JPH035429Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は電動工具、さらに詳細には、たとえば
電動ハンマやハンマドリルなどのように、工具作
動用の歯車を内蔵する歯車ケーシング内にグリー
ス、その他の潤滑油を封入した電動工具用オイル
シール構造の改良に関するものである。

〔考案の背景〕

本考案の説明に先立ち、従来形電動工具の内部
構造を第２図に示す。

第２図において、１はモータ（図示せず）を内
蔵したモータハウジング、２は内部にグリース、
その他の潤滑油を封入し、かつ後述する工具作動
用の歯車群を内蔵した歯車ケーシング、３はモー
タハウジング１に内蔵されているモータの回転力
を歯車ケーシング２に内蔵されている歯車群に伝
達するモータ駆動軸を示し、歯車ケーシング２内
において、モータ駆動軸３に取り付けられている
第一歯車４の回転力は、当該歯車４とかみ合つて
いる第二歯車５に伝達される。６は第二歯車５を
下端寄りに取り付けた回転軸で、回転軸６の上端
寄りには、クランクシヤフト７が取り付けられて
おり、モータ駆動軸３からクランクシヤフト７に
伝達された動力は、さらにコネクテイングロツド
８、ピストンピン９を介してピストン１０の往復
動作に変換され、図示を省略した先端工具へと伝
えられる。１１は第三歯車、１２は第四歯車、１
３は第五歯車で、第三歯車１１は第二歯車５とか
み合つて、回転軸１４に取り付けられた第四歯車
１２、さらには第五歯車１３を駆動し、その回転
力をシリンダ１５に伝達する。１６はモータ駆動
軸３の上部を軸支する玉軸受、１７は回転軸６の
下部を軸支するコロ軸受、１８は回転軸６の上部
を軸支する玉軸受、１９は回転軸１４の下部を軸
支する玉軸受、２０は回転軸１４の上部を軸支す
る玉軸受を示し、玉軸受１６の下方に位置して、
モータ駆動軸３の周囲には、歯車ケーシング２に
圧入保持されたオイルシール２１が、そのリツプ
部２１ａを介して当接されている。

従来形電動工具の内部構造は以上のごときであ
るが、この種工具において、オイルシール２１の
リツプ部２１ａとモータ駆動軸３との間に隙間が
生じると、オイルシール２１のシール効果が損わ
れることになるため、従来にあつては、第一歯車
４のホブ加工時に生じる切上り部４ａから離れた
位置にオイルシール２１を装着するようにしてい
る。

（考案の目的〕 本考案は、歯車ケーシング内にグリース、その
他の潤滑油を封入した従来形電動工具をさらに改
良すべく、再検討を加えた結果なされたものであ
つて、その目的とするところは、モータ駆動軸方
向の長さを従来よりも短くし、機器の小形、軽量
化をはかることができる、操作性にすぐれた電動
工具を提供しようとするものである。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するため、本考案は、モータを
内蔵するモータハウジングと、工具作動用の歯車
群を内蔵する歯車ケーシングと、モータハウジン
グに内蔵されているモータの回転力を歯車ケーシ
ングに内蔵されている歯車群に伝達する回転軸と
を備える電動工具において、歯車ケーシング内の
最下部に位置する歯車の外周に円筒を圧入し、こ
の円筒とその下位に位置する玉軸受との間にパツ
キンを介装し、かつ上記円筒の外周には、歯車ケ
ーシングに圧入保持したオイルシールを当接して
なることを特徴とするものである。

