JPH0354956Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、いわゆるペーパーグリツト方式の
Ｘ，Ｙプロツタと呼称される作画機のペン選択装
置に関する。

＜従来の技術＞ いわゆるペーパーグリツト方式のＸ，Ｙプロツ
タと呼称される作画機は、例えばマイクロコンピ
ユータ等に制御されるモータ等の駆動力によつて
Ｘ方向の動きは作画面上に配設されたガイドレー
ルに沿つてペンヘツドを移動させ、Ｙ方向の動き
は作画用紙を移動させることにより作画用紙の任
意の位置にペンを移動させ作画できるように構成
したものが知られている。そして、ペンは上記ペ
ンヘツドの一側に突設したペンホルダに保持され
たソレノイドプランジヤー等により上下動される
ことにより作画用紙に任意の文字、図形を描きう
るようになつている。また、作画面の一側縁には
ガイドレールの延長方向でペンヘツドと対峙する
位置に複数の作画ペンを並列に収容保持するペン
ストツカが取り付けられている。

そして、この種作画機におけるペン交換、すな
わち上記ペンヘツドと上記ペンストツカ間におけ
るペンの交換着脱は、上記ペンヘツドをガイドレ
ールに沿つてペンストツカのある作画面の一側縁
方向端に移動するとともに上記ペンストツカ内の
所望ペンをガイドレールのペンヘツドと対峙する
位置に移動し、ペンヘツドのペンホルダに保持さ
れたペンとペンストツカに収容されているペンを
着脱交換することによつて行われている。

ところで従来のこの種装置においては、作画用
紙を移動させる駆動モータとペンストツカを移動
する駆動モータを別個に必要とし、各々を別個に
マイクロコンピユータ等で制御する必要があつ
た。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 本考案は上記実情に鑑み考案されたものであ
り、ペンストツカの駆動力源として、作画用紙を
移動させる駆動モータを利用することにより、一
つのモータで作画用紙の移動とペンストツカの移
動を行える作画機のペン選択装置を提供すること
を目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 本願考案は、Ｘ，Ｙ方向の一方向へは紙を移動
させ、他方向へはペンヘツドを移動させるように
した作画装置において、紙送り用モータにより作
動される駆動ギアとこのギアに噛合する従動ギア
を有し、この従動ギアは欠歯部を有するとともに
作画面の一側縁に沿つて配設されたペンストツカ
に取りつけられており、このペンストツカは紙の
移動方向に沿つて交換用の複数のペンを１列に配
列し、上記紙送り用モータにより上記ペンストツ
カを紙の移動方向と同方向に移動させて上記ペン
ヘツドにいずれか１本のペンの選択装着を行える
ようにした。

上記紙送り用ローラは、そのローラ軸の一端に
前記紙送り用モータにより回動される駆動ギアを
有し、このギアには従動ギアが噛合している。そ
して、この従動ギアは欠歯部を有してペンストツ
カに取り付けられている。よつて、上記駆動ギア
と従動ギアが噛合しているときには上記紙送り用
モータによりペンストツカを移動でき、駆動ギア
は空回りするため上記ペンストツカの移動は行わ
れない。すなわちペンストツカは、駆動ギアと従
動ギアの噛合する一定範囲内においてのみ移動す
るようになつている。

＜作用＞ 本考案におけるペン選択操作は、まずペンヘツ
ドをペンストツカが設置されている作画面の一側
縁方向にガイドレールに沿つて移動する。このと
き、マイクロコンピユータ等により紙送り用モー
タを制御して回動し、紙送り用ローラのローラ軸
の一端に取り付けられた駆動ギアの回転量を選択
することにより、この駆動ギアと噛合する従動ギ
アの移動量が設定され、従動ギアと一体のペンス
トツカの移動量も決定される。したがつて、上記
紙送り用モータの回動量を選択することによりペ
ンストツカの移動量の選択を行うことができ、ペ
ンストツカ内の所望ペンをペンヘツドのペンホル
ダに対峙する位置に移動して対応設置されたペン
ホルダとペンストツカ間においてペンの着脱交換
を行うことが出来る。よつて、ペンストツカを移
動させるための特別のモータ等を必要としない。
また、ペンストツカは従動ギアが欠歯部を有する
ためペン交換に必要な一定範囲以内においてのみ
移動を行い、ペンストツカの無駄な動きの発生が
回避されている。

