JPH0353406B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は積雪寒冷地の路面上の降雪および積雪
を融かすかめの無散水消雪装置に係り、特に路面
内に埋雪した放熱管内を流れる水の凍結による管
路の破損を防止すると共に、放熱管内の液体が低
温の一定温度で流れるようにする無散水消雪装置
に関する。

〔従来の技術〕

従来、無散水消雪方法としては実公昭45−
25945号公報に記載されているように、路面下に
放熱管を埋設し、この放熱管の中に井戸から汲み
上げた地下水や温泉水を直接送つて路面を温め、
路面上の降雪や積雪を融かしていた。

また、実公昭58−17765号公報に記載されてい
るように路面下に埋設した放熱管に温水ボイラー
でつくつた温水を循環する方法が知られていた。

また、特公昭55−19322号公報に記載されてい
るように、路床面の融氷雪方式としては、高速道
路などにプラスチツクパイプを配管埋設し60℃〜
70℃の加熱不凍液を強制循環して融雪する方式に
おいて熱交換器と分岐ヘツダーとスラブ融雪用プ
ラスチツクパイプとを循環する加熱不凍液回路お
よび同回路中に不足した不凍液を供給するシスタ
ンクと不凍液槽とを配してなる加熱循環サブプラ
ントを基礎路床に配設し、加熱循環メインプラン
トには電磁弁を介して熱交換器に高圧高温水を循
環供給する高圧高温水装置とサブプラントの電磁
流量計や各種計器類を設けて遠隔操作するように
したものが知られていた。

さらに、特公昭52−36326号公報に記載されて
いるように、融雪制御方法としては、路面内にポ
リエチレンパイプを埋設して温水ボイラーとの間
に循環管路を形成し、また、路面温度感温体、路
床温度感温体をそれぞれ路面内の深さ３cmと15cm
のところに設け平常時は微弱な発熱で内部保温
し、降雪時は大量の発熱によつて融雪を行うもの
が知られていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、これらの無散水消雪方法または
装置にあつては次のような欠点を有している。す
なわち、上記実公昭45−25945号公報に記載され
た無散水消雪方法では路面上に降る雪を融かした
後でも冬季間通水を継続しなければ放熱管路内の
水が凍結して放熱管が破裂する恐れがあり、その
ために維持費用が高くなる欠点があつた。

また、実公昭58−17765号公報に記載された温
水ボイラーを利用するものでは、放熱管へ温水を
送るポンプ等の故障により通水が停止することが
あれば同じく管路内の温水が凍結し、放熱管が破
裂する事故が発生するという欠点を有していた。

また、特公昭55−19322号公報記載の加熱不凍
液を強制循環して融雪する方式では放熱管に熱伝
導率の低いプラスチツクパイプを用い60℃〜70℃
の高温加熱不凍液を供給し、不凍液の戻り温度を
15℃〜20℃で循環させるものであるから、消費熱
量が大きく維持費用が高価となる欠点があつた。

さらに、特公昭52−36326号公報記載の融雪制
御方法ではポンプ等が故障し通水が停止すると、
直ちにポリエチレンパイプ内の温水の温度が下が
つて凍り、ついにはパイプが破損してしまう。

また、パイプと温水ボイラーが直結しているた
めに融雪後の冷水が温水ボイラーに直接返送され
るため、温水ボイラーにかかる負荷変動が大きく
なり施設の大型化と寿命を著しく短くしてしまう
欠点があつた。

本発明は上記の多くの欠点を除去するためにな
されたものであり、路面の無散水消雪装置におけ
る放熱管路中の水の凍結による放熱管の破裂を防
止すると共に、ボイラーにかかる負荷変動を小さ
くして放熱管内の流体が低温の一定温度で流し、
施設の小型化と、安全で寿命が長く維持費用の安
い無散水消雪装置を提供することを目的としてい
る。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を達成するために、燃料の
燃焼によつて温水をつくるボイラーを設け、路面
内に埋設した放熱管と熱交換器の二次側は内部に
不凍液を満たし、循環ポンプを介して循環管路を
形成し、前記温水の熱を前記交換器の内部で二次
側の循環管路内の不凍液に伝えて路面を温めて該
路面上に降る雪を融かす無散水消雪装置におい
て、前記ボイラーと前記熱交換器との間に貯湯槽
を設け、ボイラーと貯湯槽内の温水、また、熱交
換器の一次側と貯湯槽内の温水とがそれぞれ独立
して循環する２つの管路をそれぞれ設け、前記放
熱管には蛇行した鋼管を用いたことを特徴とする
ものである。

〔作用〕

次に、本発明の無散水消雪装置の作用について
説明すると、ボイラーの燃料を燃焼させながら、
貯湯槽とボイラーとの間に設けた管路を通じて貯
湯槽内の水を循環させて温水をつくつて予め貯湯
槽に貯えておき、無散水消雪の必要な時に貯湯槽
と熱交換器の一次例との間に設けた管路を通じて
貯湯槽内の温水を熱交換器の一次例に導いて温水
が有している熱量を熱交換器の二次側から無散水
消雪用の放熱管を含む循環管路内を満たしている
不凍液に与える。これによつて温められた不凍液
は無散水消雪用放熱管路中を循環し、路面上の降
雪や積雪を融かす。

