JPH0351500B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は管継手装置に関し、詳細には、米国特
許第3827727号及び第4061367号に開示されている
発明の拡張及び改良に関する。

〔従来技術〕

管類を使用する諸製品において、これらの管が
銅、鋼、アルミニウムもしくは他の可鍛性金属で
出来ているとしても、これらの管の接続は多くの
場合に永久的なものである。一時は、これら管の
接続の殆んどが管部の端同志の溶接、半田付け、
又は蝋付けによつて行われて、これには時間がか
かり、而もコストが高くつく。

このような管部の接続に関する最初の改良はフ
レアレス管継手を用いるものであつた。この継手
によれば管の接続は迅速に行なうことは出来た
が、数多くの応用にとつて必要な性能や充分な強
度を備えることは出来なかつた。その上、価格と
重量がこのフレアレス継手の重大な欠点であるこ
とが判明した。

従来の管継手装置の他の例としては、特開昭51
−25824号公報に開示されたものがある。これは、
継ぐべき管に直径の大きい突出部を設け、これか
ら軸線方向に開し非常に短い距離において直径を
減少させている。従つて、本装置においてはスリ
ーブの挿入が困難であり、またスリーブを変形さ
せて圧縮させる領域が小さく強固な継手作用を得
ることができない問題がある。

〔発明が解決しようとする課題〕

管の永久接続装置の設計及び製作の実現を困難
にして来たものは、低価格、軽量及び高性能とい
う３つの目標を同時に達成しなければならないこ
とにある。本発明はこれを改良するものであり、
管接続に関する革新技術が、米国特許第3827727
号、第3893720号、第4026006号及び第4061367号
に開示されている。これら特許はロツクリング付
きスリーブ組立体の各種設計に関し、スリーブと
管部の間に変形と密接触を生ぜしめてその結果永
久的な高性能密封接触を作り出すというものであ
る。それにも拘らず、より高い性能、より軽い重
量及びより低い価格に対する要求のため本技術を
更に改良することが要望されるのであり本発明は
かかる改良を行うものである。

従つて、本発明の目的は、装着が容易で軽量且
つ低価格で而もいつそう大きな引抜き強度を示す
管継手を作るための改良された装置を提供するこ
とにある。他の別の諸目的は本明細書、図面及び
特許請求の範囲を読めば明かとなるはずである。

〔発明の構成〕

本発明は、第１の端、中央部分及び第２の端を
有するスリーブと、前記第１の端から前記中央部
分に向かつてスリーブに沿い且つスリーブの回り
に縦方向に押しやられると前記スリーブと係合し
これを変形させるロツクリング装置とを包含し、 前記第１の端は少なくとも管を中に受入れるよ
うにされた実質的に定半径の円管形内面と、半径
が前記第１の端の近くにおける最大値から前記中
央部分の近くにおける小さくなつた値まで全般的
に減少するような逆テーパ外面と、内周面の回り
形成された複数の溝とを有し、 該溝は前記ロツクリング装置が縦方向に押し入
られて所定の位置に達したとき、上記管にピツタ
リと接触し、管を変形させることを特徴とする管
継手装置である。

〔発明の効果〕

管部が挿入され且つロツクリングが押し入れら
れて所定位置に達すると、スリーブは独特な形状
を帯びて外側スリーブと管部の逆テーパ変形を生
じる。「逆テーパ」とは変形が装置の中央部の近
傍で最少であつて、ここからスリーブの外端に向
かつて変形が一般に増大するようなものと謂う。
このような変形様式によれば、継手装着時に要す
る力を著しく減すことが出来るばかりでなく、一
旦装着した管継手の引抜き強度を著しく高めるこ
とが出来る。比較して見るに、本発明によれば装
着に要する力は（米国特許第4026006号に記載し
てあるような）同様の継手に比し50％も増大し、
而も同様の寸法及び重量を有する装置の２倍の引
抜き強度をもつた継手を作ることができる。別の
言い方をすれば、本発明の装置を利用すれば、同
一の引抜き強度を得るのに従来の継手装置の約半
分の寸法及び重量でよいことになる。寸法及び重
量を軽減できるということはユニツトの価格の低
減という見地ばかりでなく、厖大な数のこの種の
管継手装置を使用する航空機などの乗物の全重量
を軽減するという見地からも極めて望ましいこと
である。加えて、この変形様式によれば管部が僅
かに膨張することになり、これによつて管部の端
が装置の中央部分に対して、又１実施例によれ
ば、別の対向する管部に対して、しつかりと押圧
されるという予荷重式管継手が創造される。

