【発明の詳細な説明】
テニスラケット
本発明は、糸を張った面(strung 5urface)の範囲を定めるフレ
ームと、その後端部が柄を形成するように会合する該フレームの端部間の空所を
含む部分によって該フレームに結合された柄と、該柄から最も離れた端が一般に
先端(tip)と呼ばれているフレームを閉じるヨーク(yoke )とによっ
て構成され、前記糸を張った面が、前記柄と一直線に列をなしているフレームの
対称軸Xと平行に走っている一般に主糸(main strings)と呼ばれ
る複数の糸と、前記軸Xに対して垂直な軸Yと平行に走り、また実質的に中央部
において前記軸χと交差している一般に交差糸(cross 5triBs)と
呼ばれる複数の糸によって形成されているテニスラケットに関する。
1965年においては、大抵のテニスラケットの糸を張った面の面積は、多年の
間依然として変わらないままであり、そしてまれに451 am”を越えた。し
かし、1970年以来、金属の使用、そして何よりもガラス繊維で強化されたプ
ラスチック材料及び更に最近は炭素、ホウ素、又はセラミックの繊維で強化され
たプラスチック材料の使用が、680 c+*2と同量の、即ち通常の伝統的な
面積である451 am2よりも50%以上も大きい糸を張った面積を有し、ま
た時には34clI以上長い長軸と260m以上長い短軸を有する多かれ少なか
れ卵形の大寸法のフレームを製造することを可能にした。このようなラケットは
、米国特許第3999756号に記載されている。
このような糸を張った面積の場合、生糸と交差糸の長さが当然増大せしめられる
。これは、全体としてガツト(stringiB)の増進された反発弾性(re
silience)を起こし、またそれは高いエネルギーの復原(restit
ution)を起こす領域の大きさを増す。
しかし、340グラム(g>以下の重量があり、また柄の端から31 cmの所
にあるその平衡点を有する大寸法ラケットの場合でも、451 am2の糸を張
った面積、275gの重量、及び柄の端から33 c+eの所に平衡点を有する
ラケットを使用するときとほぼ同速度をボールに与えることかを可能である。
多くの初心者、老年のプレーヤー、及び時折テニスをするにすぎないプレーヤー
は、満足な結果を得るために力がほとんど要らないこのようなラケットを大いに
高く評価する。
しかし、その他のプレーヤー、特にベストプレーヤーは、フレームの大きな寸法
が、ラケットの空気力学的抵抗を増し、また扱いを困難にし、特に例えばサーブ
の打ち返しのために必要とされる素早い動きを妨げると考える。
更に、プレーの速度が、何よりも大寸法ラケットの複数の糸の反発弾性に起因す
るとき、十分な正確さと制球(c+)ntrol )を得ることが可能ではない
、結局、正確さが強力なストロークに起因する変形及び振動に影響されることは
ありそうである。
はぼ卵形のフレームを使用するとき、最良の材料を使用して製造されるときでも
、このような変形と振動は、多かれ少なかれフレームの寸法に依存する。
とにかく、総てのプレーヤーが451 am2以上の面積を有するラケットの利
点を高く評価しても、今日製造されている大抵のラケットは、590 cm”以
下の糸を張った面積を有している。
ベストプレーヤーは、しばしば約540c■2の面積を有するラケットのみを使
用する。
このようなラケットの場合、プレーヤーが、(はぼ卵形の糸を張った面について
)最も長い主糸が最も長い交差糸と交わる箇所に非常に近い箇所でボールを打つ
ことに十分に熟練しているとき、良好な動作(perforwlance> 、
良好なエネルギーの復原、良好なプレーをする正確さを同時に得ることが可能で
ある。
しかし、総てのプレーヤーがこの結果を得ることに十分に熟練しているわけでは
ない。
一例として、現代のテニスの最も重要なストローク、即ちサーブ及びサーブの打
ち返し中に何が起きるかを考えてみよう。
ストロボスコープ及び電子装置(stroboscopic and elec
−tronie equipement)によって行われた糸の摩耗に関する研
