JPH0355053B2 - - Google Patents

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JPH0355053B2
JPH0355053B2 JP61277838A JP27783886A JPH0355053B2 JP H0355053 B2 JPH0355053 B2 JP H0355053B2 JP 61277838 A JP61277838 A JP 61277838A JP 27783886 A JP27783886 A JP 27783886A JP H0355053 B2 JPH0355053 B2 JP H0355053B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、スペースダイバーシチシステムに
おいて、メインルートとサブルートにおける信号
の伝搬遅延時間差を測定する2ルートの伝搬遅延
時間差測定装置に関するものである。
〔従来の技術〕
大容量のデイジタルマイクロ波無線(DMR)
回線においては、伝送効率の高い16値、64値の直
交振幅変調(QAM)方式が使われている。一
方、多値化に伴いデイジタルマイクロ波無線回線
は無線伝搬路に特有の干渉性フエージングに対す
る影響を受け易くなるという問題を持つている。
そのため、DMR回線の中でフエージング発生
頻度の多い区間に対しては回線品質の劣化を防ぐ
ために合成スペースダイバーシチシステムが採用
されている。第8図にこのスペースダイバーシチ
システムを使つたデイジタルマイクロ波送受信装
置を示す。
この図において、30は変調器、31,34,
36は周波数変換器、32,35は局部発振器、
33は電力増幅器、37は位相器、38は制御回
路、39は合成器、40は中間周波増幅器、41
はフエージング等化器、42は復調器である。
このようなスペースダイバーシチシステムにお
いて、メインルートRnとサブルートRsにおける
信号の伝搬遅延時間に差があつた場合、伝送路の
振幅周波数特性や群遅延周波数特性が平坦になら
ず、伝送路の歪となつて信号の正しい伝送がなさ
れてなくなる。
従来、このようなメインルートRnとサブルー
トRsの伝搬遅延時間差は、例えば第9図に示す
ように2つの信号入力端子を持ち、それらの入力
信号間の位相差とレベル差を測定するベクトル・
ボルト・メータ43と、シンセサイズド・シグナ
ル・ジエネレータ44と、被測定系45a,45
bとを配置し、位相スロープ法を用いることによ
り測定していた。
なお、位相差を検出するのにベクトル・ボル
ト・メータ43を用いているが、後述の式(1)、(2)
および(3)で示されるように、入力信号のレベル差
の影響を受けることなく精度よく位相差を求めら
れる位相検出器であれば、必ずしもベクトル・ボ
ルト・メータでなくともよい。
ここで、位相スロープ法について述べる。
第10図のような位相特性を持つ被測定系の伝
搬遅延時間tpは、 tp=dθ(ω)/dω ……(1) θ(ω):被測定系の位相特性 ω:角周波数 と表される。
ここで、微小区間において、位相が周波数に対
してリニアに変化しているとすれば、伝搬遅延時
間tpは次に示す第(2)式で表される。
tp=−dθ(ω)/dω≒−Δθ/Δω ……(2) ここで、Δθ,Δωを測定し、その比をとつて伝
搬遅延時間tpを求めるのが位相スロープ法であ
る。
測定は、まずシンセサイズド・シグナル・ジエ
ネレータ44の周波数ω1に設定する。その時、
ベクトル・ボルト・メータ43で測定した位相差
をθ1とする。
次に、シンセサイズド・シグナル・ジエネレー
タ44の周波数をω2に設定する。その時の位相
差をθ2とする。
ここで、被測定系の2ルートの伝搬遅延時間差
Δtpは、 Δtp=−θ2−θ1/ω2−ω1 ……(3) から求めることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記のような従来の測定法では、以下に示すよ
うな問題があつた。
測定周波数を変えて測定信号源の周波数ω1
ω2ごとに位相を測定し、その位相差から遅延
時間を算出するため、DMR回線の送信部から
受信部までを測定する場合のように、シンセサ
イズド・シグナル・ジエネレータ44とベクト
ル・ボルト・メータ43が離れて配置される測
定では、測定周波数の切替えのために送受信部
の操作者が互いに連絡を取り合う必要があり、
測定操作が繁雑である。
