JPH0353587Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は回転電気の冷却を改良した回転電気に
関する。

［従来の技術］ 全閉外扇形回転電機の冷却方式の一つに管冷却
方式がある。この方式は回転電気のフレームの上
部に設けられた風洞内に多数の冷却管を取りつ
け、この冷却管の中を外部の冷却風が通り、冷却
管の外面に回転電機内部の冷却風が触れるように
し、この冷却管の内外面で熱交換を行なわせるも
のである。冷却管内への冷却風の送り込みは、回
転電機の反負荷側の軸端に設けられた外部フアン
で行なわれ、回転電機内部の冷却風は、内部フア
ンおよび回転子の扇風作用によつて風洞内に導入
され冷却管で熱交換された後回転電気内部に戻さ
れて循環することになる。

［考案が解決しようとする課題］ この回転電機内部での冷却風の流れのなかで、
冷却風が負荷側から回転子空隙を通つて反負荷側
に流れる一方通風方式のものがある。この一方通
風方式のものでは、反負荷側軸受は熱せられた内
部冷却風の影響をうけて軸受温度が高くなるた
め、風冷式軸受の採用ができず、強制給油方式又
は水冷方式の複雑な軸受構造にならざるを得なか
つた。

本考案の目的は、軸受に対する回転電機内部で
の冷却風による影響を排除し、簡単な構成の風冷
式軸受を採用できる回転電機を提供することにあ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案は、回転電
機内の冷却風が反負荷側から風洞１０に導入さ
れ、冷却されて機内へ戻り、負荷側から反負荷側
へ向かつて循環され、該風洞１０の内部に設けら
れた冷却管１１に外部の冷却風を送り込む外部フ
アン８を反負荷側に備えた回転電機において、反
負荷側軸受ハウジング７ｂの機内側面との間に通
風室１４を形成する仕切板１５と、上記外部の冷
却風の一部を該通風室１４に導入する通風ダクト
１６と、該通風室１４に導入された冷却風が該反
負荷側軸受ハウジング７ｂの外面を冷却するよう
に排出する排出口１７ａ，１７ｂを該通風室１４
の機内側面に設けた回転電機とする。

［作用］ 上記構成により、仕切板１５によつて機内冷却
風が反負荷側軸受ハウジング７ｂの機内側面に直
接触れることがなくなり熱伝達が少なくなると共
に、通風ダクト１６を介して通風室１４に導入さ
れた外部の冷却風が反負荷側軸受ハウジング７ｂ
の機内側面を冷却し、排出口１７ａ，１７ｂから
出た冷却風が反負荷側軸受ハウジング７ｂの外面
を冷却する。

［実施例］ 以下本考案を図面に示す実施例について説明す
る。第１図において、本考案の対象とする回転電
機は、固定子枠１に固定子２を装着し、固定子枠
１の両端の軸受ブラケット３ａ，３ｂで回転自在
に支承された回転軸４に回転子５を装着して構成
されている。軸受ブラケット３ａに軸受６ａを収
納する負荷側軸受ハウジング７ａを形成し、軸受
ブラケット３ｂに軸受６ｂを収納する反負荷軸受
ハウジング６を形成している。

回転軸４の反負荷側軸端に外部フアン８を設
け、この外部フアン８で吸いこんだ外部の冷却風
を外扇ケース９で導いて風洞１０に吹き込んでい
る。この風洞１０は図示のように固定子枠１の上
部に設けられ、その内部に多数の冷却管１１が設
けられており、さらに風洞１０の下流側に排気カ
バー１２を設けている。従つて外部フアン８で吹
き込まれた冷却風は、風洞１０内の冷却管１１の
中を通り、排気カバー１２から排出される。回転
電機内の固定子２および回転子５などに発生した
熱は、内部の空気に伝導され内部フアン１３で点
線矢示のように風洞１０内に送り込まれ、冷却管
１１の外面に触れて冷却され熱交換される。この
回転電機内の空気の流れは、負荷側から反負荷側
に向う一方通行なので、反負荷側の内面が熱せら
れた空気にさらされることになる。

