JPH03520Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上記内燃機関のアイドル回転数を所定
の値に制御するための回転数制御装置に関するも
のである。

内燃機関のアイドル回転数を制御する場合、上
記機関の吸気管の途中に設けられたスロツトルバ
ルブ又は、このスロツトルバルブをバイパスする
通路のバイパスバルブを制御して機関の吸気量を
制御する方法がとられている。

上記各バルブを制御する方法としては、上記内
燃機関の吸気管圧力を用いた圧力応動装置を使用
し、上記圧力応動装置の圧力を大気開放用電磁弁
と真空用電磁弁にて制御することが考えられてい
る。

従来、この種の大気開放用電磁弁は共に常開
（ノーマルオープン）のものが使用されており、
真空用電磁弁が何らかの原因でコイルの断線や、
指令信号がこなかつた場合、圧力応動装置に吸気
管圧力が導入され続け、この圧力によりスロツト
ルバルブ、又はバイパスバルブが大きく開弁され
アイドル回転数が高くなり、機関の運転の安全性
を損なつたり、減速時のエンジンブレーキの効果
がなくなるという欠点が生じていた。

本考案は、大気開放用電磁弁をノーマルオープ
ン、真空用電磁弁をノーマルクローズに設定する
ことによつて、真空用電磁弁、大気開放用電磁弁
共にコイル等の断線による故障に対し、常に圧力
応動装置に大気を導入させ得る方向に規定し得る
ことによりアイドル時の吸入空気量が過剰となる
ことを防止し、安全に機関を運転し得る装置を提
供しようとするものである。

以下、本考案を図に示す一実施例につき説明す
る。

第１図は、本考案の構成図を示すもので、内燃
機関１は自動車に搭載される公知の４サイクル火
花点火式内燃機関で、燃焼用空気をエアクリーナ
２２、吸気２、スロツトルバルブを経て吸入す
る。また、燃料は図示しない燃料系からスロツト
ルバルブ２１の上流に設けられた電磁式噴射弁３
を介して供給される。スロツトルバルブ２１の下
流には吸気管２の圧力を検出するための圧力セン
サ４が接続されている。圧力センサ４は、例えば
公知の半導体式圧力センサで、吸気管２の絶対圧
力を電圧に変換し出力する。水温センサ５は、内
燃機関１の冷却水温度を検出し、温度が高くなる
につれて抵抗が下がるサーミスタの様なものであ
る。点火コイルは、内燃機関１の各気筒に設けら
れた図示しない点火プラグに高電圧を供給する。

アイドルスイツチ２３はスロツトルバルブ２１
が全閉時にオンし、それ以外の場合はオフする。
車速スイツチ９は、図示しないスピードメータに
内蔵され時速５Km以下でのみオンとなる。

アイドル制御弁６は、スロツトルバルブ２１を
バイパスして、スロツトルバルブ２１の下流に供
給するバイパス空気を制御する。

アイドル制御弁６は、バイパス通路６８に接続
したバルブ６６と、該バルブ６６が連結されたダ
イヤフラム６５と、該ダイヤフラム６５を付勢す
るスプリング６７を備えた負圧室６４から構成さ
れ、負圧室６４に導入される負圧の増大に応じて
ダイヤフラム６５によるバルブ６６のリフト量を
増大させ、上記バイパス空気の量を増大制御し機
関の回転数を制御する。

バルブ６６は位置センサ６１と接続され、バル
ブ６６の位置により位置センサ６１の抵抗値が変
化する。この負圧室６４は常閉（ノーマルクロー
ズ）の真空用電磁弁６３を介して吸気管２のスロ
ツトルバルブ２１の下流に連通していると共に常
開（ノーマルオープン）の大気開放用電磁弁６２
を介して大気に連通している。従つて、真空用電
磁弁６３、大気開放用電磁弁６２を開閉すること
により負圧室６４の負圧を変化させ、バルブ６６
のリフト量を制御し得る。大気開放用電磁弁６２
を閉とし、真空用電磁弁６３を開とすると負圧室
６４の圧力は、吸気管２のスロツトルバルブ２１
の下流の圧力に次第に近づき、バルブ６６は上記
バイパス空気を増加させる方向に移動し、逆に大
気開放用電磁弁６２を開とし真空用電磁弁６３を
閉とすると負圧室６４の負圧は次第に大気の圧力
に近づき、バルブ６６は上記バイパス空気を減少
させる方向に移動する。又、各電磁弁６２，６３
をいずれも閉弁させるとそのときの負圧室６４の
圧力が保持されバイパス空気量はその時の値に維
持される。

