【発明の詳細な説明】
3−メチルビリジンの選択的製造のための高温における製造方法関連する出願の
参照
これは、出願臼1988年7月11日の係属中の米国特許出願第217.686
号であって、発明の名称が3−メチルビリジンの選択的製造方法であるものの部
分継続出願である。
発明の背景
本発明の目的は、ペンタンジアミン誘導体、すなわち2−メチル−1,5−ペン
タンシアミンの触媒環化反応を通じて3−メチルビリジン(β−ピコリンとも呼
ばれる)を高収率で選択的に製造するための新規かつ経済的な方法を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、この脂肪族化合物とピペリジン誘導体、すなわ
ち3−メチルピペリジン(β−ピペコリンとも呼ばれる)の混合物に同様の転化
をさせて目的とする3−メチルビリジンを得ることにある。
発明の背景として、本発明の価値は、出発物質が大量生産物の副生成物であるた
め容易に得られるという事実にある。例えばナイロン製造の重要な中間体である
アジポニトリルの製造においては、ブタジェンへのシアン化水素の付加によって
も2−メチルグルタルニトリル(MGN)が副生成物として大量に得られる。
Kirk−Otheer、 Encyclo edia of Chemica
l Technolo r、第3版、第15巻、第899頁;米国特許第3.5
42.847号および第3.551.474号。このMGNの水素化によって2
−メチル−1,5−ペンタンジアミンを主生成物として得ることができる。
例えば、Dynamit Nobelの1977年の英国特許第1.488.3
35号では、従来のMGNの水素化では主に2−メチル−1,5−ペンタンシア
ミン(MPDA)と少量の3−メチルピペリジンが得られることが記載されてい
る。一方、かかる特許の実施例には生成比が逆になることが記載されている。I
CIの1957年の米国特許第2.790.804号およびICIの1986年
の英国特許第2.165.844号においても同様に置換されていないグルタル
ニトリルの水素化によってペンタンジアミンとピペリジンが得られることが記載
されている。MPDAは2−メチレングルタルニトリルの水素化によっても簡便
に得ることができる。2−メチレングルタルニトリルはアクリロニトリルの三量
化生成物である。東洋レーヨンの1969年の英国特許第1.164.354号
:ンエルの1965年の米国特許第3.225.083号ニジエルの1971年
の米国特許第3.562゜311号、三菱の1983年の米国特許第4.422
.981号。
他方、ピリジンは多くの目的のために有用であることが知られている。例えば、
ピリジンは溶媒として、および農薬の中間体として価値がある。3−メチルピリ
ジン(β−ピコリン)それ自体は、溶媒として、およびニコチン酸およびニコチ
ンアミド製造の中間体として有用である。ニコチン酸およびニコチンアミドは抗
ペラグラビタミンを形成する。Goe、 ”Pyridine and Pyr
idine Derivatives’、 Kirk−Othmer、 Enc
vclo edia of Chemical Technolo v、第3版
、第19巻。
過去において、ピリジンおよびその誘導体を生成するものとして知られている環
化反応および脱水素化反応については、BrodyおよびRubyが最初に包括
的に著したE、 Klingsberg編集のI”ridine and It
s Derivatives第1巻に記載されている。
最近では、Ba1ley、 Goeおよび5crivenが著したG、 C,N
ewkome編集のa匹旦匹皿to Pvridine and Its De
rivativesに記載されている。これらの反応は一般に、気相にて、約4
00℃までの低温から中温の領域で、種々の時間にて、パラジウムおよび白金の
ような貴金属触媒を生に用いて行われる。例えば、ICIの1956年の英国特
許第755.534号には、温度400℃にてシリカに担持した5%の白金を触
媒として用いて、ペンタンジアミン(PDA)からピリジンへの転化が55%で
あったことが記載されている。かかる特許においては、温度350℃にて貴金属
または他の金属成分を用いることなく、シリカ、シリカ−アルミナビーズおよび
リン酸ホウ素のような酸性不均一触媒を用いてPDAをピペリジンに転化するこ
とも記載されている。他の実施例としては以下のものがある;オランダ特許出願
第7.005.792号(Deumens、 GroenおよびLipsch、
1971年Stamicarbon :ケミカルアブストラクト76.460
99)には、シリカに担持したラネーニッケル触媒を用いて高い収率でPDAを
ピペリジンに転化すること、および温度125−300℃にてアルミナに担持し
たパラジウムを触媒として用いてPDAをピペリジンとピリジンの混合物に転化
することが記載されている。
Dynamit Nobelの1978年の米国特許第4.086.237号(
ドイツ特許第2.519.529号に相当する)には、温度200−400℃に
てアルミナに担持したパラジウム金属を用いて、M P D A単独から、また
はMPDAおよび3−メチルピペリジンから王に3−メチルピリシンへの転化に
ついて記載されている。Rhone−Poulencの1983年の米国特許第
4.401.819号には、温度200−500℃にて、微細孔固体シリカに担
持した貴金属を用いて同様の転化をさせることが記載されている。しかしながら