究、及び実験は、次のことを証明した。即ち、プレーヤーは、概してフレームの
対称軸に近い複数の箇所で比較的容易にボールを打つことを首尾よく行うけれど
も、特に、いつもよりもより強く、より背の高いプレーヤーからの最も速いサー
ブを打ち返すことになるとき、最良のプレーヤーでも、彼らの動作を変える時間
を、また何よりも、軸Xの中央から離れている部分でボールを打つことを避ける
ように十分に速く移動する時間を、好ましいようには持たない。
サーブの打ち返しのなめに、プレーヤーは、一般に大きなスイングをするのに十
分な時間を持たず、またそれ故、サーバーが前方に突進することを不便にするた
めにネットの上を低く通過すべきである打ち返しのショットに関して十分な速度
と正確さを得るために、十分な(また何よりも均一な)ガツトによる復原に頼ら
なければならない。
また、サーブをするとき、若干のプレーヤーは、慎重に又は直観的に、そのヨー
クよりもラケットの先端により近い箇所でボールを打つ。
残念ながら、伝統的な糸を張った面の卵形の形状の場合、軸Xの中央からある距
離をおいて衝突(i@pact )があるとすぐに復原が変化し、交差糸の長さ
が急速に減り、また同時に衝突箇所から一方向に、衝突箇所とフレーム9間の主
糸の長さもまた減る。
また多かれ少なかれ形状が長方形のラケットを使用することにより、糸を張った
面の全部の反発弾性を増加することも可能であるが、しかし、糸を張った(st
ringing)後の糸の張力の同等に関する主要な欠点があり、また大寸法の
卵形ラケットに関してプレイする正確さが減じられ、一方フレームの振動及び変
形が増し、ある複数の箇所で破損を生ずる応力が引き起こされる。
また、フレームがほぼ卵形の形状のとき、フレームを通り抜ける固定孔が実質的
に交差糸と一直線になっているので、ガツトの中央の交差糸の有効な反発弾性が
フレームの外側から伝わるけれども、ラケットの先端又はヨークにより近いその
他の光用の固定孔の軸は、交差糸の方向に対して傾斜しており、それによって、
該交差糸の有効な反発弾性をしてフレームの内側にある(れらの孔の口開のより
短い距離に互ってのみ伝わらせることも当然観察される。
発明の目的
本発明の目的は、糸を張った面の面積が好ましくは540 c+m2と5900
m2の間にあり、軸Xの中間Hに接近して位置する衝撃(percussion
) Pの中心を有しくボールを打つことがプレーヤーの腕に少なくともショック
を生じさせ、いかなる変形効果(translation effect)なし
に、また最小の振動で全ラケットを単に回転させる箇所)を有し、それによって
、ボールが前記箇所P及びhに接近して打たれるときに得られる優れた復原と高
いプレーをする正確さを与え、またそれによって該復原及び該正確さは、対称軸
Xに沿ってのみならずその両方の側で、はぼ多罪形の糸を張った面を使用すると
きよりもずっと長い長さに互ってほぼ均一のままであり、一方ラケットの先端ま
たはヨークに比較的近い箇所でボールが打たれるとき得られる結果がずっと大き
な全体の面積の糸を張った面について得られる結果に匹敵するラケットを提供す
ることである。
発明の要約
本発明によるラケットの糸を張った面は、軸Yに平行に走る複数の線によって互
いから分離されている五つの領域を備え、それらの領域は、少なくとも三つの交
差糸を含み、また、衝撃中心及びX軸とY軸が交差する部分をも包含する中央の
領域^と、また該中央の領域の両側の、その複数の交差糸の平均の長さ及び結果
としての反発弾性が中央の領域における複数の交差糸のそれらよりも大きい二つ
の領域B及びCと、またラケットの先端及びそのヨークに達している二つのその
他の領域り及びEを包含しており、これらのその他の領域の面積は、はぼ卵形の
糸を張った面を有する同寸法のラケットの相応する面積よりも大きい。
本発明の限定しない例の主な特徴は、本発明に従って糸を張った表面と現在広く
用いられている二つのラケットの糸で張った表面の比較からはっきりする。
第1図は、伝統的な昔からの面積の451 cm”を、34%だけ越える604