制御装置８は圧力センサ４からの吸気管負圧情
報と点火コイル７からの回転数情報等により電磁
式噴射弁３の開弁時間を演算し機関の回転に周期
して噴射弁３を開弁させて燃料噴射量を制御する
と共に、アイドルスイツチ２３の出力により機関
のアイドル時においては、水温センサ５の出力に
よつて設定される目標アイドル回転数と上記回転
数情報から得られる実際回転数とを比較しこの比
較結果に基づいてバイパスバルブ６６の目標位置
を決定し、この目標位置と位置センサ６１の出力
による実際位置との比較結果に応じて通電で閉、
非通電で開となる大気開放用電磁弁６２と通電で
開、非通電で閉となる真空用電磁弁６３を開閉制
御し目標アイドル回転数に実際回転数が一致する
様にアイドル制御弁６を制御する。こゝで、真空
用電磁弁６３は常閉、大気開放用電磁弁６２は常
開型のものを使用しているので制御装置８の故障
や真空用電磁弁６３や大気開放用電磁弁６２のコ
イルが断線等により通電されなかつた場合、アイ
ドル制御弁６の負圧室６４には常に大気が導入さ
れるためバルブ６６が閉じ機関の回転数が下るよ
うに設定される。尚、本実施例ではバイパス通路
のバルブを制御するものであるが、スロツトルバ
ルブの閉弁位置を決定するストツパ位置を制御し
て吸入空気量を制御するものにおいても同様の効
果が得られる。

以上述べた様に本考案によれば、大気開放用電
磁弁６２をノーマルオープンとし通電で閉、非通
電で開とし、真空用電磁弁６３をノーマルクロー
ズとし通電で開、非通電で閉とするように設定す
ることにより、例えば長期間使用中における通電
不良が生じた場合でもアイドル制御弁６を閉じ機
関の回転数を下げるため従来装置の如く機関の回
転数を上げ、エンジンブレーキ効果をなくした
り、機関の安全性を損なうという不具合も解滅で
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示す構成図である。 １……内燃機関、２……吸気管、３……電磁式
噴射弁、４……圧力センサ、５……水温センサ、
６……アイドル制御弁、７……点火コイル、８…
…制御装置、９……車速スイツチ、２１……スロ
ツトルバルブ、２２……エアークリーナ、２３…
…アイドルスイツチ、６１……位置センサ、６２
……大気開放用電磁弁、６３……真空用電磁弁、
６４……負圧室、６５……ダイアフラム、６６…
…バルブ、６７……スプリング、６８……バイパ
ス通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関の負圧源と大気とに連通される負圧室を有
   し該負圧室の負圧に応じて機関の吸入空気量を制
   御して機関の回転数を調節する圧力応答装置、上
   記負圧室に対する大気と負圧源の各連通路にそれ
   ぞれ設けられた大気開放用電磁弁と真空用電磁
   弁、機関の回転数を検出する回転数検出手段、機
   関のアイドル時に上記回転数検出手段の検出信号
   と設定回転数に対応した設定信号とを比較しその
   比較結果に基づいて上記各電磁弁を開閉制御し、
   吸入空気量を増大させるときは大気開放用電磁弁
   を閉、真空用電磁弁を開、吸入空気量を減少させ
   るときは大気開放用電磁弁を開、真空用電磁弁を
   閉、吸入空気量を保持するときは各電磁弁をいず
   れも閉させる手段を備え、上記大気開放用電磁弁
   をノーマルオープン真空用電磁弁をノーマルクロ
   ーズにそれぞれ設定したことを特徴とする内燃機
   関のアイドル回転数制御装置。