JPH0353265Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、掲示面の少なくとも一部に点灯に
より明示が可能な隠し文字を設けた照明光反射表
示装置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来から掲示面の少なくとも一部に点灯により
明示が可能な隠し文字を設けた表示装置は多数開
発されている（例えば駅のプラツトホームに設置
されている列車や電車の接近表示装置等）。しか
しこれらの表示装置は、照明光の点灯以前におい
て表示内容の全部が隠し文字になつていたり、ま
たは露出文字になつていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記の構成により、従来のこの種表示装置には
次のような問題点があつた。

(1) 照明光の点灯以前において表示内部の全部が
隠し文字になつているものは、その位置に表示
内容が掲示されることを熟知しない者に対して
全く利便を与えない欠点があつた。

(2) また照明光の点灯以前において表示内容の全
部が露出文字になつているものは、日中に照明
光が点灯しても、点灯以前から凝視していない
限り上記点灯に気付かない欠点があつた。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上記目的を達成すべくなされたもの
で、発光基板と該発光基板の裏面に添着された不
透光性板材とから成り、上記発光基板がアクリル
板等透光板の裏面に微少な凹凸の処理面を形成
し、該凹凸処理面に光反射率の高いインクで隠し
文字を描写すると共に、上記透光板表面の隠し文
字と一致しない位置に常時目視可能な露出文字を
描写させて形成され、発光基板の端面付近に上記
透光板の端面から内部に入光させるための光源を
配設し、かつ上記不透光性板材を隠し文字と同色
にしてなるものである。

〔作用〕

即ち、本考案は、光源が点灯しない時にあつて
は、露出文字のみが外光で目視できる。一方光源
が点灯すると、透光板の端面から内部に光源の光
が入射し、透光板の表裏両面間で反射をしながら
進行する。この進行の途中で隠し文字に当たる
と、透光板の裏面に微少な凹凸の処理面が形成さ
れかつ隠し文字が光反射率の高いインクで描写さ
れていることから、隠し文字の箇所で乱反射を
し、この乱反射により透光板の表面の臨界角を超
えて反射することなくそのまま外部に放散される
結果、隠し文字が発光して目視される。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図および第２図における正面光反射表示装
置は、単体による光表示板Ａを主体とし、この光
表示板Ａの上部側周縁に定置する光源９を副体と
して構成されている。まずその主体となる光表示
板Ａは次のように構成されている。以下では光表
示板Ａの説明と理解を容易にするために、図示し
た２枚合わせの片側において説明する。すなわち
この光表示板Ａは、その発光母体に透過率の良好
な例えばアクリル樹脂板等による発光基板１が用
いられている。

上記による発光基板１の後面側（図示では２枚
合わせの上記基板１同士が接面する側）にはこの
基板１と同域面で例えば塩化ビニール樹脂等不透
光性板材よりなる中間材３が両発光基板１間に挟
着する状態をもつて配置されている。この中間材
３側にあたる上記基板１面には下処理剤の塗布に
より凹凸面が形成されて、この凹凸面の中央帯
（上記発光基板１を横型配置により３等分した中
央帯）には光反射率の良好なインクを用いて装置
の使用時に当該プラツトホームに対して発車駅と
なる駅名の隠し文字Ｂを表示する光反射手段２が
公知のスクリーン印刷等により設けられている。
この凹凸面は、2μ〜3μ程度で、透視した背景に
影響を与えることのない微細なものである。また
上記基板１の前面で上記により３等分した中央帯
を除く以外の上下帯には使用時において上記した
発車駅名に対して案内文句となる常套句（例えば
こんどの電車は…をでました等の常套句）が露出
文字Ｃとしてシルクプロセス等の手段によりベタ
書き型に印刷されている。なおこの露出文字Ｃ
は、外光により明確な表示が可能なように構成さ
れている。なおこの態様による上記発光基板１
は、図示しない焼成炉内に入れて下処理剤の低温
焼付が施されている。そしてこの態様による発光
基板１の上部周縁を除く他の周縁には透光テー
プ、銀箔テープ、反射テープにより照明光の漏洩
を阻止する三重テーピング１５が施されている。
さらに上記による発光基板１の前部には例えば透
明なアクリル樹脂等により成形した押え板７が当
接されて、その上部端における取付ネジ８の挿入
とナツト掛けによる締付けをもつて一括体による
単体の光表示板Ａに組成されている。