am”の面積を有し、それ故「超中間寸法(5uper閤1d−size)
Jの範噛に置かれるラケットの糸を張った面を示し、第2図は、451 cm”
の面積を20%以下だけ越える533e1m’の面積を有し、それ故[小中間寸
法(small 5id−size) Jの範喘に置かれるもう一つのこのよう
なラケットの糸を張った面を示し、
第3図は、本発明によるラケットの糸を張った面を示し、第4図は、図を簡単に
するために主糸を省略した、拡大寸法の第3図の糸を張った面を示し、
第5図は、本発明のラケットと二つの他の伝統的なラケットの軸Xに沿った縦方
向の復原を示すグラフであり、第6図は、軸Yに沿った横方向の復原を示す同様
なグラフであり、
第7図は、衝突の後の時間の関数として振動の減衰を示すグラフであり、
第8図は、軸Xに沿った衝突箇所の位置の関数として縦方向の減衰を示すグラフ
であり、
第9図は、軸Yに沿った横方向の減衰のグラフであり、また
第10図は、実験室の試験で使用された測定箇所を示すプロ理解を容易にするた
めに、ガツトそれ自身は、図に示されていないが、当然にガツトは伝統的なもの
であり、また各フレームに張られている。
第1図において、最も長い主糸は32CIIの長さであり、また最も長い交差糸
は24 cmの長さである。
第2図において、最も長い主糸は30.5 cmの長さであり、また最も長い交
差糸は22.2 amの長さである。
第3及び第4図において、最も長い生糸は第2図におけるのと同様な長さを有し
、一方軸Yに近い交差糸は第2図の最も長い交差糸と同じ22.2 cmを有す
る。
第4図において、点線の輪郭は第2図の糸を張った面を示す。
点Nは軸XとYの交点を示し、また点Pは本発明による糸を張った表面を有する
ラケットの衝撃の中心を示す。
それらの点の間で衝突が最良の結果を与えるところの点れ及びPの両側の二つの
点線は、三つの交差糸を有する中央の領域^の範囲を定める。他の二つの線は、
おのおの四つの糸を有し、領域^の両側に配置されている領域B及びCの範囲を
定め、これらの線は、二つの更に別の領域り及びEの範囲をも定め、これらの領
域は、それぞれ、ラケットの先端に、またそのヨークに達している。
第4図は、領域^における三つの交差糸が、第4図において点線の輪郭によって
示されるように、第2図の糸を張った面の中間の交差糸とほぼ同じ長さを有する
ことを示す。
本発明によって、領域B及びCの少なくとも三つの交差糸は、領域^の交差糸よ
りも5− 乃至10M11だけそれぞれ僅かに長く、また第2図の糸を張った面
を示す点線の輪郭によって範囲を定められた交差糸の長さよりもかなり長い。
第4図は、また領域B及びCの交差糸の長さが自動的に領域り及びEのより長い
第一の交差糸を生じさせ、またしたがって第2図の対応する部分を示す点線の輪
郭によって限定されるときのそれらの長さよりもかなり長いことを示している。
第1図の線は、二つの領域F及びGの範囲を定め、それらの軸Xに対して平行な
幅は領域り及びEの幅に等しい。
第4図において分かるように、領域り及びEの領域が第2図の糸を張った面を示
す点線の輪郭によって範囲を定められるときのそれらの面積よりもかなり大きい
。
更に、領域り及びEの面積と領域F及びGの面積を測定することにより分かるよ
うに、本発明によるラケットの糸を張つた面全体の面積は、第1図のそれよりも
小さいけれども(572cm”対604 cm2)、領域り及びEの面積(13
6c*2及び135 e++”)は領域F及びGの面積(135cm”及び13
1 am2)よりも大きい。
」■
その登録商標エキシエト(Equ i jet )の下にラシュミーズラコステ
(La Che+*ise Lacoste)によって販売されている型の本発
明によるプロトタイブラケットが、第1図に示されるようなほぼ卵形の糸を張っ
た面を有する伝統的な形のラケット、あるいは604c鋤2よりも一層大きな面
積の糸を張った面を有する伝統的な形のラケッI・を普通使用するプレイヤーに
最初に与えられた。