〔実施例〕

以下本発明の実施例を図面によつて詳細に説明
する。

第１図は本発明の一実施例を示しており、図に
おいてボイラー１で燃料を燃焼させて温水をつく
り、その温水４を温水循環ポンプ２を稼働させボ
イラー１と貯湯槽３との間に設けた循環管路を通
じて貯湯槽３に貯えておく。そして消雪に必要な
時、この温水４を循環ポンプ５の稼働によつて貯
湯槽３と熱交換器６の一次側との間に設けた循環
管路を通じて熱交換器６の一次側に通水し二次側
に温水の熱量を与える。

その際、上記熱交換器６の二次側は路面７内に
埋設された無散水消雪用放熱管８との間に循環ポ
ンプ９を介して循環閉鎖管路が形成されており、
この循環閉鎖管路内には不凍液が満たされ循環ポ
ンプ９によつて循環しているため、熱交換器６を
通る際にこの不凍液は25℃前後の一定の低温度に
加熱され、路面内に埋設された鋼管製の放熱管に
送られる。上記のボイラーは路面内の鋼管製の放
熱管が蛇行して埋設されてあるため、路面の要消
雪面積１m²当たり毎時200Kcal程度の熱量の供給
で充分かつ均一な消雪効果がある。

本実施例は上記の構成を有しているから、無散
水消雪路面７上の降雪や積雪が融けた後は貯湯槽
３と熱交換器６との循環管路に設けた循環ポンプ
２と不凍液の循環ポンプ９との２つのポンプの運
転を停止しても放熱管８内の不凍液は路面が氷点
下になつても凍らないため、放熱管８内の凍結に
よる破裂を防止できる。

また、本実施例の無散水消雪装置はボイラーと
熱交換器との間に貯湯槽を設け、貯湯槽内の温水
に蓄熱緩衝作用をもたせているため、急に降つて
くる大雪を融かすために熱量を消費しても貯湯槽
内の温水温度が急に低下せず、そのためボイラー
にかかる負荷変動が小さくなり、施設の寿命延長
が可能となる。

〔発明の効果〕

本発明は以上説明したとおりの構成を有してい
るから、次のような効果を有する。

ボイラーと熱交換器との間に貯湯槽を設け、ボ
イラーの消雪熱源により貯湯槽に温水をつくり、
ボイラーと貯湯槽内の温水、また熱交換器の一次
側と貯湯槽内の温水とがそれぞれ独立して循環す
る２つの管路をそれぞれ設け、上記温水の流通路
と路面内に埋設した無散水消雪用放熱管との間に
熱交換器を介して熱交換を行つたのち前記無散水
消雪用放熱管内の不凍液を循環させるので、無散
水消雪路上面に降る雪が融けた後は前記無散水消
雪用放熱管内部の不凍液の加温および循環を停止
しても路面が凍ることなく、かつ放熱管内部も凍
結することがないため放熱管内の凍結による破裂
を防止することができ安全で維持費用の安価な無
散水消雪が可能である。

また、本発明は無散水消雪用放熱管内を循環す
る不凍液を直接加熱するのではなく、ボイラーの
消雪熱源によつて蓄熱緩衝作用をもつた貯湯槽内
に一定低温の温水をつくり、この温水によつて消
雪に必要な時に熱交換器を介して不凍液を一定の
低温度に加温し、路面内に蛇行して埋設された熱
伝導率の高い放熱管内にこの不凍液を送るから、
路面上に降る雪の効果的な消像が可能であるとと
もに、路面上に大雪が降つて大量の熱量が急に要
求される場合には貯湯槽内に貯えた温水が急な熱
量要求に応じることができるためボイラーにかか
る負荷が緩和され、このため施設の小型化と寿命
延長が可能となり、安全で、かつ維持費用が安価
となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す説明図であ
る。 １……ボイラー、２……温水循環ポンプ、３…
…貯湯槽、４……温水、５……循環ポンプ、６…
…熱交換器、７……無散水消雪路面、８……放熱
管、９……循環ポンプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃料の燃焼によつて温水をつくるボイラーを
   設け、路面内に埋設した放熱管と熱交換器の二次
   側は内部に不凍液を満たし、循環ポンプを介して
   循環管路を形成し、前記温水の熱を前記熱交換器
   の内部で二次側の循環管路内の不凍液に伝えて路
   面を温めて該路面上に降る雪を融かす無散水消雪
   装置において、前記ボイラーと前記熱交換器との
   間に貯湯槽を設け、ボイラーと貯湯槽内の温水、
   また、熱交換器の一次側と貯湯槽内の温水とがそ
   れぞれ独立して循環する２つの管路をそれぞれ設
   け、前記放熱管には蛇行した鋼管を用いたことを
   特徴とする無散水消雪装置。