JPH0350844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、家庭などで用いられる電気掃除機に
係り、特に、ハンデイタイプの電気掃除機におけ
る吸込口の構造に関する。

（従来の技術） 従来のこの種ハンデイタイプの電気掃除機に
は、第４図に示すように、付属品である吸込口体
を必要としないタイプの電気掃除機と、第５図に
示すように、付属品である延長管１１および吸込
口体１２を掃除機本体１３に取付けて使用するタ
イプの電気掃除機とがあつた。

すなわち、第４図に示す電気掃除機において
は、前後方向に長いケース状の掃除機本体１に、
集塵室２と電動送風機３とこの電動送風機３を駆
動する２次電池４とを、内部において前側から後
側へ並べて配設するとともに、前記電動送風機３
の上方に位置して前後方向へ延びるハンドル５を
設け、さらに、前記集塵室２に臨んで掃除機本体
１の前側底部に、若干傾斜した吸込口６を開口形
成した構造が採られている。そして、掃除時に
は、ハンドル５を把持しながら、掃除機本体１を
前方へ向つて下方へ若干傾斜させて、吸込口６を
被掃除面に対向させるようにしている。

この構造では、掃除機本体１に形成された吸込
口６を直接被掃除面に対向させるようにしている
ため、多少広い床面などの掃除は行ないにくい。
また、吸込口６が掃除機本体１の底部に若干傾斜
して設けられているため、テーブルなども、座つ
たままで掃除しようとすると、掃除機本体１を持
ち上げて傾斜させなければならず、腰より高い場
所の掃除は困難である。

また、第４図に示したタイプの電気掃除機で
は、従来一般的に、吸込口６が横方向に長い形状
となつている。そして、掃除時には、掃除機本体
１を前後方向へ摺動させるようにしている。

しかしながら、このように掃除機本体１を前後
方向へ摺動させる構造では、手に負担がかかり易
い。

一方、第５図に示す電気掃除機においては、同
様に、集塵室１４、電動送風機１５および２次電
池１６を内蔵した掃除機本体１３の上部後側にハ
ンドル１７が設けられており、前記集塵室１４に
臨んで掃除機本体１３の前部中央に吸込口１８が
開口形成されている。そして、この吸込口１８
に、吸込口体１２を延長管１１を介してあるいは
直接接続して掃除を行なう構造となつている。

この構造では、延長管１１を用いることによ
り、床面など比較的広範囲の掃除は行ない易くな
る。しかしながら、延長管１１を接続した際の操
作性を向上させるために、吸込口１８が掃除機本
体１３の前部でかつほぼその中心軸上に位置して
設けられているから、吸込口１８を被掃除面に直
接対向させて掃除を行なおうとした場合に、テー
ブルの上などでは、掃除機本体１３を立てた状態
で持たなければならず、掃除が困難になる。した
がつて、テーブルなどごく小範囲の掃除を行なう
場合にも適切な吸込口体１２を選択して着脱しな
ければならないため、小範囲の掃除を手軽に行な
えない。

また、実開昭58−43341号公報に記載されてい
るように、集塵室に臨んで掃除機本体の前部およ
び底部に吸込口をそれぞれ設け、この両吸込口に
選択的に吸込みノズルを接続できるようにした電
気掃除機が知られている。そして、この電気掃除
機は各吸込口には開閉体がそれぞれ設けられ、前
部吸込口の開閉体は吸込みノズルを差込むと開口
され、また、底部吸込口の開閉体は手動操作で開
閉する構造が採られていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記第４図または第５図に示す従来のハンデイ
タイプの電気掃除機では、吸込口が掃除機本体の
前部中央あるいは前側底部のいずれか一方にのみ
設けられていたため、吸込口の位置により掃除を
行ない易い場所および姿勢が制約されるととも
に、吸込口体などの付属品を接続しない構造とす
れば、床面など比較的広範囲の掃除が行ないにく
くなり、付属品を接続する構造とすれば、テーブ
ルの上など比較的小範囲の掃除を手軽に行なえな
くなる問題があつた。