〔実施例〕

本発明は等しい寸法の２つの分離した管部の間
に管継手を形成するための装置において専ら選択
的に実施される。その場合、本装置は中心線Ａ−
Ａに関して広い意味で対称になる。それ故、以下
の説明は専ら装置の１端に関してのみ行い、本発
明の特徴を記載するため必要になつたときに限り
第２の端の構成部分について言及することにす
る。しかし理解して慾しいことは、本明細書に記
載の発明的特徴は２つの管部を一直線に接続する
ための装置において使用することに限定されず、
各種の管継手や管接続器具にも使用されるという
ことにある。装置の第２の端はプラグ継手、レジ
ユーサ継手、エルボ継手、テイー継手などであつ
ても良い。

本発明の装置は一般に１０として示すスリー
ブ、一般に１２として示すロツクリング、及び一
般に１４として示す中央部分とから成る。スリー
ブはアルミニウム、鋼、銅などの任意の可鍛性金
属で作られるが、これに対してロツクリングは相
当に高い強度をもつた金属で作られる。スリーブ
１０は中空内部を有しその中に管部１６が最初に
は滑入することができる。スリーブ１０はその中
空内側周面に沿つて鋸歯状溝２０，２１，２２及
び２３をもつことができる。これら鋸歯状溝の寸
法及び形状は、ロツクリング１２をスリーブ１０
の外面にそつて定位置に押込んだとき、管部１６
は上記鋸歯状溝の歯によつて変性させられるが、
これら溝の内部で管の直径は変わらないので、管
１６に対し外側のスリーブ１０が握持作用を行な
うようなものとする。

第１図に示すように、この実施例は４つの溝を
含む。前縁溝２０は、マイクロメータ計測による
径寸法の検査を容易に行い得るため、充分大きな
面が確保されるよう実質的に等直径をもつように
設けられる。この直径は溝２１，２２及び２３の
夫々の最大値を与える点における直径に等しい。
従つて、前縁溝２０を検査することによつて溝２
１，２２及び２３の深さが正しい寸法にあるかど
うかを確認できる。これらの溝と溝の間に平坦な
ランド２６，２７及び２８が設けられる。ランド
２６，２７及び２８は、ロツクリング１２がスリ
ーブ１０の上を押し入れられたとき、管部１６と
接触しこれを変形させる。スリーブ１０の中央部
分１４には外方に延びる止めフランジ３２と内方
に延びる位置決めフランジ１０とが設けられてい
る。止めフランジ３２はスリーブ１０の上を押し
入れられるロツクリング１２の移動を制限する。
位置決めフランジ３４は管１６のスリーブ１０の
中への挿入を制限して別々の管部がスリーブ１０
内でその中心線を合致せしめられよつて最大の管
接続強度が確保されるようにする。位置決めフラ
ンジ３４の実施例が２つ示されている。第１の実
施例において、位置決めフランジ３４は管部１６
の管壁の厚みに略々等しい距離だけ半径方向に内
側に向かつて延びる。この実施例を第８図に示
す。この実施例において、管部の両端は位置決め
フランジ３４と直接に衝合し、端同志で直接に接
触することはない。第９図に示すもう１つの実施
例において、位置決めフランジ３４は前例よりも
小さい距離だけ半径方向に内側に向かつて延び
る。位置決めフランジ３４のこの実施例を用いる
場合、管部１６の各端は管部１６の実質的部分が
相互に接触することが出来るよう傾斜を付与、す
なわち賦形される。位置決めフランジ３４を全く
無くしてしまつて、管部中の洩れを修繕するため
本発明を使用するようにも出来ることを注意して
置きたい。