被測定系の伝搬遅延時間は、第(3)式に示すよ
うに位相と周波数から算出され、測定信号源の
周波数ω1,ω2が変動すると測定された伝搬遅
延時間の値も誤差を持つてしまうので、測定信
号源としては周波数安定度の良いシンセサイズ
ド・シグナル・ジエネレータ44を必要とす
る。
測定周波数を一旦停止させて測定を進める方
法、すなわち点々法による測定であるため、多
数の測定回数を必要とする広い周波数帯域にわ
たる測定では測定時間が長くなつてしまい、周
波数帯域の全域にわたつて素早く測定すること
が困難である。
また、特公昭51−32962号公報に示される従来
技術があるが、通信局間の無線伝搬路を測定する
となると前記からの問題がそのまま残り解決
されない。さらに、文献「電子通信学会技術研究
報告OQE82−24、vol.82No.47、p.41−47(1982−
6−14)社団法人 電子通信学会」記載の従来技
術がある。この文献には、どのような信号間の位
相を測定して伝搬時間差を求めているのか具体的
記載はない。これも前記公報に記載と同様2ルー
トで測定しているが、一般に位相は2つの信号間
の位相(差)を測定しないと求めるのは困難であ
るから、2ルートで測定すること自体は位相測定
から時間を求める限り以前から使われている技術
である。この技術にも前記公報と同様の問題があ
る。
この発明は、かかる問題点を解決するためにな
されたもので、測定操作が簡単であるうえ、周波
数帯域の全域にわたつて2ルートの伝搬遅延時間
差を短時間で測定できる2ルートの伝搬遅延時間
差測定装置を得ることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
この発明に係る2ルートの伝搬遅延時間差測定
装置は、送信部を、変調信号を発生する変調信号
発生器2と、変調信号の周波数に比し低い周波数
の掃引信号を繰り返し出力する掃引信号発生器1
1と、変調信号と掃引信号とを受け、変調信号に
より変調されるとともに変調された搬送波を所定
の被測定周波数範囲にわたつて周波数掃引して出
力する搬送波発生器1aとで構成し、受信部を、
周波数制御可能な局部発振器18と、2ルートの
無線伝搬路を経由してきた送信部からの出力信号
のそれぞれを受け、局部発振器からの信号で中間
周波数信号に変換する第1の混合器15および第
2の混合器16と、この第1の混合器からの中間
周波数信号を受けて周波数−電圧変換して出力す
る第1の周波数−電圧変換器5と、第2の混合器
からの中間周波数信号を受けて周波数−電圧変換
して出力する第2の周波数−電圧変換器6と、第
1の周波数−電圧変換器の出力信号からFM復調
された変調信号成分のみを抽出する第1の変調信
号成分抽出手段7と、第2の周波数−電圧変換器
の出力信号からFM復調された変調信号成分のみ
を抽出する第2の変調信号成分抽出手段8と、こ
の第2の変調信号成分抽出手段の出力信号と第1
の変調信号成分抽出手段の出力信号の位相差を検
出して2ルートの無線伝搬路の遅延時間差を表わ
す信号として出力する位相検出器9と、第1の周
波数−電圧変換器の出力信号から復調された掃引
信号の成分のみを抽出してその成分を局部発振器
に送出して自動周波数制御を行わせる掃引信号成
分抽出手段17と、位相検出器からの出力信号と
掃引信号成分抽出手段で抽出された掃引信号の成
分を受けて被測定周波数範囲に対応して位相検出
器からの遅延時間差を表わす信号を表示する表示
器19とで構成したものである。
〔作用〕
この発明においては、送信部から被測定周波
数範囲にわたつて繰り返しでゆつくりと周波数掃
引して出力されて第1の被測定系を通過した測定
信号が、第1の混合器で局部発振器の出力と混合
され、中間周波数信号に変換された後、第1の周
波数−電圧変換器により周波数の変化が電圧の変
化に変換される。
次いで、第1の変調信号成分抽出手段により、
第1の周波数−電圧変換器の出力信号からFM復
調された変調信号成分のみが抽出されて位相検出
器および掃引信号成分抽出手段に出力される。こ
れにより、掃引信号成分抽出手段は、復調された
掃引信号の成分のみを抽出してその一部を局部発
振器に送出して自動周波数制御を行わせる。他
方、第2の被測定系を通過した測定信号は、第2
の混合器で同様に中間周波数信号に変換され、第
2の周波数−電圧変換器により周波数の変化が電
圧の変化に変換された後、第2の変調信号成分抽
出手段によりFM復調された変調信号成分のみが
抽出されて位相検出器に出力される。位相検出器