また、前記実開昭58−43341号公報に記載され
ている構造の電気掃除機では、前部吸込口に吸込
みノズルを接続して塵埃を吸込むときには、底部
吸込口が開口しているときには、手動操作で底部
吸込口を閉じなくてはならず、底部吸込口を閉じ
忘れのおそれがあり、操作性が悪い問題があつ
た。また、それぞれの吸込口に開閉体を設ける必
要があつた。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、掃
除が行ない易い場所および姿勢などに対する制約
が小さく、しかも、開閉体は前部吸込口または底
部吸込口のいずれか一方のみを開口し他方を閉塞
しているため、操作性が良好で、吸込口の閉じ忘
れのおそれがなく、床面などの比較的広範囲の掃
除が容易に行なえるとともに、テーブルの上など
の比較的小範囲の掃除を手軽に行なうことができ
る電気掃除機を提供するものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案の電気掃除機は、電動送風機を内蔵しこ
の電動送風機の前方に位置して集塵室を内部に設
け前記電動送風機の上方に位置してハンドルを設
けた掃除機本体を備え、前記集塵室に臨んで掃除
機本体の前部および底部に吸込口をそれぞれ設
け、これら前部の吸込口を閉塞する前部閉塞部お
よび底部の吸込口を閉塞する底部閉塞部とを有し
この前部閉塞部にて前部吸込口の閉塞時には底部
閉塞部は底部吸込口を開口するとともに底部閉塞
部にて底部吸込口の閉塞時には前部閉塞部は前部
吸込口を開口する開閉体を前記掃除機本体の底部
に可動自在に設けたものである。

（作用） 本考案の電気掃除機は、掃除機本体の前部およ
び底部にそれぞれ設けられた吸込口のうちいずれ
か一を可動自在の開閉体により開口することによ
つて、他方の吸込口は閉塞され、吸込口の閉じ忘
れがなく、操作性が良好で、操作掃除場所等に応
じて、底部の吸込口および前部の吸込口のうち使
い易い方を選択し、ハンドルを持つて掃除を行な
う。そして、床面など比較的広い場所を掃除する
場合は、例えば前方の吸込口に付属品としての延
長管および吸込口などを接続して掃除を行なう。
一方、テーブルの上など比較的小範囲の掃除の場
合は、底部の吸込口を直接被掃除面に対向させて
掃除を行なう。

（実施例） 本考案の電気掃除機の一実施例の構成を第１図
ないし第３図について説明する。

２１は掃除機本体で、前後方向に長いほぼ円筒
形状に形成されている。そして、この掃除機本体
２１の内部前側が、集塵室２２となつている。ま
た、この掃除機本体２１の内部後側には、電動送
風機２３と、この電動送風機２３を駆動する２次
電池２４とが配設されている。また、前記集塵室
２２と電動送風機２３との間には、図示しない集
塵用のフイルターが設けられており、さらに、掃
除機本体２１の後面には、図示しない排気口が開
口形成されている。

また、この掃除機本体２１の上面後側には、前
後方向へ延びるハンドル２５が一体的に突出形成
されており、このハンドル２５の上面前部には、
前記電動送風機２３を制約するためのスイツチ２
６が設けられている。

さらに、この掃除機本体２１の下面の前端部、
中央部および後端部には、それぞれ車輪収納部２
７が突出形成されており、これら各車輪収納部２
７には、左右一対の車輪２８がそれぞれ左右方向
へ回動自在に支持されている。そして、掃除機本
体２１を被載置面上に置いた際、前記車輪２８が
被載置面に当接され、この被載置面と掃除機本体
２１の下面との間に所定間〓が生ずるようになつ
ている。

前記集塵室２２に臨んで掃除機本体２１の前部
中央には、その前後方向を中心軸方向とする円筒
形状の前部の吸込口３１が形成されている。ま
た、この吸込口３１の下方に位置して、この吸込
口３１より後方まで延びる直方体函形状の蓋体支
持部３２が形成されている。そして、この蓋体支
持部３２の上面中央部には、その前端部から後端
へ至る切欠部３３が形成されている。