、かかる特許には温度の上限での実施例がなく、好ましい温度は250−400
℃であると記載されている。
ICIの1986年の英国特許出願第2.165.844号には、温度350−
400℃にてシリカに担持したパラジウム金属を用いて、グルタルニトリルを最
終転化せしめてピリジンとすることが記載されている。おそらく、中間体として
1.5−ペンタンジアミンを分離するものと思われる。
以上をまとめると、ペンタンジアミンおよびそのアルキル誘導体は、温度約40
0℃の中温領域にて、触媒担体単独を用いて、または触媒担体とvIII族ニッ
ケル金属を共に用いて、選択的に転化されて、ピペリジン対応物となる。あるい
は、パラジウムおよび白金を含むVIII族貴金属を用いて、ピペリジンおよび
ピリジン対応物の混合物となる。これらの貴金属触媒しか、3−メチルピリジン
のようなピリジン化合物を満足すべき収率で選択的に生成することができないと
いう欠点があった。これらの貴金属触媒は経費が高いばかりでなく、取り扱いに
問題があ未反応器にて経済的に使用することができない(流動床反応器は、温度
が均一であり触媒の再生が容易であるという理由も含め、その他多くの理由から
有利である)。
このように、安価で、再生が可能であり、かつ流動床反応器にて操業可能な有効
かつ入手容易な触媒を用いて(2−メチル−1,5−ペンタンジアミンのような
)ペンタンジアミン誘導体を高い収率で選択的に転化するための有用な方法を見
いだす必要があるという要請が高まりつつあった。1988年7月11日に出願
の現在係属中の出願人の米国出願第217.686号であって、発明の名称が3
−メチルピリジンの選択的製造方法であるものには、かかる要請に沿った付加的
な研究が記載されている。特にかかる出願においては、銅クロムまたはモリブデ
ンの好ましい遷移金属酸化物触媒を用いて3−メチルピリジンの選択的製造を高
収率で行うための方法が記載されている。これらの好ましい触媒は、従来のVT
II族貴金属触媒に比して安価である一方、従来主に用いられてきた温度、すな
わち約400℃において同等の性能を発揮する。
それでもなお、3−メチルビリシンの選択的製造方法においては、貴金属触媒を
用いた場合と同様に、用いる触媒が数種類に限定され、かつ高価なものとなって
はならないという要請がある。出願人は当該分野において研究を重ねてきた結果
、かかる要請に見合った驚くべき発明をなしたものである。
発明の概要
特に、出願人は2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(MPDA)単独から、
または2−メチル−1,5−ペンタンジアミンと2−メチルグルタルニトリル(
MGN)の水素化生成物である3−メチルピペリジンの混合物から直接に3−メ
チルビリジンを選択的に製造する高温における製造方法を見いだした。かかる方
法は、温度約500−600℃にて、少なくとも脂肪族MPDA化合物を含む気
化した供給流とアルカリ金属以外の金属酸化物触媒を約30秒より短い時間だけ
接触させる段階からなる。かかる温度は、従来本反応を行わしめるための温度と
して教示されてきた温度よりも高いものであり、従来数種類の触媒しか有効でな
かった低い温度で反応を行ってきた場合よりも優れたものである。
本発明の方法の一つの具体例として、凝縮した3−メチルピリジン生成物の分離
回収、および存在する3−メチルピペリジンの再使用を含めた操業の容易性なら
びに効率の点から、本発明においては流動床反応器を用いる。他の具体例として
は、銅クロム、モリブデンおよびバナジウムの酸化物が触媒として選択され、そ
れらは担持されないままで、または非晶質の若しくは結晶ゼオライトの形態をし
たシリカ、アルミナ若しくはそれらの組合せのような不均一担体に担持されて用
いられる。触媒として亜クロム酸銅を用いる場合には、バリウムまたはマンカン
がその酸化物状態として存在していてもよい。触媒として酸化バナジウムを用い
る場合には、酸化亜鉛が存在していてもよい。供給流に添加することが可能な物
質には水、水素、アンモニア、窒素又は他の不活性ガスが含まれる。
約500−600℃の高温度においては、触媒の再生を頻繁に行わなくても触媒
の寿命が長くなり、活性が持続するということがさらに見いだされた。接触時間
が約10秒またはそれより短いことも好ましいことがわかった。これによって高
温における生成物の分解のおそれが小さくなり、その一方で3−メチルビリジン
の転化率および収率は維持されるからである。
本発明の他の関連する目的および有利な点は以下に明らかとなる。
好ましい具体例の記述
本発明の本質の理解を容易とするために、好ましい具体例をもって本発明を説明
し、特定の用語を用いる。しかしながら、これらは本発明の範囲を限定するため
に意図されたものではない。ここに記載されているように本発明を置換、変更す
ること、および本発明の本質をさらに応用することは、当業者が通常なし得るよ
うに意図されたものである。
上述したように、ペンタンジアミン誘導体、好ましくは2−メチル−1,5−ペ
ンタンジアミン(MPDA)は、アルカリ金属以外の金属酸化物からなる触媒と
接触して、容易に、かつ選択的に転化されてそのピリジン対応物、好ましくは3
−メチルビリジンとなる。この接触段階(およびその後の反応)は、温度約50
0−600℃にて、約30秒よりも短い時間で起こる。
本発明における有効な触媒は、担持された触媒と担持されていない触媒の両方を
含む。しかしながら、種々の形態のシリカ、アルミナまたはシリカ−アルミナの