本考案においては、軸受ハウジング７ｂおよび
軸受６ｂが熱せられた回転電機内の空気による熱
伝達を排除するため、反負荷側軸受ハウジング７
ｂの内面を含む軸受ブラケット３ｂの内面と仕切
板１５により通風室１４を形成し、この通風室１
４内に外部フアン８による外部冷却風の一部を導
入する通風ダクト１６を設けている。また、通風
室１４に導入された冷却風が反負荷側軸受ハウジ
ング７ｂの外面を冷却するように通風室１４の機
内側面に排出口１７ａ，１７ｂを設けている。

また通風ダクト１６の入口に通風案内板１８を
進退自在にとりつけて冷却風を導き易くしてお
り、軸受ハウジング７ｂに冷却フイン１９を設け
て放熱面積を大きくとつている。

従つて外部フアン８による外部冷却風は、外扇
ケース９に流れる際に、その一部が通風案内板１
８の作用で通風ダクト１６に導かれる。この通風
ダクト１６の冷却風は、仕切板１５で形成する通
風室１４へ流れたのち排出口１７ａ，１７ｂから
外部に放出される。通風室１４を流れる冷却風
は、回転電機の内部空気で熱せられた仕切板１５
を冷却し、かつ軸受６ｂ自体で発生した熱によつ
て加熱されている軸受ハウジング７ｂ自体の内側
面も冷却することになる。また排出口１７ａ，１
７ｂから排出された冷却風は、軸受ハウジング７
ｂの外周に設けた冷却フイン１９の間を通過して
軸受ハウジング７ｂを外面から有効に冷却する。
第３図は運転時における両軸受の温度特性を示
し、従来構造の特性Ａに対し、本考案を採用した
場合の特性Ｂが反負荷側軸受に対する冷却効果が
顕著に表われていることが解かる。

なお、外部フアン８は自冷方式の例で示した
が、他冷方式としても同様の効果が得られる。

［考案の効果］ 本考案によれば、回転電機内の熱せられた内部
空気の影響が通風室でしゃ断され、軸受ハウジン
グが通風冷却され、反負荷側軸受と負荷側軸受と
の温度座が少なくなり、軸受に対する冷却構造が
容易になつて信頼性の高い風冷式軸受構造の回転
電機を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の回転電機の一実施例を示す断
面図、第２図は本考案の軸受冷却部を拡大して示
す断面図、第３図は軸受の温度を示す特性図であ
る。 １……固定子枠、２……固定子、３ａ，３ｂ…
…軸受ブラケット、４……回転軸、５……回転
軸、６ａ，６ｂ……負荷側、反負荷側軸受、７
ａ，７ｂ……負荷側、反負荷側軸受ハウジング、
８……外部フアン、９……外扇ケース、１０……
風洞、１１……冷却管、１２……排気カバー、１
３……内部フアン、１４……通風室、１５……仕
切板、１６……通風ダクト、１７ａ，１７ｂ……
排気口、１８……通風案内板、１９……冷却フイ
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転電機内の冷却風が反負荷側から風洞１０に
   導入され、冷却されて機内へ戻り、負荷側から反
   負荷側へ向かつて循環され、該風洞１０の内部に
   設けられた冷却管１１に外部の冷却風を送り込む
   外部フアン８を反負荷側に備えた回転電機におい
   て、反負荷側軸受ハウジング７ｂの機内側面との
   間に通風室１４を形成する仕切板１５と、上記外
   部の冷却風の一部を該通風室１４に導入する通風
   ダクト１６と、該通風室１４に導入された冷却風
   が該反負荷側軸受ハウジング７ｂの外面を冷却す
   るように排出する排出口１７ａ，１７ｂを該通風
   室１４の機内側面に設けたことを特徴とする回転
   電機。