JPH0350869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はベース部と、１つまたは複数のつかみ
手段と、ベース部に対してすべることができ、各
つかみ手段ごとに圧縮手段が設けられた部分とを
備え、つかみ手段は細長いボデーとして造形さ
れ、それらの細長いボデーは、加工品に接触する
ようにされているそれらのボデーの第１の端部に
近い領域は圧縮手段により囲まれ、かつ長手軸に
沿つてスロツトが設けられ、細長いボデーの第２
の端部はベース部に対する長手方向の移動運動に
対して固定され、つかみ手段に設けられているス
ロツトを加工品へ向かうすべり可能な部分の動き
により圧縮できる、けば立つている加工品をつか
む装置に関するものである。けば立つている加工
品という用語は主として織物を意味するが、毛、
けば、繊維、または糸が表面から突き出ていて、
たわむことができるその他の物質もこの定義に含
まれる。

〔従来の技術〕

そのようなつかむ装置はDE公報A1 34 33 725
から知られている。その公報には積み重ねられて
いる織物を分離する方法および装置が記載されて
いる。しかし、従来の装置は大型のつかむ装置の
構成部分を形成するだけである。その大型のつか
む装置は比較的スペースを占め、かつ複雑であ
る。その従来の装置にはばねで力を加えられるお
さえ脚が設けられる。おさえ脚は、つかみ動作の
最初の段階の間に、積み重ねられている織物のう
ちの上側の織物の部分に係合する。それと同時に
つかむ装置がその上側の織物に係合する。おさえ
脚により加えられた力は積み重ねられている織物
を変形させることにより上側の層の間にある相対
的な変位を生じさせる。それと同時に圧縮装置が
すべり落とされることによりつかみ手段がけばを
つかみ、それからつかむ装置が上側の織物の部分
を引きあげ、上側の織物の別の部分がおさえ脚に
より下方におかれたままにされる。次に、おさえ
脚が積み重ねられている織物から離れるまで装置
全体を引きあげる。上側の織物と下側の織物の間
の分離自体は、上側の織物と下側の織物に沿つ
て、かつそれらの織物の圧縮空気を吹き出す分離
空気ノズルにより行われる。この装置は主として
大きな織物を対象とするものであり、層の間で接
続するために傾斜させられている細くて長い繊維
を有する加工品にとくに適当である。更に、従来
のつかむ装置は、つかみ手段を調整する必要なし
に各種の織物を取扱うことができるのとちようど
同じように、従来のつかむ装置は取扱われた加工
品に見える何の跡も残さない。このような従来の
装置を用いると、バツジ、縁起銭（po cket−
piece）等のような小さい織物片を取扱うことは
可能でない。全く同様に、複雑な構造の装置は、
自動縫製機械におけるような高さが限られている
場所にその装置を使用することが阻止される。

上記のつかむ装置と共通のある特徴と持つつか
む装置がDE公開公報21 08 401から知られてい
る。各つかみ手段に上記つかみ手段のスロツトが
設けられている部分に対応する１組のつかみ指が
設けられている。それらのつかみ指はハウジング
の内部にすべることができるようにして設けられ
る。ハウジング内部のピストンによりつかみ指を
つかむべき加工品へ向つてつかみ指を押し下げる
ことができる。ハウジングの内部形状はつかみ指
を相互に押しつけ合わせて、それらのつかみ指の
間で織物片を折り曲げることができるようにす
る。このつかむ装置は圧縮空気源へ連結できる。
取扱い動作の終りの部分で織物片を動かすために
その圧縮空気をハウジングへ供給できる。加工品
へ向う下向きの動きのために、つかみ指が織物片
に跡を残して、最終的には織物片に穴をあける危
険が生ずる。更に、それらのつかむ装置の構造は
複雑で、製作コストが高い。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案の目的は、従来の装置の諸欠点により妨
げられない、すなわち、小さい織物片と大きい織
物片を取扱うことができると同時に、構造が簡単
で、安く、従来の装置より一層小型にできるが、
多様な種類のけば立つている物質を確実につか
み、かつ取扱うことができ、とくに個々の積み重
ねられている織物片を持ちあげ、分離させること
ができる、この明細書の初めにおいて述べたつか
む装置を得ることである。

〔課題を解決するための手段〕

この目的は、ベース部と滑り可能な部分との間
に間隙を残してほぼ閉じられた中空部が設けら
れ、この中空部に圧縮ガスがベース部を通して供
給され得るようになつており、細長いボデーに形
成されたつかみ手段は、滑り可能な部分を貫通す
るとともに、滑り可能な部分に固着された、対応
した圧縮手段により囲まれており、中空部の中の
圧縮ガスが、中空部に最も近いスロツト部分を主
として通つて放出されて、つかみ手段の加工品に
接触すべき第１の端部を経てスロツトを出るよう
に、ベース部と滑り可能な部分との間の間隙は小
さく選択されていることを特徴とする、けばだつ
ている加工品をつかむ装置により達成される。