ような低価格の不均一担体に担持された触媒を用いることは、特に流動床操作に
おいては経済的なものである。そして出願人は、高温においてはシリカ、アルミ
ナおよびシリカ−アルミナそれら自体が3−メチルビリシンの選択的製造の有効
な触媒であることを見いだした。
現在までで最も有効かつ好ましい触媒は銅クロムの酸化物(特に、担持されてお
らず、バリウムまたはマンガンの酸化物形態のものによって活性化されている亜
クロム酸銅)ならびに酸化モリブデンおよび酸化バナジウム(種々の担体に担持
されたもの)よりなる。
この点に関して、出願人が用いる「銅−クロム」の用語は、種々の原子価で存在
し、かつ種々の方法の一つに従った反応物または水素の存在下で還元性雰囲気に
さらされたクロムおよび銅を含む金属酸化物触媒の群を意味する。かかる用語、
触媒およびその調製方法は当該分野においては古くから知られているものである
。
例えば、Bower Adkinsの1937年の本、Reactions o
f Hvdro en with Or anicCompounds ove
r Co per−Chromium 0xide and N1ckel C
atalvsts (特に第1P−14
頁)がある。これには、本発明に関連する事項および物質に関する記載がある。
同様に、「亜クロム酸銅」の用語はさらに古くから知られており、既知の標準的
な方法にしたがって焼成された後に種々の酸化物の形態をとるクロムおよび銅か
らなる触媒の群をいう。数種類の亜クロム酸銅は商業的に入手することができる
。
その例は以下に述べる実施例に記載されている。
「有効」の語は、ここに定義された反応段階および条件の下で、3−メチルビリ
シン生成物を高い収率で選択的に生成することのできる触媒の能力を意味する。
現在までの種々の実験結果は以下に述べる実施例および表に記載されている。し
かしながら、種々の変数が存在することに鑑みれば、このような条件下で3−メ
チルビリシンを「有効に」又は「高い」収率で得ることは、商業的には意義のあ
ることである。最初の有機物供給流の100%近い転換率に基づいて、3−メチ
ルビリシンの正味の収率が40%近い又はそれ以上となることは好ましいことで
ある。
そして、副生成物が主に3−メチルピペリジンに限定され、3−メチルピペリジ
ンと3−メチルビリジンとの比較収出が約1:2か又はそれより小さくなること
も好ましい。この点に関して、3−メチルピペリジンと3−メチルビリジンとの
比較収率が約1・3か又はそれより小さくなることが特に好ましい。この3−メ
チルピペリジンは供給流に戻して再使用することができ、さらに目的とするピリ
ジン生成物を得ることができる。
本発明に用いられる触媒の調製方法は、当該技術分野においてはよく知られたも
のである。担持されていない触媒を調製する場合の好ましい方法は、金属塩を沈
殿させてその後に熱分解することによって所望の酸化物とする方法である。担持
された触媒の場合は、モリブデン酸アンモニウムまたは種々の硝酸塩のような水
溶性の塩をまず目的とする担体に吸着せしめそのイ多に熱分解(焼成としても知
られている)することによって所望の酸化物とする方法である。ゼオライトをイ
オン交換した形態として、その七τライト塩を焼成して金属酸化物となし、所望
の触媒を得る3す法もある。これらの方法および当業者に既知の他の方法を用い
て本発明の触媒を調製することができる。担持されていない亜クロム酸銅を用い
る場合には、オハイオ州クリーブランドのHarshaw/Filtroi P
artnership (現在のEngelhard Corporation
)から商業的に入手することも可能である。しかしながら、その原料にかかわら
ず、これらの触媒は種々の有用な大きさおよび形態で調製または購入することが
できる。例えば、ベレット状、押出状、固定層用の球状、粉状または流動床用の
微細球状である。触媒の選択、調製および取扱を含むこれらのおよび他の要因は
、具体的な装置、条件および選択される反応によって種々異なるものであり、当
該分野における当業者にはよく知られたことである。
本発明の反応は、通常の気相連続反応である。反応物は気化されて、この気化さ
れた反応物は供給流となり、目的の温度に維持されている触媒と接触する。この
ように、気化された反応物は、反応が起こるのに十分な時間だけ触媒と接触する
。かかる接触時間は、通過した反応物のパーセンテージでしばしば表現される最
大転化率または所望の転化率を得るための時間のようにみえるかもしれない。
もし、従来の比較データを用いることができない場合には、特定の条件における
反応の好ましい接触時間は試行錯誤によって見いだす必要がある。
出願人は、現在までで、接触時間は約30秒またはそれより短いことが好ましい
ことを見いだした。接触時間が約10秒またはそれより短いことがさらに望まし
い。
事実、接触時間を最短にすることが好ましいということが実験によって明らかと
なっており、用いた反応物の転化率が100%に近(,3−メチルビリジンの収
率が約40%近いか又はそれ以上となることも明らかとなった。接触時間を長く
すると装置を特別なものとする必要が生じる場合があり、かつ高温において生成
物が分解したり他の不要な副生成物が生じることとなる。
例えば、温度約500−600℃の範囲でなされる反応では転化率が最大となり
、実施例および表に示される多種類の金属酸化物触媒によって所望の3−メチル
ビリジンが得られる。現在のところ転化率が最大であって、かつ以下の述べる他