は、入力される2つの信号間の位相差を検出し
て、2ルートの無線伝搬路の遅延時間差を表す信
号として表示器に出力し、表示器は掃引信号成分
抽出手段で抽出された掃引信号の成分を受けて被
測定周波数範囲に対応して位相検出器によつて検
出された遅延時間差を表示する。
〔実施例〕
第4図はこの発明における基本的な動作を説明
するための図である。この図において、は送信
部、は受信部であり、1は搬送波発生器、2は
変調信号発生器、3は周波数変調器、4a,4b
は第1および第2の被測定系、5,6は第1およ
び第2の周波数−電圧変換器、7,8は第1およ
び第2の変調信号成分抽出手段としての帯域ろ波
器、9は位相検出器、10は表示器である。
なお、第1および第2の周波数−電圧変換器
5,6は、周波数の変化を電圧の変化に変換する
もので、通信分野におけるFM復調器(あるいは
デイスクルミネータ)と呼ばれているものであ
る。この実施例では、変調された搬送波信号を受
けて、復調して変調信号成分を出力している。
次に、動作について説明する。
測定信号は搬送波発生器1の出力信号を周波数
変調器3において変調信号発生器2の出力信号で
比較的浅い周波数変調をかけて得る。
比較的浅い変調とは、次式(4)の変調指数mfが
小さいことを示す。なお、一般に周波数変調のか
かつた信号のスペクトラムは、搬送波周波数を中
心に変調波による側帯波が分布している。つま
り、変調指数mfが大のときはその側帯波の分布
が拡がり、変調指数mfが小のときは搬送波の極
近傍の側帯波だけが分布する。そのため、いわば
第1および第2の周波数−電圧変換器7,8で
FM復調された変調信号成分は、前記側帯波で運
ばれた変調信号成分の平均を示すことになる。し
たがつて、変調指数mfが大のときは粗い測定、
小のときは細かい測定に向くと言える。
測定信号S(t)は次に示す第(4)式で表される。
S(t)=Sin(ωt+mfSinωnt) ……(4) ω:搬送波角周波数 ωn:変調角周波数 mf:変調指数 この測定信号S(t)を第5図a,bに示すような
周波数(搬送周波数)に対する位相特性(以下、
端に位相特性という)をそれぞれ持つ第1および
第2の被測定系4a,4bに通すと、それぞれ次
に示す第(5)式、第(6)式で表される位相変化を受け
る。
第1の被測定系4aの出力信号S01(t) S01(t)=Sin{ωt+mf Sin (ωnt−Δθ1)} ……(5) 第2の被測定系4bの出力信号S02(t) S02(t)=Sin{ωt+mfSin (ωnt−Δθ2)} ……(6) ここで、第1および第2の被測定系4a,4b
の2ルートの伝搬遅延時間差Δtpは、それぞれの
伝搬遅延時間をtp1,tp2とすると、 Δtp=tp2−tp1 =(−dθ2(ω)/dω)−(−dθ1(ω)/dω) となる。
また、第5図a,bで、変調角周波数ωnが十
分に小さいと仮定すれば、 Δtp≒(−Δθ2/ωn)−(−Δθ1/ωn
=(Δθ1−Δθ2)/ωn……(7) と近似できる。
この発明における受信部では、第(5)式、第(6)
式で表される出力信号S01(t)、S02(t)からそ
れぞれ第1および第2の周波数−電圧変換器5,
6で変調信号成分P1,P2 P1=Sin(ωnt−Δθ1) ……(8) P2=Sin(ωnt−Δθ2) ……(9) を取り出し、位相検出器9でこれらの変調信号成
分P1,P2の位相差に比例した出力電圧E0を取り
出す。
E0=K(Δθ1−Δθ2) ……(10) K:位相検出器9の感度 したがつて、第(7)式、第(10)式から2ルートの伝
搬遅延時間差Δtpは、 Δtp=(Δθ1−Δθ2)/ωn=E0/ωn・K と表すことができる。
すなわち、位相検出器9の出力電圧E0に係数
(1/ωn・K)を乗じて、その値を表示器10に表 示すれば2ルートの伝搬遅延時間差Δtpが測定で
きたことになる。
なお、係数1/ωn・KのωnおよびKは既知の
値であるから、出力電圧E0に係数1/ωn・Kを
乗ずるためには、必要に応じて係数1/ωn・K
の値だけ増幅するか、抵抗器で減衰させればよ
い。また、表示器10の感度を調整するようにし
てもできる。なお、この例における表示器10は
従来ある電圧計、オシロスコープまたはX−Yレ
コーダ等が使用できる。
第1図はこの発明の2ルートの伝搬遅延時間差
測定装置の一実施例の構成を示す図である。
この図において、第4図と同一符号は同一部分
を示す。また、1aは搬送波発生器で、周波数変