中空部のために圧縮空気を１つの入口を通つて
つかむ装置へ供給でき、その中空部において圧縮
空気をいくつかのつかみ手段へ分配できる。スロ
ツトが一緒に圧縮され、つかみ手段が上側の織物
のけばをつかむようにして、すべり可能な部分が
動かされる。この時に圧縮ガスをベース部を通つ
て中空部の中に自動的に供給し、そこからスロツ
トを通つて圧縮ガスはつかみ手段から出る。そう
すると圧縮ガスは上側の織物を通つて送られて、
１番上から２番目の織物片に当る。そうすると１
番上の織物片が２番目の織物片から分離されるか
ら、２枚以上の織物片が取扱いにより持ちあげら
れることが避けられる。

本考案のつかむ装置の実施例においては、ベー
ス部は、すべり可能な部分を囲むスカートすなわ
ち環状の突出縁部を有する。

つかみ手段の交換を容易にするためには、つか
み手段の端部にくぼみ、アンダーカツトまたはそ
の他の断面減少部を設け、ベース部に連結された
固定手段のスロツトと係合させることにより固定
位置におくことができ、その固定手段をつかみ手
段を横切る方向に動かすことにより、つかみ手段
を取り外せるようにすることができる。

つかみ手段を別々に交換できるようにするため
に、本考案のつかむ装置の各つかみ手段に固定手
段が設けられ、軸により固定手段は、つかみ手段
とは反対側のつかむ装置の面の上に配置されてい
る制御レバーへ固定手段が強固に連結される。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案を詳しく説明す
る。

本考案のつかむ装置の一実施例が第１図に示さ
れている。第１図において、自動縫製機械１で構
成されている縫製加工部に、回転台５の上に設け
られているスタツク３から各種の織物片を供給で
きる。スタツク３は回転台５の周縁部に沿つて置
かれる。回転台５が垂直軸を中心にして回転する
と、回転動はアーム８を有する取扱いロボツト７
の届く範囲内にあるスタツク３をもつてくる。ア
ーム８の端部につかむ装置１０が装置される。

つかむ装置１０の一実施例は、たとえばアルミ
ニウム製のベース部１２で構成される。そのベー
ス部は空気シリンダ１４を有する。そのシリンダ
１４の中にピストン１６が挿入され、ねじ部を設
けられているピストン溝１８がすべり可能な部分
２０にねじこまれる。そのすべり可能な部分は固
定ナツト２２により固定され。ピストンを動かす
ための圧縮空気がパイプ分岐２４を介して供給さ
れ、通路２６を通つてシリンダへ導かれる。パツ
キング付きのカバー２７がシリンダ１４を閉じ
る。そのカバー２７は固定環により固定できる。

ベース部１２にロボツトアーム８にねじで取付
けるためのねじ穴２８が設けられる。このように
構成することによりつかむ装置１０の全体の高さ
を可能な限り低くできる。他の取付け方法も可能
である。たとえば、ねじによりベース部に取付け
られる上部板（図示せず）に中心穴を設け、平皿
ねじの先端部が上を向くようにしてその中心穴に
平皿ねじがねじこまれる。後者の場合に、上部板
は中心ねじでロボツトアームでまず取付けられ、
それからベース部は残りのねじで上部板へ固定さ
れる。

ベース部１２には周縁ウエブ３０が設けられ
る。そのウエブ３０とすべり可能な部分２０の間
の間隙３４が非常に小さくなり、したがつて比較
的気密であるようにして、そのウエブ３０はすべ
り可能な部分２０の縁部３２を囲む。この実施例
ではほぼ正方形であるすべり可能な部分２０に
は、縁部３２の近くで、各隅に圧縮手段として働
くブツシング３６が設けられる。そのブツシング
はすべり可能な部分２０の貫通穴の中に圧入され
て保持される。各ブツシング３６につかみ手段す
なわちグリツパ３８が設けられる。それらのグリ
ツパは固定板４０により保持され。各固定板４０
に設られているスロツト４２が、各グリツパ３８
上のネツクと呼ばれるアンダーカツト４４に係合
できる。固定板４０は、ベース部の上側の中心レ
バー４６によりネツク４４との係合から揺動させ
ることができる。軸４８が固定板４０と制御レバ
ー４６を連結する。

横銅の丸棒で製作することが好ましい各グリツ
パ３８は４個のスロツト５０と中心穴５２を有す
る。スロツト５０の数はもとろんそれとは異なら
せることができるが、実際には２〜６個である。
スロツト５０と中心穴５２はほとんどネツク４４
に達する。グリツパ３８の自由端部の近くに円錐
面５４が設けられる。その円錐面は、すべり可能
な部分２０に設けられているブツシング３６の下
側縁部５６の内面によつて、すべり可能な部分２
０の動きにより作動させられる。面５４に最も近
いブツシング３６の内部がなだらかに広がつて縁
部５６の摩耗を減少させる。摩擦を減少し、耐久
性を増すために、ブツシング３６とグリツパ３８
にはニツケルを化学めつきすることが好ましい。
のこぎりで切つたり、フライス加工によりスロツ
ト５０を形成されたグリツパ３８は図示のように
先が開いて開放位置にあるので、ピストン１６は
第２図に示されている上方位置へ押される。

