JPH0352648B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は狭幅の記録トラツク内の欠陥を検出す
るための媒体欠陥検出方法に関し、特に磁気ヘツ
ドの磁気デイスク上の記録トラツクへの位置付け
が熱変位によりずれた場合にも、狭幅の記録トラ
ツク内の欠陥を確実に検出することが可能な媒体
欠陥検出方法に関する。

〔発明の背景〕

一般に磁気デイスク記憶装置の磁気記録媒体
（磁気デイスク）は、基板上の磁気形成膜のピン
ホール等の欠陥を検査する必要がある。この検査
は、磁気ヘツドを用いて欠陥検出用データ、例え
ば定常サイン波の信号を磁気記録媒体上の全トラ
ツクに記録し、欠陥検出用データを再生して検査
することにより行われる。この検査は、例えば再
生信号が、記録した欠陥検出用データのレベルよ
り低いか否かの比較により行うものである。従来
の媒体欠陥検出装置は、この検出された欠陥の数
により被検査磁気記録媒体の良否を判定する。す
なわち、欠陥の数がECC（Error Checking and
Correcting feature：エラーチエツク訂正機能）
等によつて回路的に回復可能な数値以下の場合に
被検査磁気記録媒体を合格とし、欠陥の数が回復
不可能な場合に不合格としている。

一方、近年の磁気デイスク記憶装置は、記録密
度の向上のために記録トラツク幅を狭くする傾向
にあり、このために、従来問題とされなかつた程
度の微少欠陥が問題となつたきている。すなわ
ち、第１図ａに示す如く幅の広い記録トラツク１
の端部に欠陥２があつたとしても該トラツク１幅
が広いため信号の記録再生時問題とならなかつた
様な欠陥２が、第１図ｂの如く幅の狭い記録トラ
ツク１′の場合にはトラツク１′内の欠陥２が占め
る割合が多くなることにより、相対的に大きな欠
陥になつてしまう傾向にある。

他方、第２図ａに示す如く記録トラツク１′の
端部に欠陥２が存在しており、これを磁気ヘツド
１００により再生した場合、前記ECC等により
本来回復可能な欠陥であつても、検査装置の長時
間駆動により第２図ｂに示す如く磁気ヘツド１０
０、および記録トラツク１″が熱変位等によりず
れた場合、回復できない欠陥２として検出してし
まう現象が発生する。また、逆に磁気ヘツド１０
０が逆方向にずれた場合、検出すべき欠陥であつ
てもこの欠陥を検出しないこともある。

このように、従来技術による媒体欠陥検出装置
は、記録トラツクの狭化により、媒体欠陥の検出
を正確にできないという問題がある。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、上記のような従来技術の欠点
を解消し、狭いトラツク上の欠陥を正確に検出し
得る媒体欠陥検出装置を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明の上記目的は、磁気ヘツドを磁気記録媒
体の所望のトラツクに位置決めし、前記トラツク
に存する欠陥を検出する媒体欠陥検出方法におい
て、前記磁気ヘツドを前記トラツクに位置決め
し、その位置において前記磁気ヘツドによる読み
出しにより欠陥検出を行つた後、前記磁気ヘツド
を前記トラツクの半径方向に微小量変位させて、
それぞれの位置において同様の欠陥検出を行うこ
とを特徴とする媒体欠陥検出方法により達成され
る。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第３図は本発明の一実施例による媒体欠陥検出
装置の概要を示すブロツク図である。

本実施例による媒体欠陥検出装置は全体の制御
をマイコン３を利用して行つており、マイコン３
と制御回路５、HDA（ヘツド・デイスク・アツセ
ンブリ：磁気ヘツドおよび磁気デイスク並びに磁
気ヘツド位置決め機構を内蔵する組立体）７、検
出回路９、メモリ１０との間の信号の伝送はバス
ライン４を通じて行われる。

制御回路５は、HDAのヘツド位置決め、磁気
記録媒体に対する信号の書込み、読出しを制御す
るものであり、エラートラツクフオーマツタ２３
は、メモリ１０の欠陥情報に基づいて欠陥を判定
するとともに、媒体上の欠陥位置を、例えばスキ
ツプして情報を記録するようなフオーマツテイン
グを行う回路である。

本装置の動作の概要を第４図の流れ図を参照し
つつ説明する。

まず、マイコン３は欠陥検出を行う旨の信号を
制御回路５、検出回路９に出力する。この信号を
受けて、制御回路５は制御信号６によりHDA７
の磁気ヘツドを所定トラツク上に位置決めする
（ステツプ301）。所定トラツク上に位置決めされ
た磁気ヘツドは、所定トラツク上に書込まれた欠
陥検出用データ８を読出し、このデータ８を欠陥
検出回路９に送る。欠陥検出回路９は、送られて
きた欠陥検出用データ８の出力レベルが一定のレ
ベル（スライスレベル）に達しているか否かを判
定し、もし一定レベル以下の場合はリードエラー
を発生せしめる欠陥が磁気記録媒体にあるものと
判断し、その判断結果および欠陥位置はメモリ１
０に格納される（ステツプ302）。次に、制御回路
５の制御のもとに磁気ヘツドをシーク方向前方に
所定量オフセツトし、同様の動作を繰返す（ステ
ツプ303）。さらに、制御回路５の制御のもとに磁
気ヘツドをシーク方向後方に所定量オフセツト
し、これまでと全く同様の動作を繰返す（ステツ
プ304）。最後にエラートラツクフオーマツタ２３
はメモリ１０から欠陥情報を取出して、トラツク
フオーマツトを行う（ステツブ305）。

