機構を有
したものであつて、フレームのカセツト挿脱口か
ら挿入されてきたテープカセツトをカセツトホル
ダの内奥へカセツト押送用ローラで水平に移送
し、ついで、その水平移送の終了検出に基づいて
カセツトホルダを垂直方向に下降して該テープカ
セツトを垂直移送し、そして、その際、カセツト
ホルダ内へのテープカセツトの水平移送が終了し
てから該カセツトホルダが垂直移送に切り替わる
動作中において、ローラ駆動機構に対してカセツ
ト押送用ローラからの一定以上の負荷がかかると
きは、該カセツト押送用ローラに対する駆動源か
らのトルク伝達をそのローラ駆動機構でリミツト
するようにしたから、その切り替え動作中にテー
プカセツトに与えられる水平移送力は必要な大き
さ以上にはならなくなり、カセツト押送用ローラ
の損耗とか、駆動源の例えばモータの異常通電な
どが阻止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が対象とするテープカセツト装
填装置の全体斜視図、第２図はその側面図、第３
図は分解斜視図、第４図は要部の縦断面図、第５
図は第４図に相当する従来例を示す縦断面図であ
る。 ４はカセツトホルダ、１４はローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フレーム１、カセツトホルダ４、カセツト押送
   用ローラ１４、駆動源１５〜１９、およびローラ
   駆動機構２６〜２９を有したものであつて、 フレーム１は、前面にカセツト挿脱口１３を有
   し、かつ、該カセツト挿脱口１３からテープカセ
   ツトが内部に挿入されるものであり、カセツトホ
   ルダ４は、カセツト挿脱口１３から挿入され水平
   移送されてくるテープカセツトを支持するもので
   あり、かつ、該テープカセツトの水平移送の終了
   検出に基づいて垂直方向に下降されて該テープカ
   セツトを垂直移送するものであり、 カセツト押送用ローラ１４は、伝達トルクに応
   答してカセツトホルダ４に供給されたテープカセ
   ツトを該カセツトホルダ４の内奥に向けて水平に
   強制移送するものであり、 駆動源１５〜１９は、前記伝達トルクを発生す
   るものであり、 ローラ駆動機構２６〜２９は、駆動源１５〜１
   ９からの伝達トルクをカセツト押送用ローラ１４
   に与えるものであり、かつ、カセツトホルダ４内
   へのテープカセツトの水平移送が終了してから該
   カセツトホルダ４が垂直移送に切り替わる動作中
   に、カセツト押送用ローラ１４からの一定以上の
   負荷がかかるときは、駆動源１５〜１９からのト
   ルク伝達をリミツトするトルクリミッタ構造を有
   している ことを特徴とするテープカセツト装填装置。