すなわち本考案は、電動工具におけるモータ駆
動軸上の玉軸受とオイルシールとの位置関係を従
来と逆配置とし、かつオイルシール取付部の空間
を有効に利用することにより、この種工具の小
形、軽量化をはかり得るようにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を図面にもとづいて説明すると、
第１図は本考案工具の一実施例を示す要部の縦断
面図で、第１図において、第２図と同一符号は同
一部分、すなわち、１はモータ（図示せず）を内
蔵したモータハウジング、２は内部にグリース、
その他の潤滑油を封入し、かつ後述する工具作動
用の歯車群を内蔵した歯車ケーシング、３はモー
タハウジング１に内蔵されているモータの回転力
を歯車ケーシング２に内蔵されている歯車群に伝
達するモータ駆動軸を示し、歯車ケーシング２内
において、モータ駆動軸３に取り付けられている
第一歯車４の回転力は、当該歯車４とかみ合つて
いる第二歯車５に伝達される。６は第二歯車５を
下端寄りに取り付けた回転軸で、回転軸６の上端
寄りには、クランクシヤフト７が取り付けられて
おり、モータ駆動軸３からクランクシヤフト７に
伝達された動力は、さらにコネクテイングロツド
８、ピストンピン９を介してピストン１０の往復
動作に変換され、図示を省略した先端工具へと伝
えられる。１１は第三歯車、１２は第四歯車、１
３は第五歯車で、第三歯車１１は第二歯車５とか
み合つて、回転軸１４に取り付けられた第四歯車
１２、さらには第五歯車１３を駆動し、その回転
力をシリンダ１５に伝達する。１６はモータ駆動
軸３の上部を軸支する玉軸受、１７は回転軸６の
下部を軸支するコロ軸受、１８は回転軸６の上部
を軸支する玉軸受、１９は回転軸１４の下部を軸
支する玉軸受、２０は回転軸１４の上部を軸支す
る玉軸受を示し、本考案において、歯車ケーシン
グ２内の最下部に位置する第一歯車４の外周に
は、円筒２２が圧入されている。た、上記円筒２
２とその下位に位置する玉軸受１６との間には、
パツキン２３が介装されており、さらに上記円筒
２２の外周には、歯車ケーシング２に圧入保持し
たオイルシール２１が、そのリツプ部２１ａを介
して当接されており、円筒２２は第一歯車４と共
に回転する。

したがつて、上記構成よりなる本考案におい
て、第一歯車４の周囲に存在する潤滑油は、当該
歯車４に圧入した円筒２２とオイルシール２１と
の間で外部への漏れを防止され、また第一歯車４
の歯底に存在する潤滑油は、円筒２２と玉軸受１
６との間に介装したパツキン２３によつて外部へ
の漏れを防止されるものであり、本考案にあつて
は、モータ駆動軸３上における玉軸受１６とオイ
ルシール２１との位置関係を従来と逆配置とし、
かつ第一歯車４の外周に円筒２２を圧入し、当該
歯車４の外周部空間をオイルシール２１のの装着
部として有効に利用することにより、従来よりも
オイルシール２１の厚みに相当する分だけモータ
駆動軸３の軸方向の長さを短くすることができる
ものであり、これを実機にもとづいて考察してみ
ると、オイルシール２１の厚み（10mm）に相当す
る分（約５％）だけモータ駆動軸３の全長を短縮
することができ、この種工具の小形、軽量化に寄
与する。また、モータ駆動軸３の長さが短くなる
ということは、工具全体としての重心が歯車ケー
シング２側に移行することを意味し、電動工具の
操作性向上化につながる。

〔考案の効果〕

本考案は以上のごときであり、図示実施例の説
明からも明らかなように、本考案によれば、歯車
ケーシング２内にグリース、その他の潤滑油を封
入した電動工具において、モータ駆動軸３上にお
ける玉軸受１６とオイルシール２１との位置関係
を逆配置とし、かつオイルシール２１の取付部の
空間を有効に利用することにより、モータ駆動軸
３の軸方向の長さを従来よりも短くし、機器の小
形、軽量化をはかることのできる、操作性にすぐ
れた電動工具を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案工具の一実施例を示す要部の縦
断側面図、第２図は従来形電動工具の内部構造を
示す縦断側面図である。 １……モータハウジング、２……歯車ケーシン
グ、３……モータ駆動軸、４……第一歯車、４ａ
……歯車切上り部、５……第二歯車、６……回転
軸、７……クランクシヤフト、８……コネクテイ
ングロツド、９……ピストンピン、１０……ピス
トン、１１……第三歯車、１２……第四歯車、１
３……第五歯車、１４……回転軸、１５……シリ
ンダ、１６……玉軸受、１７……コロ軸受、１８
〜２０……玉軸受、２１……オイルシール、２１
ａ……オイルシールリツプ部、２２……円筒、２
３……パツキン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータを内蔵するモータハウジングと、工具作
   動用の歯車群を内蔵する歯車ケーシングと、モー
   タハウジングに内蔵されているモータの回転力を
   歯車ケーシングに内蔵されている歯車群に伝達す
   る回転軸とを備える電動工具において、歯車ケー
   シング内の最下部に位置する歯車の外周に円筒を
   圧入し、この円筒とその下位に位置する玉軸受と
   の間にパツキンを介装し、かつ上記円筒の外周に
   は、歯車ケーシングに圧入保持したオイルシール
   を当接してなることを特徴とする電動工具。