JPH0353409B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の利用分野） 本発明は、住宅地としての敷地に適するよう充
分な基礎工事を施していない造成地に建築した住
宅が、一定の歳月を過ぎると年毎に不等沈下して
行くのを防止する工法であつて、然も居住のまま
施工ができる住宅の不等沈下防止工法に関するも
のである。

（従来の技術） 従来より行われていた工法としては、既設住宅
の基礎下を一定間隔毎に適当の深さまで掘り下
げ、その掘り穴内にコンクリートを打込み支持層
として事後の沈下を防止しておつた。或は沈下の
激しい住宅では、一時住宅の居住者を立退かせ、
機械力により家屋を持ち上げて下方に敷設せる基
礎の改修を行つておつた。

然しこれらの工法に多額の経費をかけたとして
も、歳月の経過と共に再び沈下し始めるのが通常
であつた。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、基礎工事を充分施していない敷地に
建築した住宅が、不等沈下し始めた際にこれを防
止するためにする工法であつて、施工後は永久に
沈下することなく、日常生活に不安なからしめん
とするものである。

大都市における地価は年毎に高騰し、一般の人
が新住宅を建築しようと思つても所得の面で実行
ができないのが現状である。従つて地価の比較的
安価な大都市周辺の地域に敷地を求めるようにな
つた。然しこれらの敷地は殆んどが山野を開拓し
て住宅地としたものである。山野を開拓して住宅
地とするためには基礎工事に多額の経費を要する
ものであるが、地価を安くするためには基礎工事
を不充分にして手抜き造成をする以外になく、こ
のような敷地に建築した住宅は歳月を経る毎に不
等沈下を始めるのが通常である。又旧来の敷地で
あつても、地盤沈下などにより住宅が不等沈下す
る場合がある。これらの不等沈下に対する対応策
として本発明の工法により沈下の防止を行わんと
するものである。

（技術的手段） 本発明は、建物の主要柱近くの旧基礎１に沿つ
て定間隔毎に鋼管杭２を打込む油圧機を据付ける
のに要する大きさの穴を掘り、その掘穴３内に露
出する旧基礎１のフーチング４を切り取つて掘穴
３内の障害物を無しく、その掘穴３内に、一定の
長さのみぞ形鋼５の上端部に、みぞ底６に油圧ジ
ヤツキ取付孔７を設けた側面３角形みぞ形腕８を
溶着し、又下端部に、みぞ形鋼５の両側部を平行
してみぞ底外に突出して設けた側面３角形腕９，
９の上面に横長の受止板１０を溶着した鋼管杭打
込補助金具１１を差込み、受止板１０を旧基礎１
の下面に接合し、みぞ形鋼５の背面を、旧基礎１
の側面と、建物１２の側面とに接触させ、掘穴３
に油圧機（図示せず）を据付けて油圧ジヤツキ１
３を油圧ジヤツキ取付孔７に取付けると共に、そ
の垂直下にして据孔３の底面上に誘導ブロツク１
４を据付け、その誘導ブロツク１４の杭孔１５内
に鋼管杭２を差込み、上端面より油圧機により油
圧ジヤツキ１３を用いて地中に打込み、埋没する
鋼管杭２を連結螺管１６により連結して打込みを
継続し、地下の支持層１７に達すれば打込みを停
止し、油圧機を撤去すると共に、油圧ジヤツキ１
３と誘導ブロツク１４を取除き、最後の鋼管杭２
の露出部を切取り、掘穴３内に仮枠１８を組立
て、鋼管杭２の管内に縦長にして円形に組んだ鉄
筋１９を組入れると共に、仮枠１８内に縦横角形
に組んだ鉄筋２０を組入れ、コンクリートを打込
み、養生後仮枠１８を取除いて新基礎２１を形成
し、その新基礎２１，２１間を地中梁２２で連結
し、掘穴３を埋戻してなるものであつて、図中２
３，２４は辷り止、２５は建物を取除いて見た敷
地、２６は埋石、２７は地上である。

（作用） 本発明の工法により形成せる新基礎２１は、旧
基礎１の下面に設けて旧基礎１を支持しているも
のであつて、その新基礎２１は更に支持層１７に
達するまで地中深く打込んだ鋼管杭２に支持せら
れており、その鋼管杭２の管内には鉄筋１９を挿
入してコンクリートを打込み強力なる支持力とし
ているものである。

又鋼管杭２を地中に打込むには、油圧機により
油圧ジヤツキ１３を用いるものであるが、その際
鋼管杭打込補助金具１１を必要とする。この鋼管
杭打込補助金具１１は、鋼管杭２を支持して垂直
に打込むために使用するものであつて、一定の長
さのみぞ形鋼５の上端部の側面３角形みぞ形腕８
のみぞ底６に設けた油圧ジヤツキ取付孔８に油圧
ジヤツキ１３を取付け、又その垂直下に掘穴３の
底面上に誘導ブロツク１４を据付けて鋼管杭２の
打込補助をするものである。