スリーブ１０の外面部分はスリーブの面４２か
ら始まつて中央部分１４に終る僅かの傾斜の「逆
テーパ」を有する。第１図に示す実施例におい
て、この「逆テーパ」は次のようにしてスリーブ
に輪郭を付与することによつて得られる。まず、
スリーブ１０の外径はその外端３６から中央部分
１４に向かう或る距離に亘つて一様であるために
平坦面３８が生成される。ついで、スリーブ１０
の外径は急に増加して傾斜面４０を生成する。こ
の実施例において、この傾きは20゜である。外径
が最大になつた点において、外径はまた一様とな
りよつて第２の平坦面４２が生成される。その
後、スリーブ１０の外径はゆつくりと、好ましく
は約3゜の傾きで、減少しよつて第２の傾斜面４４
が生成される。平坦面４２と傾斜面４４とが本発
明に独特な「逆テーパ」効果を生じる。傾斜面４
４から止めフランジ３２に向つて進むと傾斜面４
５にぶつかるが、この傾斜面はロツクリング１２
が移動して止めフランジ３２における所定位置に
到達するのを助ける。止めフランジ３２に直ぐ近
接してプラトー４７があり、ロツクリング１２が
スリーブ１０上のその最終位置に押入れられると
きにロツクリング１２の最前線はこのプラトー４
７の上に載る。

第３図に示すような別の実施例において、傾斜
面４４は段部４６を備え、これら段部４６がロツ
クリング１２を所定位置に保持するようにする。

第４図に示すような別の実施例において、「逆
テーパ」は一連の外方に突出するリブによつて形
成される。第１のリブ４８はロツクリング１２が
スリーブ１０の上に載つて止めフランジ３２に向
かつて所定の位置まで押入れられるときロツクリ
ング１２が遭遇する最初のリブである。リブ４８
は進入するロツクリング１２に対面する方の側に
おいて傾斜面５２を有する。この傾斜面５２はリ
ブ４８を越えて進むロツクリング１２の移動が容
易に行われるようにするためのものである。リブ
４８の傾斜面５２に対する反対側には急な肩５４
が配されている。この急な肩５４はロツクリング
１２がスリーブ１０の上を押入れられ尽くされた
ときにロツクリング１２の移動を制限するもので
ある。スリーブ１０は第２の外面リブ５６を有
し、このリブ５６は、リブ４８と同様に、スリー
ブ１０の外周面の全周に亘つて延び且つリブ４８
と止めフランジ３２の間に位置を占める。第２の
リブ５６はロツクリング１２の移動を助ける、同
様な傾斜面５７と急な肩６０とを有する。第２の
リブ５６の外面半径は第１の外面リブ４８の対応
する半径に比し僅かではあるが確実に小さくなつ
ている。スリーブ１０は第２の外面リブ５６と止
めフランジ３２の間に位置する。第３の外面リブ
６２を有する。外面リブ４８及び５６と同様に、
リブ６２も傾斜面６４と急な肩６６を有する。第
３のリブ６２の外面半径は第２のリブ５６の対応
する半径に比し僅かではあるが確実に小さくなつ
ている。リブ４８，５６及び６２の外面半径が引
き続いて減少する度合は約3゜の「逆テーパ」が形
成されるようなものである。