の有利な点もある温度約550℃が好ましい。この点に関し、与えられた条件の
下で、それぞれの反応毎に温度を含めた最適条件を見いだす必要がある。
出願人の用いる反応は固定層または流動床操作に適していることがわかった。
当該分野における固定層反応器は実際に、そして文献においてもよく知られてい
る。流動床反応器についても、変数が多いものの同様のことがいえる。例えば気
化した反応物の供給速度は、触媒床が十分に流動化するような大きさにする。通
常、空塔速度は約0.25ft/secから3.0ft/secである。条件に
よっては、さらに高い又はさらに低い速度を選んでもよい。反応生成物は凝縮し
て捕集され、それぞれの生成物毎に分離されて蒸留によって回収される。以下で
述べるように、反応によってピペリジンおよびピリジン誘導体の混合物が生成し
た場合には、残ったピペリジンは更に触媒脱水素化するために混合物へ戻す。他
方ピリジンは分離されて、ピペリジン成分のみが反応器に戻され再使用される。
どんな場合でも、出願人が用いる方法とその他の方法とでは、流動床または固定
層反応器の構成および操作に差異はない。特定の事項及びそのような反応器の操
作に関しての資料は、文献または当該分野の他の情報から得られるものであって
、当業者には既知のものである。
使用する出発物質に関しては、好ましい供給流には反応物として、一定量の2−
メチル−1,5−ペンタンジアミン(MPDA)のみを含むことが必要である。
この脂肪族化合物は気化されて、加熱された触媒床へ供給され反応が起こる。上
述したように、3−メチルピリジンが高収率で選択的に生成することを妨害しな
い限り、他の物質が供給流中に存在してもよい。
例えば、従来の反応条件においてはペンタンジアミンは環化してピリジンとピペ
リジン誘導体の混合物を生成することが知られているため、3−メチルピペリジ
ンに相当する化合物を、本発明の好ましい有利な点を減することなく、供給原料
に含めていた。存在する3−メチルピペリジンは単に脱水素化されて所望の3=
メチルピリジンがより多く生成する。ペンタンジアミンは2−メチルグルタルニ
トリル(MGN)のようなジニトリルの水素化によって得られ、MGNはピペリ
ジンのような環化化合物を副生成物として生成するため、本発明の反応に用いら
れる有用な供給原料はMGNの水素化によって得られたペンタンジアミンとピペ
リジン誘導体の混合物である。原料成分としてのMGNの水素化によって生成し
た物質の分離はかかる条件下では不要である。これにより、当該分野における多
くの従来方法よりも実質的に時間と経費の節約となる。
本発明の反応の供給流に他の物質を加えてもよいことが分かった。そのような物
質の一つに水素がある。水素を用いる場合には、供給流中の水素と有機物質との
モル比は約1:1またはそれより大きいと都合がよい。水素は消費されず、むし
ろ反応によって生成するため、商業的にはこの水素を再使用することが有利であ
る。プラントにおける他の反応の副生成物として水素を得ることも可能な場合が
ある。
また、供給流に水を加えてもよい。水は気流の形で供給する。現在までの実験に
おいて、水を用いる場合には、供給流中の水と有機物質とのモル比は約5=1ま
たはそれ大きいど都合がよい。しかしながら、混合生成物中の水は後に分離する
必要があり、かつ水の存在を考慮しないと反応の物質収支が低くなるという点に
留意しなくてはならない。かかる証拠は以下の表に示されている。
供給流に添加可能な他の物質は窒素(または他の不活性ガス)およびアンモニア
である。窒素は、特に供給流中の有機物成分が少量である反応の場合に希釈剤と
して又はキャリアガスとして用いられる。アンモニアは他の実験の場合に用いら
れ、両者と有機物成分とのモル比は、約5・1か又はそれより大きい。しかしな
がら、アンモニアは水素と同様に反応生成物であるため、商業的には回収する必
要があり、パージされるか又は破壊される。
当該技術分野においては時間の経過と共に触媒の活性がしだいに低下していくこ
とが問題となりでいる。多くの触媒については再生が可能である。例えば空気又
は幾つかの他の酸素を含有したガスの存在下で触媒を加熱して再生することがで
きる。Charles L、 Thomas、 Catal tie Proc
ess and Proven Catalvsts、 @11−
14頁(1970)を参照のこと。そして、この後ふたたび供給流と接触させる
前に、加熱した触媒に水素を通してもよい。周期的に触媒を再生することは、流
動床を用いて本発明の反応を行わせるには都合がよい。流動床においては、触媒
を連続的に、または間欠的に二番目の反応容器中で再生反応を起こさせて、触媒
の全量または一部を再生することが可能である。そのような反応器は、石油の触
媒クラブキング反応や、ピリジンの合成反応のために工業的によく用いられてい
る。
本発明の他の目的は、従来の用いられてきた触媒に比べ、長期間使用しても許容
できる範囲の活性が維持できる好ましい触媒を見いだすことにある。これは約5
00−600℃の温度範囲で可能であり、現在まででは約550℃が好ましい。
この温度は、当該分野において、かかる反応を起こさせるのに必要な温度として
教示され、または示唆されてきた温度よりも実質的に高いものである。当該分野
においては定量的な解析は困難であるが、出願人は、かかる温度にて好ましい触
媒を用いて、間欠的に触媒の再生をすることなく繰り返し反応を起こさせたとこ
ろ、一定かつ満足すべき転化率と収率を得た。これによって、触媒の寿命が向上