本発明にによるエキシエトラケットを 572 am2のそれらの糸を張った面
積のおかげでより容易に移動することが出来る容易さにすぐに気づいた後、これ
らのプレーヤーは、エキシニドラケットが大きな糸を張った面積を有する彼らの
通常のラケットについて彼らが好み、また特に彼らが中央から外れた(off−
center)打撃から得られる良好な結果を好んだ良好な一般的な反発弾性と
同じ感覚と全体に亙り向上せしめられたプレーする正確さを備えていることを非
常に迅速に見いだした。
5330m2の糸を張った面積を有する第2図示の型のラケットを普通使用する
非常に有能なプレーヤーは、彼らがエキシエトによって同じプレーをする速度(
playing 5peed)を得たと述べ、またある人たちは、彼らがボール
をより速くサーブでき、また皆が特にサーブの打ち返しに関して得られたプレー
をする正確さくplayiB accuracy)に、また殆ど全体的に振動が
ないことに快く驚き、それは愉快な、気持ちの良い感触を生じさせた。
本発明によって得られた利点をより正確に特定するために、またより高い正確さ
のみならずより大きなプレーをする楽しみ(playiB comfort)を
得ることを可能にするために2発明者等は、プレー中に電子的測定を行い、また
エキシエトラケット(糸を張った面積572 am”)を、599 am2の糸
を張った面積を有するトップ(Top) 340と呼ばれる一つと(第1図にお
いて示されるよりも僅かに小さい)、第2図示のラケット(533cm2)より
もエキシエトの糸を張った面積により近い563e1m2の糸を張った面積を有
するトップ240と呼ばれるもう一つの二つの新しい型のラケットと比較するた
めに、実験室の試験を行った。「トップ」ラケットは、本出願人によって製造さ
れている。
7ヤ:」ゴAすに13」賓1(
これらの測定は、モニター「スポーツにおける革新及び開発(1nnovati
on and research in 5port) jに据え付けられた施
設によって行われた。
非常にうまいプレーヤーが速いサーブを、即ちラリ−でボールを打つことを行う
ために募られた。
三つの型のラケットの各々について、24個のボールが各ラケット上の三つの箇
所、即ちガツトの中央の箇所po + POとヨーク間の箇所PE 、及びPO
とラケットのフレームの先端の端部の間の部箇所PTの各々によってできるかぎ
り正確に打たれた。
衝突直前のラケットの速度と衝突後のボールの速度は、オルトトロン(0rth
otron )ストロボスコープを使用して100 Hzの周波数で測定された
。
結果は、120 km1時間で移動するラケットについて下記の表に要約されて
いる。
エキシエトラケットのガツトについて:ボール速度側るラケット速度(VB/V
R)として表示される復原は、箇所POにおいて1.8であり、箇所PEにおい
て1.77であり、また点PTにおいて1.8である。それ故、箇所POにおけ
る復原の1.8に比べて、前記三つの筒所の各々における復原について全部で0
.04の小さな差があるに過ぎず、0.02の平均の差があるのみである。
トップ340ラケツ1〜のガツトについて、表に、三つの箇所間の復原の全体の
差が、平均の差の0.145に対して0.29であることを示す数字を提供する
。
トップ240のガツトについて、表は復原の全体の差が0.25であり、また平
均の差が0.125であることを示す数字を提供する。
0.145及び0.125と比べて、これらの0.02の復原の差は、プレーの
「感覚(feel)」に対して、また特に本発明のエキシエトラケットを使用し
て得られた高い正確さについての適切な説明を提供する。
ラケットの型 本発明の トップ トップエキシエト 34
0 240ガ’yトの面11 575 am2599 am256
3 cm2復原 数点PO]、、80 1.91 1.7
0ボールの速度 数点PE 1.77 1.81 1..88ラ
ケツトの速度 数点PT 1.81 1.73 1.77POと他
の2点間
の全体の差 0.04 0.29 0.25その他のラ
