JPH0352894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は構造物のカーテンウオール構造に係る
ものである。

（従来の技術） 最近、方立を外面でなく内側に配設し、ガラス
同志を突き合わせにして方立前面において中間シ
ールを施し、中桟を意匠的に強調するカーテンウ
オール構造が多く採用されている。

前記従来のカーテンウオール構造においては、
建物が地震によつて層間変位を生起した際、方立
の一方を建造物躯体に固定し、他方では接合スリ
ープを介して上下に隣る方立間を結合し、同スリ
ーブによる結合部で層間変位に追従させるのが一
般的である。

（考案が解決しようとする問題点） この場合、前記ガラスの中間シール部におけ
る、ガラス密着用または水密保持用のシール材が
剥離したり、これに切断力が働く。

（問題点を解決するための手段） 本考案はこのような問題点を解決するために提
案されたもので、内側面を建築物躯体に固着され
た角柱状の方立の全長に亘つて、同方立の外側面
と直交して建物躯体の外方に延びる内側垂直部片
と、同内側垂直部片の先端において同部片と直角
に交差する外側垂直部片とよりなる平断面がＴ形
状の突起部を突設し、同突起部における前記外側
垂直部片に平断面が溝型状の層間変位追従部材を
可摺動的に嵌挿するとともに、同部材と前記突起
部と内外側各垂直部片の対向面間に、同突起部に
おける前記外側垂直部片の長手方向と平行なクリ
ヤランスを設け、前記層間変位追従部材の外側面
に、相隣るカーテンウオール材のガラス材に跨つ
て配設されたバツクアツプ材と、前記各カーテン
ウオール材のガラス材との間にシール材を填装し
てなることを特徴とするカーテンウオール構造に
係るものである。

（作用）及び（考案の効果） 本考案は前記したように構成されているので、
地震によつて建造物に層間変位を生起した場合、
内側を建造物躯体に固着された方立の外側面に突
設された前記Ｔ形状の突起部における外側垂直部
片に可摺動的に嵌挿された前記溝型状の層間変位
追従部材が前記層間変位に追従して摺動すること
によつて、前記方立に大して相対的に摺動し、従
つて前記層間変位追従部材の外側面において、相
隣るカーテンウオール材のガラス材に跨つて配設
されたバツクアツプ材と、同各ガラス材との間に
填装されたシール材に作用する、同シール材を剥
離しようとする力、切断力等が緩衝されるもので
ある。

（実施例） 以下本考案を図示の実施例について説明する。

１はカーテンウオール材のガラス材、２は中
棧、３は角形状の方立で、床スラブ４上に固定さ
れたブラケツト５によつて固着され、上下に隣る
方立３，３間に跨つて接合スリーブが嵌挿されて
いる。

前記角柱状の方立３の全長に亘つて、同方立３
の外側面と直交して建物躯体の外方に延びる内側
垂直部片１０ａと同内側垂直部片１０ａの先端に
おいて同部片１０ａと直角に交差する外側垂直部
片１０ｂとよりなる平断面がＴ形状の突起部１０
を突設し、同突起部１０の外側垂直部片１０ｂに
溝形状の層間変位追従部材７を可摺動的に嵌装
し、同部材７における両側片７ａと前記突起部１
０における外側垂直部片１０ｂとの対向面、及び
前記両側片７ａより内部に向つて直角に延設され
た折曲部片７ｂと前記突起部１０における内側垂
直部片１０ａとの対向面に、夫々前記突起部１０
における外側垂直部片１０ｂの長手方向と平行な
クリヤランスａ，ｂが設けられている。

更に前記層間変位追従部材７の外側面に、相隣
るカーテンウオール材のガラス材１間に跨つてバ
ツクアツプ材９が配設され、同バツクアツプ材９
とガラス材１との間にシール材８が填装されてい
る。

図示の実施例は前記したように構成されている
ので、軽震の場合、建造物の層間変位に追従して
層間変位追従部材７が前記突起部１０の外側垂直
部片１０ｂに沿つて摺動して、第２図に示すよう
に方立３に対して相対変位し、前記クリヤランス
ａ，ｂによつて層間変位を吸収し、ガラス材１の
接着または水密用として使用されているシール材
８にかかる、同シール材８を剥離しようとする力
や、切断力等が緩衝される。

また第２図に示すより更に大きな層間変位を受
けた場合には、第５図に示すように、上下に相隣
る方立３，３が接合スリーブ材６による接合部を
中心として変位し、層間変位を吸収するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るカーテンウオール構造の
一実施例の要部を示す横断平面図、第２図はその
層間変位を受けたときの状態を示す横断平面図、
第３図及び第４図は夫々前記カーテンウオール構
造の正面図並びに縦断面図、第５図はその層間変
位を受けた状態を示す正面図である。 １…ガラス、２…中桟、３…方立、７…層間変
位追従部材、８…シール材、１０…突起部、１０
ａ…内側垂直部材、１０ｂ…外側垂直部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内側面を建築物躯体に固着された角柱状の方立
   の全長に亘つて、同方立の外側面と直交して建物
   躯体の外方に延びる内側垂直部片と、同内側垂直
   部片の先端において同部片と直角に交差する外側
   垂直部片とよりなる平断面がＴ形状の突起部を突
   設し、同突起部における前記外側垂直部片に平断
   面が溝型状の層間変位追従部材を可摺動的に嵌装
   するとともに、同部材と前記突起部と内外側各垂
   直部片の対向面間に、同突起部における前記外側
   垂直部片の長手方向と平行なクリヤランスを設
   け、前記層間変位追従部材の外側面に、相隣るカ
   ーテンウオール材のガラス材に跨つて配設された
   バツクアツプ材と、前記各カーテンウオール材の
   ガラス材との間にシール材を填装してなることを
   特徴とするカーテンウオール構造。