（効果） このように本発明の工法は、建物の重量を反力
に鋼管杭２を打込むものであるから、正確な支持
力が得られ、かつ鋼管杭２の管内には鉄筋１９と
コンクリートを打込むことにより実質５乃至６倍
の支持力が得られ、又鋼管杭２，２の頭間を地中
梁２２で繋ぐことにより水平移動をなからしめて
盤石の新基礎２１を得、その新基礎２１により旧
基礎１を支持するものであるから、事後沈下なき
住宅となるものである。然も既設の建物を損傷す
ることなく居住しながら経済的費用により施工し
得られる効果を有するものである。

（実施例） 第１図は施工完了後を示すものであつて新基礎
２１と、これを支持する鋼管杭２とは地中にかく
れ地上に変化を表わしておらないが、旧基礎１は
新基礎２１によつて強力に支持せられ沈下を防止
されている。第２図乃至第５図は施工過程を示す
ものであつて、掘穴３は油圧機を据付けるに足る
大きさに止め、その掘穴３には障害物をなくする
ため旧基礎１のフーチング４を切り取り、埋石２
６を排除して油圧機を据付け鋼管杭打込補助金具
１１を用い油圧ジヤツキ１３にて鋼管杭２を打込
むのである。鋼管杭２の長さは１ｍで、太さは直
径100乃至150mmである。長さは連結螺管１６によ
り連結して支持層１７に達するまで打込むもので
ある。

鉄筋１９は鋼管杭２内に組入れ、鉄筋２０は新
基礎２１内に組入れるものであるが、両者一体的
にして組入れるものである。かくして本発明によ
る工法により完成した新基礎２１は住宅の不等沈
下を永久に防止するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の工法による施工完了後の側面
図、第２図は掘穴を設けた側面図、第３図は旧基
礎のフーチングを切り取り、埋石を排除して鋼管
杭打込補助金具を取付けた側面図、第４図は油圧
ジヤツキにより鋼管杭打込開始の側面図、第５図
は鋼管杭の打込終り鋼管杭打込補助金具を取除い
た掘穴内に仮枠を設けた側面図、第６図は鋼管杭
打込補助金具の正面図、第７図は同上の側面図、
第８図は同上の平面図、第９図は建物を取除いて
見た敷地の平面図、第１０図は鋼管杭の正面図、
第１１図は同上の縦断面図、第１２図は連結螺管
の正面図、第１３図は鋼管杭内と、新基礎内に組
入れる鉄筋の側面図である。 図中、１……旧基礎、２……鋼管杭、３……掘
穴、４……フーチング、５……みぞ形鋼、６……
みぞ底、７……油圧ジヤツキ取付孔、８……３角
形みぞ形腕、９……３角形腕、１０……受止板、
１１……鋼管杭打込補助金具、１２……建物、１
３……油圧ジヤツキ、１４……誘導ブロツク、１
５……杭孔、１６……連結螺管、１７……支持
層、１８……仮枠、１９，２０……鉄筋、２１…
…新基礎、２２……地中梁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 建物の主要柱近くの旧基礎に沿つて定間隔毎
   に鋼管杭を打込む油圧機を据付けるのに要する大
   きさの穴を掘り、その掘穴内に露出する旧基礎の
   フーチングを切り取つて掘穴内の障害物を無く
   し、その掘穴内に、上端部に油圧ジヤツキの取付
   孔を設けた側面３角形みぞ形腕を溶着し、下端部
   に、側面３角形腕の上面に受止板を溶着した一定
   の長さのみぞ形鋼の鋼管杭打込補助金具を差込
   み、受止板を旧基礎の下面に接合し、みぞ形鋼の
   背面を旧基礎の側面と、建物の側面とに接触さ
   せ、油圧ジヤツキを油圧ジヤツキ取付孔に取付け
   ると共に、その垂直下にして掘孔の底面上に誘導
   ブロツクを据付け、その誘導ブロツクの抗孔内に
   鋼管杭を差込み、上端面より油圧機により油圧ジ
   ヤツキを用いて地中に打込み、埋没する鋼管杭を
   連結螺管により連結して打込みを継続し、地下の
   支持層に達すれば打込を停止し、油圧機を撤去す
   ると共に、油圧ジヤツキと誘導ブロツクを取除
   き、最後の鋼管杭の露出部を切取り、掘穴内に仮
   枠を組立て、鋼管杭の管内に縦長にして円形に組
   んだ鉄筋を組入れると共に、仮枠内に縦横角形に
   組んだ鉄筋を組入れ、コンクリートを打込み、養
   生後仮枠を取除いて新基礎を形成し、その新基礎
   間を地中梁で連結し、掘穴を埋戻して完了する住
   宅の不等沈下防止工法。