＜実施例＞ 以下本考案の好適な実施例を図面に示す例に基
づいて説明する。

先ず、作画板１上には作画面のＸ方向と平行に
ガイドレール２が取り付け固定されている。この
ガイドレール２には図示しないマイクロコンピユ
ータ等により制御され、このガイドレール２に沿
つて移動自在に動くペンヘツド３が設置されてい
る。そして、このペンヘツド３の一側３Ａには上
下動可能なペンホルダ４が配設され、ペン５を保
持出来るようになつている。

次に、作画板１の作画面には作画用紙６をＹ方
向に移動自在とする紙送り用ローラ７及び従動ロ
ーラ８が取り付けられている。この紙送り用ロー
ラ７及び従動ローラ８はその各回転軸芯がＸ方向
に互いに平行して取り付けられており、作画用紙
６を挟持し、紙送り用ローラ７が回動することに
より作画用紙６をＹ方向に移動することができる
ようになつている。この紙送り用ローラ７は図示
しないマイクロコンピユータ等により制御される
紙送り用モータ９によつて駆動され、前記ペンヘ
ツド３の作動とあいまつてペン５Ａを作画用紙６
上の任意の位置に移動できるようになつている。

上記紙送り用ローラ７には、そのローラ軸７Ａ
の一方端に駆動ギア１０が取り付けられている。
この駆動ギア１０はピニオンギア１１と噛合し、
さらにピニオンギア１１はラツクギア１２と噛合
している。このラツクギア１２は、ペンストツカ
１３に取り付けられており、このペンストツカ１
３は、図で示すように作画板１の一側にあるペン
ストツカガイト１４のペンストツカ用レール１５
に沿つてＹ方向に摺動自在となるように取り付け
られている。なお、この例の場合図示の通り、ペ
ンストツカ１３には４本のペン５が収容保持でき
るようにペン支持アーム１６が突設されており、
ペンストツカ用レール１５に沿つてペンストツカ
１３を移動させることにより、ペンストツカ１３
のペン支持アーム１６に保持された所望ペン５
が、ガイドレール２に設置されたペンヘツド３の
ペンホルダ４と対峙できるようになつている。ペ
ンストツカ１３内のペン５をペンヘツド３のペン
ホルダ４に対峙させるためのペンストツカ１３の
移動は、紙送り用モータ９を作動し紙送り用ロー
ラ７のローラ軸７Ａの一方端にある駆動ギア１０
を回動させると、この駆動ギア１０に噛合するピ
ニオンギア１１をへてラツクギア１２が移動し、
このラツクギア１２の移動量に従つてラツクギア
１２と一体である上記ペンストツカ１３がペンス
トツカ用レール１５に沿つてＹ方向に移動をおこ
なう。また、上記ラツクギア１２は第４図で明ら
かなように、その両端に欠歯部１２Ａ，１２Ｂを
有している。従つて、例えば同図で示すように、
ピニオンギア１１の時計回り方向の回転によりラ
ツクギア１２は図中右方向に移動するが、ラツク
ギア１２の欠歯部１２Ａがピニオンギア１１との
噛合点まで来ると、それ以上はピニオンギア１１
が時計回り方向に回転してもピニオンギア１１は
空転しラツクギア１２は移動することが出来な
い。すなわち、ピニオンギア１１の一方向の回転
によるラツクギア１２の移動量、つまりペンスト
ツカ１３の移動量は一定の範囲に限定されてい
る。さらに、ペンストツカ用レール１５の両端に
は反発用バネ１７が取り付けられており、ペンス
トツカ１３がペンストツカ用レール１５の一方端
までくると反発用バネ１７により他端方向へ弾発
付勢されるようになつている。そのため、ピニオ
ンギア１１とラツクギア１２はラツクギア１２の
欠歯部１２Ａ，１２Ｂにおいても離間することな
く、常にラツクギア１２にはピニオンギア１１と
噛合しようとする力が働いている。従つて、この
例の場合においてもラツクギア１２の欠歯部１２
Ａはピニオンギア１１と離間せず、ピニオンギア
１１を反時計回り方向に回転させると容易にラツ
クギア１２はピニオンギア１１と噛合し、ペンス
トツカ１３を図中左方向に移動することができ
る。