調器として動作する電圧制御発振器20、所定の
被測定帯域幅だけ周波数掃引された信号を生成す
る電圧制御発振器12およびこれらの出力を合成
する混合器13で構成される。11は掃引信号発
生器、14はスイツチ、15,16は混合器、1
7は掃引信号抽出器として動作する低減ろ波器、
18は局部発振器として動作する電圧制御発振
器、19はX−Y表示器である。
上記要部はそれぞれ単独では、一般的に用いら
れる手段で構成できる。つまり、電圧制御発振器
12,20および局部発振器18として具体的に
は、発振周波数を決定する素子に可変容量ダイオ
ードを用いたトランジスタ発振器が使用できる。
混合器15,16には、ダイオードを使用した平
衡変調器が用いられる。掃引信号発生器11に
は、低周波(この実施例では50Hzの正弦波発生器
や鋸歯状波発生器等が使用できる。また、低減ろ
波器17は掃引信号成分(50Hz)を通過させ、そ
れより高い周波数を除去するように構成されてい
る。さらに、第4図にもある第1および第2の周
波数−電圧変換器5,6は、FM復調器であつて
一般に用いられる同調形のものやパルスカウント
形のものが使用できるが、この実施例では複同調
形を用いている。第1および第2の変調信号成分
抽出手段として動作する帯域ろ波器7,8は、変
調信号の周波数に同調して抽出してそれ以外の帯
域の周波数を有する信号を除去する構成にされて
いる。
なお、第1および第2の被測定系4a,4bは
無線伝搬線路である。
すなわち、この実施例における送信部は、比
較的浅い周波数変調(例えば200kHzrms)を加え
るための変調信号発生器2(例えば200kHz)と、
その信号を受けてFM波を発生する電圧制御発振
器20(例えば中心周波数680MHz)と、必要な
被測定帯域をゆつくりと繰り返し掃引させるため
の掃引信号を発生する掃引信号発生器11(例え
ば50Hz)と、その掃引信号をうけて被測定帯域を
掃引する電圧制御発振器12(例えば750±25M
Hz)および電圧制御発振器20と電圧制御発振器
12の出力を混合し、デイジタルマイクロ波無線
回線の中間周波数である、例えば70MHz帯に変換
する混合器13とから構成されている。
この送信部から得られる測定信号は、第2図
に示すように、例えば70MHzを中心として45MHz
から95MHzまでの被測定帯域を50Hzの繰り返しで
ゆつくりと掃引され、しかも比較的浅い周波数変
調(周波数:200kHz、周波数偏移量:200kHz
rms)を受けたFM波となつている。
また、受信部は、第1および第2の周波数−
電圧変換器5,6の入力を第1の被測定系4aま
たは第2の被測定系4bの出力信号の一方に切替
えるスイツチ14と、X−Y表示器19を備えた
構成とされている。
次に、動作について説明する。
送信部からの測定信号が入力された第1の被
測定系4aからの出力信号S01(t)は、第1の混
合器15で電圧制御発振器18の出力と混合さ
れ、中間周波数fIFに変換される。第1の周波数
−電圧変換器5は中間周波数fIFの周波数の変化
を電圧の変化に変換する。具体的には、第1の周
波数−電圧変換器5は、FM復調を行うことによ
り、被測定系を経てきた測定信号(無線伝搬路を
経てきた搬送波)が有する周波数変化のすべて、
つまり第3図に示されるような変調信号成分
(200kHz)および周波数掃引された変化分である
掃引信号成分(50Hz)を出力する。掃引信号成分
抽出手段としての低域ろ波器17は掃引信号成分
(50Hz)を通過し、それより高い周波数を除去す
るように構成され、第1の周波数−電圧変換器5
の出力のうち掃引信号成分(50Hz)のみを抽出し
て、局部発振器としての電圧制御発振器18に送
出する。電圧制御発振器18は、掃引信号成分の
電圧変化に対応して、測定信号が第1の混合器1
5で混合されて常に中間周波数fIFに変換される
ような周波数信号を第1の混合器15へ送出す
る。これらの第1の混合器15、第1の周波数−
電圧変換器5、低域ろ波器17、電圧制御発振器
18で構成される閉ループは、測定信号の周波数
が変化しても中間周波数fIFの平均値が一定にな
るように動作しており、周波数制御回路AFCと
呼ばれている。
すなわち、このような周波数制御回路を採用す
ることにより、45MHzから95MHzまでの被測定帯
域幅だけ掃引されている測定信号を自動的に同調
して測定できる。したがつて、送信部と受信部
が離れた状態で測定する場合に有効である。ま
た、第1の周波数−電圧変換器5の入力周波数が
