JPH0351123A - 車両用装飾品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車に設けられて文字、図形、模様等を金属
調に装飾表示する車両用装飾品に関するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の車両用装飾品としては、第２図に示すよ
うに、合成樹脂からなる基材２１上に、文字、図形、模
様等をかたどった金属層ｉ２２を積層し、その金属層２
２上に耐候性に優れた透明な塗膜層２３を設けたものが
ある（特公昭５８−２５３２９号公報参照）。このよう
に構成された車両用装飾品を例えば自動車後部のガーニ
ッシュバックパネルに通用すると、洗車機での洗車時等
に塗膜層２３表面に傷が付いて若干の外観低下が見られ
るものの、耐久性において特に問題はなかった。

［発明が解決しようとする課題］ ところが、前記従来の車両用装飾品を、例えば自動車の
ボンネット前端部に−・体に取付けられるフードモール
に通用した場合、耐久性の点で問題が生ずる０、すなわ
ち、ボンネットのワックスがけを行う際には、一般にそ
のボンネットとともにフードモールが磨かれる機会が多
く、このときワックスがコンパウンド入りであると、装
飾品の透明塗膜層２３が＃滅し、金属Ｗ１２２が破壊さ
れるおそれがある。そのため、このままの状態ではフー
ドモールのような耐候性及び耐摩耗性が要求される外装
品に前記車両用装飾品を通用することが困難であった。

本発明の目的は、耐候性を良好に維持しつつ優れた耐摩
耗性を発揮し、自動車のフードモールのような厳しい条
件下で使用される外装品にも通用できる車両用装飾品を
提供することにある。

［課題を解決するための手段］ そこで、前記目的を達成するために本発明は、合成樹脂
からなる基材上に金属層を形成し、その金属層上には紫
外線吸収剤を含有し、かつ耐候性を有する透明な中間塗
膜層を設け、さらにその中間塗膜層上に透明な硬質のト
ップコート層を形成した車両用装飾品をその要旨とする
。

［手段の詳細な説明］ 前記基材としては、ＰＭＭＡ　（ポリメタクリル酸メチ
ル）、ＡＢＳ（アクリロニトリル・ブタジェン・スチレ
ン共重合体）、ＡＳ（アクリロニトリル・スチレン共重
合体）　、ＰＢＴ　（ポリブチレンテレフタレート）　
、ＰＥＴ　（ポリエチレンテレフタレート）等の一般的
な熱可塑性樹脂やフェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素
樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。

また、金属層としては前記基材上にクロム箔等の金属箔
をホットスタンプによって積層したものや、真空蒸着、
スパッタリング等によって形成したものが挙げられる。

中間塗膜層は紫外線吸収剤を含有し、かつ耐候性を有す
る層であり、前記金属層が透視できるように透明である
ことが必要である。ここで、透明とは、無色透明の外に
着色透明や半透明も含むものとする。前記中間塗膜層は
ポリオールとしてアクリルポリオール、ポリエステルポ
リオール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を使用し、
これにＴＤＩ　　（トリレンジイソシアネート）、ＨＭ
ＤＩ（ヘキサメチレンジイソシアネート）　、ＭＤ　Ｉ
（４，４’−ジフェニルメタンジイソシアネート）等の
ポリイソシアネート基を架橋反応させて高分子量化した
熱硬化型のウレタン塗料により構成されている。

前記紫外線吸収剤は、塗膜に有害な２９０〜３６０ｎｍ
の紫外線を吸収し、無害な熱エネルギーに変換するため
のものであり、例えば２，２′−ジヒドロキシ−４−メ
トキシベンゾフェノン、２．２′−ジヒドロキシ−４，
４′−ジメトキシベンゾフェノン、２−ヒドロキシ−４
−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線
吸収剤や、２−（２’−ヒドロキシ−３’、５’−ジー
ｔｅｒ　ｔ−ブチルフェニル）ベンゾトリアゾール等の
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤や、フェニルサリチ
レート、４−ｔｅｒｔ−ブチル−フェニルサリチレート
等のサリチル酸フェニル系紫外線吸収剤が例示できる。

これらの紫外線吸収剤は中間塗膜層に１〜３％添加され
る。

トップコート層は前記中間塗膜層と同様に、金属層を透
視できるように無色透明、着色透明、半透明等の透明で
かつ硬質な層であり、紫外線硬化樹脂によって構成され
ている。この紫外線硬化樹脂としては、ラジカル重合型
、ラジカル付加重合型、カチオン重合型がある。ラジカ
ル重合型紫外線硬化樹脂には、不飽和ポリエステル系及
びアクリル系があり、前者の不飽和ポリエステル系は、
プレポリマーとしての不飽和ポリエステル樹脂と、七ツ
マ−としてのスチレンとにより塗膜形成成分が構成され
、これに光重合開始剤としてのベンゾインアルキルエー
テル類が配合されたものである。