し、かつ触媒の再生のための手待ち時間を省(ことができるという利点がある。
本発明は以下に詳細に説明されるが、同様のことが考慮されており、かつ本発明
の特徴を限定するものではない。好ましい具体例のみが記述されているのであり
、本発明の特徴の範囲内で本発明を置換、変更することは保護されることが望ま
しい。
この点に関して、幾つかの具体的な実施例および表が以下に示されており、かか
る実施例および表は、上述した触媒および反応を用いて出願人が行ったものであ
る。そして、かかる実施例および表において、M P D 、Aは2−メチル−
1,5−ペンタンジアミンを意味し、MePipは3−メチルピペリジンを意味
し、Betaは3−メチルピリジンを意味する。「転化率」は、反応した有機化
合物のモル数を反応器に供給した有機化合物のモル数で割ったものをパーセント
で表示したものである。「総収率」は得られた特定の生成物のモル数を反応器に
供給した有機化合物のモル数で割ったものをパーセントで表示したものである。
「正味の収率」は得られた生成物のモル数を反応した有機化合物のモル数で割っ
たものをパーセントで表示したものである。反応の「接触時間」は、特に言及し
ない限り約4−]θ秒である。そして、最小空塔速度(Sup、 Vel、)は
触媒床を流動化した状態で測定した。実施例1−35は一般に低い温度で反応を
行ったものである。これに対して、実施例IA−35Aは、低い温度で反応を行
った場合と同じ触媒を用いて、一般に高い温度で反応を行ったものである。例え
ば、実施例1は、亜クロム酸銅を用いて395℃にて反応を行ったものであり、
実施例IAは、同じ触媒を用いて温度497℃から約550℃の高温で反応を行
ったものである。同様の触媒の対応が実施例l−35と実施例IA−35Aとの
間にある。
実施例37を除くすべての場合において流動床反応器を用いた。反応器は内径1
゜6インチ×5フィートであり、316ステンレス管よりなる。下部3フイート
はガス炉で覆われており、フィルターを備えた内径5インチの分離ベルが頂部に
設けられている。触媒は一般に75hl充填される。触媒の粒径は流動化に都合
のよい太きさであって、一般に約20−11150*m (またはミクロン)の
範囲である。これに関する要点は、粒子床を流動化させることができることであ
り、この目的のために、用いられる反応装置によって好ましい粒径は異なる。使
用する原料気化器は電気加熱方式であり、0.75インチ×26インチのステン
レス鋼管である。気化した原料は、穿孔された管状スプレーを用いて床へ導入さ
れる。気体は0.25インチ×20インチステンレス鋼管に通すことによって電
気的に前加熱される。前加熱された気体は分配板を用いて床へ導入される。
実施例1
1時間当たり80gのMPDAと95gの水を、計量ブローポットから625m
1 (1107g)の触媒が充填しである流動床反応器へ供給した。触媒はBa
rshawの亜クロム酸銅触媒(#Cu 1107T、 33%CuO137
%Cr2O3,7%BaOを活性成分として含有する)である。MPDAは、E
、 1. duPont de Nemours & CompanyがDYT
EK−^の商標名で販売しているものを使用した。特に言及しない限り以下のす
べての実施例においてかかるMPDAを使用した。触媒は、錠剤の形状をしてい
るものを粉砕して20メツシユのスクリーンを通過するようにした。原料は気化
させて360℃に加熱した。
同時に1時間当たり500リツトルの水素(モル比 B、/MPDA=30)
ヲ160℃に加熱して反応器へ導入した。反応器の温度は395℃に維持した。
生成物は凝縮によって捕集した。凝縮器は水冷6フイートのもので、その後に氷
水に浸したコイル管がある。最初の30分間の反応の生成物をガスクロマトグラ
フィーによって分析したところ、100%の転化率であり、MePipの正味の
収率は17%であり、Betaの正味の収率は80%であった。これは、従来の
高価な貴金属触媒を用いた反応と比較しても非常に高い結果である。次の30分
間の反応の生成物は、100%の転化率であり、Betaの正味の収率は43%
であり、依然として高いものである。しかしながら、MePipの正味の収率は
51%に増加している。これは、触媒の不活性化状態を示すもので、通常観察さ
れるものであり、本反応のかかる温度において当該分野で報告されているもので
ある。それぞれの反応で得られたMePipは、所望のBeta生成物をさらに
生成させるために、供給流として再使用される。
反応温度を497℃として、実施例]と同様に反応を行った。H2/MPDAの
モル比は8であり、B20/M P D Aのモル比は64であった。Sup、
Vel、は14であった。
30分間での本反応による転化率は100%であり、MePipの正味の収率は
9%てあり、Betaの正味の収率は75%であった。別の実験では、同様の触
媒(Harshaw 亜クロム酸銅触媒 ::Cu−1107T)を用いて温
度約550℃において連続反応を行ったところ、触媒の再生を行わずとも、高温
において長期間Betaが選択的に生成することが分かった。結果を下記の第1
表に示す。第1表では(i)および(11)は30分間の反応であり、(iii
)−(vii)は60分間の反応である。
枢
ム知漠
温度399℃にて実施例1と同様に反応を行った。触媒はシリカに担持したMo
O3であり(10%MoO3,78%シリカおよび12%アルミナを含む)、下