中間周波数fIFにほぼ一定となるので、第1の周
波数−電圧変換器5の動作する周波数帯域が狭く
て(中間周波数fIFを中心とする変調による周波
数変移200kHzrms)も広い帯域幅(45MHzから
95MHz)の測定信号の復調ができる。
第1の周波数−電圧変換器5の出力の残り部分
は、帯域ろ波器7でゆつくりした変化の掃引信号
を除去され、FM変調信号のみが位相検出器9に
送られる。
また、第2の被測定系4bを通つた出力信号
S02(t)も同様に混合器16で中間周波数fIFに変
換されたのち、第2の周波数−電圧変換器6で周
波数の変化が電圧の変化に変換される。そして、
第2の周波数−電圧変換器6の出力は帯域ろ波器
8で掃引信号を除去され、FM復調された変調信
号成分のみが位相検出器9へと送られる。
位相検出器9は、第1の被測定系4aの位相特
性によつて位相変化を受けた出力信号S01(t)
と、第2の被測定系4bの位相特性によつて位相
変化を受けた出力信号S02(t)との位相差Δθを
電圧に変換し、係数1/ωn・Kなる倍率を乗じ
た電圧(伝搬遅延時間差Δtp相当)にして出力す
る。この電圧はX−Y表示器19に送られて、第
3図に示されるように表示される。第3図は、Y
軸(縦軸)が伝搬遅延時間差Δtpで、X軸(横
軸)が測定信号の周波数(いわば搬送波の周波
数)である。
X−Y表示器19としては、一般にオシロスコ
ープやX−YLコーダと称されるものを用い、そ
のY軸へ位相検出器9から出力される電圧を入力
し、X軸信号として第1の周波数−電圧変換器5
および低域ろ波器7で検出した50Hzの掃引信号成
分を入力することにより、X軸の掃引信号成分の
電圧変化、つまり測定信号の搬送波の周波数変化
(45MHzから95MHz)に対する伝搬遅延時間差
Δtpの変化として表示する。
また、スイツチ14は測定器自体の伝搬遅延時
間差を校正するために使用するもので、スイツチ
14を第1の被測定系4a側に接続することによ
り、測定器自体の伝搬遅延時間差をX−Y表示器
19に表示することができ、この値を記憶して、
次にスイツチ14を第2の被測定系4b側に接続
して実際に2ルート測定を行つてX−Y表示器1
9に表示される伝搬遅延時間差から、先に記憶し
た測定系自身の伝搬遅延時間差を差し引いて校正
される正しい値の伝搬遅延時間差Δtpを求めるこ
とができる。記憶するための手段としては、オシ
ロスコープであればアナグロ的には従来からある
残光性のCRTを用いることができ、X−Yレコ
ーダであればそのまま記録しておけば済むことで
ある。
第6図はこの発明の2ルートの伝搬遅延時間差
測定装置の他の実施例の構成を示す図である。こ
の図において、第1図と同一符号は同一部分を示
し、21はスイツチ、22は校正用信号発生器
で、搬送波発生器22aと周波数変調器22bと
変調信号発生器22cとから構成されている。
すなわち、この実施例のように構成することに
より、受信部側のみで測定器自体の伝搬遅延時
間差を測定することが可能になる。
なお、第7図に示すようにデイジタル信号プロ
セツサ24を用いれば、上記の記憶、校正値の算
出は容易になる。つまり、第6図において、位相
検出器9以降の構成を第7図のように構成するこ
とにより、スイツチ14を第1の被測定系4a側
に接続して第3図に示すように測定信号の周波数
に対応して測定器自体の伝搬遅延時間を測定して
記憶し、同様にスイツチ14を第2の被測定系4
b側に接続して測定信号の周波数に対応して実際
に2ルート測定したときの値と先に記憶した値の
差を計算して表示器10に表示することにより、
より機能的な測定が行える。
〔発明の効果〕
この発明は以上説明したとおり、送信部から変
調された搬送波を被測定周波数範囲にわたつて繰
り返しでゆつくりと周波数掃引された測定信号を
出力する構成とし、受信部を、2ルートの無線伝
搬路を経てきた測定信号をそれぞれ自動的に同調
して中間周波数信号に変換し、次いで掃引信号を
除去した後に位相差を位相検出器で検出して伝搬
遅延時間差を直接表示器に表示する構成としたの
で、2ルートの無線伝搬路を経てきた測定信号の
広帯域にわたる周波数変化に自動的に追随でき、
被測定周波数範囲である搬送波の広帯域な周波数
範囲にわたつて、短時間で測定でき、送信部と受
信部が分かれて別な場所にあつても同期して容易
に測定を行うことが可能になるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の2ルートの伝搬遅延時間差