従つて、図示しないマイクロコンピユータ等に
より紙送り用モータ９の回転量を選択して紙送り
用ローラ７のローラ軸７Ａの一方端にある駆動ギ
ア１０と噛合するピニオンギア１１をへてラツク
ギア１２の移動量を選択することにより、ラツク
ギア１２と一体であるペンストツカ１３のペンス
トツカ用レール１５に沿つたＹ方向の移動量を選
択し、ペンストツカ１３内にある所望ペン５をペ
ンヘツド３のペンホルダ４に対峙する位置に移動
することができる。

そこで、ペンストツカ１３内の複数のペン５か
ら所望ペン５を選択する場合、まず、ペンストツ
カ１３を上記方法により移動させてペンストツカ
１３のうち、ペン５を収容していないペン支持ア
ーム１６部をペンヘツド３のペンホルダ４に対峙
させ、ペンホルダ４が保持しているペン５Ａをペ
ンストツカ１３内に収容し、次にペンストツカ１
３を移動して所望ペン５をペンホルダ４に対峙さ
せ、ペンストツカ１３内のペン支持アーム１６に
保持された所望ペン５をペンホルダ４に保持する
ことにより行うことが出来る。なお、この例の場
合、ペンストツカ１３とペンホルダ４の間におけ
る作画ペン５の着脱は、ペンヘツド３に設置され
たペンホルダ４のペン上下動機構を利用すること
により行うことができるようになつている。

＜考案の効果＞ 上記実施例から明らかな通り本考案は、作画用
紙を移動させる紙送り用モータの駆動力を利用し
てペンストツカを駆動することができ、一つのモ
ータで作画用紙とペンストツカの移動を行うこと
ができる。従つて、作画機に必要なモータの数を
減らすことにより安価な作画機を提供することが
できる。また、本願考案のペンヘツドは、１本の
みのペンの搭載で質量が少なくなるため、ペンヘ
ツドの移動を早めることができ、その結果作画速
度を向上できる。また、本願考案のペンストツカ
は、紙の移動方向に沿つてペンを配列し、且つ長
手方向に移動できるため、回転方式のものと異な
り、装置全体を小型化できスペースの有効活用を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の概要を示す斜視図、第２図は
同平面図、第３図は第２図のＡ−Ａ断面図、第４
図はペンストツカ部の拡大正面図である。 ７……紙送り用ローラ、９……紙送り用モー
タ、１０……駆動ギア、１１……ピニオンギア、
１２……ラツクギア、１２Ａ，１２Ｂ……欠歯
部、１３……ペンストツカ、１４……ペンストツ
カガイド、１５……ペンストツカ用レール、１７
……反発用バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｘ，Ｙ方向の一方向へは紙を移動させ、他方向
   へはペンヘツドを移動させるようにした作画装置
   において、紙送り用モータにより作動される駆動
   ギアとこのギアに噛合する従動ギアを有し、この
   従動ギアは欠歯部を有するとともに作画面の一側
   縁に沿つて配設されたペンストツカに取りつけら
   れており、このペンストツカは紙の移動方向に沿
   つて交換用の複数のペンを１列に配列し、上記紙
   送り用モータにより上記ペンストツカを紙の移動
   方向と同方向に移動させて上記ペンヘツドにいず
   れか１本のペンの選択装着を行えるようにした作
   画機のペン選択装置。