ケットの速度: 110 k@/時間及び130 k+m/時間で行われた測定
は比較の結果を与えた。
また上の数字、例えばPOにおける復原の数字から、より速いサーブのボールは
、トップ340ラケツトについて得られ、またより遅いボールは、トップ240
ラケツトについて得られるが、しかし、ラケットの速度もまた、ボールの速度が
ラケットの速度に比例するので、考慮されなければならず、また両速度は、当然
に糸を張った面積に依存する空気力学的抵抗によって影響されることが考えられ
る。
東−験−窯9.試−1
同三つのラケットに関する試験が、その実験室がフランスで製造される航空機及
びロケットに使用される多くの装置及び器械を試験するために使用されるソベミ
ア(5ope*ea )商会によって行われた。
本発明によるガツトによって得られ利点をより正確に特定するために、そのフレ
ームが、該フレームの振動を排除するために堅く固定された後に該三つのラケッ
トの各々の糸の振動の比較が行われた。ガツトの共振周波数は、ガツトを打つた
めの励振ハンマ(excitation hammer) (センサに備え付
けられている)とガツトに取り付けられた加速度計によって測定された。
第1の共振周波数に作用して、2 kgの質量に相当する牽引力が多数の箇所に
加えられ、該牽引力は、次にそれを伝えていたコードを燃やすことによって衝撃
なしに解放された。
解放のあとの加速度は、ガツトに固定された0、05グラムの重量を有するエン
デブコ(Endevco ) 2222C加速度計によって記録され、そして得
られた信号は、ガツトの種々の共振周波数に対応する種々のエネルギーの数値を
求める80380分析器によって処理された。
全部のエネルギーEtが周波数の各々について観測されたエネルギーの総ての和
に相当するので、ガツトの第1の共振周波数に対応するエネルギー最大値Erが
、かくして測定された。
ガツトの上の所定の箇所i、において、箇所の復原(pointrestitu
tion )は、
ri ・(Eri/Et)
によって与えられる。
次いで、ボールによって打たれた箇所の関数として各ガツトの復原を比較するた
めに、各箇所1−における復原が次のように百分率として標準化された。
Ri%−100X (ri/r最大値)この式において、r最大値=Max (
rl、r2.−、rn)
第5図において、数4.3,2,1,5,6.7は2.4 cmの間隔で、三本
の糸の軸Xに沿った複数の箇所の位置を示す、数1は中央の交差糸の位置を示す
、軸X及びYの方向の測定箇所の配置は第10図に示されている。
第5図のグラフにおいて、三つの曲線は、研究中の三つのラケットの各々につい
て、種々の圧力が及ぼされる複数の箇所の位置の関数としてガツトについて復原
がどのように変化するかを示している。
このように、本発明のエキシニドラケットについて、箇所3と4の間の復原と箇
所5と6の間の復原が、ガツトの幾何学的中心にある箇所1における復原の80
%であることが分かる。複数の箇所が2.40−の間隔で与えられるとすると、
復原は、かくして9.6 cmのガツトの長さに亙り、80%に等しいか、又は
それ以上である。
対照的に、中心から離れて移動するとき、トップ340のガツトの場合、復原は
幾分速く減少し、またトップ240のガツトの場合、ずっと速く減少し、後者の
場合、80%の数字は長さの約半分のみに互って維持されるだけである。
第6図は、幾何学的中心の両側の軸Yに沿って定められた複数の箇所について、
三つのラケットについて起きることを示している。この場合、復原の変化は、三
つのラケット総てについて同量である。箇所9,8,1,10.11は、間隔2
.4 cmで軸Y上にある複数の箇所であり、箇所1は中央の主糸の位置を占め
ている。
しかし、上に述べたように、ラケットは、軸Xにできる限り近くでボールを打つ
ために、単純な手首の運動によって上げられ、又は下げられるのに対して、特に
速いサーブをレシーブするとき、軸Yの中央の幾何学的中心で、或はともかく軸
Yの近くでボールを打つことを確実にすることは、まして困難である。それが軸
