JPH035419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は研削砥石を目立て、目直し等するため
に用いる研削砥石整形具に関するものである。

（従来の技術） 研削砥石を目立て、目直し等するために用いる
ダイヤモンドドレツサには単石ダイヤモンドドレ
ツサ、多石ダイヤモンドドレツサがあり、これら
は鋼製の短い柄の先端にダイヤモンドをろう付
け、あるいは焼結等としてあり、主として機械研
削盤に装着し使用するものであり、柄が短く、危
険なため手持ち作業には不適であつた。

また、単石ダイヤモンドドレツサは柄の軸線上
の先端に単石ダイヤモンドを設けてあり、多石ダ
イヤモンドドレツサは柄の軸線に対して直交する
面内に多石ダイヤモンドを配してあり、これら単
石ダイヤモンドドレツサ、多石ダイヤモンドドレ
ツサによる研削砥石のドレツシングはダイヤモン
ド粒部分を柄の軸線に対して延長方向に送り込む
とともに直交方向に移動させて行つた。

換言すれば、目立て、目直し面に対して柄の軸
線を直交状とした。

（考案が解決しようとする問題点） 従来のダイヤモンドドレツサは水平回転軸に中
央部を取付けた平形砥石の周面整形、水平回転軸
に中央部を取付けた片へこみ砥石、両へこみ砥石
の周面、カツプ形砥石の環状研削面の整形、垂直
回転軸に中央部を取付けたリング砥石の環状研削
面の整形等の場合には手持ち状態で適用すること
が困難であるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は手持ち状態で危険を伴うことなく、し
かも片へこみ砥石、両へこみ砥石の周面、カツプ
形砥石の環状研削面、下向き凹状としたリング形
砥石、カツプ形砥石の環状研削面等の整形面に対
応し柄に対する取付部材の向きを変えて即応する
ことができるものであつて、平行四辺形状台金の
上辺部に多石ダイヤモンド整形駒を固着し、下辺
部、左斜辺部または右斜辺部に軸線を直交する下
辺ねじ孔、左斜辺ねじ孔または右斜辺ねじ孔をそ
れぞれ穿設した取付部材を設け、先端に雄ねじ部
を形成し、かつ握持部を有する柄を設け、前記雄
ねじ部を下辺ねじ孔、左斜辺ねじ孔または右斜辺
ねじ孔に螺込み取付部材を柄に着脱自在に取付け
てなる研削砥石整形具を提供するものである。

（作用） 取付部材の下辺ねじ孔に柄の雄ねじ部を螺込み
取付部材を柄に固定し握持部を握持して多石ダイ
ヤモンド整形駒により目立て、目直し等をするこ
とができる。

次いで、水平回転軸に固定したカツプ形砥石の
環状研削面を目立て等する場合には、多石ダイヤ
モンド整形駒を柄の雄ねじ部から取外し、左斜辺
ねじ孔または右斜辺ねじ孔に雄ねじ部を螺込み柄
の軸線に対して取付部材の長手方向を斜交状とし
握持部を握持して多石ダイヤモンド整形駒によつ
て側方から環状研削面を目立て、目直しすること
ができる。

また、垂直回転軸に下向きに取付けたリング形
砥石の下向き環状研削面を目立て等する場合には
左斜辺ねじ孔または右斜辺ねじ孔に雄ねじ部を螺
込み柄の軸線に対し取付部材の長手方向を斜交状
とし握持部を握持し多石ダイヤモンド整形駒を下
方から当てるようにして目立てすることができ
る。

（実施例） 本考案を図面について説明すれば、研削砥石整
形具１は第１図および第２図に示すように、取付
部材２と柄３とからなり、取付部材２は柄３に対
して着脱自在としてある。

前記取付部材２は第３図乃至第７図に示すよう
に、平行四辺形状台金４の上辺部４ａに刻設した
溝４ｂに長方体状の多石ダイヤモンド整形駒５の
下部をろう付けして固着してあり、平行四辺形状
台金４の下辺部４ｃに下辺ねじ孔６を穿設し、左
斜辺部４ｄに左斜辺ねじ孔７を穿設してある。

前記多石ダイヤモンド整形駒５は複数のダイヤ
モンド粒を金属とともに焼結してなり、この場
合、整形作業に使用し得る厚さａを示すために目
安線８を表わしてある。

前記下辺ねじ孔６の軸線は下辺部４ｃ面に対し
直交状としてあり、左斜辺ねじ孔７の軸線は左斜
辺部４ｄ面に対し直交状としてある。

前記柄３は先端に雄ねじ部３ａを形成し、後部
に握持部９を有し、この場合、握持部９を回し柄
３の軸線方向で前位置に握持部９を設定し、ある
いは前位置より僅か後方に移動して後位置に設定
自在としてあり、後端に引掛け環１０を設け中間
部に指掛け部１１を設けてある。