また、前記集塵室２２に臨んで掃除機本体２１
のほぼ水平な下面には、凹窪状の底部の吸込口３
４が形成されている。そして、この底部の吸込口
３４は、前記掃除機本体２１の前後方向を長手方
向とするほぼ長方形状に形成されている。また、
この底部の吸込口３４の上面には、開口部３５が
形成され、この開口部３５に臨んで底部の吸込口
３４の上方に、前面を開口した直方体函形状の連
通部３６が形成されている。そして、この連通部
３６の前端は、前記蓋体支持部３２の後端まで延
びており、かつ蓋体支持部３２の後端周縁部の内
周側に位置している。

４１は開閉体で、ほぼ直方体形状に形成され、
前記蓋体支持部３２内に前後方向へ摺動自在に嵌
合されている。そして、この開閉体４１の上面中
央部には、前記前部の吸込口３１の後端に接離さ
れてこの吸込口３１を開閉する円盤状の前部閉塞
部４２が突出形成されている。また、この開閉体
４１の後面が底部吸込部４１ａとなつており、こ
の前部閉塞部４１ａが連通部３６の前面開口から
離反されて、底部の吸込口３４が集塵室２２に開
口される。

また、この開閉体４１の上面前端部には、前記
前部の吸込口３１内に若干突出した感知部４３が
形成されている。さらに、この開閉体４１の前面
と前記蓋体支持部３２の前面とにコイル状のスプ
リング４４の両端部がそれぞれ固着されており、
このスプリング４４によつて、開閉体４１は常時
前方へ付勢されている。

つぎに、この実施例の作用について説明する。

前部の吸込口３１と底部の吸込口３４とは、開
閉体４１により選択的に開閉される。すなわち、
この開閉体４１が前方へ移動した際には、その閉
塞部４２が前方の吸込口３１の後端に当接されて
この前方の吸込口３１が閉塞され、前部吸込口３
１は集塵室２２と気密に遮断されるとともに、開
閉体４１の後面の底部閉塞部４１ａは連通部３６
の前面開口から離反されて、底部の吸込口３４が
集塵室２２と連通される。一方、開閉体４１が後
へ移動した際には、その閉塞部４２が前部の吸込
口３１の後端から離反されて、この前部の吸込口
３１が開口して集塵室２２と連通されるととも
に、開閉体４１の後面の底部閉塞部４１ａが連通
部３６の前面開口に当接されて、底部の吸込口３
４を閉塞して集塵室２２と気密に遮断される。

そして、床面などを掃除する際には、第２図に
示すように、前部の吸込口３１に付属品としての
延長管５１の一端部を着脱自在に嵌合接続する。
この状態で、この延長管５１が開閉体４１の感知
部４３に押圧されて、この開閉体４１がスプリン
グ４４の付勢に抗して後方へ移動し、前部の吸込
口３１が開口されるとともに、底部の吸込口３４
が閉塞される。また、延長管５１の他端部には、
図示しない付属品としての吸込口体を着脱自在に
接続する。

そして、使用者はハンドル２５を持つて、吸込
口体を床面上で動かす。電動送風機２３の駆動に
より吸込口体から吸込まれた塵埃は、図面中の矢
指で示すように、延長管５１を通つて、前部の吸
込口３１から集塵室２２内に導かれ、フイルター
によりその内部に貯溜される。

このように、前部の吸込口３１に延長管５１お
よび吸込口体を接続して掃除が行なえるので、床
面などの広範囲の掃除を効率良く行なうことがで
きる。

また、自動車内あるいは狭い場所などを掃除す
る際には、前部の吸込口３１１に付属品としての
ホースを接続してもよいし、あるいは、吸込口体
を直接接続してもよい。

一方、テーブルの上など比較的小範囲の掃除を
行なう場合には、第１図に示すように、前部の吸
込口３１から付属品５１を脱した状態で、底部の
吸込口３４を用いて掃除を行なう。吸込口３１に
付属品５１を接続していない状態では、スプリン
グ４４の付勢により、開閉体４１は前方へ移動し
ており、前部の吸込口３１が閉塞されるととも
に、底部の吸込口３４が開口される。