ロツクリング１２に戻つて説明するに、ロツク
リング１２は広義には縦断面に関しては切頭錐体
と同等であることが理解されよう。前縁傾斜面６
８はロツクリング１２が傾斜面４０（又はリブ４
８，５６及び６２）及びプラトー４７に遭遇する
ときロツクリング１２の進行の続行を助ける。前
縁傾斜面に続いて平坦区域７０が設けられてい
る。平坦区域７０の位置は、ロツクリング１２が
スリーブ１０の上を押入れられてその止めフラン
ジ３２に当たる最終位置に到達したとき、平坦区
域が面４０，４２及び４４（又はリブ４８，５６
及び６２）の全外面を実質的に覆うよう位置に来
るように決められる。ロツクリング１２は急な肩
７２を有し、この肩がロツクリング１２を助けて
ロツクリングが所定位置に維持されるようにす
る。第１０図に示す１実施例は、急な肩７２にお
いて生じる可能性のある応力発生点を無くするた
め、後縁傾斜面７４を含んでいる。

管継手は管部１６をスリーブ１０の中に滑入さ
せることによつて形成される。管部１６は最初に
はスリーブ１０の中を容易に滑動することができ
るが、スリーブ１０の寸法は、管部１６のスリー
ブ１０中における自由滑動性を制限することな
く、管部１６と外面スリーブ１０の内面との間の
自由な〓間を無くするようなものである。位置決
めフランジ３４は管部１６のスリーブ内における
移動を制限して管端１６がスリーブ内でその中央
の位置に来るようにする。次にロツクリング１２
がスリーブ１０の上を押入れられて、スリーブ１
０及びこれに付随して管部１６も変形を受ける。
スリーブ１０の輪郭に由来して、スリーブと管部
１６は面４２（又はリブ４８）において最大限の
変形を受ける。スリーブと管部とは中央部分１４
の近くではより少ない量だけ変形するに過ぎな
い。このため逆テーパがスリーブ１０と管部１６
の変形において生じる。管１６が変形されるにつ
れて、管は鋸歯状溝２０，２１，２２及び２３の
中に押しやられる。その時これらの鋸歯状溝は管
部１６をスリーブ１０内で保持しようとする握持
機能を果す。

このようにして管部１６を変性させることによ
つて、管部１６は「練り歯磨チユーブ」効果を生
じ、この効果のため管部１６は僅かではあるが確
実に膨張せしめられる。対向する管部１６も同様
にして膨張させられるにつれて、隣接する両管部
１６は、相当な荷重の作用下で、使用される位置
決めフランジ３４の実施態様に応じて、位置決め
フランジ３４と密着接触を行なうように或は相互
に管端同志で密着接触を行なうようにさせられ
る。何れの実施態様においても、割れ目のない継
手が得られ、これによつて清掃及び腐食の問題は
殆んど無くすることができる。

変形したスリーブの鋸歯状溝の先端を連らねる
直線と、変形前の上記溝を連らねる直線は、第２
図においてＢとして示す角度をなすが、これは約
3゜である。容易に分かるように、一旦ロツクリン
グ１２が所定位置に押し入れられ、それによつて
スリーブ１０と管１６とが変形してしまえば、管
部１６をスリーブ１０から引抜こうとするにはス
リーブの面４０（又は第１のリブ４８）と位置決
めフランジ３２の間に相当する管１６の部分を更
に変形させなければならないであろう。この3゜の
「逆テーパ」特性は本発明によつて形成された管
継手の引抜き強度を著しく増大させるものであ
る。