測定装置の一実施例の構成を示す図、第2図は測
定信号の例を示す図、第3図はX−Y表示器の表
示例を示す図、第4図はこの発明における基本的
な動作を説明するための図、第5図a,bは被測
定系の位相特性を示す図、第6図、第7図はこの
発明の他の実施例を示す図、第8図はスペースダ
イバーシチシステムを使つたデイジタルマイクロ
波送受信装置を示す図、第9図は従来の2ルート
の伝搬遅延時間差の測定法を説明するための図、
第10図は被測定系の位相特性の一例を示す図で
ある。 図中、1,1aは搬送波発生器、2は変調信号
発生器、3は周波数変調器、4,4aは第1およ
び第2の被測定系、5,6は第1および第2の周
波数−電圧変換器、7,8は帯域ろ波器、9は位
相検出器、10は表示器、11は掃引信号発生
器、12,18,20は電圧制御発振器、13,
15,16は混合器、14,21はスイツチ、1
7は低域ろ波器、19はX−Y表示器、22は校
正用信号発生器、23はA/D変換器、24はデ
イジタル信号プロセツサである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 送信部と受信部を備えて2ルートの無線
    伝搬路の遅延時間差を測定する2ルートの伝搬遅
    延時間差測定装置において、前記送信部を、変調
    信号を発生する変調信号発生器2と、変調信号の
    周波数に比し低い周波数の掃引信号を繰り返し出
    力する掃引信号発生器11と、前記変調信号と掃
    引信号とを受け、前記変調信号により変調される
    とともに変調された搬送波を所定の被測定周波数
    範囲にわたつて周波数掃引して出力する搬送波発
    生器1aとで構成し、前記受信部を、周波数制御
    可能な局部発振器18と、2ルートの無線伝搬路
    を経由してきた前記送信部からの出力信号のそれ
    ぞれを受け、前記局部発振器からの信号で中間周
    波数信号に変換する第1の混合器15および第2
    の混合器16と、この第1の混合器からの中間周
    波数信号を受けて周波数−電圧変換して出力する
    第1の周波数−電圧変換器5と、前記第2の混合
    器からの中間周波数信号を受けて周波数−電圧変
    換して出力する第2の周波数−電圧変換器6と、
    前記第1の周波数−電圧変換器の出力信号から
    FM復調された変調信号成分のみを抽出する第1
    の変調信号成分抽出手段7と、前記第2の周波数
    −電圧変換器の出力信号からFM復調された変調
    信号成分のみを抽出する第2の変調信号成分抽出
    手段8と、この第2の変調信号成分抽出手段の出
    力信号と前記第1の変調信号成分抽出手段の出力
    信号の位相差を検出して前記2ルートの無線伝搬
    路の遅延時間差を表わす信号として出力する位相
    検出器9と、前記第1の周波数−電圧変換器の出
    力信号から復調された前記掃引信号の成分のみを
    抽出してその成分を前記局部発振器に送出して自
    動周波数制御を行わせる掃引信号成分抽出手段1
    7と、前記位相検出器からの出力信号と掃引信号
    成分抽出手段で抽出された掃引信号の成分を受け
    て前記被測定周波数範囲に対応して前記位相検出
    器からの遅延時間差を表わす信号を表示する表示
    器19とで構成したことを特徴とする2ルートの
    伝搬遅延時間差測定装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5132962A (ja) * 1974-06-20 1976-03-19 Westinghouse Electric Corp
JPS5965265A (ja) * 1982-10-06 1984-04-13 Advantest Corp 位相測定装置

Patent Citations (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5132962A (ja) * 1974-06-20 1976-03-19 Westinghouse Electric Corp
JPS5965265A (ja) * 1982-10-06 1984-04-13 Advantest Corp 位相測定装置

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