記の実施例2A(i)に記載されている標準的な方法で調製した。H2/MPD
Aのそル比は5であり、B20/MPDAのモル比は7.2であった。 Sup
、 Vel、はi、 Oft/ secてあった030分間の反応で、転化率は
100%であり、MePipの正味の収率は8%であり、Betaの正味の収率
は43%であった。
実施例2^(i)
ン’)カーフルiすI:担持した75f)ml (535g) +71Mo03
を触媒として用い(10%MoO3,78%シリカおよび12%アルミナを含む
)、水素の代わりに窒素を用い、反応温度を545℃に上昇させて実施例1と同
様に反応を行った。触媒の調製は標準的な方法に従った。すなわち、600gの
シリカ−アルミナを、78gのモリブデン酸を含む濃水酸化アンモニウム溶液4
8klに浸した。−晩乾燥させて、温度500℃にて焼成した。その後、1時間
当たり157gのMPDA、174gの水および209リツトルの窒素(モル比
N2./M P D A = 6)を供給した。最初の30分の転化率は100
%であり、MePipの正味の収率は0.3%であり、Betaの正味の収率は
97%であった。
次の30分間の転化率は100%てあり、MePipの正味の収率は0.4%で
あり、Betaの正味の収率は95%であ、7た。これら双方の結果ともに、B
etaが極めて高い選択性をもって生成した、τとを示11、従来方法をはるか
に上回るものであっ温度553℃にて、、同様のMoO3をンリカーアルミナに
担持したものの525m1 (358g)を用いて実施例2A(i)と同様に反
応を行った。1時間当たり216gのへ4PDA、216gの水および210リ
ツトルの窒素(モル比 N2/ M P D A =5)を連続的に供給し、反
応を行った。1時間目のMePipの正味の収率は0.1%でめっ、Betaの
正味の収率は73%であった。2時間目のMePipの正味の収率は0.5%で
あり、Betaの正味の収率は99%であった。3時間目のMePipの正味の
収率は0.7%であり、Betaの正味の収率は86%であった。4時間目の〜
1ePipの正味の収率は1.4%であり、Betaの正味の収率は81%てあ
った。5時間目のMePipの正味の収率は1.6%であり、Betaの正味の
収率は81%であった。転化率はその間を通じて100%であった。触媒を再生
することなく、選択的に、かつ高い収率でBetaが生成した。そして、本反応
において通常観察される触媒の不活性化は観察されなかった。かかる優れた結果
は、温度を400’Cとし窒素の代わりに水素を用いて、その他の成分を同様と
した場合の結果と対照的なものであった。この場合の反応初期のBetaの正味
の収率は34%であり、その後、最初の1時間の終わりの時点では25%まで減
少した。正味の収率が減少に向かい、かつ触媒を再生し、なければ満足すべき収
率が得られないことが明らかであるため、さらに長時間の反応は行わなかった。
高温における反応によって最初の1時間でBetaの正味の収率が73%となっ
た結果を、上記実施例2の温度399℃において30分のBetaの正味の収率
が43%となった結果と比較すると本結果が好ましいことが分かる。
実施%j3−34 (低温、第2表参照)および実施例3A −34^(高温、
第3表参照)これらの実施例の反応は実施例1に既述した装置および手順に従っ
て行われた。
第2表は温度約400℃の低温で反応を行った結果を示し、第3表は本発明の方
法に従って高温で反応を行った結果を示す。第2表と第3表とを比較すると、高
温における3−メチルビリシンの選択的生成が種々の金属酸化物触媒を用いて劇
的に増加していることが分かる。触媒成分は市販品を購入したものである。標準
的な浸漬性を用いた触媒の担持方法は実施例2^(i)に述べた通りである。供
給流中の有1相は、それぞれの実施例において、表に示した場合を除いてM P
D A (duPontすDYTEK−A)単独である。
健5’ :: ; :呂; 路=路臣路*呂咽 。WM 。7. 。曽曽。
。円。
i″P冨さ呂 零=奪;;;零零 = 吊零=ws 、、1.50 のの□
ののののの で ののの実施例37
本実施例においては、固定層反応器を用いた。反応器は内径1インチ×3フィー
トであり、316ステンレス鋼管よりなる。ガス炉で覆われる代わりにナトリウ
ムを充填したジャケットで覆った。実施例1で用いたものと同様のHarsha
w亜クロム酸銅#りu−1107Tを触媒として用い、反応器に250m1 (
401g)を充填した。触媒の形状は0.125インチxQ、125インチ円筒
状ベレットである。1時間当たり24gのMPDAと26gの水を単ストローク
ピストンポンプから供給して、気化した後に0.5インチ×1フィートのステン
レス鋼管にて電気的に240℃に加熱して、反応器に送った。反応器の温度は5
62℃に保持した。生成物は、氷水に浸したコイル状の管中で凝縮させて捕集し
た。1時間反応を行った後の生成物の分析を実施例1と同様に行った。分析の結
果、94%の転化率が得られ、MePipは生成せずにBetaの正味の収率は
97%であった。
実施例38
本実施例は、実施例2(AXi)と同様に行った。通常の方法によって調製した
平衡クラッキング触媒(6%MoO3含有)に担持した恥03を76hl (7
00g)用いた。原料有機物はMGNの水素化物であり、42%のMePip、
51%のMPDAおよび7%の有機物副生成物からなっていた。1時間当たり、
220gのMGNの水素化生成物、230gの水および209リツトルの窒素を