そして、使用者は、車輪２８をテーブル上に当
接させた状態で、ハンドル２５を持つて、掃除機
本体２１を左右方向へ動かす。そして、塵埃は、
図面中の矢指で示すように、被掃除面と対向され
た底部の吸込口３４から吸込まれ、連通部３６お
よび蓋体支持部３２の切欠部３３を介して集塵室
２２内に導かれる。また、掃除機本体２１は左右
方向へ動かす操作は、手首をかえすだけでよいか
ら、掃除機本体２１は左右方向へ動かした方が楽
であるが底部の吸込口３４は前後方向に長い形状
としたので、上述のように掃除機本体２１を左右
方向へ動かすとき、最も掃除の効率が良くなる。
すなわち、手に負担をかけることなく、効率良く
テーブルの上などを掃除を行なえる。しかも、掃
除機本体２１は車輪２８により支持されているの
で、手にかかる負担がより軽減されるとともに、
車輪は左右方向へ回動する構造となつているの
で、掃除機本体２１の左右方向への摺動がスムー
ズなものとなる。

そして、このように、吸込口体などを接続する
手間を要さずに、直接底部の吸込口３４を被掃除
面に対向させて掃除を行なえるので、テーブル上
などの小範囲の掃除を手軽に行なえる。しかも、
前述のように、底部の吸込口３４はほぼ水平状と
なつているので、比較的高いテーブルの上などに
おいても、掃除機本体２１を持ち上げて傾けたり
することなく、楽な姿勢で掃除を行なえる。

このように、上記構成によれば、掃除機本体２
１の底部にそれぞれ吸込口３１，３４を設けたこ
とにより、床などの広範囲の掃除が容易に行なえ
るとともに、テーブルの上などの小範囲の掃除を
手軽に行なえるようになる。すなわち、１台の掃
除機で、２通りの使用が可能になる。

しかも、付属品５１の前部の吸込口３１への着
脱に、開閉体４１の開閉を連動させたので、付属
品５１の着脱によつて、前部の吸込口３１と底部
の吸込口３４とが自動的に切替えられ、切替え作
業に手間を要さない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、掃除機本体の前部と底部と
に、前部吸込口を閉塞する前部閉塞部と底部吸込
口を閉塞する底部閉塞部とを有する可動自在の開
閉体により前部吸込口と前部吸込口とが選択的に
閉塞されるので、使用しない吸込口の閉じ忘れの
おそれがなく、操作性が良好で、両吸込口を適宜
選択することにより様々な場所をより楽な姿勢で
掃除することが可能になり、例えば、前部の吸込
口に延長管および吸込口体などの付属品を接続す
ることによつて、床面などの比較的広範囲の掃除
が容易に行なえるとともに、底部の吸込口を被掃
除面に直接対向させることによつて、テーブルの
上などの小範囲の掃除を、吸込口体などを接続す
ることなく手軽に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す電気掃除機の
一部を切り欠いた側面図、第２図は同上付属品を
接続した状態を示す前部の断面図、第３図は同上
第１図の−視断面図、第４図は従来の電気掃
除機の一例を示す一部を切り欠いた側面図、第５
図は従来の電気掃除機の他の例を示す側面図であ
る。 ２１……掃除機本体、２２……集塵室、２３…
…電動送風機、２５……ハンドル、３１……前部
の吸込口、３４……底部の吸込口、４１……開閉
体、４１ａ……底部閉塞部、４２……前部閉塞
部、５１……付属品としての延長管。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電動送風機を内蔵しこの電動送風機の前方に
   位置して集塵室を内部に設け前記電動送風機の
   上方に位置してハンドルを設けた掃除機本体を
   備え、 前記集塵室に臨んで掃除機本体の前部および
   底部に吸込口をそれぞれ設け、 これら前部の吸込口を閉塞する前部閉塞部お
   よび底部の吸込口を閉塞する底部閉塞部とを有
   しこの前部閉塞部にて前部吸込口の閉塞時には
   底部閉塞部は底部吸込口を開口するとともに底
   部閉塞部にて底部吸込口の閉塞時には前部閉塞
   部は前部吸込口を開口する開閉体を前記掃除機
   本体の底部に可動自在に設けた ことを特徴とする電気掃除機。 (2) 前記底部の吸込口は、前記掃除機本体の前後
   方向を長手方向とするほぼ長方形状に形成した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の電気掃除機。 (3) 前記前部の吸込口へ付属品を接続した際この
   前部の吸込口が開口され付属品を外した際閉塞
   されるように前記付属品の着脱に蓋体の開閉を
   連動させたことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項または第２項記載の電気掃除機。