また、後者のアクリル系は、プレポリマーとしてのポリ
エステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ウ
レタンアクリレート、エポキシアクリレート、スピラン
アクリレート、ポリブタジェンアクリレート等の不飽和
アクリル樹脂と、モノマーとしての各種アクリルモノマ
ーとにより塗膜形成成分が構成され、これに光重合開始
剤としてのベンゾインアルキルエーテル類、ベンゾフェ
ノン類、アセトフェノン類、ミヒエラーケトン類が配合
されたものである。

ラジカル付加重合型紫外線硬化樹脂にはポリエン−ポリ
チオール系があり、オレフィン系不飽和樹脂とメルカプ
ト基を有する樹脂とにより塗膜形成成分が構成され、こ
れらに光重合開始剤としてのベンゾフェノン類が配合さ
れたものである。

カチオン重合型紫外線硬化）Ｍ脂にはエポキシ系があり
、プレポリマーとしてのエポキシ樹脂と七ツマ−として
のエポキシ系希釈剤とにより塗膜形酸成分が構成され、
これらに光重合開始剤としてのルイス酸ジアゾニウム塩
類が配合されたものである。

なお、トップコート層の耐候性を向上させるために紫外
線吸収剤を配合することが考えられるが、前述したよう
にトップコート層は紫外線硬化樹脂によって構成されて
いるので、これに紫外線吸収剤を配合すると硬化しない
。そのため、このような方法でトップコート層の耐候性
を向上させることはできない。

〔紫外線硬化樹脂の記載は、（株）理工出版社発行　高
Ｉｉ１勇藏著　「応用塗料工学」４９〜５６頁に基づく
〕 ［作用］ 上記手段を採用したことにより、本発明の車両用装飾品
においては中間塗膜層が耐候性を、トップコート層が耐
摩耗性をそれぞれ発揮する。さらに、紫外線がトップコ
ート層を経て中間塗膜層内へ入射されると、この紫外線
は中間塗膜層に含有された紫外線吸収剤によって吸収さ
れ、同中間塗膜層と金属層との界面で反射されて再びト
ップコート層へ戻る割合が低下する。そのため、この中
間塗膜層がトップコート層の耐候性を向上させているも
のと推定される。

［実施例及び比較例１〜４］ 以下、本発明を具体化した一実施例を第１図に基づき比
較例と対比して説明する。

（１）試料の作成 まず、ＳＢＲ（スチレン・ブタジェンゴム）を配合した
アクリル樹脂〔三菱レイヨン（株）製、商品名「アクリ
ベットＩＲＨ−３０Ｊ）により、黒スモークに着色され
たフードモールを製造し、これを基材１とした。

続いて、文字、図形、模様等をかたどったクロム蒸着箔
（クルツ社製　商品名ｒＧＬＣ７１６２０」）を前記基
材１上にホットスタンプすることにより金属層ｉ１２を
形成した。そして、ＯＨ価５のアクリルポリオール１０
０部にヘキサメチレンジイソシアネート２５部を配合す
るとともに、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤（チバ
ガイギー社製　商品名「チヌビン３２６Ｊ）１．５％を
添加したものを主成分とする熱硬化製ウレタン塗料を前
記金属Ｎ２上に塗布し、その後、８０℃で３０分間加熱
硬化させた。その結果、膜厚が約１５μｍの透明な中間
塗膜Ｎ３が得られた。

中間ａ膜ｉ３が形成されたところで、さらにその上にア
クリル樹脂系紫外線硬化塗料〔藤倉化成（株）！！ｌ　
商品名「フジハードＨＯ５６７３ＵＪ）を塗布し、その
後、ＵＶランプ（アイグラフィ・ツク社製　出力８０Ｗ
／ｅｌｌ）で紫外線を、積算光量が１５００ｍＪ／−と
なるよう照射した。その結果、前記塗料が硬化して膜厚
が約１０μｍの硬質トップコート層４が形成されて、目
的とする試料が得られた。