各グリツパ３８の頭部は、所定位置から側方へ
の動きを防止するために、案内穴６０に受けられ
るように面取りすることが好ましい。

このように構成することにより、ベース部１２
とすべり可能な部分２０の間にほぼ閉じた中空部
６２が形成される。圧縮ガス、好ましくは圧縮空
気をベース部１２に設けられている通路６４を通
つて中空部６２に供給できる。グリドパ３８を通
じて空気を抜き出すことにより加工品のけばを立
てるために、通路６４によつて中空部６２を真空
にすることもできる。

次につかむ装置の動作を説明する。ロボツトア
ーム８に取付けられているつかむ装置１０は回転
台５の上のスタツク３へ接触させられる。それか
ら上記のように通路６４を通じて真空を供給す
る。その後で、自動制御される圧縮空気源から圧
縮空気をシリンダ１４に供給してピストン１６を
押し、すべり可能な部分２０を第２図において下
方へ押すことによりブツシング３６がグリツパ３
８を閉じるようにする。このようにして加工品の
けばが捕えられ、それから圧縮空気が通路６４を
通つて中空部６２へ供給される。中空部６２と中
心穴５２の近くのスロツト５０の断面における全
流体の動抵抗は、すべり可能な部分２０の周囲の
間隙３４における全低抗より低い。その理由は、
圧縮空気の大部分が中心穴５２の下側部分とスロ
ツト５０を通つてグリツパ３８から出るからであ
る。スタツク３の上側の加工品がグリツパ３８に
より保持されるから、圧縮空気のいくらかがその
加工品を通り抜けてスタツク３の下側の加工品に
当ることにより、２つの加工品を分離させる。そ
れと同時に、ロボツトアーム８がつかむ装置１０
を加工品とともに持ちあげ、その加工品を縫製機
械１の下に置く。つかむ装置１０はピストン１６
を第２図で見て上方へ動かすことにより加工品を
運び、それによりグリツパ３８はそれの開放位置
へ戻る。この動作は体記のようにグリツパ３８を
通じて圧縮空気を吹き出させることにより助ける
ことができる。

本考案の装置は他の構成で利用することもでき
る。たとえば、より大きい加工品を取扱う時は、
加工品をロールから引き出すためにいくつかのつ
かむ装置を棒に沿つて並べたり、異なる形状の織
物片を取扱うために異なる幾何学的形状でつかむ
装置を置くことができる。

本考案の別の実施例ももちろん可能である。た
とえば、グリツパヘツドを通すことができるよう
にするために、つかむ装置は円筒形とすることが
でき、固定手段を対応する平らな環にし、固定ス
ロツトをより大きな寸法の穴に連結できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のつかむ装置を使用する加工部
の正面図、第２図は本考案のつかむ装置の一実施
例の一部断面側面図、第３図は第２図の底面図、
第４図は固定装置で完成されたつかみ手段を示す
つかむ装置の詳しい断面図、第５図はすべり可能
な部分とつかみ手段を除去して示す第３図と同じ
底面図、第６図はつかみ手段と圧縮手段拡大断面
図である。 ５……回転台、７……取扱いロボツト、８……
アーム、１０……つかむ装置、１２……ベース
部、１４……シリンダ、１６……ピストン、２０
……すべり可能な部分、２４……パイプ分岐、２
６，６４……通路、３０……ウエブ、３６……ブ
ツシング、３８……グリツパ、４０……固定板、
４４……ネツク、４６……制御レバー、５０……
スロツト、５２……中心穴、６２……中空部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ベース部と、１つないし複数のつかみ手段と、
   これらのつかみ手段それぞれに対応した圧縮手段
   を有し、前記ベース部に対して滑ることができる
   滑り可能な部分とを備え、前記つかみ手段は細長
   いボデーに形成され、その細長いボデーは、それ
   の加工品に接触すべき第１の端部に近い方の領域
   では、圧縮手段により囲まれているとともに、長
   手方向に沿つたスロツトが設けられており、その
   細長いボデーの第２の端部が前記ベース部に対す
   る長手方向の移動運動に対して固定されており、
   前記つかみ手段に設けられている前記スロツト
   を、加工品に向かう前記滑り可能な部分の動きに
   より圧縮できるようになつている、けば立つてい
   る加工品をつかむ装置において、 前記ベース部と前記滑り可能な部分との間に間
   隙３４を残してほぼ閉じられた中空部にして、圧
   縮ガスを前記ベース部を通して供給できる中空部
   が設けられ、 前記つかみ手段は、前記滑り可能な部分を貫通
   するとともに、前記滑り可能な部分に固着され
   た、対応した圧縮手段により囲まれており、 前記中空部の中の圧縮ガスが、前記中空部に最
   も近いスロツト部分を主として通つて放出され
   て、前記つかみ手段の前記第１の端部を経て前記
   スロツトを出るように、前記ベース部と滑り可能
   な部分との間の前記間隙は小さく選択されている
   ことを特徴とするけば立つている加工品をつかむ
   装置。