上述のように、本実施例では、磁気ヘツドを記
録媒体である円板の半径方向にオフセツトさせる
ことにより、トラツク方向の同一位置に対して磁
気ヘツドのシーク方向の３箇所で欠陥（ビツトエ
ラー）検出を行い、それぞれの欠陥（ビツトエラ
ー）情報をメモリ１０に格納する。この際、トラ
ツク位置決めが熱変位、振動等の要因によりずれ
ることがあるが、例えずれていたとしても、上記
３箇所での欠陥検出の結果をエラートラツクフオ
ーマツタ２３にて判断し、同一ビツトに対し２箇
所以上の欠陥検出においてビツトエラーと判定さ
れたもののみを真のビツトエラーとしてフオーマ
ツトすることができる。すなわち、１箇所のみで
判定されたビツトエラーは、トラツク位置決めの
ずれにより誤認されたビツトエラーだといえる。
このように、本実施例は、トラツク位置ずれその
ものを補正することなく、ずれたトラツク位置か
ら円板半径方向に所定量だけオフセツトして、各
位置における欠陥情報を比較することにより本来
の正確な欠陥情報を得ることができる。しかも、
磁気ヘツドのシーク方向前後へのオフトラツク量
は、リードエラーを発生させるものとして判断さ
れる欠陥の最低の大きさに相当する一定量とすれ
ばよく、制御が簡単である。

第５図は、エラートラツクフオーマツタ２３の
構成図である。

図に示したように４つのANDゲート２４と１
つのORゲートを構成することにより、メモリ１
０から得られる３つの欠陥情報源において、２つ
または３つの欠陥情報源が一致した場合に正確な
欠陥情報と判定することができる。

第６図は、欠陥検出回路９の一構成例を示すブ
ロツク図である。

HDA７内の磁気記録媒体に予め書込まれた欠
陥検出用の基準クロツクPLL（フエーズロツクド
ループ）１１回路に入力する。その出力として、
基準クロツクの10倍周波数を得た後、書込クロツ
ク選択回路１３は、書込クロツク選択指示回路１
２により任意の位置のパルスを書込みクロツクと
して書込パターン発生回路１４に供給する。書込
増幅器１５は、書込電流発生回路１６より指示さ
れた書込パターンでHDA７内の被試験磁気記録
媒体へ欠陥検出用データを書込む。

次に、被試験磁気記録媒体に書込まれた欠陥検
出用データは再生された後、増幅器１７に読込ま
れ、その再生信号はピーク検出器１８とローパス
フイルタ１９を径て可変抵抗器２０へ供給され
る。可変抵抗器２０で任意のスライスレベルに設
定された信号はアナログ・コンパレータ２１の一
方の端子へ入力される。アナログ・コンパレータ
１９の他の一方の端子へは前記再生信号が直接入
力され、ローパスフイルタ１９の出力と比較さ
れ、一定間隔のパルス列として出力される。この
パルス列は、リトリガブル単安定マルチバイブレ
ータ２２に入力され、これをトリガする。この
時、欠陥があれば、１個の欠陥ビツトに対しパル
ス列の１個のパルスが欠け、前記リトリガブル単
安定マルチバイブレータ２２はトリガされない状
態となり欠陥と判定する。

このような欠陥検出回路９において、書込クロ
ツク選択回路１３により10個の位相の異つた書込
クロツクを順次使用して被試験磁気記録媒体に欠
陥検出用データを書込むことにより、確実にトラ
ツク方向の微少欠陥を検出することができる。

第３図に示した実施例は、制御回路５の指示に
より磁気ヘツドを磁気記録媒体の所望トラツク上
に位置決めし、まずその位置で上に例示したよう
な欠陥検出回路９を使用して欠陥検出を行い、そ
の後、シーク方向前後にオフトラツクして同様な
欠陥検出を行うものである。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によれば、磁気ヘ
ツドを磁気記録媒体の所望のトラツクに位置決め
し、前記トラツクに存する欠陥を検出する媒体欠
陥検出方法において、前記磁気ヘツドを前記トラ
ツクに位置決めし、その位置において前記磁気ヘ
ツドによる読み出しにより欠陥検出を行つた後、
前記磁気ヘツドを前記トラツクの半径方向に微小
量変位させて、それぞれの位置において同様の欠
陥検出を行うようにしたので、狭いトラツク幅の
磁気記録媒体を検査する場合においても、トラツ
ク上の欠陥を正確に検出することができ、また、
磁気ヘツドの磁気デイスク上の記録トラツクへの
位置付けが熱変位によりずれた場合にも、狭幅の
記録トラツク内の欠陥を確実に検出することが可
能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はトラツクと欠陥との位置
関係の一例を示す図、第３図は本発明の一実施例
による媒体欠陥検出装置の概略ブロツク図、第４
図は第２図に示した装置のフローチヤート、第５
図は第３図に示したエラートラツクフオーマツタ
を示す図、第６図は第３図に示した欠陥検出回路
の一例を示すブロツク図である。 ３：マイコン、５：制御回路、７：HDA、
９：欠陥検出回路、１０：メモリ、２３：エラー
トラツクフオーマツタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁気ヘツドを磁気記録媒体の所望のトラツク
   に位置決めし、前記トラツクに存する欠陥を検出
   する媒体欠陥検出方法において、前記磁気ヘツド
   を前記トラツクに位置決めし、その位置において
   前記磁気ヘツドによる読み出しにより欠陥検出を
   行つた後、前記磁気ヘツドを前記トラツクの半径
   方向に微小量変位させて、それぞれの位置におい
   て同様の欠陥検出を行うことを特徴とする媒体欠
   陥検出方法。