なお、前記実施例における金属層２の形成を省略して比
較例１の試料を作成するとともに、前記実施例における
トップコート層４の形成を省略して比較例２の試料を作
成した。さらに、前記実施例における中間ｔ！Ｉｉ膜層
３の形成を省略して比較例３の試料を作成するとともに
、この比較例３における金属層２の形成を省略して比較
例４の試料を作成した。

（２）試料の物性測定 次に、前記のようにして得られた実施例及び比較例１〜
４の各試料について、それぞれ耐摩耗性試験及び耐候性
試験を行った。その結果を次表に示す。この表における
耐摩耗性試験（ａ）はテーパー式摩耗試験であり、Ｃ３
−１０，５００部荷重の条件下で測定を行い、耐摩耗性
試験（ｂ）はフォード式摩耗試験であり、綿帆布＃１０
．７００部荷重の条件下で測定を行った。また、耐候性
試験はサンシャインウエザオメータで測定を行った。

上記表より、 ■実施例及び比較例２を比較すると、トップコート層４
の存在により、耐摩耗性が向上することがわかる。

■中間塗膜層３が形成されていない比較例３．４を比較
すると、金属層２の存在がトソプコー１−屓４の耐候性
に悪影響を及ぼしているものと思われる。

■実施例及び比較例３を比較すると、前記■に述べたよ
うな金属層２の存在に基づく耐候性劣化を中間塗膜層３
が補い、その結果、トップコート層４が良好な耐候性を
示していることがゎがる。

前記■〜■のように本実施例の試料が優れた耐候性及び
耐摩耗性を示すのは次のような理由によるものと考えら
れる。すなわち、本実施例の試料においては、中間塗膜
層３が耐候性を発揮し、トップコート層４が耐摩耗性を
発揮している。

ところで、このトップコート層４は単体では耐候性が劣
るという特性を有している。そのため、紫外線吸収剤が
含有されていない中間塗膜層３上に単にこのトップコー
ト層４を積層しただけでは、トップコート層４を経て中
間塗膜層３内へ入射した紫外線は金属層２との界面で反
射されて、再びトップコート層４内を通過することにな
り（第１図の二点鎖線参照）、その結果、トップコート
層４が劣化するおそれがある。

ところが、本実施例では、前述したように中間塗膜層３
内に紫外線吸収剤が添加されているので、第１図に示す
ように一旦トツブコート層４を経て中間塗膜層３内へ入
射された紫外線ＵＶは、その中間塗膜層３を通過する過
程で吸収される。このため、トップコート層４は自身が
存する耐摩耗性に加え、優れた耐候性も示すものと推定
される。

従ワて、前記実施例の試料を銅候性及び耐摩耗性におい
て過酷な条件下に曝される自動車のフードモール等に通
用すれば、優れた耐久性を発揮し、たとえボンネットの
ワックスがけの際にコンパウンド入りワックスで磨かれ
ても、磨滅することがなく、その結果、従来のもののよ
うに金属層２が破壊されるおそれがない。

なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものでは
なく、例えば基材ｌ上に金属層２、中間塗膜ｔ＊３及び
トンブコートＩ’ｉｉ４を積５”ｆＡ影形成る場合に、
形状マスキングテープを用いてもよい。すなわち、基材
ｌ上にクロム蒸着箔をホットスタンプして金属層２を形
成した後、その金属層２だけを選択して中間塗膜１３を
生成するために、金属層２の形状よりも若干（約０．５
ｍｍ）大きく倣って形成した形状マスキングテープを基
材ｌ上に貼着する。そして、その上に中間塗１１９Ｉｉ
ｉ３及びトップコート層４を順次形成した後、前記形状
マスキングテープを剥がす、このようにすれば、効率的
に中間塗膜層３及びトンプコートＪｉｉ１４を形成でき
る。

〔発明の効果］ 以上詳述したように、本発明の車両用装飾品は耐候性を
良好に維持しつつ優れた耐摩耗性を発揮し、自動車のフ
ードモールのような耐久性の要求される外装品にも通用
できるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を具体化した一実施例を示す車両用装飾
品の部分拡大断面図、第２図は従来の車両用装飾品の部
分拡大断面図である。 ｌ・・・基材、２・・・金属層、３・・・中間塗膜層、
４・・・トップコート層。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、合成樹脂からなる基材（１）上に金属層（２）を形
   成し、その金属層（２）上には紫外線吸収剤を含有し、
   かつ耐候性を有する透明な中間塗膜層（３）を設け、さ
   らにその中間塗膜層（３）上に透明な硬質のトップコー
   ト層（４）を形成したことを特徴とする車両用装飾品。