以上、管継手を作るための改良された装置を記
載し且つ開示して来た。しかし本明細書に記載し
た実施例に対する数多の変形が可能であることは
当業者にとつて明らかである。従つて、本発明
は、本発明の精神によるもの及び特許請求の範囲
に記載するものを除いては、何ら限定されるもの
ではない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のスリーブの好ましい実施例の
側面断面図である。管部も又スリーブの中に挿入
された状態で示されている。第２図はロツクリン
グ、スリーブ及び管を断面で示す側面図であつ
て、ロツクリングがスリーブ及び管の変形を生ぜ
しめた後の状態が図示されている。第３図はスリ
ーブの別の実施例であつて、同様にして側面断面
図として示されている。第４図はスリーブの側面
図であつて、この図では管がスリーブに挿入され
た状態を示す。スリーブ及び管を断面で示すため
一部を欠切して図示してある。第５図は同様の図
であつて、ロツクリングがスリーブの上に進入す
るところ、及びその結果生じるスリーブ及び管の
変形を示す。第６図は同様の図であつて、最終位
置におけるロツクリングとスリーブ及び管の最終
変形とを示す。第７図は本発明の好ましい実施例
によつて形成された完成品管継手の平面図を示
す。第８図は本発明の１実施例を示す側面図であ
る。第９図は中央部分の別の実施例の、同様な図
である。第１０図はロツクリングの別の実施例の
側面断面図である。 スリーブ……１０、ロツクリング……１２、中
央部分……１４、管……１６、溝……２０，２
１，２２，２３、止めフランジ……３２、位置決
めフランジ……３４、第１の端……３６、リブ…
…４８，５６，６２、前縁傾斜面……５２、後縁
傾斜面……５４、逆テーパ外面……４２＋４４。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の端、中央部分及び第２の端を有するス
   リーブと、前記第１の端から前記中央部分に向か
   つてスリーブに沿い且つスリーブの回りに縦方向
   に押しやられると前記スリーブと係合しこれを変
   形させるロツクリング装置とを包含し、 前記第１の端は少なくとも管を中に受入れるよ
   うにされた実質的に定半径の円管形内面と、半径
   が前記第１の端の近くにおける最大値から前記中
   央部分の近くにおける小さくなつた値まで全般的
   に減少するような逆テーパ外面と、内周面の回り
   形成された複数の溝とを有し、 該溝は前記ロツクリング装置が縦方向に押し入
   られて所定の位置に達したとき、上記管にピツタ
   リと接触し、管を変形させることを特徴とする管
   継手装置。 ２ 前記逆テーパ外面は、前記第１の端の近くに
   おいて前記スリーブの周面に形成された単一のリ
   ブを包含し、前記リブが前記スリーブの前記第１
   の端の近い前記リブの側において前記傾斜面と、
   前記スリーブの前記中央部分に近い前記リブの側
   において後側斜面とを有する特許請求の範囲第１
   項記載の管継手装置。 ３ 前記逆テーパ外面は、複数個の外側に突出す
   るリブを包含し、これらの相続くリブの外側半径
   が前記第１の端から前記中央部分に向かつて概ね
   減少する特許請求の範囲第１項記載の管継手装
   置。 ４ 前記スリーブはその周面の回りに複数個のリ
   ブを有し、前記リブの各々が前記スリーブから外
   側に或る距離だけ突出し、相続くリブの各々の外
   側半径が前記第１の端から前記中央部分に向かつ
   て概ね減少する特許請求の範囲第１項記載の管継
   手装置。 ５ 上記スリーブの中央部分が半径方向の外側に
   向かつて延びる止めフランジを有し、前記止めフ
   ランジは前記ロツクリング装置の前記スリーブ上
   における縦方向の移動を制限する特許請求の範囲
   第２、第３及び第４項の何れか１項に記載の管継
   手装置。 ６ 上記スリーブの中央部分が半径方向に内側に
   向かつて延びる位置決めフランジを有し、該位置
   決めフランジは管の前記スリーブ内の縦方向の移
   動を制限する特許請求の範囲第２項、第３項、第
   ４項の何れか１項に記載の管継手装置。 ７ 前記位置決めフランジは、管壁の厚みにほぼ
   等しい或る距離だけ半径方向に内側に向かつて延
   びる特許請求の範囲第６項記載の管継手装置。 ８ 前記位置決めフランジは、管壁の厚みにほぼ
   半分よりも小さい距離だけ半径方向に内側に向か
   つて延びる特許請求の範囲第６項に記載の管継手
   装置。