この態様による光表示板Ａの上部側周縁には例
えば上記の発光基板１に限定して照明光の照射を
可能とするように形成された蛍光灯等の光源９が
ソケツト１１の介在により定置されている。そし
てこの光源９と前記した発光基板１とが、第１図
および第２図に示すような吊り具１２付のフレー
ム１０内へその要部を収納する態様をもつて固定
され、全体として１組の照明光反射表示装置に構
成されている。なお１３は、フレーム１０の下端
側における締めネジ１４の挿脱によつて上記フレ
ーム１０の開閉を行うための蝶番１３である。

上記照明光反射表示装置を吊り具１２を介して
駅のプラツトホーム高所に設置した場合、発光基
板１の表面上下帯には掲示の常套句（例えばこん
どの電車は…をでました等の常套句）が外光によ
り露出文字Ｃで表示されているうえ、奥部の発光
基板１間には色彩反射率の高い白色の印刷インク
による隠し文字Ｂが配置されているため、光源９
の点灯により上記文字Ｂが発光する。中間材３と
隠し文字Ｂを同色にしておけば、光源９を点灯し
ない状態では、隠し文字Ｂが中間材３の色に同化
して目視できず、更に露出文字Ｃをも中間材３と
同色にすることもできる。

次に前駅側から発車自動信号を連携的に受けて
装置内の光源９が点灯すると、この光源９からの
照明光が上記基板１の上部周縁から同基板内に照
射される。（この場合も説明と理解を容易にする
ために、以下では片側の発光基板１において説明
する）。すなわち光源９から照明光が照射される
と、前述と同様に、基板１内を進行する照明光
が、この基板１の後面に設けられている光反射手
段２に当接したとき、この手段２が乱反射を起こ
すことになる。従つて光源９に対する点灯以前に
は発光状態にないため目視が不能であつた隠し文
字Ｂによる上記手段２の客語（発車駅各等）が、
上記点灯時の発光表示現象により前方外部に反射
光による文字として照射され、これによつて電車
待ち等の待ち時間における煩わしい予知配慮を解
消することができる。

〔考案の効果〕

従つて、本考案では、通常は露出文字のみが外
光で目視でき、光源を点灯させると、隠し文字が
発光表示できて、上記露出文字と共に隠し文字を
認識でき、露出文字と隠し文字との両者で意味を
持つ文字に形成しておけば、露出文字により隠し
文字の発光表示時に何等かの内容が成立して告知
し得る期待感を持たせることができ、例えば露出
文字として「こんどの電車は……をでました」の
常套句とし、一方隠し文字として「駅名」を使用
すると、見る者が露出文字を見るのみで、隠し文
字の点灯時には電車が近づいて来る旨の内容を予
め認識し得るなどこの種の利用形成には頗る便利
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例による照明光反射表示装
置を示す正面図、第２図は同装置の縦断側面図で
ある。 １……発光基板、２……光反射手段、３……中
間材、９……光源、Ａ……光表示板、Ｂ……隠し
文字、Ｃ……露出文字。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 発光基板と該発光基板の裏面に添着された不透
   光性板材とから成り、上記発光基板がアクリル板
   等透光板の裏面に微小な凹凸の処理面を形成し、
   該凹凸処理面に光反射率の高いインクで隠し文字
   を描写すると共に、上記透光板表面の隠し文字と
   一致しない位置に常時目視可能な露出文字を描写
   させて形成され、発光基板の端面付近に上記透光
   板の端面から内部に入光させるための光源を配設
   し、かつ上記不透光性板材を隠し文字と同色にし
   てなることを特徴とする照明光反射表示装置。