Xに沿って9cII以上に互り復原の少なくとも80%を維持することができる
ことが極めて有効である理由である。
ガツトの種々の箇所における復原を測定するために使用された振動曲線は、また
振動の減衰を研究するためにも使用された。
第7図の例の振動において、信号の振幅が指数関数的に減少せしめられることが
分かる。
それ故、減衰の基準(criterion )は、次の式によって定義される。
α=λ/2πfこの式において、
fは振動周波数であり、
λは最大振幅の種々の値から測定された値である。
第8図及び第9図は、ガツト上の衝突箇所の位置の関数としてこの減衰基準を示
すグラフである。
当然に、減衰がより大きいほど、振動はより迅速に消失する。
これらの条件下で、第8図及び第9図で分かるように、ボールが軸Yに沿うのみ
ならず軸Xに沿って幾何学的中心の付近に40−以上の距離に互って広がる領域
でボールが打たれるとき、αは、他の二つのラケットが軸Xに沿って3%を、又
は軸Yに沿って3.5%を決して越えないのに対して、本発明のラケットに対し
て4%乃至5%の範囲にあり、またガツトの幾何学的中心において、2%以上に
なることは殆どなく、このことは、振動の消失が他の二つのラケットのいずれに
よる場合よりも本発明のラケットの場合、まして迅速であり、またボールを打つ
ことが、特にガツトの幾何学的中心において、確かにより好ましく、より有効で
あることを示す。
杢光g−49よ一?−ズー、得、ら、、g−な、利点。
上に述べたプレーの電子的測定及び実験室の試験は、本発明のラケットを試験し
たプレーヤーの観察を確認するものである。
道理にあった寸法により、これらのラケットは、小さな糸を張った面を有するラ
ケットを使用して得られる多くの利点と共に大きな糸を張った面を有するラケッ
トを使用して得られる多くの利点を得るものであり、−万全気力学的抵抗により
扱いにくいとされる取り扱いの欠点、及び大きな表面にあてはまる正確さの不足
とボールがガツトの中心で正確に打たれないときの不快を伴う小さな表面の低い
復原を避ける。
実験室の試験は、また、全く驚くべきことに、本発明が、ガツトの中心において
、またその両側で、振動のより速い減衰を提供し、かくしてベストプレーヤーに
ついて快適さを増進し、正確さを増すことも示した。
加えて、本発明の糸を張った面の軸Yの端部の付近の二つの側は、波状で(si
nuous)あることを必要とし、それによってそれらはフレームを堅くし、ま
たフレームの振動に多分影響を及ぼし、それは、波形(corrugation
s)が、鋼板の振動を減少させる目的でそれらの側部に見られるユニの車の車体
製作に期待されることに匹敵する。波形部分の曲率半径が、領域B及びCにおい
て、領域へに最も近い交差糸を受ける孔の軸が、フレームの外側で糸に対して余
りにも鋭角過ぎる角度を生ずることなく、糸と一直線になっているのに対して、
領域^において、三つの交差糸が全部はぼ同長さであるようなものであり、また
これは、これらの糸の反発弾性を、糸がフレームの中心の方に傾斜している孔の
開口に多かれ少なかれもたれかからねばならないときよりも、偏かに長い長さに
亙って利用することができることを意味することに注目することは興味深いこと
である。
第4図において、領域B及びCの交差糸の長さのため、フレームの外側の端部の
幅が、BをDから分離し、またCをEから分離する複数の線の端において、軸X
の回りのラケットの慣性モーメントの有効な少量の増加を生じさせ、それによっ
て、軸Xを僅かに外れて打たれるとき、卵形の糸を張った表面を持ったラケット
と比べてプレーヤーの手中で回転するラケットの傾向を減少させる。
結局、本発明により、例えば現代のテニスにおいて最も重要なストローク中、特
にサーブの速度及びサーブの打ち返しの正確さによって、プレー中に最良の可能
な結果が得られる。
勿論、多数の変形を発明の範囲を越えることなく、特に技術的に投下の手段と取
り替えることによって考えることができるものである。
個所番号
個所番号
国際調査報告
国際調査報告