前記柄３の雄ねじ部３ａを取付部材２の下辺ね
じ孔６に螺込み、取付部材２を柄３に連結固定す
れば第１図、第２図に示すように、取付部材２の
長手方向を柄３の軸線に対し直交状とし、多石ダ
イヤモンド整形駒５の整形面５ａを柄３の軸線に
対し直交状とすることができる。

また柄３より取付部材２を取外し、雄ねじ部３
ａを取付部材２の左斜辺ねじ孔７に螺込み、取付
部材２を柄３に連結固定すれば、取付部材２の長
手方向を柄３の軸線に対し斜交状とし、多石ダイ
ヤモンド整形駒５を上側とし柄３の軸線を水平状
としたとき整形面５ａは左上斜め状となり、取付
部材２と柄３とは逆へ字状となる。

換言すれば、整形面５ａを上側とし水平状とす
れば柄３は上向き右上斜め状となり、この場合、
柄３の軸線と整形面５ａとのなす角αは15度とし
てあり、この角度は柄３を握持し整形面５ａで研
削砥石を整形する際の整形時抵抗と柄保持との点
から最適であつて、角αは15度乃至30度とすると
よい。

本例に代えて、右斜辺部に右斜辺ねじ孔を穿設
し柄３の雄ねじ部３ａを取付部材２の右斜辺ねじ
孔に螺込み、取付部材２を柄３に連結固定すれ
ば、取付部材２の長手方向を柄３の軸線に対し斜
交状とし、多石ダイヤモンド整形駒５を上側とし
柄３の軸線を水平状としたときには整形面５ａは
上向き左下斜め状となり、取付部材２と柄３とは
へ字状となる。

換言すれば、整形面５ａを上側とし水平状とす
れば柄３は下向き右下斜め状となり、この場合、
柄３の軸線と整形面５ａとのなす角も前記角αと
同一とし最適角としてある。

本考案は前記のように構成するから、柄３に対
し取付部材２を取外し、向きを変えることによつ
て第１図示の状態または第８図における実線で示
す状態、あるいは仮想線で示す状態とすることが
できる。

第１図示の状態として平形砥石の周面を整形す
るには、握持部３ａを握り、多石ダイヤモンド整
形駒５の整形面５ａを、平形砥石を取付けた水平
回転軸と平行状とし軽く押し当てながら左右に摺
動させて目立て、目直し等をする。

次いで、垂直回転軸イに取付けたリング形砥石
ロの環状研削面ハを目立て、目直し等する場合に
は第８図に示すように、取付部材２を柄３に連結
固定し多石ダイヤモンド整形駒５の整形面５ａを
環状研削面ハに下側から軽く押し当てながら左右
に摺動させて目立て、目直し等することができ
る。

また、水平回転軸に取付けたカツプ形砥石の横
向き環状研削面を目立て、目直し等する場合に
は、横側方から整形面５ａを軽く当てて整形する
ことができる。

（考案の効果） 本考案は多石ダイヤモンド整形駒を平行四辺形
状台金に固着してなる取付部材に下辺ねじ孔、左
斜辺ねじ孔または右斜辺ねじ孔を穿設し、柄に対
して取付部材の向きを変えて所望状態とし研削砥
石の研削面の整形に即応することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案研削砥石整形具の平面図、第２
図は同・正面図、第３図は取付部材の正面図、第
４図は同・平面図、第５図は同・左側面図、第６
図は同・右側面図、第７図は同・底面図、第８図
はリング形砥石の整形に用いる場合の説明図であ
る。 １……研削砥石整形具、２……取付部材、３…
…柄、４……平行四辺形状台金、５……多石ダイ
ヤモンド整形駒、６……下辺ねじ孔、７……左斜
辺ねじ孔、８……目安線、９……握持部、１０…
…引掛け環、１１……指掛け部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 平行四辺形状台金の上辺部に多石ダイヤモンド
   整形駒を固着し、下辺部、左斜辺部または右斜辺
   部に軸線を直交する下辺ねじ孔、左斜辺ねじ孔ま
   たは右斜辺ねじ孔をそれぞれ穿設した取付部材を
   設け、先端に雄ねじ部を形成し、かつ握持部を有
   する柄を設け、前記雄ねじ部を下辺ねじ孔、左斜
   辺ねじ孔または右斜辺ねじ孔に螺込み取付部材を
   柄に着脱自在に取付けてなる研削砥石整形具。