供給して、反応温度を550℃とした。その結果、最初の30分での原料の転化
率は99%であり、Betaの正味の収率は76%であった。次の30分の原料
の転化率は100%であり、Betaの正味の収率は83であった。回収生成物
中に、僅かに微量のMePipが認められた。
補正書の翻訳文提出書
(特許法第184条の8)
平成 3年 1月l1日
特許庁長官 植 松 敏 殿 隣(1、
特許出願の表示
PCT/US89102969
2、発明の名称
3−メチルピリジンの選択的製造のための高温における製造方法3、特許出願人
住 所 アメリカ合衆国インディアナ用46204゜名 称 レイリー・イ
ンダストリーズ・インコーホレーテッド4、代理人
住 所 東京都千代田区大手町二丁目2番1号新大手町ビル 206区
5、補正書の提出日
平成2年 6月27日
例えば、温度約500−600°Cの範囲でなされる反応では転化率が最大とな
り、実施例および表に示される多種類の金属酸化物触媒によって所望の3−メチ
ルピリジンが得られる。現在のところ転化率が最大であって、かつ以下の述べる
他の有利な点もある温度約550°Cが好ましい。この点に関し、与えられた条
件の下で、それぞれの反応毎に温度を含めた最適条件を見いだす必要がある。
出願人の用いる反応は固定層または流動床操作に適していることがわかった。
当該分野における固定層反応器は実際に、そして文献においてもよ(知られてい
る。流動床反応器についても、変数が多いものの同様のことがいえる。例えば気
化した反応物の供給速度は、触媒床が十分に流動化するような大きさにする。通
常、空塔速度は約0.25ft/sec (0,08m/ 5ee)から3.0
ft/sec (0,9m/5ec)である。
条件によっては、さらに高い又はさらに低い速度を選んでもよい。反応生成物は
凝縮して捕集され、それぞれの生成物毎に分離されて蒸留によって回収される。
以下で述べるように、反応によってピペリジンおよびピリジン誘導体の混合物が
生成した場合には、残ったピペリジンは更に触媒脱水素化するために混合物へ戻
す。他方ピリジンは分離されて、ピペリジン成分のみが反応器に戻され再使用さ
れる。どんな場合でも、出願人が用いる方法とその他の方法とでは、流動床また
は固定層反応器の構成および操作に差異はない。特定の事項及びそのような反応
器の操作に関しての資料は、文献または当該分野の他の情報から得られるもので
あって、当業者には既知のものである。
使用する出発物質に関しては、好ましい供給流には反応物として、一定量の2−
メチル−1,5−ペンタンシアミン(MPDA)のみを含むことが必要である。
この脂肪族化合物は気化されて、加熱された触媒床へ供給され反応が起こる。上
述したように、3−メチルピリジンが高収率で選択的に生成することを妨害しな
い限り、他の物質が供給流中に存在してもよい。
例えば、従来の反応条件においてはペンタンシアミンは環化してピリジンとピペ
リジン誘導体の混合物を生成することが知られているため、3−メチルピペリジ
ンに相当する化合物を、本発明の好ましい有利な点を減することなく、供給原料
に含めていた。存在する3−メチルピペリジンは単に脱水素化されて所望の3−
メチルビリシンがより多(生成する。ペンタンシアミンは2−メチルグルタルニ
トリル(MGN)のようなジニトリルの水素化によって得られ、MGNはピペリ
ジンのような環化化合物を副生成物として生成するため、本発明の反応に用いら
れる有用な供給原料はMGNの水素化によって得られたペンタンジアミンとピペ
リジン誘導体の混合物である。原料成分としてのMGNの水素化によって生成し
た物質の分離はかかる条件下では不要である。これにより、当該分野における多
(の従来方法よりも実質的に時間と経費の節約となる。
実施例37を除くすべての場合において流動床反応器を用いた。反応器は内径1
6インチ(4,1cm) x5フィート(1,5m)であり、316ステンレス
管よりなる。下部3フイート(0,9m)はガス炉て覆われており、フィルター
を備えた内径5インチ(]3c+b)の分離ベルが頂部に設けられている。触媒
は一般に750m1充填される。触媒の粒径は流動化に都合のよい大きさであっ
て、一般に約20−850μm(またはミクロン)の範囲である。これに関する
要点は、粒子床を流動化させることがてきることであり、この目的のために、用
いられる反応装置によって好ましい粒径は異なる。使用する原料気化器は電気加
熱方式であり、075インチ(1,9cm) X26インチ(66cm)のステ
ンレス鋼管である。気化した原料は、穿孔された管状スプレーを用いて床へ導入
される。気体は025−インチ(0,64c+n) x20インチ(51cm)
ステンレス鋼管に通すことによって電気的に前加熱される。前加熱された気体は
分配板を用いて床へ導入される。
実施例1
1時間当たり80gのMPDAと95gの水を、計量ブローポットから625m
1 (1107g)の触媒が充填しである流動床反応器へ供給した。触媒は)l
arshaマの亜クロム酸銅触媒(# Cu 1107T、 33%CuO1
37%Cr2O3,7%BaOを活性成分として含有する)である。M P D
Aは、E、 1. duPont de Nemours & Compan
yがDYTEK−、への商標名で販売しているものを使用した。特に言及しない
限り以下のすべての実施例においてかかるMP D 、Aを使用した。触媒は1
錠剤の形状をしているものを粉砕して20メ・・/シュ(850μ111)のス
クリーンを通過するようにした。原料は気化させて360℃に加熱した。同時に
1時間当たり500リツトルの水素(モル比 B2/M P D A = 30
)を160℃に加熱して反応器へ導入した。反応器の温度は395℃に維持した
。生成物は凝縮によって捕集した。凝縮器は水冷6フイート(1,8m)のもの
で、その後に氷水に浸したコイル管がある。最初の30分間の反応の生成物をガ
スクロマトグラフィーによって分析したところ、100%の転化率であり、Me
Pipの正味の収率は17%であり、Betaの正味の収率は80%であった。
これは、従来の高価な貴金属触媒を用いた反応と比較しても非常に高い結果であ
る。次の30分間の反応の生成物は、100%の転化率であり、Betaの正味
の収率は43%であり、依然として高いものである。しかしながら、MePip
の正味の収率は51%に増加してL\る。これは、触媒の不活性化状態を示すも
ので、通常観察されるものであり、本反応のかかる温度において当該分野で報告
されているものである。それぞれの反応で得られたMePipは、所望のBet
a生成物をさらに生成させるために、供給流として再使用される。
実施例1^
反応温度を497℃として、実施例1と同様に反応を行った。B2/’M P
D 、Aのモル比は8であり、H20/M P D Aのモル比は64であった
。Sup、 Vel、は1.4 (0,43m/5ec)であった。30分間で
の本反応による転化率は100%であり、MePipの正味の収率は9%であり
、Betaの正味の収率は75%であった。別の実験では、同様の触媒
(Harshaw 亜クロム酸銅触媒 ::Cu−1107T)を用いて温度
約550℃において連続反応を行ったところ、触媒の再生を行わずとも、高温に
おいて長期間B e i、 aが選択的に生成することが分かった。結果を下記
の第】表に示す。第1表では(1)および(ii)は30分間の反応であり、(
iii) −(vii)は60分間の反応である。
実施例2
温度399℃にて実施例1と同様に反応を行った。触媒はシリカに担持した恥0
3であり(10%M003.78%シリカおよび12%アルミナを含む)、下記
の実施例2A(i)に記載されている標準的な方法で調製した。H2/M P
D Aのモル比は5であり、1120/M P D Aのモル比は7,2であっ
た。Sup、 Vel、は1.、 Oft/ sec (0,3m/ 5ee)
であった。30分間の反応で、転化率は100%であり、MePipの正味の収
率は8%であり、Betaの正味の収率は43%であった。
実施例2A(i)
シリカ−アルミナに担持した750m1 (535g)のMoO3を触媒として
用い(10%MoO3,78%シリカおよび12%アルミナを含む)、水素の代
わりに窒素を用い、反応温度を545℃に上昇させて実施例1と同様に反応を行
った。触媒の調製は標準的な方法に従った。すなわち、600gのシリカ−アル
ミナを、78gのモリブデン酸を含む濃水酸化アンモニウム溶液480m1に浸
した。−晩乾燥させて、温度500℃にて焼成した。その後、1時間当たり15
7gのMPDA、174gの水および209リツトルの窒素(モル比N2/MP
DA=6)を供給した。最初の30分の転化率は100%であり、MePipの
正味の収率は0.3%であり、Betaの正味の収率は97%であった。
次の30分間の転化率は100%であり、MePipの正味の収率は0.4%で
あり、Betaの正味の収率は95%であった。これら双方の結果ともに、Be
taが極めて高い選択性をもって生成したことを示し、従来方法をはるかに上回
るものであった。
W9 Ju 1u玉彊デ灰罠 ミ 1哩実施例37
本実施例においては、固定層反応器を用いた。反応器は内径1インチ(2,5c
m)×3フィート(91cm)であり、316ステンレス鋼管よりなる。ガス炉
で覆われる代わりにナトリウムを充填したジャケットで覆った。実施例1で用い
たものと同様のHarshaw亜クロム酸銅:Cu−11077を触媒として用
い、反応器に250m1 (401g)を充填した。触媒の形状は0.125イ
ンチ(0,32cm) Xo、125インチ(0,32cm)円筒状ペレットで
ある。1時間当たり24gのMPDAと26gの水を単ストロークピストンポン
プから供給して、気化した後に0.5インチ(1,3ca+) x1フィート(
301)のステンレス鋼管にて電気的に240℃に加熱して、反応器に送った。
反応器の温度は552℃に保持した。生成物は、氷水に浸したコイル状の管中で
凝縮させて捕集した。1時間反応を行った後の生成物の分析を実施例1と同様に
行った。分析の結果、94%の転化率が得られ、MePipは生成せずにBet
aの正味の収率は本実施例は、実施例2(AMi)と同様1;行った。通常の方
法によって調製した平衡クラブキング触媒(6%MoO3含有)に担持したMo
O3を760m1 (700g)用いた。原料有機物はMGNの水素化物であり
、42%のMePip、51%のMPDAおよび7%の有機物副生成物からなっ
ていた。1時間当たり、220gのMGNの水素化生成物、230gの水および
209リツトルの窒素を供給して、反応温度を550℃とした。その結果、最初
の30分での原料の転化率は99%であり、Betaの正味の収率は76%であ
った。次の30分の原料の転化率は100%であり、Betaの正味の収率は8
3であった。回収生成物中に、僅かに微量のMePipが認められた。
国際調査報告
国際調査報告